真・恋姫†無双〜だけど涙が出ちゃう男の娘だもん〜[第12話]
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真・恋姫?無双〜だけど涙が出ちゃう男の((娘|こ))だもん〜

 

[第12話]

 

 

周泰爆弾発言を受けての魏延大爆発の時は大変でした。

周囲を巻き込み、焼け野原にしまくって被害((甚大|じんだい))です。

諸葛亮の『今度、皆で一緒にお風呂に入れば良いじゃないですか』という一言で事態を鎮静化させた時には、さすがの『我が子房』だと思いました。

でも皆って、ボクも数に入っているのでしょうかね?

一抹の不安を感じます。

 

それから暫くして、ボクたちは漢中郡南鄭へ帰還して来ました。

長かった旅も、これで一段落です。

帰還を果たした昨日は、一日休日としました。

お風呂に(一人で)入って旅で付いた体のキズを癒し、ミーシャと一緒に寝て心のキズを癒しました。

さすがは万能の((霊薬|ミーシャ))です。

身も心も元気百倍になりました。

 

 

 

「桔梗に紫苑。留守居役、御苦労さまでした」

「なに。皆が良う働いてくれましてな、問題ありませんでしたぞ」

「そうねぇ。皆さん頑張っていたわねぇ」

 

執務室で厳顔と黄忠の両名をボクが労うと、それぞれがそう発言してきました。

 

「そうなの?」

「うむ。何でも『今こそ、力を見せる時!』とか言ってたかのぅ?」

「ええ。ご主人様が荊州から人材を招いた事で、発破をかけられたようですわ」

 

ボクは今回の旅で、司馬徽、諸葛亮、((?統|ほうとう))、呂蒙、周泰を始めとした沢山の人材を集めてきました。

徐庶・馬良・韓嵩・尹黙・向朗・諸葛瑾・諸葛均・蒋欽・文聘など、((錚々|そうそう))たる顔ぶれです。

皆と仲良くしてくれると嬉しいですね。

 

厳顔と黄忠両人に、ボクが留守中の事を聞きました。

統治は((概|おおむ))ね問題は無く、平穏無事だったとの事。

ただ、移民・流民の数が増えて治安に問題が生じつつあるとの事。

益州他郡や他州からの移住が絶えず、特に荊州からは枚挙に((暇|いとま))がないほどであると。

行く宛ての無い壮年の者などには、軍に編入して一時金の支給などを行い対処しているとの事。

逐次、各県に人民を受け入れてはいるが、それも限界に近いらしく、早急なる対処を求めると各県の長からの要請があるとの事。

 

「分かった。明日にでも皆を集めて対処を決めよう」

 

ボクは一通り報告を聴いて、明日の会議で対応策を審議する事としました。

 

「ところで、若?」

「なんだい?」

 

報告し終わった厳顔が、ニヤついた顔でボクに話しかけてきました。

 

「留守居役をこなした我らに、褒美は無いので御座いますかな?」

「そうよねぇ。焔耶ちゃんには、何やら買ってあげたようですし」

「……大丈夫だよ。ちゃんと買ってあります」

 

ボクは、2人に買っておいた土産を渡しました。

 

「ふむ…手鏡と((簪|かんざし))ですかな?」

「ふふっ、洒落た手鏡ですわね。簪も趣味が良いですわ」

 

渡した土産を2人は、それぞれ感想を述べていました。

気に入って貰えたようで良かったです。

 

「2人には、いつまでも若く綺麗でいて貰いたいからね。だから、それぞれ2人に姿を映す物と彩る物を買って来たんだよ」

「「……」」

 

ボクが土産を選んだ理由を述べると、2人は何やら((頬|ほほ))を少し赤らめました。

 

「ふっ。……若は意外と女心を((擽|くすぐ))りますな」

「ふふふ。そうねぇ、ちょっと来ましたわ」

「そう……?」

 

2人は意味深な言葉を言っていましたが、ボクには良く分かりませんでした。

何でしょうね?

 

 

 

翌日、会議に移民・流民対策の議案を審議しました。

 

対策として。

増える食糧消費に対応する為に、屯田制を採用して田畑を開墾する事。

新たに土地を開拓して漢中に根付いて貰う事。

技能(文字の読み書き、数の計算など)を持つ者は、文官候補・文官補佐として能力に応じて雇う事。

早急に、特産品などを開発して収益を上げていく事。

学校に職業訓練教室を追加して、職人等を育成する事。

などが決定されました。

 

「取りあえずは、こんなところかな?」

 

ボクは解決案が出され終わった事を確認したところ、会議に参加している諸将から異議は出されませんでした。

 

 

「おとうさん!」

 

ボクが会議の終了を告げて執務室に行こうとした時、璃々ちゃんが会議室に入って来ました。

 

「璃々、ダメでしょう? 今はお仕事中ですよ」

「え〜、でもぉ。みんなは終わったって言ってたよぉ?」

 

黄忠が自分の娘を((窘|たしな))めているが、璃々ちゃんは自分が正しいと主張しているようでした。

健気さが可愛いです。

 

「いいよ、紫苑。会議は終わったのだから」

「そうですわね。分かりましたわ」

「こんにちは、璃々ちゃん」

「こんにちは!」

 

ボクは黄忠に許可を与えた後、璃々ちゃんに話しかけました。

 

「きょうはね。璃々、おみやげのお礼に来たの!」

「ふふ。気にいってくれたかな?」

「うん!」

 

ボクは璃々ちゃんへの土産に、お人形さんを買って来てあげました。

こんなに喜んで貰えると、買って来た甲斐があるというものです。

可愛いですよねぇ。

癒されます。

 

 

「それでね。璃々、お礼に“初めて”をあげに来たの!」

 

会議室の空気は、その瞬間『ピキッ』という音をたてて止まりました。

ボクも少なからずショックを受けます。

 

「璃々。“初めて”って何か分かんないけど、おとうさんなら分かるよね?」

「……え〜と、璃々ちゃん? 誰がそんな事を言っていたのかなぁ?」

「お母さんと桔梗さん!」

「……」

 

ボクは璃々ちゃんの後ろに居る厳顔と黄忠を白い目で見遣る事にしました。

厳顔は“わしは知らん”とばかりに、ソッポを向いて((呆|ほう))けています。

黄忠は『あらあら、まあぁ?』とか言って、顔を少し赤らめて照れていました。

 

ボクは、璃々ちゃんに詳しく事情を聞く事にしました。

彼女話しによると、昨日の酒盛りの時に厳顔が、『若も元服して太守になったのだから、そろそろ女を知っても良い頃じゃなぁ』とか言ったのだそうです。

それを受けた黄忠が、『そうねぇ。ここは、わたくしが妻として“初めて”の相手を務めるべきよねぇ』とか言っていたらしい。

璃々ちゃんは“初めて”と言う言葉の意味を理解出来なかったけれど、何やら凄く大事なものだとは感じたのでボクにあげたかったらしいのです。

 

ああっ。なんて純情なのでしょうか?

このまま素直に、すくすく育って欲しいものですね。

 

ボクは、そんな可愛い璃々ちゃんに言います。

 

「ありがとう、璃々ちゃん。でも、お礼を言って貰えただけで十分だよ」

 

そう言ってボクは、璃々ちゃんの頭をナデナデしてあげました。

璃々ちゃんは『えへへっ……』と、はにかんでいました。

癒されます。

 

 

 

 

世の中のお父さん、お母さん?

((H|エッチ))な話しをする時は、子供が傍に居ない事を確認してからにしましょうね?

でないと、とんだ恥をかく事になりますから。

お互いの精神衛生の為にも、是非。

 

説明
無難な人生を望み、万年やる気の無かったオリ主(オリキャラ)が、ひょんな事から一念発起。
皆の力を借りて、皆と一緒に幸せに成って行く。
でも、どうなるのか分からない。
涙あり、笑いあり、感動あり?の、そんな基本ほのぼの系な物語です。
『書きたい時に、書きたいモノを、書きたいように書く』が心情の不定期更新作品ですが、この作品で楽しんで貰えたのなら嬉しく思います。
*この作品は、BaseSon 真・恋姫†無双の二次創作です。
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コメント
コメント、ありがとう。 まあ、あれです。蒋欽さん放っておくと水賊になるしかないから、周泰と一緒に配下にしたみたいな感じです。(愛感謝)
蒋欽って9話で賊になるって言ってた人ですよね。いつの間に配下にww(pk0)
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