IS学園にもう一人男を追加した 〜 51話 分戦@ |
チェルシーSIDE
チ 「みなさん、慌てないで、冷静にこちらに非難してください!」
突如、鳴り響いたサイレン。
何でも、各ピットに襲撃者が現れた模様。
ク 「おい、お前も非難しろ!」
チ 「いえ、私は誘導に専念します。あなたは?」
ク 「私は軍人だ、やるべき事がある。誘導頼むぞ!」
チ 「はい、分かりました」
軍人さんは、皆さんとは違う方向に走り去ってしまった。
(・・・お嬢様、どうかご無事で)
セシリアSIDE
セ 「一体、これはなんですのっ!?」
鈴 「あたしが知るわけ無いでしょ! ああもう、イライラする!」
天井をぶち抜いて、ピットに現れた黒いIS。
どれだけ、攻撃をぶつけても、ダメージの損傷は確認できない。
鈴 「きゃあ!」
セ 「鈴さんっ!」
大型ブレードに吹っ飛ばされた鈴さんを受け止め、そこに打ち込まれた熱線を避ける。
セ 「近づけば、ブレードの餌食。距離を取っても、あの熱線にやられる・・・やり辛い敵ですわ」
鈴 「・・・でも、一度は倒した相手よ」
セ 「大丈夫なんですの? 前は最終的に一夏さんが居たから勝てましたのに・・・しかも、あの姿から見て、あのISの発展機でしょう」
鈴 「やるしかないでしょ・・・あたし達だけで、ね」
笑みを浮かべる鈴さんに釣られ、わたくしも笑みを零す。
セ 「では、一瞬で華麗に決めますわよっ!」
鈴 「乗ったっ!」
熱線が飛んで来たところで、二手に分かれる。
セ 「ブルー・ティアーズ!」
四機のビットを敵ISに向かって飛ばす。
そして、敵ISがビットに気が向いているうちに・・・
鈴 「あたしが、全力でぶち込む!」
懐に入った鈴さんが、衝撃砲を最大火力で何発も連射。
鈴 「今回の衝撃砲は、一味違うわよーっ!」
今、鈴さんが使用しているのは、IS暴走事件に使用していた拡散衝撃砲ではなく、貫通力が高い衝撃砲『貫通衝撃砲』なのである。
だが、その衝撃砲をもってしても、敵ISの装甲を歪めるだけ。
それだけではなく、鈴さんに気づいた敵ISの巨大な左腕で殴り飛ばされ、飛ばされた鈴さんはピットの壁に叩きつけられた上、崩れた壁の下敷きに。
セ 「っ! 鈴さんをよくもっ!」
わたくしは頭に血が昇り、新装備ロングライフル『ブルー・ピアス』を発砲。
だが、それは敵ISに届く前に、ショルダーの装備が外れ、円を掻く様に球状の物体が並べられる。
そして、その円にエネルギーが生じ、それによって、全ての攻撃が防がれる。
セ 「まさか、シールドビットッ!?」
奪われた『サイレント・ゼフィロス』と同じ搭載機。
それが、余計にわたくしの心に火を点ける。
セ 「必ず・・・必ず、落としますわ!」
ミサイルビットも射出して、敵ISを総攻撃。
そして、敵ISの周りに砂塵が舞い、確認できないが、手応えを確かに感じた。
セ 「これで、どうですの・・・?」
ジャミングが張られているため、敵ISの現状が分からず、砂塵の中を見つめる。
だが、次の瞬間・・・
セ 「え・・・?」
目の前には、瞬時加速した敵ISの拳が。
(そんな・・・この防御力でこの機動性、しかも、火力もあるなんて、反則じゃありません?)
[ドゴッ!!]
鈴 「何、しけた面してんのよ・・・」
セ 「え・・・?」
殴られたのはわたくしではなく、鈴さんが双天牙月で殴った敵ISだった。
セ 「・・・無事だったのですね」
鈴 「無事とは言えないけど、ね・・・」
そう言った鈴さんの額から、赤い液体が垂れる。
セ 「り、鈴さんっ! ち、血が・・・」
鈴 「これぐらいは大丈夫よ。でも、気をつけないと。あのIS、絶対防御システムを無効にするジャミングを持ってる」
だから、IS装着時で、怪我を負っているんですのね・・・
セ 「で、ですが、それでは余計に・・・」
鈴 「ええ、さっきの作戦は危険すぎる・・・だから、引くしかないわね」
セ 「引くって、どこにですの?」
アリーナは緊急事態発令により、すべての扉はもちろん、フィールドに出るピットも塞がれている。
鈴 「良いのがあるじゃない、あそこに」
鈴さんが指差す方向には、起き上がろうとしている敵ISの姿。
セ 「・・・なるほど、あの熱線を使うのですね」
もし以前、現れた黒いISの発展機ならば、アリーナのシェルターを突き破るほどの威力を持っているはず。
鈴 「なら、作戦開始よっ!」
セ 「分かりましたわっ!」
クラリッサSIDE
メイドと別れ、私は隊長のいるピットを目指して、廊下を走る。
(ラウラ隊長・・・)
走りながら、ポケットに手を伸ばす。
出てきたのは・・・
(シュヴァルツェア・ツヴァイク・・・私に力を貸してくれ!)
待機状態のツヴァイクを足に装着して、走っている速度を速める。
ク 「私が必ず・・・!」
レーアSIDE
レ 「ったく、どうなってんのよ?」
私は人並みを掻き分けて、観客席の真ん前に出る。
すると、向こう側に、2人の男女が・・・
レ 「あの、非難しないんですか?」
優 「ん? あ、はい、見届けなくちゃいけないので・・・」
男の方は、優男(やさおとこ)のような雰囲気をかもし出してるものの、目を見れば、この人物が底知れない人物だというのが分かる。
隣の女性もしかりだ。
春 「ごめんなさい、私達はここに居ないといけませんので」
レ 「・・・そうですか。でも、危険になったら、すぐに非難してくださいよ」
優 「分かりました」
春 「はい」
とりあえず、私も誘導している人を手伝おう。
(シャルロット・・・大丈夫よね)
シャルロットSIDE
ラ 「くっ・・・何なんだ、こいつ、は?」
シ 「ら、ラウラ・・・」
突然襲撃してきた謎の黒いIS。
そのISは、高い戦闘能力を持ち、容赦のない攻撃に、僕達は窮地に立たされた。
現に今、僕は叩きのめされ、ラウラは敵ISの左腕に頭を鷲掴みにされて、ギシギシと音を立てている。
ラ 「く、くそっ!」
ラウラはプラズマ手刀で、敵ISの腕ごと切り裂こうとするが、敵ISの右腕の大型ブレードに防がれてしまう。
そして、その勢いでブレードをラウラに振り下ろそうとする瞬間、僕は敵ISめがけ瞬時加速(イグニッション・ブースト)。
シ 「ラウラを離せぇ!!」
左盾ショルダーの装甲をパージ、そこから顔を出す『盾(シールド)殺(・ピアーズ)し』
それを、敵ISの左腕に全弾打ち込み、ラウラの敵ISの拘束から逃す。
ラ 「っ! シャルロット、来るぞっ!」
ラウラに指摘され、敵ISの方を向くと、エネルギーチャージしている敵ISの左の手の平。
シ 「っ!」
咄嗟に『高速切替(ラピッド・スイッチ)』で、物理シールド3枚を呼び出し、前に重ねて放たれた熱線を防ぐ。
だが、エネルギーが強すぎたのか、3枚もろとも破壊され、僕の右腕を焼く。
ラ 「シャルロット! 許さん、貴様ぁっ!」
左目の眼帯をむしり捨て、反射速度を数倍に跳ね上げる補助ハイパーセンサー『ヴォーダン・オージェ』が金色に輝く。
その輝きが増すと、ラウラはAICをフルパワーで敵ISに使用する。
ラ 「貴様だけはぁ!」
シ 「ラウラ駄目! 下がって!」
だが、頭に血が昇ったラウラには、僕の声は届くこと無かった。
ラ 「うおおおおっ!」
氷付けのように、動かなくなった敵ISに、ラウラは容赦なく、レールカノンを何発も叩き込む。
ラ 「これでっ!」
シ 「ラウラッ、避けてっ!」
ラ 「っ!?」
煙から、固まっていたはずの敵ISの大型ブレード。
そのブレードがラウラを切り裂いた・・・
ク 「危ないところでした、隊長」
・・・の様に見えた。
ラ 「クラリッサ・・・」
間一髪、敵ISの動きをAICで止めた、ラウラの部隊の副隊長さん。
ラ 「お前、ツヴァイクを?」
ク 「はい、許可なしに使用してしまい、すみません」
副隊長さんが乗っている『シュヴァルツェア・レーゲン』に似た黒いIS。
両肩には30oビームガトリングがそれぞれ1門、両肘にミニガン、レーゲンと同じプラズマ手刀。
そして、バックパックのスラスターと同化しているマイクロミサイル6門×50が確認できた。
ラ 「いや、おかげで助かった・・・っ! シャルロットはっ!?」
シ 「僕は平気だよ・・・もう、勝手に飛び出しちゃ駄目でしょ!」
ラ 「す、すまん・・・」
シュンとなるラウラ。その様子を副隊長さんは・・・
ク 「はあ〜、シュンとなってる隊長・・・」
頬を赤くしていた・・・
(何も見てない、聞いてない・・・)
そう自分に言い聞かせていると、どういう事か、またもやAICの拘束を破った敵ISが暴れ始める。
ク 「くっ・・・」
ラ 「クラリッサッ! シャルロット、一度散開するぞ!」
シ 「了解!」
二手に別れ、僕は敵ISを牽制しながら、ラウラが副隊長と合流を援護。
ラ 「シャルロット! 私が突っ込む、援護してくれ!」
シ 「分かったっ!」
ラウラが一度距離を取り、僕は副隊長と共に、突っ込むラウラを援護。
ラ 「はぁあああっ!」
ワイヤーブレードで、敵ISの腕や脚に巻きつき、プラズマ手刀とレールカノンを零距離射撃を行う。
ラ 「くっ、なんて硬さだ!」
だが、ラウラの攻撃は頑丈な装甲を凹ますだけ。
そこに、敵ISがワイヤーを引きちぎり、ラウラを殴り飛ばそうとする瞬間・・・
[ドゴォォ!]
3人 「っ!?!?」
突如、ピットの壁が壊され、もう一機の敵ISがこちらの敵ISに直撃し、二機もろとも壁に埋まる。
その衝撃でピット内部に亀裂が入った。
ダ 「あれ? やりすぎた?」
フォ 「何やってんッスカ、先輩・・・」
隣のピットから出てきたのは、二年のフォルテ・サファイアの専用IS『コールド・ブラッド』に、三年のダリル・ケイシーの専用IS『ヘル・ハウンド・Ver2,5』
ク 「隊長、今の衝撃で、フィールドに脱出できますっ!」
ラ 「なら、脱出するぞ!」
シ 「え、あ、ちょ・・・先輩方、後はよろしくお願いします・・・」
ダ 「え、ちょ!」
フォ 「何、勝手に出ていってんッスカー!」
・・・ごめんなさい。
投稿者SIDE
ダ 「・・・押し付けられたな」
フォ 「押し付けられたッスね・・・」
2人の目の前には、さっきまでシャルロットが戦っていた敵IS.
ちなみに、ダリル達が相手していたISは、その場に突っ伏して動かない。
ダ 「あ〜あ、どうすっかな〜・・・?」
ダルそうに言うダリル。だが、敵ISの攻撃を全て避けていた。
フォ 「まぁ、頑張ってくださいッス、先輩。ウチ寝るんで・・・」
そう言って、空中浮遊したまま、寝転がるも、敵ISの熱線はすべて両ショルダーに搭載されている『ゲシュマイディッヒ・パンツァー』によって、ビームの軌道を変えている。
ダ 「あ、フォルテ! てめぇ、また私に押し付ける気だな!?」
フォ 「何、言ってんッスか、先輩! 先輩こそ、最初はウチに押し付けようとしたじゃないッスか!」
言い合いを始める2人。
だが、その間も敵ISの攻撃は止まない。
ダ 「てめぇ、いつも先輩に対する態度がな!」
フォ 「それが、可愛い後輩に対する言い方なんッスカ!?」
ダ・フォ 「・・・つか」
キッと、熱線を放っている敵ISを睨みつけ・・・
ダ・フォ 「ウザイ(ッス)!」
瞬時加速で敵ISに接近した後、同時に顔面をローキック。
敵ISはバランスを崩し、地面に倒れるが、負けじと熱線を放つ。
ダ 「ああ〜、しつこい!」
ヘル・ハウンドの周りに浮遊している四つの球体・・・『片思い』の内、黄色の球体が前に出して、熱線を受け止める。
その熱線はパチンコみたいに、黄色からオレンジ、オレンジから赤、赤から黒に跳ね返り、最後の黒で敵ISの方に熱線が跳ね返る。
すると、敵ISは周りに浮遊しているシールドビットを発動しようとするが・・・
ダ 「させないぞ」
ジジッと、ヘル・ハウンドから出る音・・・ジャミングがピット内部に響き渡ると、敵ISのシールドビットが寿命尽きたセミのように、機能を停止する。
そして、防御手段を失った敵ISに熱線が直撃。
だが・・・
ダ 「・・・おいおい、まだ動くのかよ」
フォ 「何やってんッスか、ダリルせんぱ〜い」
ダ 「ああぁ〜! お前も戦えや、フォルテッ! 先輩が頑張ってるのに!」
フォ 「頑張ってくださいッス!」
ガッツポーズで返されたダリルは、ブチッと頭の何かが切れる。
すると、ダリルは敵ISが討ってきた熱線を黄色の球体で受け止め、フォルテの方に跳ね飛ばす。
フォ 「うわっ!」
フォルテは咄嗟に空中で寝ている体制から、起き上がりパンツァーで熱線の軌道を歪曲する。
フォ 「な、何するんッスか!?」
ダ 「フォルテが手伝わねぇからだろ! もう一発、やってやろうか!?」
ダリルのキツイ目にやられて、フォルテは必死に・・・
フォ 「わ、分かりましたッス! ちゃんと、手伝いますッスから!」
そう言って、フォルテの手に大鎌『スィンズ』が握られ、敵ISに突っ込む。
その後を、ダリルが付いていく。
フォ 「じゃあ、さっきのでいいんッスか?」
ダ 「・・・別にいいぞ、一人でやるなら」
フォ 「やりませんッスよ。あんな化け物相手に・・・」
そう言ってる間にも、敵ISの大型ブレードの間合いに入り、ブレードがフォルテを襲う。
フォ 「うっ!」
重い一撃を鎌で防ぎ、その間にダリルが両手脚の爪『瓜爪(うりづめ)』で、敵ISを切りつける。
ダ 「くっ・・・」
だが、その攻撃は空しく、左腕で邪魔をされ、距離を取ったダリルに熱線が放たれる。
ダ 「それを待ってた!」
熱線を黄色の球状で受け止め、オレンジ、赤と跳ね返し、敵ISの方ではなく、フォルテの方に飛ばす。
そして、フォルテは笑みを浮かべ、熱線をパンツァーで軌道を歪め、至近距離で敵ISに直撃させようととした。
これは、さっき戦闘していた敵ISに使った技なのだが・・・
ダ・フォ 「っ!?」
軌道を変えた熱線が敵ISに当たる直前、敵ISは踊るように身をくねらせて避ける。
無人機だからこそできる異質な動き。
さらには、二度も同じ技を喰らうほど、このISを作った相手は甘くは無い。
フォ 「うぐっ!」
ダ 「フォルテッ! ぐわぁ!」
鎌ごと吹き飛ばされたフォルテに気を取られたダリルは、横からの衝撃に壁に叩きつけられる。
ダ 「くっ、まだ生きていたのか・・・」
ダリルを叩きつけたのは、先まで突っ伏していた敵IS。
フォ 「せんぱ〜い、これはちょっとヤバイッスよぉ!」
ダ 「かくなる上は・・・」
フォ 「かくなる上は・・・?」
ダ 「逃げるぞぉ!!」
フォ 「賛成ッス!!」
フィールドに逃げ出した2人であった・・・
説明 | ||
・セシリア&鈴 ・シャルロット&ラウラ ・ダリル&フォルテ |
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