IS学園にもう一人男を追加した 〜 15話 |
一夏SIDE
シャルル 「一夏、今日も放課後、特訓するよね?」
一夏 「ああ、もちろんだ。本当は獅苑も誘いたかったんだけどな、保健室にいなかった。で、今日使えるのは、確か・・・」
箒 「第三アリーナだ」
一夏・シャルル 「わあっ!」
俺とシャルルが廊下を二人並んで歩いていると、いつからいたのか、箒に声をかけられ驚く。
箒 「そんなに驚くことか」
シャルル 「ご、ごめんなさい、いきなりだったから驚いちゃって」
一夏 「つーか、いつからいたんだよ?」
箒 「そんなの別に気にすることじゃないだろう」
いや、気にするよ・・・ただでさえ、存在がチート並みの姉がいるのに、幼馴染までその領域に入ったら、手がつけられん。
箒 「ともかくだ。第三アリーナに向かうぞ」
箒の言葉と共に俺たちはアリーナに向かう。
[ガヤガヤ]
アリーナに近づくにつれ慌ただしい感じが伝わってくる。どうやら、アリーナの中で何かが起きているみたいだ。
一夏 「なんだ?」
シャルル 「何かあったのかな? こっちで先に様子を見ていく?」
そう言ってシャルルは観客席への入り口の方を指差す。確かにピットから入るより、こっちの方が早く中の様子を見ることができる。そう思い俺は頷き、アリーナの観客席に入ると
[ドゴォン!]
一夏・箒・シャルル 「!?」
アリーナに入る瞬間、爆音がアリーナに響き、爆音がした方を向くと、そこにはボロボロの鈴とセシリアとその相手をしていたラウラがいた。ラウラは無傷とまで言えないが、二人に比べてかなり軽い損傷で、ラウラはその二人のもとに瞬時加速で近づき、二人を吹っ飛ばす。そして、シュヴァルツェア・レーゲンの肩からワイヤーブレードを二人の首に巻き、引き付け体や腕など殴るり続け、二人の悲痛の叫びが響く。
シャルル 「ひどいっ、あれじゃ、SEが持たないよ!」
箒 「もし、ISが強制解除されれば二人の命に関わるぞ」
二人のISが機体維持警告域(レッドゾーン)から操縦者生命危険域(デットゾーン)に到達するが、ラウラは攻撃の手を止めない。二人のISの装甲がどんどん破壊されていき、ラウラの顔が無表情からまるで楽しんでるかのような笑みに変わる。
一夏 「あいつっ・・・」
その瞬間、俺の頭の中で何かが針を振り切った。
一夏 「おおおおおっ! その手を離せーー!」
俺は白式を装着し、雪片弐型を展開させる。そして全エネルギーを集束させ零落白夜を発動させ、アリーナを取り囲んでいるバリアーを突き破り、ラウラに向けて雪片を振る。
ラウラ 「ふん、感情的で直線的。絵に掻いた様な屑だな」
雪片の刃が届く寸前にラウラが右手をかざし、なぜか俺の動きが止まり、体が動かなくなる。
一夏 「か、体が、動かねぇ・・・」
ラウラ 「やはり敵ではないな。私とシュヴァルツェア・レーゲンの前では貴様も有象無象の一つでしかない」
シュヴァルツェア・レーゲンの装備であるレールカノンの砲口がこちらに向く。
一夏 「くそっ!」
ラウラ(シャルル 「消えろ『一夏っ、離れて!』」
シャルルの声が個人間秘匿通信で聞こえて、同時にアサルトライフル2丁で弾幕の雨を降らせるシャルルが俺とラウラの間に入る。
ラウラ 「ちっ、雑魚が・・・」
シャルル 「一夏、今の内に二人を!」
一夏 「わ、わかった」
拘束が解けたように動けるようになった俺はISを強制解除した鈴とセシリアを抱え、最大出力同時発動のせいで殆どエネルギーは無くなってしまったが、なけなしのエネルギーで瞬時加速を使い、ラウラとシャルルから離れる。
鈴 「う、一夏・・・」
セシリア 「無様な姿を・・・お見せしましたね・・・」
一夏 「無理に喋るな・・・シャルル、そっちは大丈夫か?」
シャルルの方を向くと、ラウラの周りを旋回しながら、アサルトライフルで撃ち続けている。
ラウラ 「面白い。世代差というものを見せ付けてやろう。行くぞ」
シャルル 「くっ・・・」
ラウラが遂に攻めの体制を取り、ワイヤーブレードでシャルルを捕らえようとする。シャルルはアサルトライフルで牽制するが、ラウラが手をかざし銃弾がラウラの目の前で止まり地面に落ちる。そして、遂にシャルルの片腕にワイヤーブレードが絡みつき、ラウラの方に引き寄せられていく。シャルルは引きずられながらも、ラウラに向けてアサルトライフルを撃ち続けるが、またラウラの前で止まる。
一夏 「くそっ!」
このままではシャルルが危ないと思いシャルルのもとに向かう。だが、エネルギーがそこを尽きかけているため、スピードが乗らず、間に合いそうにない。
ラウラ 「終わりだ」
一夏 「シャルルーーーっ!」
レールカノンの照準をシャルルに向け、発射する。が、それはシャルルに届くことなく、砲弾が真っ二つになって地面に落ちる。
シャルル 「あ・・・」
ラウラ 「貴様、何者だ?」
獅苑 「・・・ただの生徒だ」
いつの間にかシャルルとラウラの間にはISを装着した獅苑が立っていた。
獅苑SIDE
大分、体が動けるようになってこの前より長く学園内を散歩しようと思い保健室を出たんだが、第三アリーナ近くが騒がしく、俺は暇つぶしにアリーナに入る。アリーナ内部ではデュノアと黒いISを装着している銀髪の少女が戦闘を行なっていた。横を向くと、箒が悔しそうな顔でフィールドを見ている。
獅苑 「どうした?」
箒 「え!? あ、獅苑・・・って、出歩いて大丈夫なのか!?」
獅苑 「ああ、もう殆ど治っている。それで、どうして箒はそんな顔をしているんだ?」
箒 「・・・自分にも専用機があれば、力になれるのにと思って」
獅苑 「・・・?」
この場面でその言葉が出るとは思わなく、首を傾げる。そうしてる間にもデュノアは黒いISのワイヤーに捕まり、引き寄せられている。
獅苑 「ん?」
デュノア達とは違う場所になぜかISを装備した一夏の姿があった。どうやら、観客席の入り口では死角の場所だったため、見えなかったようだ。さらに、一夏の傍にはISスーツを着て、気絶しているのだろうか、ぐったりしている鈴と金髪の姿があった。その姿は遠目ではあまりわからんが、相当なダメージを負っている様だ。まるで、一方的にボコされた様な・・・その時、ある仮定が思い浮かび、銀髪の少女に対して軽い殺意がこみ上げてきて、その仮定が正しいかどうか箒に質問する。
獅苑 「箒、鈴と金髪をやったのは、あの銀髪か?」
箒 「ああ、それも一夏が助けに行かなかったら、命の危険もあった」
獅苑 「そうか。なら・・・」
思い浮かび上がった仮定に確信を持ち、死戔を装着する。
箒(獅苑 「お、おい、ISを動かしていいのか、まだ体が「問題ない。それに、俺は銀髪に教えてやらない事がある」・・・獅苑」
たぶん、今の俺の顔は笑っているだろう。だって、そうだろ。金髪の時もそうだったが、自分の力を過信している奴の鼻をへし折るのはとてつもない快感がある。まぁ、こんなふうに思うようになったのもつっぱっているチンピラ達をぶっ飛ばしてきたからなのだろう。デュノアの方を見るとワイヤーで拘束され、今にも肩の大型な大砲で撃たれそうだった。
ラウラ 「終わりだ」
一夏 「シャルルーーーっ!」
撃たれる直前にバリアーに穴が開いている所からフィールドに入り、瞬時加速を使い、デュノアの前に立つ。そして、こっちに飛んできた砲弾をBソードで縦に斬る。体は完全に治っていないが、本気じゃなくても死戔のスピードに瞬時加速を使えば、瞬間移動とまで言えないが、目に一瞬見えるほどのスピードは出せる。
シャルル 「あ・・・」
ラウラ 「貴様、何者だ?」
デュノアに巻きついているワイヤーを斬って、銀髪に視線を向ける。
獅苑 「・・・ただの生徒だ」
ラウラ 「ふざけているのか・・・」
失礼だな、ふざけてなんかいない。本当にただの生徒だ。
シャルル 「朝霧君・・・」
獅苑 「下がっていろ」
シャルル 「う、うん。で、でも気をつけて。相手はドイツの代表候補生だから」
デュノアは一夏と共に引き下がる。
ラウラ 「朝霧・・・そうか、貴様がもう一人の男のIS操縦者か。写真でも見たが、男の癖に女みたいな顔立ちだな。しかも、見た目からして貴様もあいつ(一夏)と変わらない。いや、それ以下だ。そんな貴様が私の前に立つとはな。やはり、貴様も屑だ」
いいねぇ、人を思いっきり下から見た発言。潰しがいがあるもんだ。楯無さんと戦って以来、気持ちがどうも高ぶりやすくなっているようだ。
獅苑 「・・・始めよう」
俺は冷静を装っているが、心の中では今にでもブッ飛ばしたくて手を握り締め、その気持ちを抑えている。そして、銀髪が攻撃を仕掛けてきた。
(さぁ、楽しい時間の始まりだ)
説明 | ||
・・・ | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3025 | 2931 | 2 |
タグ | ||
インフィニット・ストラトス 朝霧獅苑 のほほんさん | ||
rzthooさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |