真・恋姫†無双〜だけど涙が出ちゃう男の娘だもん〜[第10話] |
真・恋姫?無双〜だけど涙が出ちゃう男の((娘|こ))だもん〜
[第10話]
周泰の調子を確認する為に大事を取って1日、ボクたちは川辺から少し離れた場所に滞在しました。
ですが、それはボクの杞憂だったようです。
どこに馬と走る競争をして、勝つ人間がいるのでしょうか?
人間技とは思えません。
(まあ、さすがに調和とは勝負になりませんでしたけどねぇ)
そう思いながらボクは、先ほど見せて貰った周泰の脚力の凄さを回想していました。
そんな考えに((耽|ふけ))っていると、周泰がボクに話しがあると言ってきます。
「お願いがあります」
「なにかな?」
「私を季玉様の配下にして下さい!」
周泰はボクの前で土下座をして、頭を下げています。
恩返しする為にも、ボクに仕えたいと希望してきました。
「助けた事を気にする必要は無いんだよ? 君は亞莎の友達なのだしね」
「それが((縁|えにし))だったとしても、受けた御恩をお返ししたいのです。末席で構いません。どうか配下になる事をお許し下さい!」
ボクは気兼ねする必要ないと返答しましたが、周泰の決心は固くて受け付けませんでした。
せっかく有能な人材と出会えたのですから、その機会を棒に振るのも頂けません。
周泰のような豪傑が配下に成ってくれるのは、ボクとしても嬉しい事です。
だからボクは、周泰を受け入れようと思いました。
「うん、わかった。許す。これからよろしく」
「ありがとう御座います。粉骨砕身して働かせて頂きます!」
「ボクは刹那。これからは、そう呼んでくれて良いよ?」
「はい! 刹那様。あ、私の真名は『明命』です。受け取って下さい」
ボクは喜んで、周泰の真名を受け取りました。
ふと周りを見ると、周泰とボクのやり取りを((傍|そば))で見ていた呂蒙が、安堵したような溜め息をついたのが見て取れます。
呂蒙の顔は満面な笑顔で、とても嬉しそうでした。
(やはり。友達と一緒に働けるというのは、嬉しいモノなのでしょうね)
そう思いながらボクは、呂蒙と周泰が喜びあう((様|さま))を見ていました。
ボクには対等な存在という意味での友達がいませんでした。
常に序列を気にしなければ成らない、そんな身分の生まれだったから。
だから我が事のように友達を思いあえる彼女たちの関係が、ボクには少し((眩|まぶ))しくて、そして((羨|うらや))ましかった。
ボクは、そんな彼女たちを見ながら思います。
どうかこれからも、いつまでも仲良く在れますようにと。
晴れて周泰がボクの配下になった後、ある問題が浮上してきます。
それは『周泰が助けた子猫をどうするか?』という問題でした。
いま目の前には、周泰が子猫を両腕で抱きしめながらボクを見詰めています。
(なんでしょうね? この『捨てられちゃうの?』的な((憐憫|れんびん))を誘うような視線は)
周泰と子猫の視線に根負けしたボクは、子猫を飼うことを許してあげます。
その後、周泰と猫談議をしたら『我が同志!』と言われてしまいました。
どうも、ボクを自分と同じ猫好きだと思ったようです。
まあねぇ、ミーシャは大陸一可愛いですからねぇ。(自慢)
川辺に更に1泊後、ボクらは旅を続けることにしました。
数日の行程で南陽郡の北部に入ったのですが、治安がかなり悪いです。
南陽郡に入ってから手頃な集団に見えるのか、賊に襲われるようにました。
賊を撃退する呂蒙・周泰の連携は一見の価値がありました。
諸葛亮・((?統|ほうとう))も賊の弱点を看破するなどの冴えを見せ、着実に成長している様子が見受けられます。
その間、ボクがどうしているのかって?
そんなの、隅っこで丸くなっているに決まっています。
知力も武力も無いんだから仕方がないでしょ!(クスン)
「はあ〜。切りがありませんねぇ」
何度目かの賊退治の後にボクは((呟|つぶや))きました。
「はい。治安が、かなり悪くなっています」
「悪い……です」
諸葛亮と?統が、ボクの呟きに返答してきました。
ボクはこれからの事の思案材料に、呂蒙・周泰に以前の様子を聞いてみることにします。
「亞莎、明命。豫州方面は、ここより治安が悪いのかな?」
「どうでしょうか。ここ等辺りでも、商隊を護衛していた頃より悪いです」
「そうですね。豫州や荊州でも治安の度合は変わりませんでした」
「ふむ。そうですか……」
治安の悪化は全国的になって来ているという事のようです。
ボクは呂蒙・周泰の言葉から、そう判断しました。
「今夜は街に宿泊して、明日からは西進して漢中へ帰還します」
ボクは皆に視察の中止、及び漢中帰還を告げました。
荊州の南陽郡と言えば大陸一繁栄していると((謳|うた))われる所でした。
それがこの在り様では他州も推して知るべしでしょう。
ボクは、戦乱の世の徴効を感じずにはいられませんでした。
近場の街に着いた時には、日が暮れて暗くなって行く頃でした。
やはり街の様子も何処か活気が無いようでした。
何人かに『良い宿は?』と聞き、一番評判が良かった宿に宿泊する事に決めます。
そこは気持ちの良い雰囲気のある宿でした。
「さて皆。明日からは又、漢中へ向けての強行軍です。今晩は、ゆっくり休んで明日からの英気を養って下さい」
宿での皆との食事の後、ボクは労いをかけて解散を告げます。
ボクは自分に割り当てられている部屋に行き、ベッドで体を((寛|くつろ))がせました。
暫く体を休めていたボクは、ふと宿の主人が浴場を自慢していたのを思い出します。
(そういえば、この宿には立派な浴場があるって言っていましたねぇ。湯で体を温めて、旅のキズを癒すのも良いかも知れません)
そう思ってボクは、宿の店員に場所を聞いて浴場に行きました。
いざ浴場へ! とばかりに扉を開けて脱衣所に行くと、そこには。
「あ、刹那様」
そこには、風呂に入る為に裸の格好になっている周泰が居ました。
「ええぇ?! ごっ、ごめん! 明命が入っているとは思わなかったんだ! すぐ出て行くから、許して?!」
周泰の裸体をなるべく見ないように、ボクは顔を横に向けながら言いました。
そんなボクを捕まえながら、周泰は言います。
「嫌ですねぇ、刹那様。“女同士”なんだから問題ないじゃないですかぁ」
「え? いっ、いや。ちっ、違うよ? ボクは……」
「ほらほら。皆、お風呂で待っていますから、服なんて脱いじゃって下さい」
「え? いや、皆って。だっ、駄目だよ?! そんな……」
「そんなに恥ずかしがらなくても、大丈夫ですよぉ〜。ほらほら(嬉)」
「服を脱がさないでぇ! あっ? みっ、明命! そんな所さわっちゃ……あん?」
周泰はボクの言う事を、ちっとも聞いてくれません。
ボクもね、頑張ったんですよ?
でもね、ボクが((武力|チカラ))で周泰に((敵|かな))う訳ありません。(泣)
ポイッ、ポイッて、周泰は素早くボクの服を((剥|は))いでいきました。
「「キャ?!」」
「え?」
ボクの服を脱がし終えた周泰は、ボクを脇に抱えて風呂場に入って行きました。
洗い場で身体を洗って居た諸葛亮と?統は、ボクが入って来た事に小さく驚きの声を上げて両腕で身体を隠します。
湯につかって居る呂蒙は、メガネを外している為なのか状況が分かっていないようでした。
「さあ、刹那様。まずは、体を温めましょう!」
そう言って、周泰はボクを湯船に投げ込みました。
ポイッて。
勢い良く湯の中に入ったボクは、苦しくて急いで湯上へ立ち上がりました。
「ゲホッ、ゲホッ」
「「「「……」」」」
苦しかった息を整えて落ち着いたボクは、四方を見回しました。
その時になって、やっとボクは気が付きます。
風呂の湯面はボクの股より下にあり、ボクは(ピー)を隠していない事を。
「……」
「「「「……」」」」
呂蒙はやっと気付いたのか、湯で体を隠しながら顔を真っ赤にしていました。
周泰はボクの性別を理解したのか、これまた顔を真っ赤にしています。
諸葛亮と?統も真っ赤にした顔を手で覆っていますが、指の隙間からボクの股間の(ピー)を興味深く凝視していました。
「☆●○▼§×Φ?!」
ボクは股間の(ピー)を両手で隠しながら、急いで外に出ようとしました。
その時のボクは、余程慌てていたのか注意力が散漫になっていたようです。
ボクは脚を風呂の((淵|ふち))に取られてしまい、転倒して気絶してしまいました。
次の日、自分の部屋で目が覚めて服を着ている自分に気が付くまで、ボクの記憶は途切れていました。
誰がボクに服を着せてくれたのでしょうか?
怖くて聞けません。
イヤァアァァァー?!
(ムンクの“叫び”)
〜ある夜、ある宿の部屋〜
「ねぇねぇ。雛里ちゃん」
「なぁに? 朱里ちゃん」
「……見ちゃったよね?」
「うん……見ちゃった」
「……大きかったよね?」
「うん……大きかった」
「わたし達、大人の階段のぼっちゃったのかな?」
「……(///∇///)」
「「??? きゃああぁぁ!???」」
説明 | ||
無難な人生を望み、万年やる気の無かったオリ主(オリキャラ)が、ひょんな事から一念発起。 皆の力を借りて、皆と一緒に幸せに成って行く。 でも、どうなるのか分からない。 涙あり、笑いあり、感動あり?の、そんな基本ほのぼの系な物語です。 『書きたい時に、書きたいモノを、書きたいように書く』が心情の不定期更新作品ですが、この作品で楽しんで貰えたのなら嬉しく思います。 *この作品は、BaseSon 真・恋姫†無双の二次創作です。 |
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コメント、ありがとう。 はい。相変わらず可愛い2人です。(愛感謝) 朱里と雛里は相変わらずデスネェ(将軍) |
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