魔法少女リリカルなのは〜幻想を瞳に写す者〜 |
第2話「君が訓令生で不良が俺で」
ラグナ視点
あの逃亡(前話)から少し経ち今は新暦75年2月。未だに雪が降り積もり今年で9歳、つまり小学3年になるのだがあまり実感が無い。あの後クロウに裏切られすぐに捕まってしまい説教を受けた。それ以外は特に何もない日常を送っている。
・・・・・・・そのはずだったのだが
「なぜ人ん家の前に女性が倒れてんだ?」
いつも通り朝食を済ませて、学校に行こうと家を出た時に人が倒れていた。その人は手に銃を持っていた。当然犯罪沙汰は起こしてない、あってもこの間の夜にヤクザの下っ端との乱闘したぐらいだ。よく見れば管理局の服を着ていなかった
「(つう事はことは御用だ!って事じゃないな)クロウ、今日の学校の授業って何だっけ?」
『確か魔法学とミッドチルダの歴史、あと一般教養の算数と理科ですね』
確か一般教養の算数と魔法学、ミッド歴史は単位取れてたな。あと無限書庫のバイトは・・・・・蓄えは予想以上あるし行かなくてもいいだろ。基本決まった日時に行かなきゃならんのだが司書長は俺にビビッているせいで基本こういう違反をよく見逃してくれる。俺本当になんかやったけ?
「今日はサボろう、んでもってこの人の手当をしよう」
『ですがマスター、理科の単位は大丈夫ですか?』
「それならテストの時満点取りゃあいいだろ。顧問のハン先生、あの人結構いい加減だからテストの点数だけで単位くれるだろ」
そう言って俺は女性を家に入れる。なんで倒れてたのか聞きたいしな
ティアナ視点
「はあっ!!はあっ!!」
荒れた息を整える。兄さんが死んでから我武者羅に魔法の練習をしていた
「私は証明するんだ・・ランスターの弾丸に打ち抜けない物がないって事を」
兄さんが死んでからもうかなり経った。家の中は伽藍としてとても寂しくなってしまった。それからは余り家に帰らず此処でこうして一人で魔法の特訓をしていた
「もう一度、やろう・・・ッ!?」
デバイスを構えて魔法を使おうとした時、兄さんが私を見ているのに気付いた。
「兄さんッ!!」
そう言って兄さんを呼ぶが悲しい顔をし、私を置いて歩き去ってしまう。私は兄さんを止めようと手を伸ばし、手を掴む。それでも兄さんは歩むのを止めようしないので後ろから抱きしめる
「待って!兄さんッ!!兄さーーーーーーん!!!」
「誰が兄さんじゃコラ」
不意に額に痛みが走る。どうやら夢を見ていたらしい。そして私の目の前に黒髪の少年が現れた
ラグナ視点
俺は女性を以前母さんが使っていたベッドに女性を寝かしたがすぐに魘され始めたのでどうしたものかと考えていたらいきなり手を掴まれ俺のことを兄さんと呼び始めた。それだけならまだいいが今度は俺を抱きしめた。無論俺はこんな大きな妹を持った覚えは無いので
「誰が兄さんじゃコラ」
と額を小突いた。寝ぼけている女性にやることではないと自分でも自覚しているがいきなり強い力で抱きしめられた。この女性結構スタイルが良かったので胸が当っている。そして朝食べた物を吐き出しそうになったので仕方ない対処だと思いたい。
そうしている間に女性は完全に目が覚めたらしく俺からいきなり離れてアタフタしている
「取りあえず自己紹介しようか。俺はこの家の家主のラグナ、ラグナ・マティス。そんでもってアンタはどちらサン?」
「私はティアナ、ティアナ・ランスター。陸士の訓練生よ。それにアナタ、家主って言うけど親は?」
「親は両方死んでる。だから家主っていうことは嘘じゃねぇよ。それと質問だがアンタなんで俺の家の前に倒れてたんだ?」
そういえばと何か思い出したらしく、いきなりジタバタし始めた
「しまった訓練学校の授業が!い、今何時!?」
「今は朝の9時半だ授業も始まってるだろうよ、諦めろ。」
そういうとランスターさんは見事にorzになった。
「そういえばラグナ。あなた学校は?」
「サボりだが何か?」
「堂々と学校サボってんじゃないわよ!」
いきなりでかい声で俺のサボり発言に突っ込みをいれる。あまりにうるさいので耳をふさぎながら
「うるせぇな、シャッハと同じこと言うなよ。っつうかアンタもこの時間で訓練校に行ってないのだから人の事言える立場かよ」
そうだったと言って再びorzになるランスターさん。面白いなこの人
「それに俺が学校に行ってないのだってアンタを介抱してたからだ」
「そうだったの、ごめんありがとう」
そう言って素直に頭を下げ、礼を言ってきた。こんな美人に礼を言われるとなんかむずがゆいな
「別に、礼を聞きたいために介抱した訳じゃねぇからいいよ。俺はそれよりなんで俺の家の前で倒れてたのか知りたいのだが」
「それは訓練のためで・・・「ならそれは訓練生として失格だな」なんですって?」
「アンタは何故あんな無茶をしたんだ、かなりリンカーコアが弱っている。しかもこのクソ寒い日に倒れるまでやるなんて、体調管理もまったくなっていない。倒れて当然だ」
「・・・・・」
「やれやれ、黙んまりかよ。まぁ初対面のガキに言う義理なんざ無ぇのかも知れんが、これだけは言える」
「何よ?」
「兄貴を理由に無茶するのは止めろ」
「うるさいわね!アンタみたいなガキになにが分かるのよ!!」
「分かる訳ねぇだろ。でもこれだけは言える。アンタの兄貴が・・・自分を理由にここまで追い込むことを望む兄貴なんていねぇよ」
「っ!?」
「アンタの兄貴は妹が苦しむのを望んでいるのか!違うだろ!世界中の誰よりもアンタの幸せを願ってるんじゃねぇのかよ!!!」
「それでも私は証明しなきゃならないのよ!!ランスターの弾丸に打ち抜けない物がないって事を!!!」
「自分の意志でやってることに他人を・・・兄貴を出すな!そこまで兄貴を苦しめたいのかよ!」
「っ!で、でも私は・・・」
「俺はイタコじゃねぇから死人が何言ってるのかわからねぇけどもし俺がアンタの兄貴の立場ならこんな事は止めてくれって悲しい顔をするぞ」
「っ!!?」
思い当たる節があるのか驚くランスターさん。俺はここまで自分を追い込まなければならない理由を知りたかった
「良かったら話くらいは聞くよ。何を悩んでいるのか、話せば楽になるかも知れないぜ」
こうしてティアナさんは俺に全てを話し始めた、兄さんが死んだこと、兄さんを侮辱した男の事、そして兄さんが無能じゃない事を証明する為に執行官になるんだと言う事を話した。気が付けばティアナさんは涙を流していた。
「そうか、そいつはかなり辛かっただろうな。他人だからアンタの痛みは完全に理解できないかもしれないけど、一つ言いたいことがあるんだけど言いか?」
「何よ?」
「ランスターさんは執行官になって何をするんだ?」
「えっ!そ、それは・・・」
「兄を侮辱した奴を見返したいのか?」
判らないわと言うティアナさん、当然だろうと思う俺。今まで自分の無念を晴らして欲しいと思っていると思いこんでたのだから。俺は明後日の方向を向きながら
「これは俺の独り言だが、アンタの兄さんは自分の意思を継いで執行官なって欲しいんじゃなく、自分の意志で執務官になる事を望んでいるじゃないのかな、って俺は思うんだが」
「自分の・・・意志で」
「前にも言ったと思うが妹の幸せを望まない兄貴なんてこの世にいねぇよ」
「・・・・・・」
グゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
突然シリアスな雰囲気をブチ壊してくれる音が聞こえたので音の発信源を見てみるとティアナさんからだった。顔を少し、いやゆでタコみたいに赤くなっている。時計を見ると12時を回っていた
「腹が減っていては何とやら。昼飯を作るが何か苦手なもんとかあるか?」
「えっ?で、でも私は年上だしそこまでしてもらうわけには」
「今のランスターさんの泣き顔に年上の威厳なんてものはねぇから。それに今はお客さんだしな」
泣いてなんかいないわよ!!!!と後ろのほうで何か聞こえたが無視をする。冷蔵庫の中何があたっけな?
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第2話「君が訓令生で不良が俺で」 | ||
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初対面の相手にsekkyou・・・、普通に引きますね…。オリ主が気持ち悪い…。(匿名希望) | ||
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