真・恋姫†無双 〜我天道征〜 第4話
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注意 本作の一刀君は能力が上方修正されています。

 

   そういったチートが嫌い、そんなの一刀じゃないという方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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張3姉妹が旅に出て1週間がたとうとしていた。

俺が世話になってる村は、小さいながらもとても良い所で、村人達も気のいい人達ばかりだ。

こんな得体の知れない俺にも、とても親切にしてくれた。

俺はそんな人達に少しでも恩を返そうと、山菜や魚、はては猪などをとってきては皆に配っていた。

 

 

大分ここでの生活に慣れ、村の人達との関係も良好といえた。

そんなある日、

 

お婆さん「おや、御遣いのお兄ちゃん。今日はどっかにお出かけかい?」

一刀「うん、ちょっと町まで買い出しにでもいこうと思ってね。」

お婆さん「そうかい、気をつけて行っておいで。」

一刀「ありがとう。お婆ちゃん。」

 

そういって、隣の家のお婆ちゃんに挨拶を交わす。

ちなみに、なぜ俺が御遣いなんて呼ばれているのかというと、俺が天の御遣いかもしれないという話をあの3人(というか、天和と地和)が村中に言いふらしたためだ。

はっきり言って非常に困るのだが、それで定着してしまい、俺の方が折れることにしたからだ。

 

 

おじさん「お、御遣いの兄ちゃんじゃねえか。また山にいくのかい?」

一刀「いや、今日は町に行こうと思ってるんだよ。」

おじさん「お、なんだい。また新しい子でも捕まえにいくのか。」

一刀「違うから!いつ俺がそんなことしたのさ!!」

おばさん「だってねぇ。あんな可愛い子3人を手玉にとってたんだろ?」

一刀「人聞き悪いこと言わないで!!3人とはそうゆう関係じゃないから!!」

 

畑仕事をしていた中年の夫婦にからかわれる。

3人との別れの時に、キスをされて固まってしまった一部始終を、村の人に見られていたのだ。

それ以来御遣いの名前同様に、女誑しの評判も定着してしまい、いくら説明しても聞き入れてもらえなくなったのだ。

 

一刀「とにかく、町へは買い物へ行くだけだよ。」

おじさん「ま、そうゆうことにしといてやるよ。」

おばさん「女遊びも程々にしときなよ。」

一刀「・・・・・・もういいです。」

 

俺はそっちのことも、諦めそうになっていた。

 

 

子供「あ、御遣いの兄ちゃんだ。ねぇ、遊んでよー。」

 

村をでる直前、よく遊んであげている子供につかまる。

 

一刀「悪いな、今から町にいくんだよ。」

子供「え、いいなー。僕もつれてってよー。」

一刀「ダメだ。お前は、おとなしく待ってな。」

子供「じゃあ、おとなしく待ってたら、遊んでくれる?」

一刀「ああ、約束だ。」

子供「やった♪はやく帰ってきてね。」

 

そんな会話をしながら、俺は町へと買い物に出かけた。

 

 

この村も、今から行く町も陳留という郡に属する。

ここ陳留の刺史(今風にいえば県知事)は、とても優秀な人物らしく、他の所では重税や官匪が横行するなどひどい状況ばかりなのに、ここはそんなことも少なく、比較的平和に過ごせていると評判だ。

 

もちろん、全てが0というわけではない。賄賂もあれば、悪徳官僚だっている。

また最近は、流れてきた賊によって、常に人々は命の危険に晒されている。

現代の日本という、ここよりもずっと平和で豊かな時代で過ごしてきた俺には、とても考えられない状況だ。

それでも、この世界の人々は常に前向きに生き、笑顔を絶やさない。

俺はそんな人達と触れあっていくうちに、それを守りたいと思いはじめていた。

 

 

 

 

 

 

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そうこうしている内に、俺は町に辿り着いた。

ちなみに服はフランチェスカの制服だが、上に外套を羽織っている。

さすがにこの服で大勢の中を出歩くのは、目立ちすぎるからだ。

 

 

目当ての商品を買い終え、最後にあの子へお土産でも買ってってやるかと考え、饅頭屋を探す。

その途中、大通りから外れた細い路地裏に何か人影が見える。

なぜかそれがとても気になってしまった俺は、その人影へと歩みを進める。

するとそこには、頭からすっぽりと黒いフードを被り、机を挟みながら座っている人物がいた。

 

 

一刀「あの、ここで何してるんですか?」

??「ん、ちょっと占いをね。どうだいお兄さん、ひとつ占ってあげるよ?」

一刀「いや、遠慮しときますよ。」

 

その人物は頭からフードを被っているため、顔がまったくわからない。

また声も、まるで機械を通したような変わった声で、性別も年齢も判断できなかった。

俺はそのことに不気味さを感じ、早々にここから立ち去ろうとした。

しかし、その人物は俺のことなど無視して話を続ける。

 

??「そんなこと言わないで、こんな話を知ってる?『黒天を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。

   その流星は白銀の衣と刃を纏いし天の御遣いを乗せ、この大陸に安寧を齎すだろう。』っていう話。」

一刀「ええ、知ってますよ。たしか管輅とかいう人の予言ですよね。」

??「そうそう。でも、これに続きがあるって知ってた?」

一刀「!!」

 

 

俺は驚く。天和達3人の話でも、村や町の人に聞い話でも、予言はそこまでであり、予言の続きなどきいたことない。

天の御遣いというのが俺のことを指すなら、その続きというのを聞けば、何か情報が手に入るかもしれない。

そう考えた俺は、怪しいがこの人物に話の続きを促すことにした。

 

一刀「その続きって一体?」

??「『安寧を齎した天の御遣い、己が身の破滅と共に、この大陸から消え去らん』これが予言の続き。」

 

 

一刀「身の破滅と共に、消える?」

 

一瞬俺は、この人物が何を言っているのか解らなかったが、次第にその言葉の意味を理解する。

しかし、感情はその言葉を受け入れようとせず、必死に否定の材料を探し出す。

 

一刀「ははは、それ流言でしょ。大抵そういう話って、おひれはひれががつくもんだから。」

 

実際噂の中には、そういう歪曲をされて伝わったものが多くあったのも事実だった。

 

??「いやいや、これは本当の話だよ。流言なんかの類じゃなくて。」

一刀「どうしてそんなことが言えるんですか?」

 

相手がさも当然のように断言するため、俺はなぜか尋ねてみた。

 

??「それは当然だよ。だって、僕がその予言をした『管輅』なんだから。ねえ、『天の御遣い』さん。」

 

 

 

 

 

 

 

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一刀「なっ!?」

管輅「あはは、驚いた?」

 

俺が突然の告白に戸惑っていると、管輅と名乗った人物はさも楽しそうにそんなことを聞いてくる。

 

 

一刀「くっ!あんたが俺をこの世界に呼んだのか?」

 

俺はすぐに意識を切り換え、疑問をぶつける。

 

管輅「いいや、僕はあくまで予言しただけ。あなたをこの世界に呼んだのは、この外史だよ。」

一刀「外史?」

管輅「簡単に言えば、造られた世界ってこと。」

一刀「造られたって・・・」

管輅「そうだなー。例えば三国志を読んでいて、黄巾党が天下統一してたらどうなったんだろう?とか、

   そこに出てくる人物達が女の子だったら?とか想像したとしようか。」

一刀「!! お前。」

 

天和達のことを知ってる口ぶりに、俺は警戒心を強めた。

しかし管輅は、なんでもないという風に話を続ける。

 

 

管輅「ふふっ。まあそういった想像、妄想とも言うけどね。それが具現化し形となった世界、それが外史さ。」

一刀「お前、一体何者なんだ?」

管輅「だから、管輅だよ。大陸一の占い師のね。」

一刀「違う、そんなことを聞いてるんじゃない!!」

 

管輅のからかう様な態度に、俺は言葉を荒げる。

 

管輅「ごめん、ごめん。僕はその外史を管理するものだよ。管理者っていわれてるけどね。」

一刀「外史を管理するだって。」

管輅「そ、さっきも言ったけど、外史とは想像から生み出されるもの。

   想像なんて人の数だけされ、その外史ともなれば星の数ほどあるだろ。

   だからそういった外史を管理し、調整する人物、それが管理者ってわけ。」

 

あまりに突飛な話に俺の頭は混乱してきたが、無理やり納得させ話を続けることにした。

 

 

一刀「外史や管理者ってのは解った。じゃあ、なんでその外史が俺を呼んだんだ?」

管輅「変えたいのかもしれないね、運命ってやつを。」

一刀「運命を、変える?」

管輅「あなたも知ってるでしょ。この先、血で血を洗う様な長い戦いの果てに、多くの命が失われていくことを。」

一刀「! それは知ってるけど、ここは外史ってやつなんだろ?だったら、その通りになるわけじゃ。」

 

俺は先ほど聞いた外史の概念から、そういったことは起きないんじゃないかという。

しかし管輅は、俺の考えを否定するように言葉を続ける。

 

 

管輅「説明してなかったけど、外史の対極に正史ってのがあるんだ。

   外史が物語の中だとすれば、正史はその物語を読む人達のいる現実の世界。

   いくら外史が想像の世界とはいえ、正史の影響をまったく受けないってわけじゃないんだよ。

   そうだな、正史に引っ張られるっていえばいいのか、外史の流れを正史に近づけようと働くんだよ。」

一刀「じゃあ、このままいったら・・・」

管輅「そ。多少の差異はあるだろうけど、あなたの知ってる歴史と同じような流れになるよ。」

一刀「運命を変えるってのは、これから起きる長い戦いの歴史を起こさせないってことか。」

管輅「御名答。少なくとも三国志に、北郷一刀なんて人間は出てこないでしょ?」

 

俺は考える。確かに決められた流れを変えるなら、第3者の介入、つまりその流れと無関係なものの力が必要だ。

話の筋は通ってるし、今の状況を考えれば嘘や戯言ってことはないだろう。

 

 

そこまでの話を信じることにした俺は、管輅がはじめにいっていた言葉の真偽を確かめることにした。

 

一刀「ここまでの話は信じるよ。だけど、何でこの世界を平和にしたら、俺に身の破滅が訪れるんだ?」

管輅「ちゃんと覚えてたんだ。それじゃクイズ、外史はあなたを求めたけど、正史はあなたをどう思ってるでしょう?」

一刀「……そういうことか。」

 

つまり俺は、正史の流れからみたら存在しない人間、つまりは異物だ。

だから正史はその異物を除去しようと働き、外史が正史の流れから完全に外れた時、俺がその影響と共に消えると。

 

 

一刀「どうすればいいんだ?」

管輅「ん?」

一刀「どうすれば、その破滅から逃れることができるんだ?」

 

管輅に尋ねる。

俺は消えますと言われて、はいそうですかと納得するほど諦めはよくない。

もしそれを回避できる道があるなら、それを試さないわけにはいかない。

 

 

しかし管輅の言葉は、そんな俺の思いを揺るがすものだった。

 

管輅「ああ、それなら簡単だよ。何もしなければいい。」

一刀「は?」

管輅「だ・か・ら、何もしなければいいんだよ。正史に逆らわず、その流れ通りに歴史を進めればいい。」

 

俺はその言葉の意味を理解し固まる。自分が助かりたければ、この世界の人達を見殺しにしろというのだ。

俺は何か他の方法がないか管輅を問い詰めようとした時、

 

 

??「きゃーーーーー!!!」

 

路地裏の奥のほうから、女性の叫び声が聞こえてきた。

俺がそちらに意識をとられ目線を外した一瞬、次に目線を戻した時には、管輅の姿は消えていた。

 

一刀「管輅!!」

管輅「ははは、あなたがどんな道を征くのか、見学させてもらうね♪」

 

俺が叫ぶと、そんな管輅の声だけが響き渡り、それもすぐに消えてしまった。

 

一刀「くっ!」

 

俺は管輅を探そうとも思ったが、今は先ほど聞こえた悲鳴が気になり、そこに向かって駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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俺は悲鳴の聞こえた方角に向かう。細い路地を駆けしばらくすると、目的の場所へと辿り着く。

そこには、女の子の手を引きながら歩く男の姿が見えた。

男の手には刀が握られており、女の子のほうはそれに必死に抵抗していた。

どう贔屓目にみても、友好的な状況には見えない。

 

 

一刀「おい!何してんだ!」

 

俺が呼びとめると、男は慌てて女の子を抱き寄せ、刀を突き付ける。

 

男「てめえ、そこから動くなよ!少しでも近付いたら、この女どうなるかわかんねえぞ!!」

女の子「私のことはきにせず、はやくこの男を捕まえて下さい。」

男「うるせえ!人質は黙ってろ!」

 

男は興奮しており、下手に近づけば本当に女の子を傷つけ兼ねなかった。

なので俺は、『近づかずに』人質を解放させることにした。

 

 

一刀「少しの間、目を瞑っていてくれるかな。」

女の子「え?」

一刀「大丈夫、絶対に助けるから。」

 

俺はそう言って、女の子が少しでも安心できるように、微笑みかける。

 

女の子「・・・はい、お願いします。」

 

はじめは戸惑っていた女の子も俺を信じてくれたのか、目を瞑ってくれた。

 

 

そして俺は腰に差していた刀を抜き、正眼へと構える。

 

男「なっ!?て、てめえ、人質がみえないのか。」

 

そのことに焦った男は、俺のことを睨みつけながら、さらに女の子に刀を近づける。

 

一刀「北郷流 『白百合』」

 

俺は刀をメトロノームの様に、左右へと振る。

その動きは遅くも速くもなく、常に一定のリズムを刻み続ける。

スピードは一定なのに、次第に揺れる刃はぶれ出し、残像を伴った複数のものへと変わる。

それに伴い男の目は段々と虚ろになり、体からも力が抜けていく。そして、

 

 

カランッ! ドサッ!

女の子「きゃっ!」

 

ついに男は、その手から女の子と刀を離してしまった。

その音で我に返った男は、急いでそれらを拾おうとするが、

 

一刀「遅いよ。」

 

ドスッ!

・・・バタンッ!

 

懐に飛び込んでいた俺が、刀の柄で男の鳩尾を突く。

男はうめき声を発することなく意識を失い、そのまま地面と倒れる。

 

そしてあらためて、女の子のことを確認する。

その子は色素の薄い髪色で、少しウェーブのかかったショートヘアーをしていた。

見た目の儚さと、着ている服の感じから、深窓の令嬢って感じがする。

俺はそんなことを思いながら、地面に座り込んでいる女の子に手を貸し、引き起こしてあげる。

 

一刀「大丈夫だったかい?」

女の子「はい、ありがとうございます。」

 

女の子は丁寧に頭を下げ、お礼をしてくる。

 

一刀「いや、大したことはしてないよ。それより、怪我がなくて良かった。」

 

俺は、その子の体に目立った怪我がないことを確認し微笑む。

 

 

女の子「へ、へぅぅ〜〜・・・・・・。」

一刀「あれ?どうかした??」

女の子「い、いえ、何でも、ないです。」

 

その子は、顔を赤くして俯いてしまった。

 

一刀(そういえば、町の女性や地和、人和なんかもたまにこんなことがあったけど、一体なんなんだろう???)

 

俺がこの状況に頭を捻っていると、女の子がおずおずと話しかけてきた。

 

 

女の子「あ、申し遅れました。私の名前は・・・」

 

そう、女の子が自己紹介を始めようとした時、

 

??「月〜〜〜!!」

女の子「あ、詠ちゃん♪」

 

後の方から、この子の真名らしきものを呼んで近づいてくる子がいた。

女の子の方もそんな人物に気付いたのか、嬉しそうに手を振っている。

その姿に安心した俺は、ゆっくりと振り返る。

 

 

??「死ね!この悪漢!!」

一刀「はぐぅぅぅーーーー!!!」

女の子「え、詠ちゃん!!」

 

その子の強烈な左ストレートが、俺の顔面を綺麗に捉える。

そしてその場には、そんな俺の悲鳴と、女の子の驚きの声が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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??「ごめんなさい。」

一刀「いや、気にしなくていいよ。あの状況じゃ、そう勘違いしてもしょうがないし。」

 

あの後賊はそのまま、この町の警備隊の人達に連れて行かれた。

また女の子の説明で、俺が彼女を助けた恩人であり、賊とは違うと解った。

そのため、勘違いで俺を殴ってしまった子が、こうして誤ってくれているのだ。

ちなみに誤ってくれている子は、緑色の髪をした眼鏡の似合う可愛い子だ♪

 

??「でも・・・」

??「ええやん、この兄ちゃんが気にせんでええって言ってくれてるんやから。」

 

さらに謝ろうとする眼鏡の子に、そう言って切り上げさてくれるもう一人の子が。

紫色の髪を後で纏め袴に羽織という、ここ中国ですか?という姿で登場した、こちらも可愛い女の子♪

なぜか関西弁?しゃべってるし・・・。

 

一刀(まあ、ここが外史ってやつなら、多少の違いになるのかな。)

 

そのことに対し、深く考えるのをやめることにした。

 

 

一刀「まあ、そっちの子の言うとおり、俺は本当に気にしてないから。」

??「わかったわ。それじゃあらためて、月を助けてくれてありがとう。」

??「それはうちからも礼を言わせてもらう、月っちを守ってくれてありがとう。」

一刀「いや、どういたしまして。」

 

その後聞いた話で、3人は視察の旅の途中、この町に立ち寄ったらしい。

そこで、女の子が出店をみようと少しだけ離れてしまった隙に、先程の男に攫われ、二人は慌ててこの子のことを探しまわっていたのだそうだ。

そんな時にさっきの状況を見れば、ああなっても仕方ないと納得した。

 

??「月、だから僕達から勝手に離れないでって言ったでしょ。」

女の子「ごめんね、詠ちゃん。」

??「はあ〜、まあ月が無事だったから良かったけど。」

 

眼鏡の子は、女の子のことを叱りながらも、無事であったことに本当に安堵した顔をしていた。

 

 

女の子「あ!そういえば、自己紹介の途中でした。私は姓は董、名は卓、字は仲穎と言います。」

??「僕は姓は賈、名は?、字は文和っていうわ。」

??「うちは姓は張、名は遼、字は文遠っていうねん。」

一刀「・・・・・・は!?」

董卓「どうかしましたか?」

一刀「あー、いや、君だけもう一度名前教えてくれないかな?」

 

外史というこの世界には、本当に驚かされてばかりだ。

賈?はいい。見た目からも知的な感じが溢れてるし、軍師と言われても納得できる。

張遼もいい。確かに彼女から、一流の武人の風格があるし、今も周りへの警戒を怠っていない。

そう、この2人はいい。良くはないが、天和達の件で少し慣れた。

今の問題は……

 

董卓「あ、はい。董卓と言います。」

一刀「・・・・・・・・・」

 

 

今、俺の顔はとんでもなく間抜けな顔になっているのだろう。

 

一刀(彼女が董卓?朝廷を裏から牛耳り、悪逆非道といわれたあの董卓??)

 

外史に多少の差異があるとはいっても、これはとても許容できる範囲ではない。

こんな可憐な女の子が、あの董卓?そいつは今すぐ眼科にいくべきだ。

こんな優しい女の子が、悪逆非道?そいつの心は、これ以上無理というくらいねじ曲がっているのだろう。

俺がそんなことを考えていると、

 

賈?「月の名前聞いて固まるなんて、失礼じゃない!」

張遼「どうかしたんか?」

一刀「ああ、ごめん。なんでもないよ。」

 

3人が怪訝そうに俺を見てきたため、その議論は一旦置いておくことにした。

 

 

一刀「俺は、姓は北郷、名は一刀っていうんだ。ちなみに、字ってのはないよ。」

張遼「ふーん、字はないんか。まあ、うちにも似たようなのがおるし、珍しいこっちゃないな。」

賈?「むしろ、変わった姓と名のほうが珍しいわね。」

董卓「あのー、一刀さんは、ここら辺の方じゃないんですか?」

一刀「あー、そのー、ずっと東のほうにある、島国から来たんだよ。」

 

俺は、そう誤魔化すことにした。

さすがに、天の国からきた御遣いですなんて話をした所で、信じてもらえないだろうし、色々面倒なことになりそうだったからだ。

 

賈?「ずっと東の島国っていうと、昔徐福が向かったという所かしら?」

張遼「はぁ〜、そりゃ随分遠いところから来たんやなぁ。」

一刀「ま、まあね。(あながち間違いってわけじゃないし、嘘はついてないよね。)」

張遼「刀も持っとるし、武者修行の旅とかなんか?」

 

張遼さんは、そう嬉々として聞いてくる。

 

一刀「いや、そういうんじゃないよ。この近くの村で世話になっててね、ここへは買い物で来ただけだよ。」

張遼「そうなんか、つまらんわぁ。」

一刀「あ、あはは、それじゃ、董卓さんも無事合流できたみたいだし、俺はそろそろ行くね。」

 

そのことに身の危険を感じた俺はそのことを否定し、これ以上墓穴を掘る前に、そうそうに退却することにした。

 

 

董卓「あ、まだ助けてもらったお礼が・・・」

一刀「そんな、大したことはしてないよ。

それにお礼なら、可愛い子達と仲良くなれたってので、十分すぎるほどもらったよ。」

 

董卓さんがそんなことをいってくるので、俺は笑顔でそれを断った。

 

董卓「へぅぅ〜。」

賈?「か、可愛いって・・・」

張遼「あはは、うちらを口説いとるんか、一刀?」

一刀「口説くって、俺は本当のこと言っただけなんだけど。」

 

すると、董卓さんと賈?さんは顔を赤くして俯いてしまい、張遼さんからはそんなことを言われる。

俺、なんか変なこと言ったかな?

 

一刀「まあいいや。とりあえずそういうわけだから、気にしないで。 じゃあね。」

 

俺はそう言って足早に3人と別れた。

 

 

 

 

 

 

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【side 董卓】

 

董卓「あ!行っちゃった。」

賈?「まったく、お礼くらいさせなさいよね。」

 

詠ちゃんがそんなことを言いながら、むくれている。

 

張遼「でもええ奴やったな。月っち助けてくれたし、謝礼をふっかけてくるようなこともせんかった。」

董卓「はい、とても優しくて、暖かい人だと思います。」

張遼「それにおもろい。まさか、口説かれるとは思わんかったわ。」

董卓「くど、へぅ〜〜・・・」

 

私は一刀さんの笑顔を思い出し、また顔を赤くして俯いてしまう。

太陽の様に眩しく、暖かな笑顔を。

 

賈?「ふん、あんなのただへらへらして、軟派な言葉をいっただけじゃない。」

 

詠ちゃんは強がっているが、まだ顔の赤さがとれていなかった。

 

張遼「賈?っちは、相変わらず素直やないなー。」

賈?「霞!なんか言った?」

張遼「いいや、なんでもあらへん。」

賈?「む〜。とにかく、月も見つかったんだし涼州に戻るわよ!」

 

詠ちゃんは照れ隠しの様にそう叫び、ずんずんと一人で先にいってしまう。

 

董卓「詠ちゃん、待ってよー。」

張遼「詠、悪かったから先にいかんといてや。」

 

私と霞さんも、その後を慌てて追いかけるのでした。

 

董卓(一刀さん。またどこかで会えるといいな♪)

 

私はそんなことを思いながら、帰路へとつくのだった。

 

 

 

 

【side 一刀】

 

その後俺は、半日程町を探索し管輅を探したが、どこにもその姿は見つからなかった。

俺は探索を諦め、お土産を買って村へと戻ることにした。

村への帰り道、俺の脳裏に管輅の最後の言葉が過る。

 

( 管輅「あなたがどんな道を征くのか、見学させてもらうね」 )

 

つまり、この外史を平和にするか。

それとも、自分が助かるために身捨てるか。

そのどっちを選ぶのかと……

 

 

しばらく考えたが、今すぐ答えのだせる問題ではない。

俺がそんな問題に頭を悩ませていると、ある光景が目に入ってきた。

ずっと向こうの空に、いくつもの煙があがっているのだ。

その煙のあがっている方角には、俺が世話になっている村がある。

 

一刀「くそっ!」

 

なにか嫌な予感がした俺は、村へと続く道を急いで駆けていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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あとがき

 

sei 「そんなこんなで第4話いかがだったでしょうか?

   今回は、管輅との出会いにより一刀君のここでの目的が明らかになる、というのをメインにしてみました。

   まあ、おまけ的に月たちとの出会いも入れてみましたが。

   当初の予定では、管輅がおまけだったはずなのに、何故こうなった???

 

   まあそんな些事は置いておいて、今回のゲストを紹介したいと思います。

   黄金のツンデレ比率9:1をもつ、詠ちゃんでーす。」

 

詠「誰がツンデレだ!(ゲシッ)」

 

sei 「げふっ。

   いきなり・とび蹴り・で登場とは、斬新・です・ね。」

 

詠「うっさい。あんたが変なこというからでしょ。」

 

sei 「えー、恋姫ファンなら公然のことなのにー。」

 

詠「えーい、黙れ!!とりあえず、質問からいくわよ!!」

 

sei 「・・・誤魔化した。」

 

詠「今回、何で私たちを出したの?

  別れちゃったから、私達の√ってわけじゃなさそうだし。」

 

sei 「ふっ、それはですね・・・」

 

詠「まさか反董卓連合とかで、私達を助けるためのフラグ?なわけないわよね。」

 

sei 「・・・・・・」

 

詠「え!そのまさかなの!?」

 

sei 「うわーん、なんでばらすんですかー!!」

 

詠「だって、誰が見てもそれ以外考えられないじゃない。」

 

sei 「ううう、どうゆう風に助けるかは秘密にしてやるー。」

 

詠「まったく、じゃあ次に今回一刀が使ったあの技はなんなの?」

 

sei 「ああ、あれですね。あれこそ、この話の一刀君の強化ポイントの一つです。

   簡単に言えば、五円玉を吊るして、あなたはだんだん眠くなる〜ってやつですね。」

 

詠「何、催眠術師なのアイツ?」

 

sei 「いえいえ、あれはあくまでも技の一つであり、そういったのじゃありません。」

 

詠「じゃあ、何なのよ?」

 

sei 「それを私が教えると思いますか?( ̄ー ̄)」

 

詠「じゃあ、次はコメントについてね。」

 

sei 「ああ、あっさり流さないでー。」

 

詠「このあとがきを面白いってコメントがあったわね。」

 

sei 「ええ、とても嬉しいですね。

   まさかおまけとして始めたコーナーで、楽しんで頂けたんですから。」

 

詠「問題は、『本編よりも』って所よね。」

 

sei 「・・・・・・」

 

詠「それって本編は・・・」

 

sei 「 orz 」

 

詠「あー、sei が深い所に落ちてしばらく戻ってこれそうにないのから、今回はこれで終わりにするわ。

  そういえばあいつ、コメントがあるととっても嬉しそうだから、どんどん書き込んでやって。

  それじゃ、また次回の話を楽しみにしててね。」

 

sei 「俺なんか、俺なんか、どうせダメ人間なんだ。」

説明
張3姉妹が旅に出てしまい、村で一人過ごす一刀。
ある日、町へと買い物に出かけ意外な人物達と遭遇することに。

そこそこのペースで投稿し続けていますが、もうそろそろ息切れしそうな予感。
まあ、頑張れるだけ頑張っていこうと思う、今日この頃です。



8/5 一部おかしかった設定を修正しました。
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コメント
pk0 様>ごちゃごちゃしてしまいましたが、地名的にもおかしいということで、刺史に変更しました。混乱させてすいません。(sei)
「陳留という州に属する」とありますが、州でなく郡ではないでしょうか。また、覇王様ってこの時点では牧ではなく陳留の刺史では?州牧で季衣未加入なら加入時のイベントにも変化を期待します。(pk0)
陸奥守 様>確かにそれに近い内容ですねw 少しでも戦闘って感じが出せればと思います。(sei)
次回は殺意の波動に目覚めた一刀の活躍かな。(陸奥守)
イマ 様>こちらこそすいません。 イマさんにそういう気がないことは分っていたのですが、面白そうだったのでネタとして使わせて頂きました。 むしろ助かりました!!(sei)
すいません、seiさんを深く傷つけたようで。本編も面白いですよ。楽しみにしておりますので、是非とも完結目指してまったり更新して下さい。(イマ)
モアイ像 様>ありがとうございます。まあ、程々に頑張っていきます。 実際に一刀がいたら、心からもげろと願いますね♪(sei)
首を長くして待っていますので、自分のペースで投稿してください・・・一刀はリアルが羨むほどフラグ立てすぎ♪(モアイ像)
Satisfaction 様>無意識に落とす=一刀だと考えているので、そこは変えません。 それと、どっちも面白いといってくれて感激です。(sei)
ロンリー浪人 様>良かった。本編はいらない子じゃなかったんですねw(sei)
鬼神 様>ありがとうございます。次回も楽しんでもらえるよう、頑張っていきますね。(sei)
本郷 刃 様>良かった、少しでも意外性が出せて。 次回は戦闘シーンの予定ですが、上手く表現できるか心配です。(sei)
アルヤ 様>月達のことかな?一応彼女達は、視察の帰りに立ち寄った的な設定ですね。(sei)
デューク 様>ご指摘ありがとうございます。謝るが正しい表記ですね。 誤字には気をつけていたつもりだったのになぁ。(sei)
一刀はやっぱり無意識に落としまくってますね〜本編も後書きも面白いので、頑張って書いてってください!(ミドラ)
大丈夫、本編″も″面白いですよwww(ロンリー浪人)
続き楽しみにしてるッス〜。(鬼神)
月と詠と霞の登場でしたね。管輅が出てきて一刀に消えるかもと言ったのは意外でした。次回は戦闘でしょうか?楽しみにしています。(本郷 刃)
何でこんなところに来てたんだ?(アルヤ)
6Pの頭の方の「誤る」→「謝る」じゃないでしょうか?(デューク)
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