魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と
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俺は月村との和解をするために士郎さんに場を設けて貰った。

 

「ふむ・・・ここか。相変わらず物々しいな。」

 

『ふふふ、ご主人様の手腕に期待しますわ。』

 

「できればサポートして欲しいんですけど!?」

 

『それぐらいご主人様でなんとかして下さいませ。』

 

 ・・・しくしく。

 

 何とも冷たいことを言ってくるのは鋼龍クシャル・ダオラのクシャナだ。

 コイツ、慕ってくれるのか貶しているのか分からない時があるんだよなぁ。

 

 正門にインターホンがあったので押したら中からメイドが出てきた。・・・ん?なんか違和感があるが気のせいか?

 

「ようこそお越し下さいました、黒澤様。お嬢様がたちが既にお待ちになっていますので、どうぞ中へ。」

 

「あぁ。」

 

 敷地に入ってみるとでかい屋敷がさらにでかく見える。・・・周りになんかたくさん罠らしき物があるけど。

 

 とりあえず執務らしき部屋に通された。そこには当主と思われる若い女性と両脇に士郎さん、高町兄が控えている。・・・なんかすっげぇ睨んでいるんですけど。

 それと当主の横に・・・・・・すずかがいたorz

 

「月村家へようこそ、黒澤 零冶君。私は月村家当主、月村 忍と申します。こちらは妹のすずかといいます。零冶君って呼んで良いかしら?」

 

「・・・え!?黒澤君!?」

 

「・・・好きにしろ。」

 

「・・・はぁ、やっぱりおまえも居たか。」

 

 あまり考えたくはなかったがやっぱりすずかもいたよ・・・。

 

「あら、二人とも知り合い?」

 

「う、うん。学校で同じクラスの子」

 

「当主よ、本題に入りたいのだが?」

 

「え、ええ。そうですね。・・・単刀直入に聞きます。何の目的で月村家に近づいたのですか?そして君は他の夜の一族に雇われたのですか?」

 

「ふむ・・・前者については、別に目的などない。後者はNOだ。」

 

「・・・あまり信用できませんが。」

 

「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!!一体どういうことなの!?」

 

「・・・彼が刺客の疑いがあるってことよ、すずか。」

 

「そ、そんな!?」

 

 いや違うからね。

 

「さっきから黙って聞いていれば、ずいぶんと失礼なやつだな。大体、その『夜の一族』ってのは何かね?聞いたこともないのだが?」

 

「・・・君、本当に知らないの?」

 

「本当だ。」

 

 夜の一族って何なんだ?組織の名前か?それに、さっきからする違和感・・・・・・。ちょっとカマ掛けてみるか。

 

「・・・人外。」

 

「「「「!?」」」」

 

「・・・やっぱりか。先ほどからの違和感はこういうことか。夜というからには悪魔か・・・吸血鬼か。」

 

 俺はそう言うと薄く笑みを浮かべた。

 

「貴様!!」

 

 いきなり高町兄が斬り掛かってきた。あ〜もう、士郎さんちゃんと止めてよ。・・・仕方ないな。

 

「縛鎖・爆陣」

 

「「「「なっ!!?」」」」

 

 俺の一言で高町兄の足元からルーン文字から成っている魔方陣が即座に描かれ、御札が付いた鎖が出てきて拘束した。

 ふふ、無駄だ高町兄。これはそう簡単に破れんよ。ちなみに俺があの御札に魔力を通すと爆発する。

 

「面倒だから動くな。それと武器を捨てろ。さもないと身体が木っ端みじんになるぞ?」

 

『あー、アレは結構痛いんですのよね〜。』

 

 ちゃっかりクシャナもあの鎖の被害者だったりする。

 そして俺が本気だということが分かったのか、小太刀を落とす高町兄。

 

「さて、そちらの正体を教えてくれたことだから私も教えるとしよう。私の名は黒澤 零冶。見ての通り魔術師だ。」

 

「ま、魔術師?でもあれは空想の産物じゃ・・・。」

 

「なら吸血鬼だってそうだろう?自分が知らないものを否定するのはどうかと思うがね?」

 

「そ、それもそうね。」

 

 どうやら納得してくれたようだ。

 

「ま、待って黒澤君!!黒澤君は私たちを何とも思わないの!?」

 

「ん?何とも思わないが、それがどうしたのか?」

 

「だって吸血鬼だよ!?人の血を吸う化け物だよ!?」

 

 俺は二人から夜の一族の説明を受けた。

 

「・・・っくく。あははははは!!」

 

「な、なんで笑うの!?私は真剣なんだよ!!」

 

「私も少し酷いと思うわ。」

 

「あぁ悪かったな。だが、私が知っている吸血鬼からして見ればお前たちなんか赤子に等しい。」

 

「「あ、赤子!?」」

 

 そりゃそうだ。あの型月の真祖や死徒に比べたら虫けらだからな。

 

「ね、ねえ零冶君。零冶君が知っている吸血鬼ってどんな人?」

 

「・・・まず吸血鬼には真祖と死徒の二種類いる。前者は生まれたときから吸血鬼だったもの、後者はその真祖に噛まれて吸血鬼かしたものだ。まぁ、真祖は一人の姫君を残して全滅したがな。そして問題は死徒だ。死徒の中でも最も古く強力な吸血鬼たちを二十七祖という。」

 

「その二十七祖というのはどんな奴らなんだね、黒澤君?」

 

「一人一人が一国を軽く堕とせるでしょうね。仮に全員が動くと、もしかしたら世界が終わるかもしれませんね。」

 

「「「「・・・・・・。」」」」

 

 驚きすぎて言葉が出ないようだ。ま、当然かな?

 そして、死徒の事を少し詳しく教えた。

 

「それにしても・・・そんな化け物を知ってるのなら、零冶君にしてみれば私たちなんて怖くも何ともないでしょうね。」

 

「ああ、これで分かっただろう?お前たちが化け物でないことが。世の中なんて上には上がいるものだ。」

 

「で、でも・・・わたしは・・・。」

 

 ・・・はぁ、どうしてツッキーはこうも悲観的なんだろうか?

 

「月村 すずか。お前は自分の愉悦のために人を殺したいと思うのか?」

 

「そんなことない!!!わたしは・・・誰も傷つけたくない。」

 

「なら胸を張って生きろ。血を吸うのだって生きるためだろう?それに君は人を大切にしている。ほら、化け物の要素なんて一つもないだろう?お前は生きていても良い存在だ。私が認めよう。」

 

 そうして俺はツッキーの頭を優しく撫でた。

 

「う、うぅ・・・うわああああああん!!!」

 

 

 

 

 あの後会談も無事終了し、俺は月村家と和解した。

 

 ・・・のはいいのだが、何故か俺はすずかの護衛をすることになったorz

 俺が仕事を探してる事をうっかり口を滑らせてしまった為に・・・。そして気がついたら上手く丸め込まれていた。

 あんの女狐ぇ!!人の足元見やがってぇ!!・・・はぁ、まぁ契約してしまっては仕方が無い。仕事はちゃんとするか・・・。

 

『やれやれ、さすが主ですわね。』

 

 ・・・絶対貶してるだろ?

 

 

 

 

 

 Side すずか

 

 

 今日はとても驚いた。以前私たちの家を探りに来た人と会談する事になったのをお姉ちゃんから言われた時とても不安だった。そしてその人が来たときは本当にビックリした。だってその人が零冶君だったもん。それに零冶君は魔術師だった。魔術ってあの御伽話にしかないと思ってたから・・・て、私も人のこと言えないか。

 「それに零冶君、私のことを受け入れてくれた。」

 

 吸血鬼という存在を、私たちが生きても良いって言ってくれた。とっても嬉しかった。今までそんなこと言ってくれる人なんていなかったから。思わず泣いてしまった。・・・あぅ////零冶君の胸の中で泣いちゃった////」

 

Side out

 

説明
第六話 月村家との会談
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コメント
失礼しました(クライシス)
目狐やなくて女狐やとおもう(頭翅(トーマ))
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