魔法少女リリカルなのは〜ゼロから始まる転生者達〜第5話「きっかけは小さなことから」 |
新学期から数日が経過した。未だに話しかけられた同級生、話しかけた同級生は始業式以来いない。
3時間目の授業の終わりが終わった休み時間の時、普段は朝と昼休みの時にしか本は読まないのだが気になるシーンがあったので読んでいた。
ドンッ ガッシャーン
ん?物音がしたので辺りを見てみると筆記用具が散乱し、筆箱がが落ちていた。隣の机の位置が動いていたのでおそらく誰かが隣の子、確か高町さん・・・だっけ。その子の席にぶつかり、高町さんの筆箱が落ちたのだろう。
「じゃあ、昼休みにね。」
「じゃあね、アリサちゃん、すずかちゃん。ああっ!わたしの筆箱が!」
高町さんが席に戻ってきて自分の筆箱が散乱していることに驚き、筆記用具を直している。
ふと、自分の足元を見てみると何本かの鉛筆が転がっていた。
おそらく彼女のものだろうと思いその鉛筆を拾い
「お、落ちていたよ」
「ありがとうなの」
キーンコーンカーンコーン
「あっ、授業が始まっちゃう」
「ぼ、僕も手伝うよ」
「う、うん」
二人で片付けたおかげで先生が来る前までには間に合った。
〜授業中〜
学校の勉強だが前世に勉強した内容はことはすべて忘れている。この学校の教育レベルは高くて難しいほうであると母さんに言われたが慣れてしまえば、どおということはない。
ふと、隣の席の高町さんを見てみると筆箱の中を漁り困った顔をしている。
机に出てあるものを見てみると、教科書・ノート・筆箱・鉛筆・・・あれ?消しゴムがない。そういえば、僕がさっき拾ったものの中に消しゴムが見あたらなかったっけ。高町さんがすでに入れたのかと思っていたんだけど。高町さんの顔を見てみるとため息をついていた。どうやらなかったようだ。
僕は、筆箱の中にあったもう一つの消しゴムを取り出して小さな声で高町さんに話しかけた。
「高町さん、僕の消しゴム貸してあげるよ。」
「本当!ありがとうなの。」
高町さんは小さな声でお礼を言った。
〜昼休み〜
「さっきは、ありがとうなの。あのこれ・・・」
「い、いいよ。た、た、高町さんにあ、あげるよ。」
「えっ、でも」
「も、もう一個あるし、午後からの授業に、にも必要でしょ」
消しゴムが往復しているところを先生に見られたら怒られるしね。
「うん!大切に使うの。あのね、冨士ヶ崎君」
「は、はい。」
「一緒にお昼ご飯食べない?わたしの友達と一緒に」
えっ!?ど、どうしよう嬉しいけど迷惑にならないかな、僕なんかが入って・・・しらけしまったら悪いし、でも高町さんの厚意を反故するわけにも・・・
「?どうしたの」
「え、あ、そ、その・・・」
「なのはー、一緒に昼ごはん食べよ…ン?どうしたんだ」
「あ、としみつくん。あのね・・・・・・」
高町さんと一緒に話している赤髪の男の子、友達なのかな。
「なるほど決めかねているのか。よし!なのは俺に任せておけ!」
赤髪の男の子は僕に近づき、
「お前、なのはと一緒に昼ごはんを食べに行くか行かないのかを『はい』か『Yes』かで答えろ!」
・・・え、え〜と『はい』か『Yes』かの二者択一で答えるならすぐに決められ・・・ない!どっちも
同じ答えじゃないか。
「あの〜としみつくんそれまったく選択になってないけど」
「残り10秒!」これ時間制かよ!
「ちょ、ちょっとま「10,9,8,」
「あ、い、えっ、あ・・・」
「7,6,5,」あーもう時間がー。
「4,3,2,いt「ゴッす!」ってー!」
赤髪の男の子たしかとしみつくんって高町さんが言ってたな。
としみつくんが1を言う前に後ろにいる白髪の男の子に頭を殴られ、悶絶している。
「なに、バカな言ってるんだバカとし・・・」
「つぅ〜、何がバカなんだよつぐ。俺はこいつがすぐに決めやすいように選択を用意しただけで」
「その選択ががどっちも同じ答えだろうが!」
ガシッ
「ちょ、何するんだよ」
「お前がいたらややこしくなる。今日は俺と一緒に食うぞ」
「えー、新学期になってからまだなのはと一緒にお昼食べてないのに」
「そうか安心しろ俺もまだなのは達と一緒に食べていない」
「お前とは昨日一緒に食ったばっかだろうが!」
……つぐって子がとしみつくんの襟をを引きずって行ってしまったがとにかくなのはちゃんに返答しとかないと
「あ、あの」
「?」
「は、は、はエスで。」
「はいとYesがいっしょになっているの(汗)」
高町さん誘われ屋上でお昼を食べることになったが、高町さんの友達と話せるだろうか。
「アリサちゃん、すずかちゃん」
「なのは、その子は?」
「冨士ヶ崎君わたしが一緒にお昼ご飯を食べようって誘ったの」
「ふ、ふ、冨ヶ崎み、満で、です」
「私、月村すずか。よろしくね」
「アリサ・バニングスよ。よろしく」
「よ、よろ、しくです」
だめだ。3人でもどもってしまう。どうすればいいんだ。
教室を出た後、屋上でお昼ごはんを食べているがどうしよう話す話題がひとつも浮かばない。
「えっ、なのはちゃん消しゴム失くしたの?」
「うん。でも冨士ヶ崎が消しゴムをわたしにくれたから」
「?あんた、貸したじゃなくてあげたの?」
「う、うん。けっ、けっ、消しゴムも、も、もう一個あ、あるか、から。」
「?さっきからどうしたの冨士ヶ崎くん」
月村さんが尋ねてきた。理由を聞いて笑われないかな。
「ぼ、ぼ、僕ずっと、と、友達とかい、いなくてこうやっては、話をす、するのは、な、慣れてなくて、き、緊張して」
「えっ!友達いないの…」
高町さんがそう聞いてきた。
「う、うん」
「じゃあ、わたし達と友達になろうよ!」
えっ!友達に。
「で、でもぼ、僕う、うまくはっ、話しぇないし」
「そんなの関係ないわよ」
「そうだよ。私達と一緒にそれを直していけばいいんだから」
・・・・・・・・・
「ぼっ、僕、僕ぐすっ。ぐすっ」
涙が出てきた。嬉しい。普通に会話ができない僕に、友達になろうだなんて、嬉しい。
「ちょ、ちょっとこんなことで泣かないの」
「はい、ハンカチ」
「あ、ありが、とう。ぐすっ高町、しゃん」
「もう友達なんだから名前で呼ぼうよ、ね。みつる君」
「う、うん。あ、ありがとう。なのはちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん」
〜一方〜
「たっく、何でお前と一緒にモグモグ飯を食わないといけないんだモグモグ」
「食べるか文句を言うかどっちかにしろ行儀の悪い。おっ、その肉詰め美味そうだなひとつくれ」「じゃあその玉子焼きをくれ」
「よしわかった」
「それじゃあ」
「交換だ」
とし「ピーマンの肉詰めのピーマンのみ」⇔つぐ「玉子焼きの横に付いてあるバラン(玉子焼きのにおいとミートボールのソース付き)」
「「てめー。交換する気ないだろうが!」」
「俺がピーマン嫌いなの知っててやったのだろ!」
「まだ食えるからいいだろうが!おめーの葉っぱモドキじゃねーか!食えねーだろそれ」
「貴様に母さんが作ったものを易々と渡してたまるか」
「あんた達なにしょうもないことでけんかしているの!きちんと交換しなさい!」
「「は〜い」」
「あ、あのふたりって、い、いつもああなの?」
「そうなの」
「一年生のときからね・・・」
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