魔法少女リリカルなのはmemories 第二章 再開するまでの記憶(メモリー) 第十三話 |
なのはは先ほど聞いた話を聞いて彼らの後を追っていた。どうするか考えている間にかなりのタイムロスをしてしまったため、かなり先まで行ってしまったが、彼らが歩いて行った方向が分かっている為、迷わずそっちの方向へ走って行ったのだ。
それでもかなりの距離が離れているし、全力で走らないと追い付けないぐらいで、かれこれもう二十分以上は走り続けている。デバイスを起動させて上空を移動するというのもあるが、上空を移動することになるとその分フェイト達に見つかる可能性が高くなる。なのでなのはが取った行動がなるべく見つからず、尚且つ先ほどの白衣を着ていた彼らを追える最善の方法なのだ。
――はぁ、はぁ、もうちょっと運動しておけば良かったかな。昔から苦手だったけど、魔力に気付かせないようにするには走るしかないの
しかしなのはは魔法で移動する事が多いし昔から運動は苦手なため、なのはは走って十分もしないうちに早く息を切らしながら走っていたのだ。魔法を使えば相手に魔力が探知されるかもしれないので走るしか方法がないため、たとえ運度が苦手でも走るしかないのだ。
けどなのははそんな事で諦めずに前に向かって走っていた。そんなほんの些細なことで諦めていたらアホ臭いし、そもそもなのはがそんなことで諦めるわけがなかった。かなり汗もかなり掻いてあったが、周りが森林なおかげもあって涼しさを感じられ、三十分走りっぱなしにしてはそれほどでもなかった。息切れは起こしていたが、まだ走れるぐらいではあったのだ。
それからさらにはしって数分後、なのはが走っていると、この先には森林の中にはかなり不自然な大きな扉みたいなものがあり、なのはは一度近くの木に潜めるのだった。
――あれは一体なんなの?とても不自然の中ににあるけど、扉の先には一体何があるというの?しかもこの場所って、上空から見ても全く気付かれないところに建っているし
なのはは一度周りを見てみると、ほかの所より先ほどまでなのはが居た所の森林の大きさよりかなり大きくなっており、倍以上の木々もあるような感じであり、その森林がこの大きな扉を隠しているのだった。どうやら先ほどの森林の場所よりもかなり深いところに居るらしく、普通にこんなところに入ってしまったら迷ってもおかしくないような場所で、それを見つけた人から見ればどう見ても何かに隠れて建てられたものだと分かってしまうぐらいなほど、とても怪しそうなところだった。
そして、その入り口の前には先ほどの白衣を着た彼らがおったが、なんか入口の前で慌ただしくしていた。その理由を確かめようとなのはは木の中から様子をうかがうと、どうやら彼らが運んでいた袋の中で何かが暴れているらしいことが分かった。そしてその暴れ方はどう見ても人間が袋に閉じ込められた時と同じような暴れ方で、彼らはどうやって止めるべきか考えているところだった。なのはが最初に彼らの話を聞いていた時の話が本当なら、あの袋の中に入っているのは多分魔法ランクがS+もあるくらいなので、あんな袋くらいだと簡単に破けてしまい、逃げ出してしまうため、彼らは冷静にあの袋の中にいる者をどうやって治めるのか考えているのだろうと、なのはは思った。
「レイジングハート、念のため起動させておくよ」
〈了解マスター〉
「レイジングハート・セットアップ」
なのはは相手に聞こえないぐらいの声で言い、同じく小声でレイジングハート・エクセリオンを起動させる。
バリアジャケットを羽織り、レイジングハートをアクセルモードにしておきながら木に背もたれながら待機するのだった。
そしてそれから数分秒もしないうちに、袋の中に入っていた者が自分の魔法を使って袋から破いて姿を現すのだった。袋の中にいたのは16歳ぐらいの少女であり、どうやらあの子供くらいが入る袋にかなり押し込まれて入られたようだ。
しかし出たところまでは良かったが、彼女が今いる場所は敵地のど真ん中と言ってもよく、たとえ彼女を運んでいた彼らを撒いたとしても、この森林周辺は彼らの縄張りに近いものであるため、すぐに捕まってしまうだろう。魔力が良かったとしてもこの周辺の地理を知っていると知っていないだけで、かなりの違いがあるのだから。また、上空を飛べばすぐに解決するかもしれないが、彼女はなのはから見た限りではどう見ても空戦というより陸戦の魔道師に見え、現に彼女は陸戦魔道師であったため、走って逃げるしか方法がなかったのだ。
それでも彼女は、たとえ無駄かもしれないとしても逃げ切って見せようとして、森林の中に走って行った。なのはは今すぐ出ても構わないと思ったが、もう少し様子見をすることにした。もしかすると彼女は逃げ切れるかもしれないし、彼女が逃げ切っている間にも彼らが増援を頼めば、あの大きな扉が開いて中に入れるかもしれなかったからだ。本当なら彼女を救ってもいいのだが、最善の策としてそれが一番いいのだろうと思ったのだ。逃げ切ったとしたらさらに良いことだし、たとえ捕まったとしても自分が救えばいいと思い、さらに言うならば、相手は研究の為に働いている人が多いため、それほど強くもないのだろうとなのはは思ったのだ。
そして彼女が走って行ってから数分後、なのはの予想通りにその大きな扉は開き、約二十人ぐらいの人達が表れて一斉に彼女が逃げた方向へ走って行った。どうやら彼女を確実に捕まえようと、かなりの数を出していったのだろう。なのはは彼らの魔道師ランクが最高でもAAAランクだと感じながら、彼らが居なくなるのを待っていた。
「今だ!」
彼らが居なくなったのを確認すると、なのははあの大きな扉が閉まる前に中に侵入しようと、そこから一気に走り、そしてその扉の中に入ったのだった。
しかしなのははそこで走って来ているときにも感じた同じような違和感を感じた。なぜならなのはが大きな扉の中に入ったとしても、その扉は全く閉まろうとしなかったのだ。走っているときも普通自分たちの縄張りに近いなら気付かれてもおかしくないのに、全く人の気配が無かったのだ。
そしてなのはが大きな扉の中に入って数分してその大きな扉は閉まったのだ。なのははどうやら自分が招待されているのだろうとすぐにわかり、奥に進んでいった。かなり先まで続いており、森林の時の涼しさと同じくらい涼しいが、臭いは無臭で、通りの壁にはいろいろと管みたいなものが続いていた。
それから少し歩くとかなり大きいところに出てきて、周りにはカプセルの中に何かの液体を入れた人間たちが置いてあった。その広い所の構造がまるでジェイル・スカリエッティが使っていたスカエレッティラボに似ていた。
なのはは周りを見て、顔を前に向けると、なのはの少し先に何者かが立っており、なのはが立ち止ると背中を向けていた体をなのはの方に回転させた。
「ようこそ、我がラボに。『エース・オブ・エース』こと高町なのは二等空佐」
彼はフッケバイン事件の後に、世間的なこともあるために、昇格しても戦技教導官として働くことを条件付けて仕方なく二つ昇格したなのはをそう呼び、なのははその呼び方に嫌味らしさが感じた。
「それで、私をわざとここまで来させて一体私に何の用なの」
「君が来たのは私たちが確保した彼女を救うためであって、ここに来るのは単なる偶然。君は本来ならば来るはずがない客なのだから」
「答えになってない!わざわざ何のために私をここまで来させたかを聞いているの!!」
「まぁ、それはのんびり座りながら答えようではないか。立ち話もなんだと思うからさ。言っておくが、この場所が敵地だということを忘れてもらっては困るよ。君が何かをすればすぐに君を捕まえることや殺すことなんて可能なんだから」
「……分かったの」
「それと念のためバリアジャケットも解除してもらうと嬉しいのだが」
なのはは彼の言うことを聞き、無言でバリアジャケットも解除した。ここは彼の言うことを聞いていたほうが得策だろうと思い、もし彼に刃向ったとしたら簡単に捕まってしまうだろう。先ほどの彼の言葉には事実の様に聞こえたし、嘘は付いていないとなのはは思い、彼に従うことしたのだ。
「それではついて来たまえ。ここだと話しにくいだろうし、話しやすい所に行った方が良いだろ」
「それは私に気遣って言っているの?」
「まぁそんなところさ」
なのはが彼の後ろついて行きながら、彼はこの広いホールみたいな所にあった一つの扉の方に向かっていくのだった。
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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