魔法少女リリカルと恋姫な物語 〜少年の数奇な運命〜 第26話 話し合いは終わったようです
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「あなた、あ〜ん♪」

「あ〜ん」

「おいしい?」

「ああ、雪乃に食べさせてくれるとさらにおいしく感じるな」

「もうあなたったら♪」

『・・・・・・』

 

 見て分かるとおり父さんと母さんは彼女が彼氏によく?やる、"あ〜ん"をやっている最中だ。突っ込みたいところはたくさんあるけど、そんなことより目の前で青筋立てて口元をヒクヒクさせてるリンディさんがすごく怖いんだけど・・・。母さん、何が目的なのさ・・・。

 

「そろそろいいかしら?」

「あら、うらやましいんですか?」

「そんなことはない・・・わよ?」

「ご無理なさらなくても「していません!!」あらあら♪」

「大体、今そんなことをしてなにになるの!?」

「いつまでも未亡人でいるのもつらくないのかしらと思ったから見せ付けているだけですよ?」

「大きなお世話です!!しかも、自覚してやってたの!?」

 

 母さん・・・まさかそんなことのためにシュークリームを買ってきたのか・・・。ちなみにフェイトの横で、プレシアさんはのほほんとしていた。

 

[プレシアさん、失礼ですけど今は独り身ですよね?]

[ほんと失礼ねあなた!?・・・一応答えてあげるわ。ええ、そうよ]

[でも母さんたちのを見ても動じてないですよね?]

[ああ、別にもうそういう歳でもないもの。うらやましくもないわ。今はフェイトにアルフもいるから気にもしないわ]

[なるほど。どうも失礼しました]

[別にいいわよ]

 

 女性にこういうことを聞くのはもうよそう。結構穏やかに喋ってくれてはいたけど、若干怒気を感じたしね・・・。

 

「母さん、そろそろ次の話に移りたいんだけど・・・」

「あらそう?残念、もう少しやっていたかったけど仕方がないわね」

「勘弁して頂戴・・・」

「しかし、そろそろ再婚も考えてはいかがでしょうか?」

「柳さん、私は闇の書を封印処理するなり破壊するなり、安全を確認しない限りそういったことは考えないようにしています」

「なるほど。ではその言葉は私なりに解釈しておきましょう」

「お好きにどうぞ。・・・では先ほどの話を続けましょう」

 

 やっとか。しかしクロノ君は未だに納得できないって顔してるね。

 

「クロノ君、なにか納得いかないことでもあるの?」

「色々納得いかないことがある。まず一つ、プレシア・テスタロッサ。あなたは本当に個人的な理由はないのか?」

「くどいわね。それが仕事なんでしょうけど、あまりしつこすぎると相手が逆上して何も聞けなくなる可能性があることくらい考えておきなさい」

「・・・そういうことを言うってことはなにかあるんだな?」

「はぁ・・・ないわよ。仮の話をしているのになぜ私がまだ隠し事しているみたいなことになるのかしら?」

「そうでなければ先ほどのようなことは言わないだろう」

「・・・クロノ執務官」

「なんですか柳さん?」

 

 やば・・・。

 

「あなたはここに何をしに来られた?」

「話し合いですが?」

「そう、話し合いをしに来られた。だが先ほどの君とプレシアさんの問答は話し合いと言えるものかね?」

「それは・・・」

「違うだろう?少なくとも、私はまるで執務官が犯罪者に対して行う取調べのように思えた。ここが法廷であるのならばそれでいい。しかしここは民家だ、私たち家族が住む家だ。この場で執務官の権限は無いに等しい」

「ですがロストロギアに関わっているのは事実です」

「それは認めよう。だが、君が納得いかないというのであれば、ここではなく、正式な手続きをふんでから取り調べを行ってくれ」

「分かりました・・・」

「すいません柳さん、クロノも執務官として役目を果たそうと躍起になっているんです」

「それは分かりますが、だからといって自分の感情を制御できないようでは、まだまだですな」

 

 何とか沸点を超えることはなかったか・・・。でも、冷静に言われるほうがちょっと怖いんじゃないかと思ったりするのは秘密だ。

 

「それでは、プレシアさんに対してこれ以上追求するのは禁じます。いいわねクロノ?」

「・・・はい」

「それでは今後、私たちが主体となってジュエルシードを集めたいと思います。プレシアさんならびにユーノ君と共に協力している魔導師のみんなにも協力をお願いします」

「あら、てっきりそちらで集めるから関与するなと言うんじゃないかと思ったのだけど」

「これ以上駆け引きをしても、得策ではないと思っただけよ」

 

 そういや父さん、こういった駆け引きが得意だって言ってたね。

 

「ではお互い協力関係にあるといってよろしいのですね?」

「ええ、それでかまいません」

「ではそこに上下関係は無いと?」

「・・・はい」

「艦長!?」

「クロノ。帰ったらもう少し勉強しましょうね♪」

「・・・はい」

 

 どうやらリンディさんもかなり頭にきてるみたいだ。まあ、さっきの取調べまがいの発端は僕の一言なんだけどね・・・。ゴメンよクロノ君。

 

「さて、今日はみんな遅い時間までご苦労様だったな。なのはちゃん、お家には私の方で電話しておこう」

「え、でも・・・」

「なに、そちらはお客さんだ。気にすることはない」

「それじゃあ・・・お願いします」

「うむ。では、これから協力してジュエルシードを集めるのだから今日はここで晩御飯を食べていくといい」

「あら、それじゃあ今日はゆっくり出来るのね。リンディさん、ちょっと個人的にお話したいことがあるのだけれど」

「?分かりました。クロノ、帰りは明日になると伝えておいて頂戴」

「分かりました」

「あらあら、お布団の用意がいるかしら♪」

「あ〜、俺が来た意味あったか?」

「大丈夫、子供組はみんなそう思ってるはずだから。それに後から聞かされるよりはいいんじゃない?」

「ま、そらそうだ」

 

 ほとんど大人たちの会話になってたしね。その後、母親たちが晩御飯を楽しく作って、みんなで楽しく晩御飯を食べた。クロノ君も最初は色々悩みながら食べていたようだけど、裕樹が絡んでいったのを期に肩の力が抜けたのか、笑って晩御飯を食べていた。そういえば、プレシアさんの個人的な話って病気のことかな?ま、それは本人たちで話すことだろうからあまり介入しないでおこう。

説明
こんばんは〜。毎晩蒸し暑い日が続いてますが、皆さん脱水症状にはお気をつけくださいね。さて、諸注意?も終わったところで本編へどうぞ〜。
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