IS学園にもう一人男を追加した 〜 4話
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本音SIDE

 

 

「ふぁあああん」

 

私はベットから立ち、洗面所で顔を洗い、スッキリしたところで隣のベットを見る

 

「zzz・・・」

 

そこには気持ちよさそうに寝ている獅苑くんがいた。その寝ている顔はとても男には見えないくらいのかわいらしい顔だった。でもそんな顔を見ていると、昨日の事を思い出し顔が熱くなる。

 

「zzz・・・」

「なんかずるい〜・・・えいっ」

 

私は獅苑くんに近づき頬を突っつく。そうすると獅苑くんは少し嫌そうな顔をするが、すぐに元に戻る。私は面白がって突っついていると、獅苑くんは目を開ける。すぐに私は手を引いて離れる。

 

「んぅ、ふぁああああぁん・・・(ぽわぽわ)」

 

獅苑くんは頭に血が巡っていないのか、ぼ〜としてる。

 

(相変わらず、朝は弱いだね〜)

「朝ですよ〜、獅苑くん。起きてる〜?」

「ん・・・おきてる」

「じゃあ〜、はやく顔を洗おうね〜」

「・・・わかった」

 

そう言って、獅苑くんは洗面所まで、フラフラしながら向かった。私も制服に着替える。が、5分経っても獅苑くんは洗面所から出てこない。私は心配になって、洗面所に向かったが、そこには

 

「・・・やっぱり変わってないね〜」

「zzz・・・」

 

獅苑くんは立って寝ていた。

 

〜〜〜食堂〜〜〜

 

私は獅苑くんをつれて食堂に連れてきた。

 

(パク、パク、)

 

獅苑くんは眠そうにしながらも、器用に食事をしている。たまに口元に食べかすがついている時は私がティッシュで拭く。

 

(これって恋人同士がやるものだよね〜///)

 

私は微笑みながら思う。食事が終わり、獅苑くんの分のトレイも一緒にカウンターに置いていき、時間は早いが、学校に向かった。

 

 

獅苑SIDE

 

 

「はっ・・・」

 

俺はいつの間にか教室にいた。前の方では織斑先生が何かを話していたようだが、SHRが終わると同時にその話は終わっていた。

 

(まぁどうでもいいか・・・)

 

俺がそう思っていると本音が話しかけてきた。

 

「すごいね〜、ギリー」

 

褒められた・・・何を?

 

「あ、あれ〜、もしかして〜、今の今まで寝ぼけてた〜?」

 

寝ぼけてた?・・・あぁ昨日はいろいろあったからな〜。

 

「たぶん・・・もしかして、ここまで本音が運んでくれたのか?」

「う、うん。そうだよ〜」

「そうか、ありがとう」

[ナデナデ]

「〜〜〜」

 

そう言って、本音の頭を撫でると本音は気持ちよさそうに目を細める。俺は1時限目のチャイムがなるまでずっと撫で続けた。で、何がすごいんだろう?

 

〜〜〜昼休み〜〜〜

 

すべての授業を上の空で聞いていると、いつの間にか昼休みになっていた。前を見ると、一夏が女子生徒の横に立ち話しかけている。すると一夏はこっちを向き

 

「誰か一緒に行かない?」

 

一夏言うと、数名の女子が手を上げる。

 

「獅苑も一緒に行こうぜ」

「じゃあ、私も行く〜」

 

本音も手を上げた。一夏はまた女子生徒の方を向き話しかけている。すると一夏は女子生徒の手首を掴んで強引に立たせる。だが女子生徒は掴まれた手を振りほどき、一夏を投げ飛ばす。

 

(へ〜・・・)

 

一夏は床の上に背中から落ちた。それを見た女子たちは

 

「私たちやっぱり・・・」

「え、遠慮しておくね・・・」

 

退散していく。

 

「ど、どうする〜・・・?」

 

本音も退散した女子たちと同じように、女子生徒を怖がっている。

 

「俺は行く。あいつに興味がわいた。本音は無理しなくていいぞ」

「う、うん。ごめんね、ギリー」

「謝らなくていい」

 

本音は「ありがとう」と、言って教室を出る。だが、すぐ戻ってきて俺のそばに近づき

 

「浮気したら許さないからね〜」

 

そう言ってそのまま去って行った。俺は本音の後姿を見ながら微笑んでいた。

 

(そういえば、一夏をいつ殴ろ?)

 

そう思いながら、一夏がいる場所に向かった。

 

 

一夏SIDE

 

 

「箒」

「な、名前で呼ぶなと「飯食いに行くぞ」」

 

俺は箒の手を掴む。

 

「お、おいっ。いい加減に「黙ってついて来い」・・む・・・」

 

最初っからこうすればよかった。

 

「おい、俺もいいか」

「あ、獅苑か。いいぜ、じゃあ行こう」

「・・・」

 

俺の言葉に頷いて俺たちは食堂に向かった。

 

〜〜〜学食〜〜〜

 

学食に到着はしたが、すげぇ混んでる。だが、三人座って昼食をとるくらいは出来そうだ。

 

「箒、あんなにむきになることはないだろう。せっかく気を使ってやったのに」

「誰がそんなことを頼んだ・・・」

「もし、頼まれたって普通はしないぞ。箒だからするんだぞ」

「な、なんだそれ」

「おばさんたちにはお世話になったし、幼馴染で同門なんだ。これくらいのお節介は焼かせろ」

 

箒は顔を少し赤くし

 

「・・・あ、その・・ありが「はい、日替わり二つお待ち」」

「ありがとう、おばちゃん・・・あれ? そういえば獅苑はどこにいるんだ。箒、知ってるか」

「・・・」

「箒?」

 

返事がないので見ると、さっきよりも不機嫌そうな顔をしてた。箒は日替わり定食が乗っているトレイを持って

 

「・・・朝霧なら向こうの席にいる」

 

すたすたと歩き出した。

 

(何でいきなり怒ってんの?)

 

とりあえず箒を追っていくと、パンをかじって座っている獅苑を見つけた。いつから座ってたんだろう?

俺と箒は向かい合うように座りその間に獅苑が座っている形だ

 

「獅苑、そんなんで足りるのか」

 

獅苑の昼食はパンが一つだけだった。

 

「ああ。足りなかったら・・・これを食べる」

 

そう言ってポケットから飴を出した。いやいやそれでも足りないだろ。

 

「そういやさあ」

「・・・なんだ」

 

箒は味噌汁に口を付けながら返事。獅苑はパンに夢中。俺も焼き魚の身をほぐしながら続ける。

 

「ISのこと教えてくれないか? このままじゃ来週の勝負で何も出来ずに負けそうだ」

「くだらない挑発に乗るからだ、馬鹿め」

 

そうなんだけどさ・・・

 

「そこなんとか、頼むっ!」

 

箸を持ったまま、手を合わせる。

 

「・・・」

 

無視された。すると

 

「ねぇ。君って噂の子、一号でしょ?」

 

女子から話しかけられた。リボンの色を見ると赤・・三年生のようだ。

 

「はあ、たぶん。って一号って?」

「一号は一号よ。それでもう一人の男子生徒の二号くんはどこにいるのかな?」

 

どうやら俺は一号で獅苑が二号のようだ。

 

「それならここにいますよ」

 

俺はまだパンをかじっている獅苑の方を指を指す。

 

(っていうか、まだ食べてるのかよ)

「え?、冗談言っちゃいけないよ。確かに制服は男子用だけど、どう見たって女子でしょ」

「俺は男です」

 

先輩の言葉に獅苑が反論した。

 

「そ、そう。ごめんね」

「で、なにか用ですか?」

「あ、そうそう。代表候補生の子と勝負するって聞いたけど、本当?」

「はい、そうですけど」

 

さすが女子、噂と特売には目がないって本当なんだな。

 

「でも君たち、素人だよね? IS稼働時間いくつくらい?」

「いくつって・・・二十分くらいかと。獅苑もそれくらいだよな」

[コクッ]

「それじゃあ無理よ。ISって稼働時間がものをいうの。代表候補だったら軽く三百時間はやってるわよ」

 

三百時間と言われてもピンッとこない。でもこのままだとセシリアに敗北するのは明らかなようだ。

 

「でさ、私が教えてあげよっか? ISについて」

 

おお。なんて親切な人だ。

 

「はい、ぜ「結構です。私が彼に教えることになっていますので」・・・え?」

「あなたも一年でしょ? 私の方がうまく教えられると思うなぁ」

「・・・私は篠ノ之束の妹ですから」

「篠ノ之って・・・ええ!?」

 

先輩は驚きの声を上げる。それはそうだろう、IS作った人の妹が目の前にいれば。

 

「ですので、結構です」

「そ、そう。それなら二号くんは?」

 

すると先輩はパンを食べ終わった獅苑に尋ねた。

 

「俺も結構です」

「いや、それじ「結構です」・・・うっ」

(おいおい、そんな威圧するなよ。まるで千冬姉みたいだぞ)

「そ、それなら仕方ないわね・・・」

 

先輩は軽く引いた感じで言ってしまった。

 

「箒」

「なんだ?」

「なんだって・・・いや、教えてくれるのか?」

「そう言ってる」

 

最初からそう言ってくれればもう少しスムーズだったんだけどな。

 

「今日の放課後」

「ん?」

「剣道場に来い。一度、腕がなまってないか見てやる」

「いや、俺はISの事を「見てやる」・・・わかったよ」

(なんで、俺の周りの女って強情なのが多いんだろうか)

 

そう思っていると、獅苑がここに来て初めて会話に入る。

 

「俺も行っていいか・・・」

「え?・・・お、おう、いいぜ。いいよな箒?」

「む・・・ま、まあいいだろ」

 

箒は少しムッとしたが了承した。

 

〜〜〜剣道場〜〜〜

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「どういうことだ」

「いや、どういうことって言われても・・・」

 

俺は今、箒に怒られている。手合わせを開始してから十分、俺の一本負け。ちなみに獅苑は剣道場の出入り口に立っており、その後ろにはギャラリーがわんさかいた。

 

「どうしてそこまで弱くなっている!? 中学では何部に所属していた?」

「帰宅部。三年連続皆勤賞だ」

 

実際、家計を助けるためにバイトをしてたんだけど

 

「鍛え直す! IS以前の問題だ! これから毎日の放課後、三時間、私が稽古をつけてやる」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺はISの事を「だから! IS以前の問題と言っている!」」

(うわあ。すげぇ怒ってる)

 

俺が怒られていると、外のギャラリーから

 

「織斑君てさ〜」

「結構弱い?」

「IS、本当に動かせるのかな〜?」

 

ひそひそ話が聞こえる。

 

「はぁ・・・」

[バタンッ]

 

俺がため息をついてると、剣道場の扉が閉まる音が聞こえた。

 

「今度は俺にやらせてくれないか?」

 

扉を閉めたのは獅苑のようだ。その獅苑が俺が使っていた竹刀を拾って、箒に聞く。

 

「・・・いいだろう。相手になってやる」

 

 

箒SIDE

 

 

今、目の前にはもう一人のIS男性操縦者の朝霧獅苑が竹刀を持って立っている。昼食の時、共に食事をとったが、こいつの動きには大したものを感じない。もちろん流派とかもだ。そう、私から見て朝霧はただの人と変わりない。いや、一夏よりも体格が女らしいので、一夏より弱いかも知れない。そんな奴が私に勝負を挑んでる。正直、笑ってしまう。そして何よりなめられている感じがして、腹が立つ。だから私はこの勝負を受けた。

 

「はやく胴着に着替えろ」

「・・・必要ない」

 

この言葉に私はカチンッときた。

 

「お、おい。ちゃんと防具を着けないと危ないぞ」

「言ったろ。必要ないと。あと一夏、審判を」

「あ、ああ・・・」

(こいつ、どこまで私をなめてるんだ!)

「・・・どうした、さっさと始めよう」

「くっ・・・」

 

そう言われて私は竹刀を構え、駆け出し腕を振り上げ構えもとっていない朝霧の頭に竹刀を振り下ろす。だが

 

「フッ・・・」

「な!・・・」「え!・・・」 (箒・一夏)

 

避けられた。完璧に入ったはずの攻撃を。私はすぐに朝霧から距離をとる。

 

(今のはまぐれだ。こんな奴に私の攻撃を避けられるはずがない・・・)

 

私は自分に言い聞かせて、もう一度、朝霧に竹刀を振り下ろそうとする。

 

「人を見た目だけで判断してたら・・・」

 

私は振り下ろそうとする腕を止めた。朝霧の声で止めたわけではない。ただ目の前に一瞬だけ空気の真空ができていたからだ。

 

「痛い目、見るぞ」

[コツンッ]

 

朝霧の竹刀が私の頭をやさしく当たった。

 

「一夏、審判」

「あ、ああ。一本!」

 

一夏の声で我に返った私だったが、朝霧は私の竹刀を奪って一夏に渡した。

 

「え?・・・」

「お、おい。何して「一夏、次は俺とやろう」・・おい!」

 

私の言葉を無視し朝霧と一夏は勝手に始まってしまう。まぁ結果はもちろん一夏のボロ負けだが。朝霧は満足したように竹刀を一夏に渡しそのまま帰ろうとする。

 

「ちょ、ちょっと待て!」

「・・・なんだ」

「うっ・・・」

 

千冬さんと似ている威圧感を感じ、私は何も言えなかった・・・

 

 

獅苑SIDE

 

 

俺は剣道場で一夏をボコボコにした後、今は職員室の客間でIS学園の制服に着替えている。

 

「[コンコン]朝霧君、着替え終わりましたか?」

「・・・終わりました」

 

俺は客間から出ると、山田先生と織斑先生が立っていた。

 

「ほう、なかなか様になってるじゃないか」

「似合っていますよ、朝霧君」

「ありがとうございます」

 

素直にお礼を言う。俺は「帰ります」と言って、教員室から出て寮に帰った。

 

〜〜〜寮の部屋、獅苑・本音〜〜〜

 

「ただいま」

「おかえり〜」

 

俺が帰ってくるとすでに狐のパジャマを着た本音が俺に飛びつく。もちろん身体がぴったりくっついているため

 

(そういえば、本音って、けっこう大きいんだな)

 

すぐに頭を振って吹き飛ばす。そんな俺を見て本音は首を捻っていた。俺はごまかすために本音の頭を撫でる。すると

 

「♪〜〜」

 

うまくいったようだ。しばらく本音の頭を撫でていたら、本音は俺の服装に気づいたみたいだ。

 

「あれ〜、それって・・・」

「さっき職員室で着替えてきた」

「そ、そうなんだ〜。え、え〜と似合ってるよ///」

「そ、そうか。ありがとう///」

 

しばらく黙っていると、本音の腹が鳴る

 

「〜〜〜///」

「夕食、食べていないのか?」

「う、うん。獅苑くんを待っててたから〜」

「なら、食べに行くか」

「うん〜」

 

本音は俺の腕にくっついて、食堂に向かった。

その後、特に不思議な出来事はなく、俺たちはそれぞれのベットに入り寝むった。

 

〜〜〜朝方、3時ごろ〜〜〜

 

(え〜と、どうしよ)

 

俺は珍しく早く起きた。起きたはいいが、ベットに入り込んでいる本音を見た途端、眠気が吹っ飛んでしまった。本音は気持ちよさそうに胸にへばりつき寝ている。

 

(かわいいんだけどさ・・・さすがにこのままだと俺の理性がもたないな)

 

俺はやさしくゆっくり本音を引き剥がし、ベットから出る。出た後、本音を抱き上げもともと本音が寝ていたベットに移す。俺の今の服装は中学のワイシャツとズボンである

 

(ひさしぶりにトレーニングでもするか・・・)

 

俺は部屋から出てグラウンドに出た。

 

〜〜〜グラウンド〜〜〜

 

(やっぱり広いな、ここ)

 

パンフレットだと一周が五キロあるらしい。俺はグラウンドを見て感想をもらし、トレーニングを始める。

 

〜〜〜トレーニング中〜〜〜

メニュー

・腹筋50、背筋50 2セット

・腕立て50 2セット

・1km全力疾走

・20km持久走

 

(こんなんでいいか)

 

俺はそう思い、寮に戻るためグラウンドから出る。寮に戻る道を歩いていると、向こう側から、白ジャージ姿の織斑先生と会った。

 

「朝霧か、どうしたんだ? こんな時間に」

「おはようございます。グラウンドで少しトレーニングを」

「ほお〜、早いんだな・・・」

「いや、単純に早く起きただけなので。織斑先生は何して?」

「私もそんなとこだ。そういえばオルコットとの勝負はどうだ、勝てそうか?」

「勝ちますよ。絶対に」

「即答か。なら安心だな。試合当日には、お前の専用機も届く」

 

専用機?

 

「そうなんですか?」

「昨日のSHRで言ったはずだが・・・」

「すみません。寝ぼけてて聞いてませんでした」

 

なるほど、本音の『すごいね〜』って、このことだったのか。

 

「・・・まぁいい、だが次はちゃんと聞けよ」

「わかりました。では」

 

俺は織斑先生の横を通り過ぎ、寮に戻った。

 

〜〜〜余談〜〜〜

 

そのあと、部屋でIS学園の制服に着替え、飴をなめながらぼ〜としてると本音が起きた。そして起きてる俺を見るなり驚きの声を上げたとさ。

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朝霧獅苑 のほほんさん インフィニット・ストラトス 

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