転生先は魔法少女リリカルなのは……何だそれ? |
「ふぁ〜…朝か……ん?」
俺は朝、起きると違和感を感じた
「すぅ……すぅ…」
「…いつの間に潜り込んだんだ」
違和感の正体は彩羽だった、確かに自分の布団に、寝かし付けた筈なんだが…夜中に起きて、入り込んだか?
「……ぅ〜〜……んぁ…お兄ちゃ…ぉはよぉ」
「あぁ、おはよう…今から朝ご飯作るから、まだ寝てて良いぞ」
「…うぅん…起きてるぅ」
「そうか、じゃあ顔洗ってテレビでも見てろ」
「うん…」
トテトテ
「ベスタ〜朝だよ〜」
彩羽は、トテトテと小走りで自分の部屋に行きベスターを起こし、目を覚ましたベスターの背中に乗り、洗面所に向かう…さてと朝飯作るか
〜数時間後〜
朝飯も食べ終えて、彩羽を連れて幼稚園に行くが
「……」
「沢原さん、彩羽ちゃんどうしたんですか?」
「いえ…昨日ちょっと色々と会って…ほら彩羽」
「……うん…」
俺のズボンの裾を掴み離さない彩羽に、幼稚園の先生が疑問に思った様だ
…まぁいつもは、笑顔で挨拶してるし、疑問に思うのは当然だな
そして彩羽は渋々俺のズボンから手を離し、先生の所に行く
「彩羽、お前が昨日言ってた通り、兄ちゃんが頼んでみるから、ちゃんと言える様に覚悟決めとけよ…良いな」
「うん……わかった」
「良し……それじゃあ今日も宜しくお願いします」
「はい、解りました」
そして俺は学校に向かう…さてとアイツにどう説明するか…色々と邪魔が入りそうだし、良い手を考えねぇと
〜なのは視点〜
「…のは、なのは!」
「へ?何フェイトちゃん」
学校に来てから、ずっと頬杖を付いてる私に、フェイトちゃんが話し掛けて来てくれたの
「どうしたの、さっきから変だよ…どこか調子悪いの」
「そんな事無いの」
「ホント?調子悪いなら今日の事、私が換わろうか」
「平気だよ!ちょっと考え事してただけだから」
「……なら良いんだけど」
フェイトちゃんは少し心配そうな顔をしてる、でもこれは私が、自分で解決しないといけないんだ
「なのは、相談なら俺が話しを聞くぜ、昔みたいにな」
スッ
バシッ!
「何も無いの…後何回も言ってるけど、そうやって人の頭を直ぐに撫でるの、止めなよ聖君」
「(…成る程、フェイトが居るから恥ずかしいんだな、仕方ねぇ……そう言えば今日は夜まで任務だったな…良し、偶然を装って晩飯に誘って、二人っきりになればデレるだろ、そしてそのまま…ヘヘヘ、良し)…そうか、気をつけるぜ」
フェイトちゃんと話してると、聖君が来て頭を撫で様としてくるので、私が払い除けると、何かを考えてる
…どうせ下らない事を考えてるに決まってるの
そして聖君は自分の席に戻るの
……沢原君まだかな〜
ガラガラ
「授業始めますよ〜」
ガラガラ
「危ねぇ…ギリギリか」
先生が教室に入ってきたのと同時に、沢原君が登校してきたの…でもこれじゃあ、お話できるの次の休み時間なの…
トントン
「へ?…あ」
沢原君は席に付いて、ノートを取り出すとシャーペンで机を叩く
《お前、今日翠屋に居れるか?》
(これって…)
机がくっついてるので、ノートの内容は私にしか見えない
そして私も自分のノートにメッセージを書くの
《ゴメン、今日はお昼から夜まで、用事が有るの、話なら休み時間に聞きたいんだけど》
《悪い、他の奴には余り聞かれたくねぇんだ》
《そっか…》
《成るべく今日中が良いんだが》
《だったら家に来てよ》
《場所わかんねぇよ》
《翠屋はPM6:00に閉まるから、その時間に来て、私がお母さんに案内して貰える様に言っとくよ》
《解った、じゃあ頼むな》
《OKだよ》
…やっぱり沢原君の話しって…やめよ、今考えても仕方ないの、それより今日の任務、サクッと終わらせなきゃ!
もしかしたら、晩御飯を一緒に食べれるかも♪……って!違う違う違う違う、私ったら何考えてるの……そんなんじゃ…そんなんじゃ無いの!!
〜龍視点〜
学校が終わって、いつも通り彩羽を迎えに行き、家に帰り時間を潰す…そして
「彩羽、時間だ行くぞ」
「……うん」
「ベスター、一応早く帰って来るつもりだが」
「解ってる」
「そうか、じゃあ行ってくる」
そして俺と彩羽は、翠屋に向かう
カラン♪カラン♪
「待ってたわ、沢原君だったわね」
「はい…後すいません、急に御自宅にお邪魔する事になって」
「良いのよ、気にしないで…彩羽ちゃんこんにちは」
「こ…こんにちぁ」ペコッ
翠屋に入ると、高町の母親が出迎えてくれた
「やぁ君が沢原君かい?」
「そうっすけど、えっと…」
「高町 士郎、なのはの父親と言えば分かりやすいかな」
「そうですか、初めまして沢原 龍です」
「さわはら いろはです…こんにちぁ」
「こんにちは」
そして店の奥から高町の親父さんがやって来て、挨拶をするが……やっぱり若いな、高町の家はどうなってんだ?
「話は聞いている、息子が無礼を行なったみたいで、本当にすまない」
「あの…とりあえず頭を上げて下さい、今日は謝罪して欲しくて、来た訳では無いので」
「いや!しかし「アナタ」…桃子」
「とりあえず家に行きましょ、話はそれから…ね♪」
「そうだな」
頭を下げる高町の親父さんに、高町の母親が、それを止めさせる
「待ってて、もう御店閉めるから」
「解りました」
そして俺達は高町の家に向かう、その途中に高町の両親に、自分達の事は名前で呼んでくれ、と言われた…確かに《高町》では、ややこしくなりそうだから、俺は承諾し、士郎さん・桃子さんと呼ぶ事になった
「着いたわ、上がって」
「お邪魔します」
「ほら!恭ちゃん、行くよ」
「待て美由希、やはり俺は居ない方が「往生際が悪いよ」ちょっと待て!」
高町の家に着き、上がらせて貰うと、高町の姉が高町の兄貴の背中を押し、玄関に来た
「うぅ……」
「彩羽失礼だろ……ほら」
「うん…」
「まぁまぁ、二人共早く上がって」
高町の兄貴が来ると、彩羽は俺の後ろに隠れるので、俺が隠れるのを止めさせると桃子さんが言葉を掛けてくれる…高町は居ないが、やらせとくか……
「すいません、上がらせて貰う前に、ちょっとだけ良いですか…彩羽」
「……うん」
俺は彩羽の背中を軽く叩き、彩羽が前に出ると桃子さん達は不思議がる
「あ…あの…」
「なぁに彩羽ちゃん」
「いろは、今日はごめんなさい、言いに来たの」
「「「「えっ?」」」」
「いろは、お店で泣いちゃて迷惑掛けちゃたから、だから……ごめんなさい」
彩羽が謝っていると、桃子さん達は驚いていた
「何言ってるの!彩羽ちゃんは悪くないよ」
「そ!そうだ!悪いのは、俺な訳だし」
「でも…」
「彩羽ちゃんは悪く無いから、大丈夫よ」
「うん…」
高町の姉と高町の兄貴、そして桃子さんが彩羽に言葉を掛けてくれる、そして俺と彩羽はリビングに案内された
「……なのはお姉ちゃんは…?」
「もう少しで帰って来るから、それまでお姉ちゃんと遊ぼっか…沢原君は」
「解ってるっすよ、高町のお姉さん」
「美由希で良いよ、呼びにくいでしょ」
「そうすか、じゃあ、美由希さん彩羽の事お願いします」
「うん、任せて!」
彩羽を美由希さんに任せ、俺は士郎さんと桃子さんと高町の兄貴の所に行く
「それじゃあ事情を説明してもらう前に…恭也」
「昨日はすまなかった、確かめもせずにあのような事をして」
「確かめる?」
「あぁ、実は少し前になのはと、月村すずかちゃんと言う子が町の不良に絡まれたみたいなんだ」
ソファに座り、桃子さんが俺の話を聞く前に、高町の兄貴に話をさせる…不良に絡まれる……あぁ、あの時か
「そして昨日買い出しの途中、近所の人になのはが……その…なんだ…顔の怖い不良と一緒に、翠屋に向かったと聞いて」
「それで俺を?」
「あぁ、すまない、我ながら情けない事だ」
「気にしないで下さい、怪我した訳じゃ無いんで」
「しかし…」
「それに慣れてるっすから、何もして無くても、面構えが気に食わないって言われて、喧嘩売られるのは…だから気にしないで下さい高町の「恭也だ」…恭也さんも気にしないで下さい、俺は気にしなんいで」
「…そうか……」
この人、全然納得いかないって顔してんな……それにしても、こういうの似てんな高町に
「じゃあ沢原君、次は貴方の…貴方達の事を教えて貰えるかしら」
「解りました…あの時、恭也さんは近くに居ましたし、桃子さんも彩羽の声が聞こえていたと思うので、気付いてると思いますが、俺と彩羽の両親は亡くなっています」
そして俺は話した、俺と彩羽がこの町に引越してきた理由、彩羽が両親が亡くなった時から《死》という言葉に過剰に反応してしまう様になったことを…
「今では、そこまで過剰に反応しなくなりました、テレビとかなら大丈夫なんですけど、それでも俺に対して使われたら…」
「泣いてしまう…か」
「はい…」
「お兄ーちゃ」
「どうした、彩羽」
「お腹空いたぁ〜」
話が一区切りすると、彩羽がこちらに来る…そういや、晩飯はまだだったな
「沢原君、晩御飯まだなの?」
「はい、話が終わったら、直ぐに帰るつもりだったので」
「それなら食べて行って、今から準備するわ♪」
「いや、迷惑じゃ「彩羽ちゃん何が食べたい?」「オムライス!」…聞いてないっすね」
桃子さんはそのまま台所に行ってしまう…見た目だけじゃなくて、こういう所も高町そっくりだな……いや、この場合は高町が似てるのか
「あの…なのはお姉ちゃんのお兄ちゃん…」
「なっなんだい、えっと…彩羽ちゃん」
「あのね、いろはのお兄ちゃは、凄く凄く優しいお兄ちゃだから…あの……」
桃子さんが台所に行くと、彩羽が恭也さんの前に行って話す
「彩羽大丈夫だぞ、ちゃんと解ってくれたから」
「ほんとぉ?」
チラッ
俺は彩羽の頭を撫でて、恭也さんを見る
「勿論だよ、彩羽ちゃん」
「もう喧嘩しない?」
「「しない、しない」」
「よかったね、彩羽ちゃん」
「みぅきさん!うん!!」
成り行きを見ていた、美由希さんが彩羽の側に寄る
「ありがとぉ!なのはお姉ちゃんのお兄ちゃん!」
「彩羽、この人の名前は恭也さんだぞ」
「きょやさん!ありがとぉ!」
「…あぁ」
彩羽がお礼を言うと、恭也さんは嬉しそうな表情をする
「ゴホン…彩羽ちゃん、私の事も名前で呼んで欲しいんだが…」
「お父さん、もしかして羨ましいの」ニヤニヤ
「いや…まぁなんだ…」
彩羽に名前を呼んで貰おうとする、士郎さんに美由希さんがニヤニヤと見る…にしても、この家族は何でここまで自分の、名前を呼んで貰おうとするんだ?
「彩羽、この人は士郎さんだ」
「しろぉさん!」
「……彩羽ちゃん、困った事が有ったら、いつでも言うと良い私が力になるよ」
「あ!お父さん、ズルいよ!彩羽ちゃん、私達も彩羽ちゃんの味方だから…ね〜恭ちゃん」
「勿論だ!」
………アレ?いつの間にか、話がでかくなってねぇか、コレ…
「………うん!!」
(まぁ…良いか)
彩羽は、士郎さんと恭也さんと美由希さんの顔をそれぞれ見た後、笑顔で頷く
「ただいまー!!」
ビクッ!「………お兄ちゃ…」
「大丈夫だ…頑張れ彩羽」
「…ぅん」
どうやら高町が帰って来た様だ、そして高町の声を聞いた途端に彩羽は急に不安な表情をして、俺にくっつく
(…さて、どうなるやら)
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第十一話…話してみて気付いたが、この家族は性格というか…色々と似てるな | ||
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