魔法少女リリカル的ななにか 九話 私の波動球は108式まであるわよ・・・ |
無事に恭也を倒した俺は、休む間もなく次の相手に襲われる
そいつの名前は美由紀
「ククク、お兄ちゃんは高町家の中でも最弱・・・」
「恭也を倒したからといい気になるなよ・・・・・・」
待ってろよ、なのは!今俺が助けに行くからな!
『魔法少女リリカル的ななのは The Movie〜翠屋の秘密〜』
同時上映は『ユーノのフェレット大作戦!僕はどこまで忍び込めるのか!』
こちらはR指定となっております。
「という妄想をしてみたんだ」
「現実だったら軽く絶望だよ悠斗君・・・・・・」
正直俺も思った。士郎さん相手とか俺の命がいくつあっても足りない
そして桃子さんが出てこなかったのも不安材料である
「しかし悠斗君、あの技はなんだい?君が動き出す前に少し木刀が光っていたようだけど・・・」
士郎さんのもっともな疑問が飛んでくる。ソードスキルですと言うのは簡単だ、言うだけだし。
しかし1から説明となると話は別、SAOの話からしなけりゃならんとかこの世界にないもの出したらいけない気がするし・・・いやSAO売ってないのかなこの世界・・・?
「明日本屋に行ってみるか・・・・・・」
「明日は学校だよ悠斗君?」
・・・Pardon?
「うにゅ・・・なのは英語はわからないよ・・・?」
「Pardon、今のタイミングだともう一度お願いしますってことじゃないかな」
「お兄ちゃんいたんだ!」
なのはの クリティカルブレード
恭也は 泣いてしまった!
溺愛してる妹に忘れられるとか考えたくもねぇな・・・・・・
「して、なのはさんや。明日学校というのは本当かね?」
俺の記憶が正しければ明日は土曜日のはずなんですけど・・・・・・ものごっすい嫌な予感します
「月曜日は学校あるに決まってるでしょー。変な悠斗君!」
くすくすと笑いながら喋るなのはと対照的に俺の心は沈んでいく
前世と違うんですね、曜日すら違うとか泣けてくる・・・・・・。休日だと思ってなんの準備もしてねぇよ!あの学校給食じゃなくて弁当持参しないといけないんだよな・・・・・・
いっそのことムクドナルドで昼飯を買ってこようか・・・・・・学校にムック持ってくと軽く勇者扱いされるよね!え、されない?
「それじゃあ悠斗君の分もせっかくだから作ってあげましょうか?」
仏も神もいるんだね・・・・・・
しかし夕食をご馳走になり、その上明日の弁当まで準備してもらってはさすがに気が引ける
ここで取り出すは・・・『ラ○フカード』
(どうする・・・どうする俺ッ!)
1、桃子さんお手製の弁当に舌づつみを打つ
2、ムクドナルドかコンビニで昼食用意
3、10秒チャージ持参
俺は考えるのをやめた。
「すいません桃子さん、ご馳走になります・・・」
「子供が遠慮なんてするものじゃないわよ〜、大人の言うことは素直に聞いておくものよ?」
鼻をトンと押され顔が赤くなる、うちのオカンとは大違いじゃ・・・・・・
ちなみにうちのオカンは塩と砂糖を間違えます。全力で厨房に立つのを阻止しないと家族の命が風前の灯火だった・・・・・・
昔を思い出して目頭が熱くなる、やはり家族っていうのは生きていく上に必要なのだと改めて実感させられた
「んで・・・どうしてこうなった・・・ッ!?」
(大佐、応答してくれ大佐ッ!)
(・・・・・・なんなん、こんな時間に非常識とちゃう?)
脳内で蛇の真似をしていたら狸に繋がった。俺の念話ダダ漏れなのかよ・・・・・・
(まぁいい誰でもいいからこの状況を説明できる人が欲しかったのだ)
(うち眠いのに・・・・・・くだらんこと言うたら明日磔にするで・・・?)
オネムなはやてさんが怖すぎて俺が眠れなくなりそうです
(安心しろ、くだらないとかそんなレベルじゃない)
(要件を簡潔に・・・はよぅ・・・・・・)
(本気で眠そうですね・・・まぁいい実は今なのはちゃんと一緒に寝てるんだ)
(・・・・・・・・・)
(ん?念話切れた?はやてー)
(月夜ダケダト思ウナヨ・・・・・・ッ)
「ぴょう!」
びっくりしすぎて変な声出しちまったじゃないか!!なのはちゃん起きてないよな・・・・・・?
「むにゅ〜〜・・・・・・すぅ」
「無乳とか自虐にも程がある・・・・・・」
ドゴォッ
俺の腹に蹴りがヒットした、起きてるよこの子!!
「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」
なんだ、寝相が悪いだけか
そうだと思いたい・・・
ふと、窓から差し込む月明かりに目を奪われる
月だけは変わっていない
月を見ていると、ある考えが浮上した。俺はこのままでいいのだろうか?作品の知識だけはある。しかし他の知識はない。例えば地理なんか当然知るはずもないし、Stsに入るまでに何があるかわからない
俺は守れるのだろうか・・・、なのはや皆を・・・
不安に押しつぶされそうになり外の空気を吸おうと窓から外に出る
「空に浮くのも慣れちゃったなぁ・・・」
空を歩くように高町家の屋根に登る・・・
星の位置も変わっていない、これがこの世界での普通なのだ。
「変わってるのは・・・・・・俺の方か・・・・・・」
「こんな時間に物音がしたと思ったら、どうしたんだい悠斗君?」
声に振り向くと士郎さんがいた
「士郎さん・・・、士郎さんは今の生活が好きですか?」
俺はそんな質問をしていた
「ん、当然好きに決まってるじゃないか。桃子がいて恭也がいて美由紀がいてなのはがいる。これ以上の幸せを僕は知らないね・・・・・・」
「そう・・・ですね。質問を変えましょう。普通に戻れてよかったと思いますか?」
俺の質問に士郎さんの体が強ばる
「・・・・・・僕の過去を知っているのかい?」
「えぇ、随分と危険なことをしていたことも。数年前に大怪我をして命の危機にさえ陥ったことも」
参ったなと頭を書きながら士郎さんは俺の隣に腰を下ろす
「君が言っていることは全部真実だ、どこでこのことを知ったんだい?」
「誰かから聞いたとか、教えてもらったとかじゃありません。士郎さんこれから話すことはとても重要なことです。士郎さんを信じて俺は話します」
そうして俺は話だした、俺には最初から士郎さんの仕事の知識があったこと、出会ったことのない時期の知識があること(温泉旅行やフェレットなどetc)
語り終わると士郎さんは一人納得したように頷いていた
「なるほどね・・・これで僕の疑問も解消されたよ」
「疑問ですか?」
「君の・・・・・・なんて言えばいいんだろうね、気配というか存在が他の人と違ってる気がしたんだ」
人と違うとか士郎さんにだけは言われたくなかった
「それでどうします?俺がこの近くにいるだけで士郎さんの普通は壊れる可能性があります。ただ俺はそれを望んではいない、あなたが近寄るなと言えば今後なのはに近づくことはしません」
口から勝手に言葉が紡がれる、どうして俺はこんなことを言っているんだろう・・・
士郎さんが困ったような顔をしている、困らせたかったワケじゃないのに・・・
「悠斗君、正直僕には君にどうしろと言うことが出来る人間じゃあない」
「・・・・・・はい」
「それでもだ、君が普通を望むなら手助けくらいはできるだろう」
頭の上に手を乗せられ撫でられた
「悠斗君、大人っていうのはね、例え血が繋がっていない子供でもお節介を焼きたくなる生き物なんだ。だから君が今そんなことを悩む必要なんてない。もし何かあったら僕や恭也が全力で皆を守るよ」
頭に乗せられた士郎さんの手は暖かかった
「もしも君が誰かに否定されても、僕たちは君を肯定するよ。君はもう家族みたいなものだしね」
家族・・・・・・。この言葉を聞いた瞬間俺の目から涙が流れた
・・・・・・俺は誰かに認めてもらいたかったのか、普通ではない俺を・・・・・・
少しの時間俺は士郎さんの胸を借り泣いた
「ありがとうございます士郎さん、御蔭で少し楽になった気がします」
「これくらいならお安い御用さ、しかしなんというか君は大人びているね・・・・・・」
二十歳になってますとか口が裂けても言えない、実は恭也より年上なんですよ?
「胸のつっかえが取れましたよ。俺は何があっても皆を守りきってみせます」
「頼もしい言葉だね。でも大人を頼ることも忘れてはいけないよ?僕に出来ることなら喜んで手を貸そうじゃないか」
士郎さんがイケメンすぎる
「さて、さすがに僕も眠くなってきたことだし寝るとするよ」
「申し訳ないですけど、俺は自分の家に戻ります。なのはにはそうですね・・・朝早く起きて家に帰ったとでも言っておいてください」
了解したよと言い、士郎さんは笑いながらベランダに降り部屋に入っていった
「あんな事を言ったからには全力で立ち向かわないとな・・・・・・」
例えなのはが撃墜されることが決まった運命でも全力で抗ってやる
例え六課が壊滅する運命でも全力で足掻いてやる
そう胸に秘め、俺は家に向かって歩き出した
こちら蛇、今学校に向かっている
周りが子供だらけだ、正直心が痛い
今俺は通学路を歩いている
そういえばランドセルとかどうなってんのとか思ったが、家の自分の部屋らしき場所に一式揃えてあった。無かったら無かったで困っていたが
「しかし・・・・・・ここまで縮むと世界が変わって見えるな」
身長は平均より少し高い位、そうなると民家の塀がすごく高く見えるのだ
猫が同じ目線にいないだけで新鮮味がある
などとキョロキョロ周りを見渡しながら歩いていたらいつの間にか学校についていた
(ん〜、やはりでかいな。さてさて俺のクラスは確か2組だったかな?)
時計を見るともう少しでチャイムが鳴りそうな時間に迫っていた
俺は少し駆け足で教室に向かう
少しばかり昔に戻った気がして自然と笑みが溢れていた
まぁ別に特に何があるわけでもなく昼休みに入ったが・・・・・・
「弁当の事を忘れていたでござるの巻・・・・・・」
桃子さんお手製の弁当が!忘れるとかありえねぇよ!
そんなことがあり昼飯どうするかなーと考えていると何やら教室の入口が騒がしい
耳を澄ましてみると
「おいあれって『五柱の女神』の高町さんじゃないか!?」
「おいおい!なんでこんな肥溜めみたいな場所に女神が!?」
「後ろには八神さんにフェイトさん、バニングスさんに月村さんまで!?一体何が始まるんです!?」
「第三次対戦だ」
おい最後の台詞誰だ
なのはが入口から顔を出し誰かを探すようにキョロキョロしている・・・・・・
あ、目があった
「悠斗君みーつけた!」
満面の笑みを振りまきながらこちらに歩み寄るなのは
しかし俺はクラスの視線で体に穴が開きそうになっていた
「待て待つんだお前たち、落ち着けこれは夢だ」
「「「「「なんだ夢か・・・・・・夢なら仕方n『お弁当持ってきたんだよ!一緒に食べよう!』総員神楽を逃がすな!」」」」」
なのはの手を掴み俺は全力で教室から逃げ出した
「ここまで・・・・・・来れば・・・・・・大丈夫・・・だろ・・・」
着いた先は屋上、校舎内をひたすら縦横無尽に走り回ってきたので撒くことは出来ただろう
「お兄さん教室に戻ったら大変そうやな〜」
ニヤニヤとはやてがこちらを見て笑っている
「えっとその・・・頑張ってね悠斗」
フェイトはどうしたらわからないのか取り敢えず激励をかける
「それでなのは、コイツがあんた達が言ってた神楽 悠斗って奴?」
「うぅ〜体がまだ揺れてる感じがするの・・・・・・、そうだよアリサちゃん・・・この人が悠斗君・・・」
「はいなのは、お茶飲んで落ち着こう?」
「ありがとうフェイトちゃん・・・・・・」
お茶を差し出すフェイトの下に近づいていくが足元が覚束無い・・・
「まぁいいわ、あたしはアリサ・バニングス。なのはの友達よ」
「月村すずかです、よろしくね悠斗君」
オレンジは高圧的に、紫はやんわりと挨拶をしてくる
「・・・・・・ときにバーニング」
「バニングスよ!・・・それで?何か用?」
「いやちょっとこれ持ってみて?」
そう言って俺はソレを手渡す
「テニスのラケットに・・・・・・ボール?あんたこれどっから出したのよ・・・・・・」
「そんな細かいことは気にしない気にしない、それでなんか変化ない?バーニングとか叫んで見たり波動球とは打ちたくなったりしない?」
サッっとボールを上空に上げサーブの体制を取る。おぉ、様になってるじゃないか!やはりバーニング!!?
ドゴォ
ボールが俺の顔面に直撃する
「あんたは私をなんだと思っているのよ!!!」
「お・・・落ち着いてアリサちゃん・・・!」
アリサを宥めるすずかを横目に俺の意識は段々と薄れて・・・・・・弁当食べてねぇよ!
食欲によって叩き起こされた。
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