とある異能力違い 2−10 |
《幻想の華〔中盤〕》
〜橋の下〜
「なんなのよあれは!」
「『肉体変化』〔メタモルフォーゼ〕にしては可笑しいですよね」
「肉体変化してもこれは無いだろう・・・」
いきなり現れた胎児?に驚いていた三人だが、胎児?が答えるはずもなく、観察しているのか赤い目でギョロギョロと不気味に辺りを見回していた。
「とりあえずくらなさい!」
容赦なく電撃をあびせる。
胎児?は避けるでもなく、ガードもせずにもろに電撃をくらう。
「吹き飛んだ!?」
(直撃したのに血も出ないなんて、生物以外の化物みたいね)
「キィィィャャャャャャ!!!」
「うわっ!」
「キャ!」
「初春さん危ない!」
最初のように叫んだだけだが、今回は辺りのものを吹き飛ばす衝撃波が飛んでくる。
美琴は瓦礫を盾に、元は初春を抱き寄せて近くの柱へ隠れる。
「あ・あの元さん」
「おっと、ゴメンゴメン抱きつくかたちになっちゃった」
初春はあまりに男と接点が無かったせいか、男子に耐性がなく抱き締められているせいで真っ赤になって軽く放心状態である。
「初春さん!早く逃げて!」
「あの!美坂さん・・」
治療プログラムのことを説明しようとするが、先に胎児?が氷の塊を数個、こちらに飛ばしてきた。
「あーもう!」
電撃で氷の塊を迎撃するが、一個だけ逃してしまう。
「しまった!初春さん危ない!」
「え!?」
目の前の氷の塊に反射的に目をつぶり、体をこわばらせてプログラムだけは守るように初春は屈んで衝撃にそなえたが、衝撃はなく代わりにある声が聞こえた。
「集中力が足りませんよっと」
初春にあたる寸前で元が氷に「昇華」を書いて一瞬で気化させる。
「怪我人に激しい運動をさせるなよ」
「元さんありがとうございます」
「悪かったわね、それにしてもあんたのその力、いったいどんな仕掛けなのよ?そろそろ教えなさい」
「俺に勝ってから言え。それにしてもあれどうすんだよ、今攻撃してないところを見ると、危害さえ加えなければなにもしてはこないみたいだけど」
「ただやみくもに暴れていただけ?」
二人で胎児?を観察する。
「キィィィャャャャャャ!!!」
「何かに苦しんでるみたい」
「今、気づいたんだけど、あれでかくなってね?」
元の言う通り、最初は人ぐらいの大きさであった胎児?だが、今では象並の大きさである。
「キィィィャャャャャャ!!!」
再び胎児?が叫んだとき橋の上から胎児?に向けて、銃撃が始まった。
〜橋の上〜
「応援部隊到着したじゃん!現場状況は・・・最悪じゃん」
アンチスキルの小隊長である黄泉川愛穂は、橋の上で木山春生と交戦中である部隊の応援に来たのだが、あたりは無能力者1人がやったとは思えない状況であった。
「春生・・・・なんでこんなこと・・」
黄泉川も木山がこんなことをするとは思ってなく、元と同じで冗談であってほしかった。
「なんだあれは!生物兵器か!?」
隊員の1人が指差した方向を見ると、例の胎児?が美琴に氷の塊を飛ばしているところであった。
「あれが暴れているのは間違いないじゃん
動けるものは準備しろ、実弾の使用を許可する、うてー!」
〜橋の下〜
「ハハハハハハハすごいな、まさかあんな化物が出てくるとは」
木山はなんとか立ち上がり、近くの柱に寄り掛かって力なく笑っていた。
「まったく学会で発表すれば表彰ものだな、もはやネットワークは私の手を離れ、あの子達を回復させることも、取り戻すことも出来なくなった・・・もうおしまいか・・・」
「諦めないでください!」
声がする方向を見ると、初春、美琴、元の三人がいた。
ふらついている木山に元は肩をかして座らせる。
「春生先生大丈夫ですか」
「元君すまない、いつも君に迷惑をかけてしまっているね」
「酔っぱらった愛穂姉に比べたら、遥かに楽ですよハハッ」
木山を柱に寄り掛かるように座らせたのち、三人は正面に立った。
「で、あれはいったいなんなの?」
「AIM拡散力場のおそらく集合体だろう。
仮に『幻想猛獣』〔AIMバースト〕とでも名付けようか。
幻想御手によって束ねられた一万人のAIM拡散力場、それらが触媒となって産み出された潜在意識の集合体、思念の塊といったところであろう」
「ふ〜ん、どうすれば止まるの?」
「それを私に聞くのかね、今の私が何をいっても君達には・・・」
そこまでいった木山の前に初春が両手をつき出す。
「私の手錠、はずしてくれたの木山先生ですよね」
「え!?あんたが外したんじゃないの?」
「この怪我人にそんなことが出来ると思いで?
春生先生は無愛想に見えるけど、根っからのいい人だからね」
「そんな人間などではない気まぐれさ、まさかそんなことで私を」
木山は馬鹿馬鹿しいと笑う。
「それに木山先生が子供を助けるのに嘘をつくはずがありません。信じます!」
『先生のことしんじてるもん!』
木山には、一瞬過去の女の子と初春が重なって見えた。
「初春さん、聞いてたの」
「そりゃああんなに大声で叫んでればな」
「はい、バッチリと」
三人が話しているあいだ、木山は先程の初春の言葉に昔を思いだしていた。
(まったく・・・子供というものは・・・)
「幻想猛獣はネットワークが産み出した怪物、ネットワークを破壊すれば止められる」
「この治療プログラムで」
「試してみる価値はあるな」
これでやるべきことは決まった。
三人は行動にうつすために簡単な会議をする。
「私はあれをなんとかする。
初春さんはそれを持ってアンチスキルの所まで行って、あんたは一緒にあれをやるわよ」
「わかりました!」
「片手なんだけど俺」
「それじゃあ行くわよ!」
「話聞けよ!」
美琴は幻想猛獣の方へ、初春&元は階段を登ってアンチスキルのもとへ。
「本当に根拠もなく人を信用する人が多くて困る・・・」
〜橋の上〜
「や・やめろーー!とまれえええええ!」ズタタタタタン
橋の上では幻想猛獣に向けて銃撃をおこなっているが、攻撃をうけている幻想猛獣は徐々に大きくなっていき、今では五階ほどの大きさになっている。
「ぐわぁ!」
「ヒィ!」
更に身体中から触手が次々と出てきて、隊員を襲っている。
現時点で行動可能なのは、小隊長である黄泉川愛穂、眼鏡をかけた女性隊員の鉄装綴里(てっそうつづり)だけである。
「隊長!これ以上の戦闘は!」
「そうもいかないじゃん・・・と言いたいところだけどこのままだとじり貧じゃん。
一旦、人質の少女を救出して退却するってグホ!」
「隊長!」
二人が話をしている隙をついて黄泉川を触手で飛ばす。
そのまま触手は、鉄装の方に伸びていく。
「いいやーーー!こないでーーー!」
触手向けて銃を乱射するが、触手の再生スピードには勝てず、ゆっくりとこちらに向かってくる。
カチカチカチ「そんな・・・・ひい!」
ついに弾切れになってしまう
触手はもう目と鼻の先である
もうだめだと目をつぶった瞬間
「なにぼやっとしてんのよ。死んでもしらないわよ」
「そーれ、ドーン!」
電撃の音がして女の声が聞こえたと思ったら、次に鈍い打撃音と今度は男の声がした
目を開けると、御嬢様学校である時常台中の制服を着た少女と、片腕を吊っている少年がいた。
「ちょっとあんた、焼き消そうと思ったんだから蹴り飛ばさなくてもいいじゃない」
「電撃で切っただけだとすぐに再生するから手早く片付けただけなんだけどー」
鉄装はこんな危険地帯になぜ二人がいるのかわからなかったが、頭を切り替えアンチスキルとしての仕事を優先させた。
「あなたたち!ここは一般人の立ち入りは禁止です!ここでなにをしているのですか・・」
「まったくどいつもこいつも一般人、一般人て」
「いっそジャッチメントにでもなる?」
「嫌よ、黒子が何処でもついてきて襲ってくるもの」
「今も変わらんと思うが・・・」
鉄装の言葉をきにせず話している二人に鉄装はイライラしていく。
「とにかくここから離れ!キャア」
「せっい」
「おっと」
鉄装が話そうとしたとき、再び触手がこちらに突撃してくる。
美琴は鉄装をつかんで避けた。
「逃げるのはそっち、あれはこっちから仕掛けなきゃなにもしないの」
「それでもやらなきゃいけないじゃん」
黄泉川は道路のフェンスにつかまってたっていた。
「愛穂姉居たの?今日は非番だから飲んでるって」
「応援要請がきたから急に出ることになったじゃん」
「隊長!大丈夫なんですか?先程モロに喰らってましたけど」
「元に教えてもらったアレのおかげで体は大丈夫じゃん」
黄泉川は元の『念』の鍛練を偶然発見したときに、口止め料として『念』を教えてもらっていたのである
(アレ?もしかしてこいつの不思議な能力のことかしら?でもこのアンチスキルも出来るってことは覚えさえすれば全員が出来ることなの?)
「あれ見えるか?あれなんだと思う?正解は原子炉実験施設じゃん」
「マジ!?」
「映画化できるなこれ」
「あの娘なにやってるの!?」
原子炉の事で驚いていた二人に鉄装の声が響く。
指差した先を見ると、そこには階段を登っている初春の姿があった。
「あれは木山の人質の少女!この混乱で逃げ遅れたのか」
「愛穂姉、初春さんは逃げ遅れたのでも人質でもない」
「どういう事だい?」
「頼みがあるの」
二人の真剣な顔に重大なことであると黄泉川はさとった。
内容薄くてゴメンナサイ
今の俺にはこれが限界なんだ(迫真)
説明 | ||
遠征で体力がほぼ0になりました 腰痛し、足首痛し、明日からの学校無理・・・ ボロボロの状態であるので途中までしか書けませんでした 申し訳ござらんm(__)m (茶・ω・)оΟ(サイドバックだったのにいつの間にセンターバックになってるんだろ俺?めっちゃ疲れる) |
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