恋姫的外史 第3話
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持たざる者

 

第3話

 

その場に飛びこむと、男は私も隠せるように布を被せてくれた

ふと顔を見ると、口に人差し指を当てている。静かにしていろ…との事なんだろう

 

なにやら手慣れている感じがしたので、あの集団をやり過ごす手段としては成功率が高いのであろう

 

二人で息を潜ませていると、先程の動物の群れがすぐ傍まで近づいているのが分かった

 

大量の動物が駆けていく音っていうのは予想外の迫力があった

地面に体を付けているので、小さな地震の様な振動が伝わってきた

更に視界を布で遮っている分、恐怖感も倍増している気がした

 

一番の恐怖は、やはり自分のすぐ近くを通り過ぎた時だった

肝が冷えるというのは、正にこの事を言うのだろう

 

蹴散らされるかもしれない…踏みつぶされるかもしれない…

そんな恐怖感で頭の中が一杯だった

 

「通り過ぎる音が聞こえているから、だ…大丈夫なんだな…」

 

招き入れてくれた男が心配をして小声で話しかけてくれた

 

動物の群れが通り過ぎてからも、男はしばらくの間じっとしていたので、大人しく従う事にした。

経験者であり、先輩であり、なによりも命の恩人であるのだから、迷惑や邪魔にならないようにしておくことに気を配った

 

ただ問題なのは…この布の中がサウナ状態になっていることだった

真夏に近い状態で、男二人が布を被っているのだ

直射日光を思い切り浴びているので、温度と湿度はうなぎ上りである

 

あぁ…なんだか意識が遠のいてきた…

 

布をわずかにめくり、周囲を注意深く観察したあとに溜息をついた

 

「も、もぅ…大丈夫なんだな…」

 

バサッと一気に布をめくると、心地よい風が通り抜けてきた

 

新鮮な空気を胸一杯に空気を吸い込み、色んな意味で生きていることを実感できた

 

「暑くて大変だったけど、静かにしてくれたから、無事にやり過ごせたんだな」

 

私よりも二周り異常も大きな体格をしている男も汗だくで大変だったであろう

布の中で密着していて思ったのだが、レスリングか柔道でもやっているのだろうか?と思ってしまうような身体つきをしていた

相撲取りのような体型といった方が正しいのかもしれない…

筋肉と脂肪がほどよく付いている感じだった

 

説明
三国知識も武力もない…
いわゆる普通の一般人である主人公が恋姫世界で生きていく物語です

ちなみに一刀くんは魏ルートです
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コメント
主人公の名前…どうしようかな〜(ぇ まぁ案は幾つか浮かんでいるんですけどね ゆっくりまったり物語は進んでいきます(らぱん)
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物語 外史 恋姫無双 恋姫†無双 

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