キリトSide

「あ、キリトさん、こんばんは。お待たせしてしまいましたか？」

「こんばんは。いま来たばかりだから大丈夫だよ、ヴァル」

入ってきた少年はの名はヴァル。

リアルでの俺の一つ年下の幼馴染で、いつも礼儀正しくて心優しい少年だ。

「なにか飲むか？　たしか、((冷蔵庫|ボックス))になにか入っていたと思うが…」

「えっと、それではジュースでお願いします。味はおまかせしますので」

「ああ」

彼は断っても無駄だということを心得ているので、遠慮がちに答える。

―――ガチャンッ

ジュースをコップに注いでいると扉が開いた。どうやら二人目がきたようだ。

「すでに来ていたか、こんばんは。キリト、ヴァル」

「こんばんは、ハクヤ」

「こんばんは、ハクヤさん」

二人目に来たのは俺の一つ年上の幼馴染のハクヤ。

真面目だが偶に一緒にバカをやる、気心のしれた友人だ。

「ハクヤもなにか飲むか？」

「じゃあ、俺はコーヒーで」

コーヒーを頼んできたのでお湯を沸かし始める。一応、多めに沸かしておこう。

―――ガチャンッ

「……まだ、全員ではないか。こんばんは、三人とも」

「こんばんは、ハジメ」

「こんばんはです。ハジメさん」

ハクヤとヴァルが挨拶をかける。

「こんばんは、ハジメ。もう少ししたら全員揃うと思う。飲み物は？」

「……茶を頼む」

彼はハジメ。俺と同い年の幼馴染である。

寡黙で俺達以外にはあまり喋らないが、知らない人は慣れてくると喋るようになる。

これはもう少しお湯を沸かしておこう。

―――ガチャッ

「おっす、こんばんは」

「こんばんは、みなさん」

「こんばんは」

「こんばんは、シャイン、ティアさん、カノンさん」

新たに三人がやってきた。俺は声を掛けておく。

「三人とも、こんばんは」

「……こんばんは」

「シャインさん、ティアさん、カノンさん。こんばんは」

ハクヤ、ハジメ、ヴァルも挨拶を掛けていく。

最初に入ってきた青年は、俺の二つ年上の幼馴染のシャイン。

シャインの隣を連れだって歩いているのがその彼女のティアさん。

最後に入ってきた女性がティアさんの親友のカノンさんだ。二人はリアルでの友人でもある。

「三人とも飲み物のご所望は？」

「俺は紅茶で」

「私も紅茶をいただきますが、手伝いますね」

「あたしも手伝うわ、同じものだし」

シャインはヴァルと同じようにソファに座り、お姉さん二人はキッチンの方にきた。

ハクヤとハジメはカウンターテーブルの椅子に座っている。

―――バタンッ！

「すいません、遅れました！」

「いいって。いきなり呼んで悪かったな、ルナリオ」

最後に来たのは一つ年下の幼馴染、ルナリオ。走ってきたようで息を整えている。

「こんばんは、ルナリオ」

「こんばんは。大丈夫か？」

「……こんばんは」

「こんばんは、ルナリオ」

「こんばんは、ルナリオ君。はい、これ。お水よ」

「ふふ。相変わらずね、ルナリオ君。こんばんは」

ハクヤ、シャイン、ハジメ、ヴァル、ティアさん、カノンさんの順に挨拶を掛けていく。

ルナリオはティアさんから受け取った水を一気に飲み干して盛大に息を吐いた。

そして顔を上げてニカッと笑った。

「こんばんはっす、みなさん」

「こんばんは。さて、これで全員揃ったな」

俺は全員の顔を見てから頷き、皆に集まってもらった理由を話す。

「いきなり集まってもらってすまない。今日は皆に話したいことがあってな。実は………」

キリトSide Out

To be continued……