超次元ゲイムネプテューヌ『女神と英雄のシンフォニー』チャプターT第6話『二つの世界と英雄伝説』 |
モンスターの巣窟と化した工場跡地で謎の巨大モンスターと遭遇したケイト達。変身したネプテューヌと自分の中に忘れていた記憶として眠っていた棒術を用いて無事にモンスターを撃退、謎が色々と残るも取り敢えず工場跡地を出るべく来た道を戻っていたその時――
「あっ、イースン! 変身のこと教えてくれてありがとね! それで今回はどんな用?」
突然、ネプテューヌが足を止め、宙を見上げる。かと思ったら、まるで見えない誰かと話してる様に声を挙げる。
「イースン? ねぷねぷ、誰とお話してるです? ん?ん?? 私達以外誰も居ないですぅ」
コンパが辺りを見渡し確認するようにケイトに目を向け、ケイトもそれを肯定するように肩を竦めた。
「あ、二人には聞こえないんだ。いーすん、二人にも電波飛ばせる?」
そして、暫くの間が空いて
「むー、無理だって。大丈夫! 後でちゃんと話すから! それよりいーすん! さっき変なアイテム拾った!!」
端から見れば一人芝居、もしくはちょっと危ない奴に見える。が、ここは地球の常識は通じない世界。ならば、ゲームの様にいきなり声が聞こえても不思議はない。取り敢えず、ネプテューヌといーすんなる人物の会話が終了するのを黙って待つことにした。
「そうじゃなくって、さんざん苦労して助けるのがいーすん一人って、なんかモチベーションが……折角ならどーんと世界とか救いたいの!!」
が、一人?盛り上がっているネプテューヌを見てコンパは不満、というより会話に入れないのが悲しいらしく次第に涙目になっていき
「そんなにーっ!? それはもう旅立つしか無さそうだね!」
「……ねぷねぷ、凄い盛り上がっているです。でも聞こえない……私にはイースンさんの声が聞こえないですぅ……一体だえ(だれ)とどんあ(どんな)はなししてるですか。わたしもまえて(まぜて)ほしいです……ねぷねぷぅ……」
「うわぁ!? ご、ごめんごめん!! 後でお茶しながらみっちり三時間ぐらい語ってあげるからっ!!」
遂に涙声で口を開いたコンパにネプテューヌが駆け寄ると、頭をなで始め
「でもねコンパ。泣き虫な子には、イースンの声は聞こえないんだよ? ほらほら笑顔笑顔!!」
「……分かった。分かったですぅ……」
「イースンとかって奴の封印を解くための鍵の欠片、ね……」
あの後、無事にダンジョンから帰還したケイト達はコンパの部屋に戻り、ネプテューヌからさっきのイースンとの会話の内容を聞いていた。……お茶を飲みながら
「うん、それでねその鍵の欠片は各大陸に一個づつあってどれもさっきの様なモンスターに守られてるんだって」
ケイトが鍵の欠片を手に取り眺めている向かいでお茶うけのケーキを食べながらネプテューヌが言葉を返す
「て、ことはだ。プラネテューヌのは見つかったから」
「うん! 明日にでも他の大陸に――」
「えっと、ねぷねぷ。残念ですけどそれは無理です……」
「えー! 何で何で!?」
自分の分のお茶をカップに注ぎ、ネプテューヌの隣に腰を下ろしたコンパが話に割り込んできた
「最初に話したですけど、このゲイムギョウ界は四つの大陸に分かれて近づいたり離れたりしているです。そして大陸と大陸を行き来するには二つの大陸が近づいている時でないと無理なんです」
「そうなのか? 飛行機とかそういった移動手段があるもんだと思ってたんだが」
このプラネテューヌは異世界と言えどその文明は地球よりも上のレベルだ。携帯やネットも普及しているし飛行機とかも普通に存在していると思っていた。
「ケイトさん」
話しかけられ視線を戻すとそこにはコンパが得意気な表情を浮かべており
「私、ケイトさんが何者か分かっちゃったかもしれないです!」
「ホントにっ!?」
ネプテューヌの驚きの声にコンパが「はいです」と返し自分の予測を披露し始めた
「ケイトさんはズバリ! チキュウと呼ばれるゲイムギョウ界の裏側にあるとされるもう1つの世界、チキュウの住人かもしれないです!」
声こそ挙げないもの二人は驚愕していた。ネプテューヌは異世界の存在に。ケイトは何でコンパが異世界の事どころか、地球のことも知っている事に
「さっきケイトさんの言ってた飛行機は、まだゲイムギョウ界では開発中の段階です。けれどチキュウでは飛行機の存在は当たり前らしいのです。それをさも当たり前にあるような言い方をするのはケイトさんがチキュウの人間だからです!」
「おぉーーっ! コンパってば鋭いよ。まるで名探偵みたい!」
「エッヘン、です」
「……なぁ」
コンパが胸を張るとケイトは漸く口を開く。
「このゲイムギョウ界じゃ異世界……地球の存在は当たり前に認知されていたのか?」
「はい、そうですよ?」
当たり前の様に即答してきたコンパ。ケイトは自分の心配が全くの杞憂、無駄であったことにガックリと項垂れ
「ど、どうしたです?」
「ケイト?」
「実は……な」
そしてケイトは改めて自分の事を話した。自分はまさしく地球の住人であること。それを隠すために記憶喪失と嘘をついていた事を
「そうだったの? でも何でわざわざ?」
「地球じゃ異世界なんて夢物語。自分は異世界の住人だ、なんて言った日には頭がおかしい人とみなされるのがオチだ。だからまぁ……ゲイムギョウ界でも同じだろうなって思ってよ」
「そうだったですか。てっきりチキュウでもゲイムギョウ界のことは知れ渡ってるとおもったんですけど」
「まぁ、モンスターだ、女神だってのも空想上の概念と化してるからな地球じゃ。てか、何で地球のことが知られているんだ?」
「それは昔にもチキュウから人が来たことがあったからです。ゲイムギョウ界には一つの英雄伝説があって、何でも遥か昔、当時の女神様が、突然、世界を征服しようと野心を出したらしいです。それを後の先代の女神様と四人の戦士がやっつけゲイムギョウ界の平和を取り戻したです。そしてその四人の英雄の中に異世界からやって来た人が居たです」
コンパはそこで自分の携帯を取り出して、二人に見せると
「私達の使っている携帯やネットも、その人が伝えたものをプラネテューヌやラステイションが再現したものなんです」
「なるほど、な」
ネットや携帯は再現出来ても飛行機とかはまだ実用化には到ってない訳か
「と、俺の事で話が大きく脱線したが、つまり大陸同士が接近しない限り他の大陸には行けないわけか」
「はいです。次は約一週間後にラステイションと接近するですからそれまではどうしようもないです」
「それじゃあ、それまで、どうするの? ただ待っているだけ?」
「いえ、プラネテューヌにはまだまだモンスターの被害で困っている人達は沢山いるです。ラステイションに渡るまで三人でモンスター退治です!」
「後、旅の準備もだな。どう考えても長い旅になりそうだしな」
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別名、この作品内における世界観設定説明の巻 | ||
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