緋弾のアリア〜審判を下す者〜第4審
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部屋に戻った俺に金髪が飛び込んできた。

 

「ミオ〜、会いたかったよ〜!癒して〜」

 

理子の顔はいつも通りじゃなかった。トラウマ の原因が来たんだ。怯えているのだろう。

 

「・・・・・・・・・ブラドが来たんだろ」

 

「そうだよ。あいつと戦って、負けちゃった。 うわーーん!!」

 

泣き目で俺の胸に顔を埋める理子の対応に困る 。こういうのは慣れていない。 その時、後ろから声が聞こえた。

 

「理子、嘘泣きを止めて澪瑠から離れろ」

 

声と共に、部屋のドアが凍り付く。ああ、ジャ ンヌか。

 

「む〜、せっかく良いところだったのに〜」

 

拗ねた様に、口を尖らせながら離れる理子はい つも通りだった。

 

「澪瑠も少しは抵抗しろ」

 

「・・・・・・・・・・?」

 

ジャンヌが怒った顔で俺を睨んでくる。

 

「ふっふっふ。ミオは理子を抱きしめるのが好 きだから、良いんだよ〜。ほらね」

 

ギュッとまた抱きついてくる理子は挑発的にジ ャンヌを見る。

 

「りぃぃぃぃこぉぉぉぉぉぉ!」

 

顔を真っ赤にしたジャンヌが聖剣を抜いた。あ 、これ結構ヤバいかも。俺は理子の手を掴んで 一回転するように回してそのままジャンヌに飛 ばす。ジャンヌは慌ててキャッチする。

 

「ワキャッ!?」

 

奇声を上げる理子は甲冑に額をぶつけた。

 

「痛いよ、ミオ〜。とゆうかジャンヌ〜」

 

「いや、私も突然だったから」

 

「・・・・・・・・・喧嘩は余所でやれ。ここ は稀少な資料とかもあるんだ」

 

「あ、すまない澪瑠」「ゴメ〜ン」

 

素直に謝る二人。良い、と言って二人を中に入 れる。

 

「・・・・・・・・・俺は今から教授の所行く から、暴れないなら部屋で待ってろ。それが無 理なら、自室に戻れ」

 

「また秘密の仕事?良いな〜」

 

「澪瑠ばっかり・・・・・・・・・」

 

二人とも、口を尖らせて、俺を見る。

 

「・・・・・・・・・自分の力が弱いのが行け ない」

 

「そんな事言うけど〜、ミオが強すぎるんだよ 〜。ただの鍛冶屋なのに〜」

 

「そうだぞ。いくら剣を造ってるからって、私 より強いのは納得いかん」

 

剣士としてのプライドがあるのか、ジャンヌの 目は炎が灯っている。氷の魔女なのに。

 

「・・・・・・・・・また特訓に付きやってや る」

 

これはいつものパターンだから、回避する方法 は分かっている。二人とも顔を輝かせる。

 

「絶対だからね〜」「約束だぞ」

 

「・・・・・・・・・ああ。絶対守る。じゃあ」

 

俺は自室を出て、教授の部屋に向かう。

 

「・・・・・・・・・失礼します」

 

「やあ、来たね。早速だけど、これ」

 

渡されたのは一枚の紙。そこには、

 

「・・・・・・・・・ウラシ・ドルク、脱獄。世 界中で指名手配」

 

「彼を殺して貰いたい。潜伏場所は裏だよ」

 

言われて見てみると、

 

「・・・・・・・・・サハラ砂漠。結構デカい ですね」

 

「こっちも出来るだけ情報を集めたんだけどね 」

 

「・・・・・・・・・何とかなるでしょう。出発 は、明日で良いですか?」

 

「別に良いけど、何かあったのかい?」

 

「・・・・・・・・・理子とジャンヌが部屋で 待ってます。今日は、慰めないと」

 

「そうか、そうだね。うん、良いよ。明日で構 わないよ」

 

「・・・・・・・・・では」

 

俺は部屋を出て、自室に向かった。曲がり角を 曲がって、そのまま直進。次の曲がり角を、曲 がって、

 

「ほほほほほ、久しぶりぢゃの、カミシよ」

 

目の前におかっぱ頭の女がいた。ツンと高い鼻 。恐ろしくプライドの高そうな切れ長の目。服 は全身を覆うかのようなロングコートを羽織っ ている俺と違って、裸と見まごうほどに過激な 衣装だ。金のイヤリングや、額のコブラを象っ た黄金の冠を付けている。

 

「・・・・・・・・・何の用だ、おかっぱ。また アクセサリーを作って欲しいのか?」

 

「これは偶然あっただけぢゃ。それより、今、 妾をおかっぱと呼ばなかったかの」

 

「・・・・・・・・・違った?」

 

「違う!妾はパトラぢゃ!覇王(ファラオ)の名前ぐらい覚えんか!」

 

「・・・・・・・・・次は気を付ける。それじゃ 」

 

覇王の横を通って、進んで、

 

「ま、待つのぢゃ!」

 

覇王の声に振り返ると、覇王は顔を真っ赤にし ながら俺を見ていた。

 

「・・・・・・・・・何?覇王」

 

「パトラじゃ!やっぱり覚えてないではないか !今から特訓ぢゃ!妾の部屋に行くぞ!」

 

ズンズンと近ずいて俺の手を掴み、自室に向か おうと引っ張る。

 

「・・・・・・・・・いや、ジャンヌと理子を待 たせてるから」

 

そう言うと王は、

 

「ダメぢゃ!妾の名前を覚えるまでは帰さんぞ !」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に連れてこられて1時間。

 

「・・・・・・・・・パトラ」

 

「そうじゃ、やっと覚えたか」

 

嬉しそうに笑うパトラの部屋は、テレビで見た ことあるエジプト王の様な部屋。二つ分の部屋 を繋げている為、通常よりデカい。

 

「茶ぢゃ」

 

パトラが言うと、人型アヌビスが盆の黄金のコ ップを二つ持ってきた。

 

「・・・・・・・・・美味い」

 

一口飲んでみると、意外に美味かった。人型ア ヌビスが煎れた茶だから、どんな感じになるか 半分恐怖、半分嫌々で飲んでみたんだ。

 

「そうぢゃろ。この茶はお前の為に用意しとい たのぢゃからな」

 

そう言ってあまり無い胸を張るパトラだが、

 

「・・・・・・・・・俺の、為?」

 

俺の言葉で首まで真っ赤になった。覇王の芸そ の1【瞬間赤面】の出来上がりだ。

 

「ち、違うのぢゃ!これは、偶々有っただけぢ ゃ!勘違いするでない!」

 

腕をブンブンと振って否定する。どうやら怒っ たようだ。

 

「・・・・・・・・悪い」

 

怒らせてしまっては素直に謝る。もし怒らせて 俺をミイラにしようとしたら、殺さないといけ なくなる。それは最も避けないといけないから な。

 

「つ、次からは気を付けるのぢゃ!」

 

横を向いてしまったパトラは、それ以上なにも しなかった。どうやら、覇王殺しは避けれたよ うだ。

 

「・・・・・・・・ああ、次は気を付けるよ」

 

そういって席を立つ。そろそろ戻るか。

 

「ど、どこに行くのじゃ?」

 

「・・・・・・・・部屋に戻る」

 

「だ、駄目ぢゃ!わ、妾はまだ許してないぞ! 」

 

慌てて俺の前に回り込んで行く手を防ぐ。

 

「・・・・・・・じゃあ、どうしろと?」

 

「そ、それは、その」

 

急に顔をまた真っ赤にさせて俯き始めたパトラ だが、直ぐに顔を上げて俺を見つめる。その顔 は、何か決意がこもっていた。一体、何させる か心配だ。

 

「め、目を閉じるのぢゃ!」

 

「・・・・・・・はい?」

 

つい聞き返してしまった。何で目を閉じさせる 。

 

「い、良いから目を閉じるのじゃ!」

 

「・・・・・・・あ、ああ」

 

勢いに乗せられて目を閉じた。まあ、別に良い かな、と思った時、何か、息がかかってる感じ がした。これは、パトラ?少し香水のいい匂い はして、どんどんかかる息が強くなっている。

 

(【熱源感知】発動)

 

周囲の熱を感知し、どのような状況か把握する 能力。サーモグラフィーの人間バージョンだな 。これでパトラの様子を把握すると、結構近い 。あと数センチで顔がくっつきそうになってい る。

 

毒でも盛るのかと思ったけど、口には何も入っ てないな。じゃあ、何でこんなことするんだ?

 

あと、数ミリ。

 

ドガァァァァァァン!!

 

突如の爆発に入り口を見ると、粉々になったド アの上に理子とジャンヌがいた。

 

「バットエンドの時間ですよ〜?」

説明
4話目
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緋弾のアリア 闇の男 審判を下す者 ヒロイン ハーレム 

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