英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 101 |
〜ツァイス市・中央工房〜
翌日、ツァイスに戻るドロシーを連れてエステル達はツァイス市に戻り、騒ぎが起こっているに気付き駆けつけて事情を聞けば、謎のガスが突如発生しまたラッセル博士の姿が見えないことに気付き、博士の捜索とガスの発生原因を探すためにティータを連れ、またリフィア達には非難した作業員達から詳しい情報収集を頼み、煙が充満している工房の中に入った。
「うわっ……これは確かに煙っぽいわね。……でも、そんなに息苦しくないのはなぜかしら?」
「前があんまり見えないよ……ママ……」
「大丈夫よ、ミント。あたしが絶対守ってあげるから離れないよう、あたしの手を握っていなさい!」
「うん!」
煙によって前が見えにくい事を怖がっていたミントだったが、エステルの言葉を聞いて立ち直り、エステルの手を握った。
「このモヤは……多分、撹乱用の煙だと思う。フロアのどこかに発煙筒が落ちていると思う……」
「へっ?」
「ほえ?」
「ど、どうしてそんなものが……?」
ヨシュアの推理に3人は疑問を持った。
「今は博士の無事を確認しよう。」
「……そうね。博士はやっぱり3階の工房室にいるのかしら?」
「う、うん……たぶんそうだと思うけど……」
エステルに尋ねられたティータは不安そうな表情で頷いた。
「ママ、急ごう!ティータちゃんのお祖父ちゃんが心配だよ!」
「ええ、そうね!」
そして4人は3階の工房室に入ったがそこにはだれもいなく、機械だけが空しく動いていた。
「誰もいない……ていうか、どうして機械だけが動いているわけ?」
「と、とりあえず機械を止めなくっちゃ。」
ティータは急いで機械を止めた。
「ふう……おじいちゃん……どこいっちゃたのかな?」
ヨシュアはあたりを見回しあることに気付いた。
「博士もそうだけど……『黒の導力器』も見当たらない。これはひょっとすると……」
状況を見てヨシュアがある事を言おうとした時、ある人物が部屋に入って来た。
「フン、ここにいやがったか。」
「ア、アガット!?」
「どうしてこんな所に……?」
部屋に入って来た人物――アガットにエステルとヨシュアは驚いた。
「そいつはこっちのセリフだぜ。騒ぎを聞いて来てみりゃまた、お前らに先を越されるとはな。ったく半人前のくせにあちこち首突っ込みすぎなんだよ。」
「こ、こんの〜……あいかわらずハラが立つわねぇ!」
アガットの言葉にエステルは腹が立った。
「あの……お姉ちゃん達の知り合い?」
「アガットさんって言ってね。ギルドの先輩ブレイサーなんだ。」
「ふえ〜そうなんだ。」
「じゃあ、もしかしてママのお仕事のお仲間さん?」
「あ〜……まあ、そうなるわね……」
ヨシュアとティータ、エステルとミントの会話でティータとミントの存在に気付いたアガットは顔色を変えた。
「おい、ちょっと待て。どうしてガキどもがこんなところにいやがる?」
そう言ってアガットはティータとミントを睨みつけた。
「……ひっ……」
「怖いよ、ママ……」
睨みつけられたティータは脅え、ミントはエステルの後ろに隠れた。
「ちょ、ちょっと!なに女の子を脅かしてんの!?」
「………………………………。チッ……。言いたいことは山ほどあるが後回しにしといてやる。それで、一体どうなってるんだ?」
エステルの怒りを舌打ちをして流したアガットは状況を尋ねた。
「はい、実は……」
ヨシュアはラッセル博士の姿が見当たらないことや発煙筒が置いてあった事等を説明した。
「フン、発煙筒といい、ヤバい匂いがプンプンするぜ。時間が惜しい……。とっととその博士を捜し出すぞ!」
「「うん!」」
「了解です。」
「……おじいちゃん……」
アガットの言葉に頷いたエステル達はそれぞれ返事し博士を探した。
そしてある階層に入った時声が聞こえてきた。
「……待たせたな。最後の目標を確保した。」
「よし……それでは脱出するぞ。」
「用意はできてるだろうな?」
その声にエステル達は気付いた。
「今の声は……!」
「急ぐぞ、エレベーターの方だ!」
そしてアガットは剣を抜きエステル達と共にエレベータがある方に向かった。
そこにはラッセル博士を拘束したルーアンの灯台で対峙した黒装束の男達と同じ姿をした男達がエレベーターに乗ろうとした。
「いた……!」
「てめえらは……!」
「お、おじいちゃん!?」
「ティータちゃんのお祖父ちゃんをどうするの!?」
一瞬で状況を理解したエステル達は武器を構え警告した。
「むっ……アガット・クロスナー!?」
「面倒な……ここはやり過ごすぞ!」
そして男達は博士を連れてエレベーターの中に入った。
「ま、待ちなさいよ!」
「逃がすか、オラァ!」
しかし一歩遅くエレベーターの扉は閉まった。
「クソ……間に合わなかったか!」
「も、もう一歩だったのに……」
「そ、そんな……どうしておじいちゃんを……」
「ティータちゃん……」
「とにかく非常階段で下に降りましょう。このまま中央工房から脱出するつもりみたいです。」
「ああ、逃げるとしたら、町かトンネル道のどちらかだ。急ぐぞ、ガキども!」
ヨシュアの推理に頷いたアガットはエステル達を促した。
「言われなくても!」
そしてエステル達はリフィア達に事情を話した後、手分けして地下道、街中を探したが黒装束の男達は親衛隊の軍服に着替え逃げたことしかわからず博士は見つからなかった……
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第101話 | ||
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