魔法少女リリカル的ななにか 16話 決意と別れ その2
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  Side クリス・アヴェイン

 

ふふふ、縁日か。縁日なんて何年ぶりだろうか、心が踊る。まるで子供の頃に戻ったかのように・・・・・・実際に戻っていたね、うん。

 

縁日と言えばなんといっても出店だろう。りんご飴に焼き鳥、ベビーカステラも捨てがたい・・・・・・おっとたこ焼きを忘れるところだった

遠い昔に縁日荒らしとして恐れられた僕の実力を披露する日がきたようだね・・・・・・

 

少女は不気味に笑う。通り過ぎの人が驚いて悲鳴を上げるくらいに不気味だ

 

 

(なのはちゃん達と合流してから向かうらしいけど・・・・・・)

 

ふと、足を止め後ろを振り返る

 

そこには色鮮やかな浴衣に身を包んだアリサとすずかがいた

 

アリサは黄色を主体とし、朝顔が模様が綺麗にあしらわれている

すずかは濃紺地に楓の模様彼女の髪の色とも上手くマッチングしていて、年齢よりも大人に見える

ちなみにクリスは水浅葱地に格子と花があしらわれている至ってシンプルなものを着用している

 

(転生してきてよかった・・・・・・っ)

 

この二人の浴衣姿を見ることが出来ただけでもクリスは満足だった

 

 

 

 

 

「お、いたわね。おーい、なのはー!」

 

待ち合わせ場所でなのはちゃん達と合流する

なのはちゃんの片手にはなぜか悠斗が握られていた・・・・・・比喩ではない

本気でアイアンクローをかけているみたいで悠斗の手がタップを止めない

 

なのはの浴衣はピンク地に桜とトンボという組み合わせ

フェイトは黒地に桜、なのはと一緒の模様で少し嬉しそうな表情をしている

はやてはクリーム色地に百合の花という組み合わせ

 

(あ〜やばい・・・・・・鼻血でそう・・・・・・)

 

割と本気で鼻血でそう。ちなみに悠斗はポロシャツにジーンズといったなんとも普通な格好である

 

「悠斗、なんで浴衣を来てこなかったの?」

 

「クリスか、認めたくないが無駄に浴衣着こなしやがって・・・・・・」

 

珍しく悠斗の口から褒め言葉が飛び出してきた、一瞬目が点になったよ

 

「まず俺は縁日にくる予定はなかったんだよ、だけど翠屋でカレーをwktkしながら待ってたらなのはちゃんにここまでフードを引っ張られてきてな・・・・・・」

 

ちなみに彼を連れてきた張本人はアリサ達とわいわい騒いでいる

 

「でも良い物が見れただろう?きて正解だったじゃないか」

 

「・・・・・・まぁな、こんな日もたまにはいいもんだ」

 

しみじみと彼は呟く

 

「さぁ、僕達も出店を見てまわろう。ここは男の甲斐性の見せ所だよ?」

 

「お前何?馬鹿なの?お前だって男じゃ――」

 

「その口を閉じないと叫び声をあげて痴漢扱いしようかな・・・・・・」

 

「――まずはたこ焼きからだ、いくぞクリス!!」

 

そう言って走り出す彼の後ろを僕は笑いをこらえて追いかけていった

 

 

 

 

 

  Side 神楽 悠斗

 

 

眼福

 

この一言に尽きる

 

今俺の目の前には『六柱の女神』が全員浴衣姿で歩いている

道行く男どもが羨望の眼差しでこっちを見ているのがわかる

ふはははーん、羨ましいか!でも譲ってあげない!

 

しかしこれはこれでかなり大変なのです。まず・・・・・・

 

「悠斗、次はこれが食べたいな」

 

「うちはあれや!大判焼き!」

 

クリスとはやてのせいで俺の財布の紐が開きっぱなし

そろそろ樋口さん一人分に達しようとしている

 

次にアリサとなのは

 

「負けないよアリサちゃん!」

 

「そっちこそ、手加減なんてしてあげないんだから!」

 

射的に興じる二人、後ろではすずかが微笑ましいものを見るように笑いながら見守っている

この二人の遊ぶお金も私の財布から出ています

ちなみにそこのバーニングに

 

「お前金持ってんだろ自腹で払え」

 

と言ったら

 

「えぇ、確かにパパからお小遣いをもらったわ。でもね・・・・・・他人のお金で遊ぶのが楽しいってことに気がついたのよ・・・・・・っ!」

 

ドヤ顔でそんなことを吐かしおったので殴ろうとしたがすずかに止められてしまった

 

(果たして俺の財布は今日を生き残れるのだろうか・・・・・・)

 

クイと服を引っ張られた、振り向くとフェイトが珍しそうな物を見つけたようにして、一点を見つめている

 

「悠斗・・・・・・あれ何?」

 

フェイトの視線の先には――

 

「――ドネルケバブだと・・・ッ!」

 

俺の地味な大好物の一つ、ドネルケバブの屋台があった

 

 

ドネルケバブ

 

それはトルコ料理の中でももっともポピュラーな料理の一つで香辛料やヨーグルト、マリネなどで下味を付けた肉を大きくスライスし積層に重ね、特別な垂直の串に刺しあぶり焼きにしてから外側の焼き上がった褐色の層を大きなナイフで薄くスライスした肉料理である(wikipedia参照)

 

と、フェイトに説明をしてみたが理解してるようには思えない

だって首傾げてるもん。可愛いもん。

 

「よっしゃ、食べるか。おっちゃん二つくれ!」

 

「あいよ!ケバブ二つね、坊主・・・彼女連れか?そんならまけといてやんよ!二つで500円だ!」

 

そう言ったおっちゃんは大きく値段を下げてくれた

安すぎて本気でびびった、俺が食べていたケバブは一つ500円はする

 

「おっちゃん、ありがとう。また買いに来るよ!」

 

そう告げてフェイトの元に戻る

 

「ほれ、論より証拠・・・・・・って訳じゃぁないが食ってみろ」

 

「あ、ありがとう・・・。ちょっと待ってね、すぐお金出すから」

 

フェイトの優しさで俺の心がエクステンド

 

「いいよいいよ、どうせ皆にはもう奢ってるんだ。お前だけ奢らないわけにはいかないだろ」

 

最初こそフェイトも渋っていたが、観念したのか恐る恐るといった形でかぶりついた

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

かぶりついたフェイトが固まっている

 

「・・・・・・ん、どうした?お気に召さなかったか?」

 

そう聞いた瞬間ものすごい勢いで食べ始めた

俺は唖然として自分の分を食べるのを忘れてしまっていた。それに気づいたフェイトがこちらに尋ねる

 

「・・・・・・悠斗それ・・・・・・」

 

「あ、はい。差し上げます」

 

「もう食べちゃった」

 

「え?うぇ!?」

 

気がつくと俺の手には入れ物だけが残っていた

そして落ち着きを取り戻したのか、自分のした事を思い出しフェイトは顔を赤らめる

 

「ごめんなさい!こんなに美味しいものを食べたのなんて初めてで・・・・・・」

 

どんな食生活してんのよお前・・・・・・

 

「どうしよう、アルフにも買っていってあげようかな・・・・・・」

 

玉ねぎ入ってるけど食えるのかね

 

俺はため息と共にまたおっちゃんの元に歩き出す

 

「おういらっしゃ、坊主食べるの早いな・・・・・・」

 

「俺じゃなくてアイツが全部食っちまったんだよ、こんなに美味しいもの食べたの初めてって言ってたよ」

 

そういいフェイトを指差すと向こうも気づいたのか、こちらにむかったお辞儀をしてきた

 

「んで家族にも持って帰りたいって言うから・・・・・・おっちゃん号泣しすぎぃ!!」

 

注文をしようとおっちゃんを見るとすごい泣いていた。大の大人が泣くとは・・・・・・そこまで嬉しかったのか

 

おっちゃんが泣き止むのを待って俺は5つ買い足す。今度は5つで2500円ちゃんとした値段を払った。またまけてくれると言っていたが、ケバブを愛する者として、客としてそこまでしてもらうわけにはいかない。おっちゃんにも生活があるだろうしね

遠慮したらまた泣き出した、脱水症状にならないか地味に心配である

 

一つは結局俺が食べれなかったので今食べるとして・・・・・・

 

「ほらフェイト、アルフに持って行ってやれ――お金出そうとしなくていいから」

 

「――・・・・・・っ!でも、ご馳走になってばかりじゃ悪いし・・・・・・」

 

フェイトが良心的すぎて俺も泣きそう

 

「いいんだよそんなこと気にしなくても。男の甲斐性の見せ所ってやつだ」

 

ポンと頭を撫でてやる

俯くフェイトの顔が赤くなっているのがわかった

袋を大事そうに抱えて嬉しそうにしている

これを見れただけでも満足だ

そう思い俺もケバブを食べだした

・・・・・・俺も買って帰ろうかな

 

 

 

その後は花火が始まるというので俺達はこっそり空を飛び最適な場所から花火を眺めていた

 

(クリス、ちょっといいか)

 

クリスに念話を飛ばす、これからする話は聞かれたらまずいからだ

 

(どうしたんだい悠斗、まだ何が奢ってくれるのかい?)

 

(黙らっしゃい、少し真面目な話なんだ茶化すな)

 

(真面目な話ね・・・・・・いいよ、ちゃんと聞こうじゃないか)

 

俺は自分なりに考えた結果を相棒に告げる

自分自身の力の制御のため、そしてデバイスを見つけるために旅に出ること

なのは達には秘密にしておいて欲しいこと

六課設立前には戻ってくること

そして・・・・・・

 

(お前も原作を知っているからわかると思うけど、もう少ししたら多分なのはちゃんは撃墜される)

 

これが最大の問題だ、正直これは俺には手の余る出来事だ。だからクリスになんとしても説得して欲しいのだが

 

(なかなか難題を押し付けていくんだね)

 

(それくらいは返してもらってもいいんじゃないか?)

 

(ふふふ、了承したよ。君も頑張って来るといいよ。あ、そうだこれを送っておくよ)

 

そう言われ俺の目の前に魔力球が浮かんだ

 

(これは?)

 

(まぁ端的に言えばどこでも繋がる念話補助魔法かな)

 

便利なものを作り出したものである

 

(おう、あんがとな。夏休みが終わり次第俺は行くとするから・・・・・・)

 

(なのはちゃん達にはそれとなく伝えておくよ)

 

(・・・・・・頼んだ)

 

「お兄さんクリスさんと何かいい雰囲気やんな・・・」

 

「あの胸は卑怯なの、強敵なの強敵なの・・・・・・」

 

「私もちょっと自身なくすな・・・・・・」

 

「何着せても似合うのがまたムカつくわね・・・・・・」

 

「スタイルもいいし勝目ないかも・・・・・・」

 

俺×クリスとか絶対にありえないからやめてください

 

「ふふふ、今を楽しもうじゃないか悠斗」

 

腕を組むのはやめてください、視線で俺の体が風穴だらけになります

 

こうして縁日の締めの花火も見終わり、俺達は解散した

 

(また10年後に会おうな、皆・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

そうして夏休みが終わり、HRで俺の転校が先生によって伝えられた

 

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