IS学園にもう一人男を追加した 〜 7話
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獅苑SIDE

 

 

翌日のSHR

 

「一年一組の代表は織斑一夏くんに決定です」

("一"繋がりだな)

 

そんなどうでもいい事を思っていると、山田先生の言葉を聞いてクラスの女子は騒ぎ出す。だが、一夏だけが暗い気持ちになっているのは背中から感じ取れた。

 

「先生、質問」

「なんですか、織斑君?」

「何で俺が代表なんですか? 昨日の試合で獅苑に決まったんじゃ「俺は生徒会に入った。だからクラス代表は無理だ」・・・だったらセシリアは?」

「わたくしも辞退したからですわ!」

 

金髪は席から立ち上がり,言葉を続ける。

 

「まあ、勝負はあなたの負けでしたが、しかしそれは考えてみれば当然のこと。なんせわたくしが相手だったんですから」

 

金髪の言葉にムッとなる一夏

 

「それで、わたくしも大人げなく怒ったことを反省しまして、一夏さんいクラス代表を譲ることにしましたわ」

(へ〜、一夏さん、ね〜)

「いやあ、セシリアわかってるね!」

「そうだよねー、せっかく男子がいるんだから、持ち上げないとねー」

「私たちは貴重な経験を、他のクラスの子に情報が売れる。一粒で二度おいしいね、織斑君は」

 

どうやら、一夏を使って儲けようって奴がいるようだな。

 

(・・・寝よ)

 

〜〜〜グラウンド〜〜〜

 

 

一夏SIDE

 

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット。試しに飛んで見せろ」

「はいっ」

 

セシリアはブルー・ティアーズを装備して上昇する。俺も意識を集中するがなかなか展開できない

 

「早くしろ。熟練したIS操縦者は一秒とかからないぞ」

 

俺は右腕のガンドレットを左手で掴む。

 

「来い、白式」

 

俺の体から光の粒子が解放されるように溢れ、IS本体として形成される。

 

「あれ? なんで獅苑はISを展開しないんだ?」

「あいつは前の戦闘で体に負荷がかかりすぎて、しばらくはISは動かせない」

 

獅苑ではなく、千冬姉に説明する。そんなに負荷がかかるのか、たいへんだな獅苑は

 

「ほら、さっさと飛べ」

 

俺は遅れてセシリアの後に続いたが、その上昇速度はセシリアに比べてかなり遅い。

 

「何をやってる。スペック上は白式のほうが上だぞ」

 

通信回路から早速お叱りの言葉を受ける。

 

「そんなことを言われても・・・自分の前方に角錐を展開させるイメージ、だっけ?」

「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分にあった方法を模索する方が建設的でしてよ」

「そう言われてもなぁ。大体、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだ。何で浮いてるんだ、これ?」

「・・・一夏さん、もし、よろしければ放課後に教えてさしあげて『一夏っ! いつまでそんなところにいる! 早く降りて来い!』

 

怒鳴り声が通信回線から響く。地上を見ると山田先生がインカムを箒に奪われてオタオタしている。

 

「織斑、オルコット、急降下と完全停止をやって見せろ」

「了解です。では一夏さん、お先に」

 

そう言ってセシリアは地上に向かって急降下していく。そしてどうやら完全停止もクリアーしたらしい。

 

「うまいもんだな〜・・・よし、俺も行くか」

 

意識を集中させて一気に地上へ。だが

 

「あれ? そういえば完全停止ってどうやんだ?」

 

[ギュンッ・・・・・・・・ズドォォォンッ!]

「・・・アホ」

 

獅苑の声が聞こえた気がした・・・

 

 

獅苑SIDE

 

 

一夏がグラウンドに穴を開けた放課後、俺は生徒会室で事務仕事をしている。量はそんなに多くないので、すぐに終わりそうだ。ちなみに本音は俺の隣で寝ている。

 

「zzz・・・」

「そういえば、獅苑くんのISって名前なかったよね」

 

楯無さんは虚さんの淹れてくれた紅茶を飲みつつ俺に尋ねる。ちなみに楯無さんはここに来て仕事らしき仕事をしていない。

 

(そういえば名前、決めてないな・・・つか、生徒会長なら仕事してくれ・・・)

「あまりピンッとくるものがないので・・・」

「なんなら私が決めてあげよっか♪」

 

楯無さんは紅茶を置き、俺に近づく。かなり近い・・・

 

「い、いい名前があるんですか・・・」

「うん、あるよ。『死戔』なんてどうかしら?」

 

『死戔』か・・・

 

「・・・いいですね。それ」

「でしょ♪ これで獅苑くんのISの名付け親だね・・・これでただの生徒会の仲間じゃないよね?」

「ビクッ!」

 

耳元にさらに近づきボソッと言われた。

 

「ふふふ・・・」

「あまり獅苑くんをいじめてはだめですよ。お嬢様」

「もう、だからお嬢様はやめてってば」

 

そんな会話を続けていると、いつの間にか仕事は終わっていた。

 

「今日は帰ります。それでは失礼します」

「また明日ね〜・・・あ、そうだ。生徒会だけど毎日来なくても大丈夫よ。私としてはずっと傍にいたいけど・・・」

 

楯無さんの最後部分の声は聞こえなかったが

 

「・・・なんでですか?」

「私たちだけでも十分、人は足りてますから。それに楯無さんにはちゃんと仕事をしてもらわないと」

「ははは・・・」

 

楯無さんは冷や汗をかいている。俺は背中におぶっている本音を起こさないように持ち直す。

 

「そうだ、虚さん。今度、紅茶に合うお菓子でも持ってきます」

「あら、楽しみですね。では、その時はよろしくね」

「おいしいものだよ。虚ちゃんの紅茶と合わなかったら承知しないからね」

 

責任重大か・・・ま、なんとかなるだろ。

 

 

??SIDE

 

 

夜、IS学園の正面ゲート前に、小柄な少女が立っていた。

 

「ふぅん、ここがそうなんだ・・・」

 

その少女は体に不釣合いなボストンバックを持ってゲートに入っていった。

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朝霧獅苑 のほほんさん インフィニット・ストラトス 

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