IS学園にもう一人男を追加した 〜 24話の前夜
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獅苑SIDE

 

 

楯 『それで、大事無かったんだ』

獅 「ええ、大怪我した人もいませんでした」

 

大浴場を出た後、本音を自分の足に乗せ、寝ている本音の頭を撫でながら、電話越しに会話をする。

 

楯 『そういえばね、2時間ぐらい前に、ある研究所が破壊されたの。それも跡形もなく』

獅 「・・・もしかして、その研究所って」

楯 『うん。VTシステムに関係があったらしいけど、詳しい情報は手に入らなかった。でも、その研究所は昔、遺伝子操作実験も行ってたみたい』

 

つまり、ボーデヴィッヒはその研究所での犠牲者の一人という事か・・・

 

楯 『だけど、気になるのはその研究所を破壊した人物だけど・・・』

獅 「まぁ、想像はつきますね」

楯 『あ、獅苑君も。私もなんだ。たぶん・・いや、絶対、研究所を破壊したのは・・・」

 

獅・楯 「『篠ノ之束』」

 

 

投稿者SIDE

 

 

奇妙な一室。部屋の至る所に機械の備品がちらばり、ケーブルが樹海の様に広がっている。

 

? 「む〜・・・」

 

その部屋に設置されているイスに座り、目の前のディスプレイのキーボードを打っている女が一人。女の格好は空色のワンピースにエプロンと背中に大きなリボンイメージ的には『不思議な国のア〇ス』に似ている。だが、一番気にするべきとこは豊満な胸と頭につけているウサギのカチューシャだ。胸はサイズが合っていないのか、ボタンをギリギリのところまで止め、白いブラウスの隙間から大人の肌が覗いている。カチューシャは・・・別段、説明はいらないだろう。

 

[ぱらりろぱらりろ〜]

? 「この着信音はぁ! トゥ!」

 

カチューシャがピンと立ち、ガラクタの山にダイブ。すかさず、ケータイを掴み、耳に当てる。

 

? 「もすもす? 終日(ひねもす)?」

[ブツッ]

 

切れた。

 

? 「わー、待って待って!」

 

女の願いが通じたのか、再度、ケータイが鳴り響く。

 

? 「はーい! みんなのアイドル、篠ノ之束ここに「切るぞ」待って待ってぇ、ちーちゃん!」

千 『その名前で呼ぶな、束』

 

電話の相手は織斑千冬。そしてこの女の正体はISの生みの親、篠ノ之束である。

 

束 「おっけぃ、ちーちゃん」

千 『はぁ、まあいい。今日は聞きたいことがある』

束 「なになに!?」

 

千冬は学年別トーナメントに起きた事件。主にVTシステムについてだ。

 

束 「ああ、あれ? うふふ、ちーちゃん、あんな不細工な代物をこの私が作ると思うかな?」

千 『・・・』

束 「ていうか、忘れていたけど、つい2時間ほど前にアレを作った研究所はもう地上から消えてもらったよ。言わなくても分かると思うけど、死亡者ゼロね」

千 『そうか。では、邪魔したな』

束 「いやいや、邪魔なんてとんでもない。私の時間はちーちゃんのためならいつでもどこでも24時間フルオープンだよ!」

千 『なら、もう一つだけ聞かせろ』

束 「うん? なになに?」

千 『・・・朝霧に渡したIS、あれはなんだ?』

 

千冬はずっと気にかけていた事。ISには操縦者保護機能がついているものの、獅苑は2度もIS戦闘で怪我を負っている。確かに瞬時加速での無理な方向転換は体に影響はあるが、全身骨折が起きるのはありえない。第一世代機でもそんな事は絶対にありえない。

 

束 「・・・」

 

沈黙が5秒。

 

束 「ちーちゃん。悪いけど、今は話すつもりはないんだ」

千 「・・・そうか」

 

親友だから分かる、この束の反応に気づいて、あっさりと身を引く千冬。

 

束 「一つだけ言えるとすればね。あれは、私が作ったものじゃないって事だけ」

千 『なに? どういう事だ?』

束 「ごめんね。本当にそれしか言えないの。じゃあまたね、ちーちゃん」

[ブツッ]

 

電話を一方的に切る。おそらく、千冬からの電話はかかってこない。束の手によって。

 

束 「あ〜あ、ちーちゃんに悪いことしちゃったな〜」

 

束はケータイを放り投げ、イスに座り、ぐるぐるとイスと共に回転する。すると、ケータイがまたもや鳴る。千冬の時とは違う着信音で・・・すかさず、ケータイを拾い上げ、耳に当てる。相手は分かっている。その人物は親友の千冬と同じくらい、いや、それ以上かもしれない大切な妹からの電話だ。

 

束 「やぁやぁ、そろそろくると思ってたよ」

箒 『・・・姉さん』

束 「うんうん、用件は分かってるよ。欲しいんだよね、君だけの専用機が!」

箒 『!?』

 

電話越しに驚いてる箒の反応に笑顔を浮かべる束。その反応をちゃんと録音し、話を続ける。

 

束 「もちろん、用意してあるよ」

 

すると、束は照明をつける。すると、そこには赤色に染められている一機のIS。

 

束 「高性能にして規格外。そして白と並び立つもの。その機体の名前は・・・

  ・・・『紅椿(あかつばき)』!

説明
・・・
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インフィニット・ストラトス 朝霧獅苑 のほほんさん 

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