IS学園にもう一人男を追加した 〜 2話
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獅苑SIDE

 

 

本音との再開を果たした俺は本音をつれて階段近くの人気がないところ(一階)にいた。理由はもちろん本音と二人っきりで話をするためだ。本当は屋上が良かったんだが、先客がいたようでしかたなくここにいる。

 

「・・・」

「・・・」

(連れてきたのはいいけど、何から話せばいいんだろう)

 

悩んでいると本音が口を開いた。

 

「さ、さっきも言ったけど、ひさしぶりだね〜、獅お(チラッ)・・・ギリー」

 

本音が一瞬、俺から目そらした。意識を集中させる。

 

(後ろの物陰に二人、二階で耳を澄ましているのが一人か。物陰の二人はともかく二階にいる奴は妙に気配が薄すぎる。というより、ないと言ったほうがいい。こんなことが出来るのは織斑先生ぐらいだが仮にも先生だ、こんなとこにいるわけがない。だったら誰なんだ・・・)

 

心の中で考えるが分からず、待たせるのもあれだから、本音に答える。

 

「あぁ、ひさしぶりだな。本音」

「う、うん」

 

このままだと会話が終わってしまうので、何を話そうかと考えてると・・・

 

(そういえば、さっきから本音の顔が赤いがどうしたんだ)

「本音」

「は、はひ!!」

「大丈夫か?、顔赤いぞ」

「だ、大丈夫だよ! これっぽちも赤くないよ〜!」

(いや、赤いぞ。すごく)

 

下手な嘘を言った本音はまた俺から目を離した。きっと物陰で隠れている奴でも見たんだろう。俺は首を後ろにそらして物陰を睨みつける。

 

「隠れている奴、今出てくるなら見逃してやる。だが、出てこないなら・・・」

 

殺気を抑えながら言う。パーセントで言うと20%で、そして

 

「どうなっても知らないぞ」

 

一気に50%まで上げた。すると物陰から二人の女子が出てきた。

 

「ご、ごめんね、悪気はなかったの」

「じゃ、じゃあまたね本音、朝霧君!」

 

二人は走り去ってしまった。俺は二階につながる階段を見る。

 

(もういないか・・・一体、何者なんだ)

 

 

本音SIDE

 

 

(う〜、緊張するな〜・・・)

 

今、私の目の前に獅苑くんがいる。一時限目が終わってすぐに私の手を引いて人気のない階段近くに連れてきた。無理矢理こんなところに連れてこられたら、なにかを期待しちゃうわけで・・・

 

(うぅ〜、そんな、再開したばっかなのに、こんな・・・ぅ〜〜〜〜〜///!!)

 

顔が赤くなる

 

「・・・」

「・・・」

(何で黙ってるの〜?・・・やっぱりそう、なのかな〜・・・どうしよ〜、まだ心の準備が・・・)

 

混乱して頭がうまく回らない

 

(でも、獅苑くんがまだ私の事が好きとは限らないし〜・・・とりあえず何かしゃべらないと)

 

「さ、さっきも言ったけど、ひさしぶりだね〜、獅お(チラッ)・・・ギリー」

 

誰もいないと思い、[獅苑くん]と、呼ぼうとしたが、こちらを物陰から見ている人影がいることに気付き咄嗟にあだ名で呼んだ。しかもその人影は身の覚えがある二人だった

 

(なんで二人ともいるの〜、オリムーのとこ行ったんじゃなかったの〜)

 

谷本癒子、夜竹さゆか、それが二人の名前だ。

 

「あぁ、ひさしぶりだな。本音」

「う、うん」

(獅苑くん、もしかして二人に気づいてるかな〜)

 

少し間があって

 

「本音」

「は、はひ!!」

 

いきなり名前を呼ばれ驚いてしまう。

 

「大丈夫か?、顔赤いぞ」

「だ、大丈夫だよ! これっぽちも赤くないよ〜!」

 

バレバレの嘘を言ってしまった。顔が赤いのは確認しなくても分かる。物陰にいる二人を見ると

 

((ムフフ〜〜〜♪))

(うぅ〜〜〜///)

 

笑っていた。

 

(恥ずかしいよ〜///)

 

すると、獅苑くんが首を後ろにそらして

 

「隠れている奴、今出てくるなら見逃してやる。だが、出てこないなら・・・」

(し、獅苑・・くん・・・?)

「どうなったって知らないぞ」

(((ビクッ?!)))

 

獅苑くんの声におびえ(私も)、二人が物陰から出てくる。

 

「ご、ごめんね、悪気はなかったの」

「じゃ、じゃあまたね本音、朝霧君!」

 

二人は走り去ってしまった。私は獅苑くんを見て

 

(ちょっと怖かったけど、かっこいいな〜///)

「本音の友達か?」

「え?!・・・う、うん!、そうだよ〜・・・あ、あと え、え〜と、ありがとね、獅苑くん。

かっこよかったよ〜///。」

「そ、そうか///」

 

お〜、獅苑くんが照れてる照れてる〜

 

「な、なんだよ/// ・・・?」

「うん〜、やっぱり獅苑くんはかわいいな〜って」

「・・・///」

(顔を背けちゃって〜本当に恥ずかしがり屋さんだね〜)

 

もうそろそろ休み時間も終わりそう。

 

「二時限目始まっちゃうから行こう〜。獅苑くん」

 

私は教室に帰ろうとしたが

 

「ちょっといいか」

 

獅苑くんに呼び止められた。

 

 

獅苑SIDE

 

 

「ちょっといいか」

 

つい、呼び止めてしまった。

 

「どうしたの〜?」

(この場面で言うのか? でも言えるチャンスは・・・考えても仕方ない!)

「え、え〜と・・・」

「・・・ん?」

「こ、告白の答えを・・聞こうかなと・・・」

「ふぇ?・・・ふぇ〜〜〜〜?!」

 

本音は大きな声を上げ顔を真っ赤にした。俺は咄嗟に無かった事にしようとして

 

「悪い、迷惑だったな。忘れてくれ」

 

俺は早歩き教室に向かう。本音の横を通り過ぎると

 

「ま、待って!!」

 

腕を思いっきり引っ張られた。俺は引っ張られた腕を見たら、本音が両手で掴んでいる。本音の顔を見ると泣きそうな顔をしてた。

 

「迷惑じゃない! けど・・・けど、答えは待ってくれないかな? ・・あ!、忘れていたわけじゃないよ!ずっと覚えてたよ。ただ、いきなり言われて戸惑ってただけで・・・だから、ぐすっ、迷惑とかじゃないから。勘違いぐすっ、しないでね・・・」

 

ついには、本音が泣いてしまった。その泣いた顔を見て、俺は本音の肩を掴む。

 

「泣かないでくれ!」

「ぐすっ・・ぇ」

「俺が言うタイミングを間違えたんだ。だから、そんな顔しないでくれ。返事はいつでもいいから」

「でも・・・」

「だったら今日の夜に決めてくれるか? これなら、いいだろ」

「分かった・・よ」

「いい子だ・・・」(ナデナデ)

 

俺は本音の頭を撫でる。撫でられている本音は嫌がることなく、逆に目を細めて笑みを浮かべた。それを確認した俺は

 

「教室に戻るか」

「うん!」

 

教室に帰る俺の腕に本音がくっついてきた。

 

(歩きずらいが、まぁいいだろう)

 

俺らはそのまま教室に戻った。

 

〜〜〜教室〜〜〜

 

余談だがそのあと教室に戻ったが、俺の腕に本音がくっついてることに触れられず、谷本さんと夜竹さんが謝りにきて和解したり、遅れてきた織斑が織村先生にしばかれることがあった。

 

 

??SIDE

 

 

(彼が朝霧獅苑。面白い子だったわね。まさかこちらの気配に気づくとは。私もまだまだね)

 

扇子を広げ口元を隠す。その扇子で隠していたのは、

 

(本音には悪いけど、ほしいな彼)

 

笑みだった

 

 

 

 

 

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獅苑SIDE

 

 

二時限目の授業中のなか

 

(・・・ムカムカする)

 

などと思っていた。胃もたれとかではなく、ちゃんと理由はある。その理由は主に隣で座っている本音だ。本音が悪いわけではないぞ。もし悪いと言ったやつがいるなら、全裸にして頭からグラウンドに田植えをしてやる。

まぁ原因は俺なのだが

 

(本音を泣かせちまった)

 

本音の方を見ると、さっきとは違って生き生きしている。どうやらさっきのことは気にしてないようだ

 

(本人は気にしなくてもな〜・・・)

 

教卓の方を見ると、1−1の副担任である山田先生(容姿は省く。理由はめんどいから。By獅苑)が授業をしている。ちなみに織斑先生は窓側に座っている。(織斑先生にばれない様にサボっている)

そしてまた俺は自分の世界に入る。

 

(ムカムカが取れないせいでイライラまできたぞ・・・)

 

俺はムカムカとイライラと格闘していたらいつの間にか授業が終わっていた。そして俺の目の前には織斑がいた。

 

「ちょっといいか?」

「・・・なんだ?」

 

織斑に話しかけられた。

 

「いや、試験会場以来だからな。俺は織斑一夏だ。一夏でいい、よろしく」

「俺は朝霧獅苑だ、呼び方は自由でいい。よろしく」

 

織斑・・・一夏から差し出された手をにぎった。すると

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

金髪の女子が話しかけてきた。隣で本音は心配そうにこちらを見ている

 

「訊いてますの? お返事は?」

「あ、あぁ。訊いてるけど・・・どういう用件だ?」

 

一夏が答え、俺は黙っている

 

「まぁ! なんてお返事なんですの、そのお返事。わたくしに・・・」

 

なるほどこういう奴か(後半は聞いてない)。めんどいな〜

 

「悪いな。俺、君が誰だが知らないし」

 

実際、俺も知らない。みんなの自己紹介が終わった後に着たからな。

 

「わたくしを知らない? このセシリ(聞くのめんどい)・・・」

「なぁ獅苑」

 

突然一夏に呼ばれた

 

「なんだ?」

「代表候補生って、何?」

 

がたたっ。と、クラスの女子の数名がずっこけた。

 

(文字を見れば分かるだろ。普通は)

「あなたっ、本気でおっしゃってますの!?」

「おう。知らん」

 

セシリ・・・なんだっけ? 金髪だから金髪でいいよな。んで、その金髪は怒りが一周したのか冷静になったのかぶつぶつ言い始めた。

 

「信じられない。信じられませんわ。極東の島g(無視)・・・」

 

金髪の言っていることを横流しにしていると、一夏が俺に尋ねる。

 

「で、代表候補生って何なんだ?」

「オリムー、代表候補生って言うのはね〜、国家代表IS操縦者の、その候補生として選出される人たちのことだよ〜」

 

俺ではなく本音が答えた。すると金髪は胸を張り

 

「そう! エリートなのですわ!」

 

人差し指を一夏の方に向けた。そのまま金髪は話を続ける。

 

「本来ならわたくしのような選ばれた(・・・)・・・」

 

・・・そろそろ、ちゃんと最後まで聞くか

 

「大体、あなた方ISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。男でISを操縦できると聞いて、少しくらい知的さを感じさせると思っていましたのに。期待はずれですわ」

(・・・やっぱり聞かないほうがいいな)

 

と、心の中でそう思った。

 

「俺たちに何かを期待されても困るんだが」

「ふん。まぁでも? わたくしは優sy(改めて)・・・・・・・・・・・・・・・・・・入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートなのですから」

 

入試という単語を聞いて、嫌なこと思い出す。

 

(正直あれはひどいよな、なんせ俺の試験相手は世界最強だったんだから)

 

ちなみに試験中の時は自己紹介とかしなかったので、気づいたのは織斑先生と会って自己紹介を受けた時だ。

 

「はぁ・・・」

 

入試の事を思い出し、小さくため息をつく。するとそれを見た、本音が俺に近づき

 

「大丈夫? ギリー」

 

心配そうに聞いてくる。俺は安心させるように微笑み

 

「大丈夫だ。心配するな」

 

と、答えた。本音は「よかった〜」と言って俺から離れる。そんなやり取りをしてたら一夏と金髪の話は進んでいた。どうやら金髪は自分ひとりが教官を倒したと思っていた。だが一夏も教官を倒したようで、ショックを受けている。そして金髪の矛先が一夏から俺に向いた

 

「あなた! あなたも教官を倒したんですか」

「・・・いや、俺は負けた」

「そ、そうですわよね。あなたのような下々の服を着て登k「相手が織斑先生だったしな」・・・へ?」

 

金髪は豆鉄砲を喰らったハトのような顔した。

 

「お前、千冬姉とやったのか?」

「あぁ、すごかったよ。お前の姉・・・」

「まぁ、千冬姉は人間やめてるようなものだし」

「ほぉ〜誰が人間やめてるだと・・・」

[パアンッ]

「っ!」

 

一夏の後ろには出席簿を持った鬼、もとい織斑先生がいた。一夏が頭の痛みに悶えていると三時限目開始のチャイムが鳴った。

 

「さっさと座れ、授業始めるぞ」

 

織斑先生はそう言うと、未だに痛みに悶えてる一夏の襟元を掴んで教卓へ向かう。そこに

 

「織斑先生!」

 

金髪が織斑先生を呼び止めた。

 

「・・・なんだ。オルコット」

 

織斑先生は鋭い目つきで金髪を見る。金髪は一瞬びびるが、

 

「こ、この方の試験相手をしたのは本当ですか」

 

と、俺の方に指を指す。織斑先生は俺を見て何かを考えてるようだ。金髪はそんな織斑先生が気になって声をかける。

 

「あ、あの。織斑先生・・・?」

「っ!・・・あぁそうだ。それだけか」

「は、はい」

「だったら、さっさと席に座れ」

 

復活した織斑先生の威圧感にやられ、金髪は引き下がる。織斑先生は一夏を引きずりながら教卓へ。金髪はこちら向いて

 

「またあとで来ますわ! 逃げないことね! よくって!?」

 

そう言って、金髪はそのまま自分の席へ向かう。

 

(・・・めんどうなことになった)

 

本音がまた心配そうにこちらを見てたので本音に近づき耳元で「大丈夫」と、伝えた。この時、本音からいい匂いがしたので、不覚にもドキッと、してしまった。俺は本音から離れ、ドキドキしている胸を片手で押さえ、前にいる織斑先生の話を聞く。

 

「授業をやるまえに再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める・・・あとクラス代表者は対抗戦だけではなく、生徒会が開く会議や委員会への出席しなければいけない。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点でたいした差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更できないからそのつもりでいろ。自薦他薦は問わないぞ」

(・・・つまり、代表者になると一年間、めんどい会議とかにでなきゃいけないのか・・・絶対やりたくない)

 

と、思っていると女子たちが

 

「はい! 織斑君を推薦します!」

「私もそれがいいと思います!」

「お、俺!?」

 

一夏は席から立ち上がる。

 

「織斑。邪魔だ、座れ。さて、他にはいないのか? いないなら無投票当選だぞ」

「ちょっ、ちょっと待った! 俺はそんなのやらな「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ」

「い、いやでも・・・」

(見苦しいぞ一夏・・・そういえば本音しゃべらないけど、どうした?)

「zzz・・・」

(寝てる・・・・・・・・・・かわいい〜)

 

まるで小動物のように寝ている本音を見て素直にかわいいと思う。

 

(撫でていいよな、というか撫でたい!)

 

俺は本音の頭に手を伸ばし

 

(ナデナデ)

「うみゅ〜・・・zzz」

(だめだ、癖になりそう・・・)

 

優しく撫でた。本音は気持ちよさそうに笑うのを見て、さらに撫でようとしたら

 

「決闘ですわ!」

 

金髪が机を叩いて叫んでいた。その矛先は

 

「おう。いいぜ。四の五の言うよりわかりやすい」

 

どうやら一夏のようだ。一夏は席を立った状態で金髪を見ている。

 

「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い・・・いえ、奴隷にして差し上げますわ」

「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいないぜ」

「そう? 何にせよちょうどいいですわ。イギリス代表候補生であるわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すいい機会ですから」

 

あの金髪の名前、セシリア・オルコットって言うのか。でも金髪の方が文字数少ないから金髪のままでいいか

 

「ハンデはどのくらいつける?」

「あら、早速お願いかしら?」

「いや、おれがどれくらいハンデをつけたらいいのかな・・と?」

 

一夏がそう言うとクラスから女子の爆笑が巻き起こった。

 

(うるせぇよ)

 

イライラしていると、女子たちが一夏に話しかける

 

「お、織斑君、それ本気で言ってるの?」

「男が女より強かったのって大昔の話だよ?」

「織斑君は、確かにISを使えると思うけど、それは言いすぎよ」

 

みんなが本気で笑ってることに、イライラが増していく

 

「・・・じゃあ、ハンデはいい」

「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、わたくしがハンデをつけなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんて、日本の男子はジョークセンスがあるのね」[ブチンッ]

 

そろそろ、こいつには黙ってもらうか? あと笑ってる奴にも・・な・・・

俺は席を立ち、金髪に向かって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「調子に乗るなよ小娘・・・」

 

 

 

 

 

 

 

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千冬SIDE

 

 

「ほぉ〜誰が人間やめてるだと・・・」

 

私は目の前にいる愚弟を出席簿で叩く。

 

「っ!」

 

一夏は私の足元で悶えていると、チャイムが鳴る。

 

「さっさと座れ、授業始めるぞ」

 

私は一夏の襟元を掴んで引きずり、教卓へ向かう。だが、オルコットが呼び止めた

 

「織斑先生!」

「・・・なんだ。オルコット」

 

私の事を呼んだオルコットをにらめつけながら、答える。

 

「こ、この方の試験相手をしたのは本当ですか?」

 

そう言われて朝霧の方を見た。正直言うと、こいつの事はよく分からない。経歴を調べても、これといって珍しいものはなく、束にも調べさせたが、チンピラ十数人相手にケンカをしてたぐらいしか新しい情報はなかった。だが、十数人といえども、たかがチンピラだ。それだけでは理由にはならない・・・

 

(私の本気の攻撃を受け止めたことには・・・)

 

それも一撃だけではない、いくら本気で打ち込んでも、すべて受け止められた。だから、量産型IS[打鉄]の主装備である、ブレードで朝霧を空へ上げ、空中戦に持ち込んだ。すると、さっきまでの動きとは違って鈍っていた。もし、空中戦に追い込まなければ勝負はつかなかっただろう。いや

 

(もしかしたら、負けていたかもしれないな・・・)

「あ、あの。織斑先生・・・?」

「っ!」

 

そういえば質問されていたな

 

「あぁそうだ。それだけか」

「は、はい」

「だったら、さっさと座れ」

 

そう言って私は教卓に向かう。

 

〜〜〜省略します〜〜〜(その2参照)

 

「い、いやでも・・・」

 

一夏は食い下がってくる。だが、それを無視して、後方の席を見る。

 

(あそこの席は布仏か・・・)

 

私は布仏を起こそうとチョークに手を伸ばすが、手が止まってしまった。なぜなら・・・

 

(ナデナデ)

 

朝霧が布仏を撫でていた。しかもとても幸せそうに・・・

朝霧の新しい一面を見てオルコットの「決闘ですわ!」が聞こえるまで、その幸せそうな朝霧をずっと見ていた。

 

〜〜〜また省略〜〜〜(その2参照)

 

「・・・じゃあ、ハンデはいい」

(はぁ〜)

 

一夏の発言にため息をつく。さっきまで威勢が良かったのに女子たちの爆笑で、思い直したのか、さっきに比べて弱気になってしまった。オルコットは一夏の発言に

 

「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、わたくしがハンデをつけなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんて、日本の男子はジョークセンスがあるのね」

 

さっきまでの激昂は消え、オルコットは嘲笑を浮かべていた

 

(いいかげん、止めるか・・・)

 

さすがに見苦しくなってきたので、二人とまだ笑っている女子たちを黙らすために口を出そうとしたが

 

「調子に乗るなよ小娘・・・」

「っ!?」

 

私はその言葉に身構えそうになるが、拳を握りぐっと堪えた。声の発声原を見たら、無表情で殺気を放っている朝霧が立っていた。どうやら、殺気に気づいてるのは私だけみたいで、あまりにも大きい殺気に握った拳に汗が出る。

私は朝霧がどうして私の攻撃を受け止められたのか、少し、分かった気がした。

 

 

獅苑SIDE

 

「調子に乗るなよ小娘・・・」

 

つい、言ってしまった。俺の発言によってクラスのみんなが驚いてるのか、黙っている

 

(でも別に俺は悪くないよね、あっちの方からケンカを売ってきたようなもんだし)

 

そんな中、金髪は我に返り、反論してくる。

 

「こ、こ、小娘ですって!! わたくしのことを言っていますの!?、あなた!」

「いちいち大声を出すな、うざいから」

「う、うざいですって!? イギリスの代表候補生である、わたくしに!」

「肩書きは関係ないだろ。それとも肩書きがなけりゃ威張れないのか? お前は」

「どこまでも馬鹿にして〜・・・いいですわ。あなたもあの方と同じように、わたくしの[ブルーティアーズ]でそんな口、二度と言わせませんわ!!」

「できればいいな・・・」

 

金髪は一夏の方に指を指す。だが金髪は俺が最後に言ったことにまた、がみがみ言っているが俺は無視する。無視していると近くの女子が俺に話しかける。

 

「あ、朝霧君、や、やめた方がいいんじゃない。相手は国家代表だよ・・・」

 

そんな何も知らない女子に殺気を込めて

 

「俺の実力を知らねぇくせに、勝手に勝敗を決めんてんじゃねぇぞ」

「ひっ!?」

 

女子は脅え声を上げる。だが、脅えているのは彼女だけではなく、そのまわりにいる女子たちも俺の殺気に脅え、中には身を縮こませて震えている女子もいた。

そんな女子たち(金髪も)をほっといて織斑先生に話しかける。

 

「織斑先生。このような事になりましたがどうしますか?」

「あ、あぁそうだな。それでは勝負は一週間後の月曜日。放課後、第三アリーナで行う。織斑とオルコット、そして朝霧はそれぞれ準備しとくように。それでは授業を始める・・・あと、朝霧。布仏を起こしてやれ」

 

俺は本音を起こして席に座る。

授業中、女子たちの視線が俺に刺さる。本音はこの事に疑問を持ち首をかしげている。俺はそんな視線を気にせずノートをとった。

 

 

本音SIDE

 

 

セッシーが自分の席に戻った後、獅苑くんのことが心配で見ていたら、私が見ていたことに獅苑くんが気づいた。すると、獅苑がこちらに近づいてくる。

 

(し、し、し、獅苑くんのか、顔がこ、こんな、こんな近くに・・・///)

 

少しでも動いたら獅苑くんと触れてしまう距離だ。獅苑くんは耳元で「大丈夫」と言ったが、今の私には何が大丈夫なのか頭の中で処理ができなかった。すると獅苑くんは私から離れる。

 

(ぁ・・・)

 

獅苑くんは前を見て織斑先生の話を聞いてる。私も必死に聞こうとするが、胸のドキドキがおさまらず、集中できない。そして落ち着かない。

 

(こういう時は寝た方がいいよね、うん・・・)

 

そう自分に語りかけ、両腕を机の上で組みそこに頭を乗せ、私は目を閉じた

 

〜〜〜本音 夢の中〜〜〜

 

夢の中で私は

 

「わぁ〜〜〜! お菓子がいっっっぱ〜〜い!」

 

お菓子と戯れていた。

 

〜〜〜本音 現実に帰還〜〜〜

 

目を開けたら、獅苑くんが私の肩を揺らしていた。獅苑くんは私が起きたのを確認して席に座る。前を見ると織斑先生が授業を始め黒板に字を書いている。私はまだ眠いが目をこすりながらノートをとった

授業中、前の席の女子たちが獅苑くんをチラチラと見ている。でもその目は最初の時の物珍しい感じではなく、警戒しているような目をしていた。

 

「・・・?」

 

このことに私は首をかしげた。だが獅苑くんを見ると、女子たちの視線に気づいているのかいないのか、普通にノートをとっていた。そんな時間が過ぎていき、授業が終わる。私は獅苑くんに女子たちの視線について聞こうと獅苑くんの席を見るが

 

(・・・あれ〜、獅苑くんはどこ〜)

 

そこには獅苑くんの姿はなく、そのかわりに相川清香(あいかわきよか)、きよっちがこっちに来て話しかけてきた。

 

「ねぇねぇ、布仏さん。朝霧君ってどういう人なの?」

「え・・・?」

 

突然、獅苑くんのことを聞かれ、言葉が止まってしまった。

 

「布仏さん。どうしたの?」

「え! な、なんでもないよ〜」

 

きよっちの言葉で我に返る。するときよっちは何か納得したように

 

「やっぱり朝霧君って・・・」

「ねぇ、ギリーがどうかしたの?」

「あ、そうか。布仏さん寝てたもんね」

「うっ・・・」

 

やっぱり気づかれてたんだ・・・

 

「じゃあ何があったか教えるね」

 

〜〜〜説明中〜〜〜

 

「・・・って、事があったの」

「私が寝てる間に、そんなことあったんだ〜」

「・・・落ち着いてるね、布仏さん」

「うん〜。たぶんギリーね、イライラしてたんだと思うよ〜。怒ることはそんなにないんだけど」

「そ、そうなの。じゃあ朝霧君には気をつけないとね」

「うん。怒ると怖いからね〜」

(お姉ちゃんより怖いからね〜)

「こ、怖いってレベルじゃないわよ。あれは」

 

私の近くの席にいる女生徒1が顔色を悪くしながら言った。女生徒1の言葉に頷き女子たちも話す。

 

「正直やばかったよね。あの時」

「うん。一瞬、意識飛びかけたもん」

「なんか嫌だよね〜、あんな奴がいたら。絶対中学の時、不良だよね〜」

 

「だよね〜」と、まわりの女子たちも共感する。私は獅苑くんを不良と言われ反論する。

 

「ギリーを不良とか言わないで!!」

「「「「「ビクッ!」」」」」

 

いきなりの大声にきよっち+女生徒1+女子3人は驚く。いきなりの空気の変わりようにきよっちが間に入り、場を収め、みんな自分の席に戻っていった。

 

 

獅苑SIDE

 

 

「なんか嫌だよね〜、あんな奴がいたら。絶対中学の時、不良だよね〜」

(好き勝手に言ってるな・・・だけど、不良と言われても言い返せないな)

 

俺は今、教室の出入り口のそばで耳を澄ましている。だが俺は何故自分が隠れなければいけないのかと思い、教室に入ろうとするが

 

「ギリーを不良とか言わないで!!」

「っ!」

 

本音の大声に驚き、また身を隠す。中の様子を伺うと一人の女生徒が間に入り現場を収めてくれたようだ。俺は教室に入る勇気がなく、その場から離れた。

 

〜〜〜獅苑移動中〜〜〜

 

「だ〜れだ?」

 

突然、目を塞がれた。どうやら俺はさっきの教室のことで、まわりに気が回らなかったようだ。

 

(それにこの妙な氣はあの時の・・・)

「はい、時間切れ・・・んふふ」

 

視界が晴れる。すぐにその場から離れ、相手を見る。知らない女子だった。その女子は扇子を口元に当て、俺を笑顔で見ていた。あと、リボンの色を見ると黄色。どうやら二年生のようだ。

 

「・・・誰です」

「通りすがりの美少女y「嘘をつくな」・・・あら、何でそう思うのかな?」

「おなたが俺をつけている事に気づいていないとでも、思いましたか。・・・」

「あ、やっぱりバレテタ?」

「あと、二時限目前の休み時間の時、俺たちの話を盗み聞きしてましたよね」

「なんのことかな?」

 

俺は女子に近づき

 

「?・・・・・[ゴツンッ]!?」

 

本気で拳骨を喰らわした。女子は痛みに悶えしゃがんでいる。

 

「な、何するのよ〜」

 

痛みが引いたのか、女子は上目づかいでこちらを見る

 

(・・・・・・やばい、かわいいかも)

 

などと思いながら、質問に答える。

 

「言ったでしょう、『出てこないなら、どうなっても知らないぞ』って」

「で、でも。いきなり美少女の頭に拳骨はないんじゃないかな?」

「知りません」

「ひど〜い。おねーさん、泣いちゃうよ」

「んで、用件は何ですか」

 

俺がそう言うと、女子は立ちあがり

 

「ううん、用件はないわ。私はあなたとお話したかっただけだよ」

「・・・?」

「あ、深くは考えなくていいよ。本当にお話をしに来ただけだから」

「・・・何故俺とお話したいと?」

「それは君のことがほしいからだよ。朝霧獅苑くん」

「・・・は?」

「じゃあ、またね。朝霧くん!」

 

俺はその場に立ち尽くしていた。

 

 

??SIDE

 

 

初めて朝霧くんと面と向かって話してみたが、拳骨を喰らうとは思わなかった。

 

(動きが見えなかった。・・・やっぱり彼、面白いな〜)

 

それに最後に見せた、彼の顔を見て

 

「かわいかったな〜・・・やっぱりほしいわ。彼」

 

 

獅苑SIDE

 

 

「っ!?」

 

なんだ、この嫌な予感は・・・

説明
背筋がかゆいわぁ〜・・・自分で書いててなんだけど
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のほほんさん 朝霧獅苑 インフィニット・ストラトス 

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