さて転移だ『転送』

「よう善吉、江迎」

「零・・・創・・・」

「戦う理由は見つけたか？」

「・・・ああ」

そうか、それはよかった、そうじゃないと

困るからな

「あの・・・創君、零君」

「ん？どうした江迎？」

「どうやってここに？」

・・・そんな簡単なことがわからないのか？

簡単というより考えるまでもないだろ

「「俺たちは理外点だぜ？」」

「あ・・・そうだったね・・・」

ははは、常識や法則なんて俺の前には存在しないし

創の前には他世界への干渉制限なんてないよ

「とまぁそういうわけで悪いんだが、江迎は先に帰っといてもらっていいか？」

「え？」

いやいや、え？じゃなくてね

「いやな、江迎、こっからは善吉をめだかに勝たすための

俺達理外点独自の特訓なんだよ、これけっこう危険だから

お前を巻き込まないように帰っといてほしいんだけど・・・」

ナイスフォローだ創

姉馬鹿のくせにやるじゃないか

「え・・・でも、私は善吉君を助けないと・・・」

江迎・・・お前失恋したのに健気すぎるぜ！

まぁすまんが今回はそれは

「無理だ、すまんな」

『縛り桶』

「え？」

ジャラジャラ・・・ギュア！

「きゃあああああ！！」

お休みー

・・・つーか縛り桶なんて最近使ってないな

本当チートが多い世界だな

「『夢の本』じゃあねー」

「お前ら！何やってんだよ！」

「あー大丈夫、怪我させちゃいねーし

無事に元の世界に戻ったはずだ」

「そうか・・・いやその前にお前らも俺を特訓するってどういうことだ！？

お前らは応援するも真フラスコ計画には参加しないんじゃ・・・」

おいおい誰が参加しないなんて言ったよ？

まぁしないんだが

「すまんがそっちじゃなくて善吉にはもう一個別の俺たちの

強化メニューをこなしてもらうぜ？」

「別の・・・？」

「そう！『理外点の善吉君改造最強化計画』って言うんだけどさ」

バカか創そんな下らん名前は付けてないぞ

アホなんだろ？

「違う違う、『善吉をめだかに勝てるように強くしよう計画』だ」

「それ・・・変わらなくないか？」

気にするな善吉、気にしてると死んじまうぜ？

「とまぁそんなわけでフェイズ１だ

その名も『理外点と戦ってみよう！』だ」

「は？何言ってんだよ！安心院さんでも敵わないお前らに勝てって

言うのか！？それは何が何でもさっきの安心院さんの特訓よりハードじゃないのか！？」

いやいや、よく見ろよ善吉、一部字が違うぜ？

「『勝とう』じゃなくて『戦おう』だぞ善吉？」

「え？」

「だから、めだかにすら勝てる俺らにお前が勝てるとは思ってねーよ

ただ単に、お前がめだかと戦う時に、どんな感じかを教えてやるだけだ」

「ちなみに今回は戦闘な」

「「戦闘だろうが選挙だろうがスポーツだろうが

ゲームだろうがなんだろうが全部勝てるように改造してやるから安心しろよ？」」

にやぁ

「目が笑ってないぞお前ら・・・」

―――――――――――――――――――――――――――――

「はいもう一回☆」

「なっ、くっそ！おら・・・」

「はいどーん」

「うわああああああ！！」

あー皆さんこんにちは

零だ、ただ今善吉の特訓中ですが

善吉が弱すぎるので今の状態とそこまでの経緯とを

説明いたします

簡単にいくと

１・俺と戦え！創は先帰っといていいぞー

２・じゃあ時間操作で向こうの一秒はこっちの一日な

３・じゃあ戦闘開始

４・死んだら甦らせてもう一回☆

以下３・４エンドレスで今に至る

今のところ四千五百回目

大体十秒で一回死んでるから・・・

大体十二時間ぶっ続けで戦ってるわけだ

まぁ手加減はしてるぜ？めだかが普通に戦えるほどには

でも弱すぎるわ、あくびもできる

「善吉ーそろそろ違うことやってみようか」

「なんだよ？」

「スキル付けてやるからそれで戦え」

「へ？」

何だよ、最近の奴はへ？とか、は？とかっていうのが流行ってんのか？

「だから、スキルだよスキル、能力！

わかる！？」

「・・・え、でも今能力は創ってもらってるんじゃ」

「あ〜あれ以外にもう一個作ってやるよ俺が

一応戦闘でも勝てるようにしてやる」

「いや、俺はめだかちゃんに戦闘で勝つわけじゃ・・・」

「それでももらっとけ、こっちの目的が戦闘でも勝てるようにすることなんだよ」

結構鬼畜な能力にしといてやるから

ありがたく思えよ・・・

うーんと、『強制徴収（オールテイク）』かな

効果は・対象と自分の能力・経験・技術を全て『吸収』し昇華する能力

吸収だから吸収された奴はその技術を使えなくなるし能力もなくなる

まぁ逆のスキルも作るか

『総配給（リテイク）』で自分が強制徴収で吸収した能力・経験・技術を

昇華をなかったことにして相手に戻すスキルだね

なんとも安直な名前だな・・・まぁ俺馬鹿だしいいか

「なぁ零」

「ん？どうした？」

「なんでそんなにめだかちゃんに勝ってほしいんだ？」

あ〜そういうことね、まぁ色々あるけど・・・

一番は・・・

「お前の？いや、俺のためかな？」

「お前の？どういうことだよ？」

「友達が勝ちたいって言っているのだから

すべてに勝たしてやりたいだろ？

友人が勝ちたい方法は違うだろうけど

それでも、他の方法でも勝たせてやりたいっていう

意味の分からない自分のための簡単な理由だ」

「・・・・」

いや〜この理由無理矢理すぎ、意味不明にもほどがあるね、

バカだねバカすぎるよ

「まぁこんな理由だけども・・・戦えよ善吉？」

「・・・ああ、わかってる」

じゃあ肝心のスキルだ

「このスキルたちの名前は『強制徴収』に『総配給』！効果は・・・」

――――――――――――――――――――――――――――

「はああああああ！！！！」

「うんうんいいよ！音速にもちゃんとついていけてるぜ！」

今は善吉がこのスキルに慣れるように特訓中だ

今回吸収させたのはめだかのダミーだ

めだかの本気と同じだけの力が出せる

まぁそれでも俺からすれば難易度ノーマルなんだが・・・

「まぁそれでも及第点かな」

「ふっ・・・はああ！！」

いつも見てきためだかだからかな動きは自然だし

昇華の効果もあって音速のくせに普通に動けている

その吸収も

「俺には効かないんだけどね」

まぁがんばれよ、応援してるからさ

今回はバックアップついでに何回もめだかに勝つつもりだし？

ははは、まぁ悪平等も異常も過負荷も特別も普通も何もかも

理外点には敵わないから問題ない

友達を傷つけた罰はちょっとやそっとじゃ消えないんだ

「さぁ、もっと強くしてやるからな善吉」

はははははは