魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と |
「うぅ・・・頭が痛い。」
「旦那様、大丈夫かニャ?」
「お薬持ってきたニャ〜。」
「ああ、ありがとう。」
昨日フェイト温泉に行った時の記憶がない。たしか温泉に入った後に何故かすずかたちがいて、その後逃げようとしてバーニングに捕まった。そして高町家一行の部屋に連れて行かれて・・・・・そこからの記憶がない。朝起きてフェイトに聞いてみたら俺は泥酔していて倒れたらしい。
・・・・まさか飲まされたのか俺?
その後、アルフに運ばれて家まで帰った。ちなみに抱きかかえられて、つまりお姫様抱っこで運ばれた。
恥ずかしかった///
昼前になってやっと良くなった。とりあえず明日は学校だから一応ゆっくりしておこうっと
Side なのは
あれからずっとあの子の事を考えていたんだ。たぶん私と同じくらいの子。そして深くて綺麗な瞳。
会えばまた戦うことになるかもしれないけど・・・
「だけど・・・。」
Side out
「いい加減にしなさいよ!!」
突然バーニングが叫んだ。
・・・まったく、今度はなんだ?
「この間から何話しても上の空でぼーっとして!」
「ご、ごめんねアリサちゃん。」
へぇ、あいつらが喧嘩してんの久々に見たな。喧嘩というよりもバーニングが一方的に言ってるが、今聞いた限りじゃ、高町が悪いな。たしかに最近ボ〜っとしてたな。何を考えてんだか・・・あ〜、もしかしてフェイトのことか?
・・・だが、コレばかりは高町が自分自身で解決しなきゃな。・・・でも、例え話で聞いてもらってもいいだろうに。まぁここ最近で解ったことなんだが、多分高町は悩み事を自分で抱え込むタイプなんだよなぁ。今のを見てもそう思うだろうし。
「ごめんじゃない!!あたしたちと話しているのがそんなに退屈なの!?それなら一生ぼ〜っとしてなさい!・・・行くよすずか!」
「え?あ、アリサちゃん・・・。な、なのはちゃん?」
「あはは、・・・いいよすずかちゃん。今のはなのはが悪かったから・・・。」
「そんなことないと思うけど・・・少しアリサちゃんと話してくるね。」
「・・・怒らせちゃったなぁ。ごめんね・・・アリサちゃん。」
・・・仕方が無い。ちょっとバーニングを宥めるとしようかね。とりあえずバーニングを追っかけたら階段ですずかと話していた。
「アリサちゃん、怒ってる理由はなんとなく解るけどあんまり怒っちゃダメだよぉ。」
「だってムカツクわ!悩んでるの見え見えじゃない!・・・なのに、私たちが聞いても教えてくれない。でも一番ムカツクのは何にもできない、役に立たない自分に対してよ!!」
・・・ほぅ。なかなか言うじゃないか。それほどに・・・
「大事に思っているんだな。」
「誰っ!?」
あ、やっべ!!声に出てたか!まぁどのみち出るから良かったんだが。
「・・・俺だよ。」
「れ、零冶!?あ、アンタ盗み聞きしてたわね!?」
「零冶君・・・。」
「あぁ、悪かったな。バーニングの様子を見てみようと思ってな。」
「う、うるさい!余計なお世話よ!・・・・・・アンタ、なのはの事について何か知ってるんじゃない?」
勘が鋭過ぎだろ!?一体どういう頭してんだこいつ?
「・・・知りはしないが、心当たりならある。」
「っ!?なら教えなさいよ!!」
教えるかバカ。
「それはできねぇよ。一応言っとくが、お前たちではあいつの力になれんぞ?それに・・・俺から教えても意味が無いだろ?」
「・・・ぐっ、それもそうね。」
「アリサちゃん・・・。」
「まぁ、あいつが言ってくれるまで待て。それに、あいつの事が嫌いになったわけじゃないだろ?」
「うん!」
「あ、当たり前じゃない!!」
なら大丈夫だな。ま、気長にまってることだな。おっと、チャイムがなったな。教室に戻るか・・・。
放課後、高町が一人で帰っているとこを見つけた。まぁそんなすぐには仲直りはできんだろうな、こればっかりは。・・・やれやれ。
「・・・高町。」
俺は高町に声をかけた。
「え?零冶・・・君?」
あちゃ〜、こりゃだいぶ落ち込んでるな。
「今日のこと、まだ落ち込んでるのか?」
「にゃはは、聞いてたんだね。うん、そうなんだ。アリサちゃんに嫌われたかな?」
「いや、それは無いぞ?」
「・・・え?」
「あいつはただ、自分がお前の役に立てないことに一番腹が立ってたんだよ。それはお前の事が大事だからだろ?だから、そんなこと言うな。」
「アリサちゃんが・・・・うん、分かった!ありがと、零冶君。」
少しは元気になったかな?
「ふんっ・・・それじゃあな。」
そう言って俺は帰宅した。
Side なのは
「・・・はぁダメだなぁ。アリサちゃんを怒らせちゃった。」
わたしは一人で下校していた。・・・嫌われちゃったかな?
「おい高町。」
わたしが落ち込んでいると声をかけられた。振り返ってみると
「え?零冶・・・君?」
零冶君がいた。
「今日のこと、まだ落ち込んでるのか?」
やっぱり、零冶君も聞いてたんだね・・・。
「にゃはは、聞いてたんだね。うん、そうなんだ。アリサちゃんに嫌われたかな?」
「いや、それは無いぞ?」
「・・・え?」
「あいつはただ、自分がお前の役に立てないことに一番腹が立ってたんだよ。それはお前の事が大事だからだろ?だから、そんなこと言うな。」
アリサちゃんはそんなこと思ってたんだ・・・。零冶君、もしかして慰めに来たのかな?・・・零冶君って・・・意外と優しいんだね。少しだけ元気になっちゃった。
「アリサちゃんが・・・うん、分かった!ありがとう、零冶君!」
「ふんっ・・・それじゃあな。」
ちょっと照れくさそうにして零冶君は帰っていった。なんか・・・どことなくアリサちゃんに似ているなぁ。
Side out
俺は帰宅した後すぐにルナから鎧の封印を解除してもらってジュエルシードを探しにいった。そしてとあるビルの一角に俺は降り立った。そこにはフェイトもいた。
「っ!?誰!!」
・・・デバイスを構えた。おいおい何の冗談だ・・・ってこの姿で来たのは初めてだったか。アルフは訝しげに俺を見ていた。
「俺だよフェイト。零冶だ。」
「え?・・・零冶!?」
「あぁ、やっぱりね。なんか知ってる臭いだと思ったわ。」
やっぱり臭いで分かったか・・・。
「この姿では初めてだったな。とりあえず今はジュエルシードだ。」
「うん、今から周辺に魔力流を打ち込んで発動させるから。」
大丈夫なのかそれ?
「・・・それ大丈夫か?下手したらマズいことになるぞ?」
ただでさえ魔力量が凄まじいからな、アレは。
「でも、細かい位置が特定できないからそれしか方法は・・・」
「・・・仕方ないそれでやるか。」
「あ、待った!!それアタシがやる!!それをすると結構疲れるからフェイトは体力の温存した方がいいよ。」
「大丈夫、アルフ?」
「アタシはフェイトの使い魔だよ!大丈夫に決まってるよ!レイジもそれでいいでしょ?」
「異論はない。」
「ならお願いアルフ。」
「了〜解。そんじゃあ・・・・!!」
アルフの足元に魔法陣が描かれ周囲に魔力が流れる。せめて結界ぐらい張れよ・・・・・・仕方ない代わりに俺が・・・
[マスター誰かが結界を張ったようです。]
誰かが結界を張った?・・・あいつらか。
「見つけた!」
「だが、やつらも近くにいるぞ?」
「・・・早く片付けよう・・・バルディッシュ!」
[シーリングフォーム、セットアップ!]
そしてフェイトはジュエルシードの封印を始めた。しかし、向こうも封印するつもりだ。・・・ふむ、タイミングは同時か。
「ジュエルシード・シリアル]W、封印!!」
そして同時に封印したためか、ジュエルシードはその場に落ちた。そして高町はジュエルシードの所に行こうとする。アルフが妨害するも、あの似非フェレットに阻まれる。
そして俺はフェイトと共に高町の所に降り立った。
「そ、そんなまさか!?」
「!?あなたは!?・・・どうして・・・どうしてあなたがフェイトちゃんといるの!?」
似非フェレットと高町が驚愕する。
「簡単な理由。我はただ契約しただけ。」
「契・・・約?」
「是。我はジュエルシードを処分する。彼女はそれを欲する。利害が一致。我やこの土地に危害を加えない限り彼女と手を組む、と。」
(レイジ、何か喋り方が違わないかい?)
(正体がバレないようにしてるんだよアルフ。フェイトもここではバーサーカーって呼べ。)
(うん、分かった。)
「それなら何でわたしたちを手伝ってくれないの!?」
「・・・危険物を持ち込んだ者を信用できない。」
それだけじゃないんだけどな。
「そんな・・・。」
(レイジ・・・あのね(分かっている。決着を着けたいんだろ?)・・・うん。)
「・・・フェイトがお前と戦うことを希望。安心せよ。我は観戦。手は出さない。」
「・・・わかった。・・・フェイトちゃん、この間は自己紹介出来なかったね。わたしはなのは、高町なのは。私立聖祥大付属小学校三年生。あなたたちは?」
「・・・我が名はバーサーカー。」
「・・・。」
「バーサーカー・・・さん。」
[サイスフォーム!]
「っ!?」
そしてお互いに構え、戦いが始まる。
数分後・・・
おーおー、派手にやってんな〜。ってか撃ちすぎだろ?魔法というより魔砲だな、ありゃ。それに比べてアルフたちは地味にやってんな。
[フラッシュムーブ!]
・・・ほぅ、この短期間であそこまで腕を上げるとはな。フェイトに追いつくのも時間の問題だな。
[ディバインシューター!]
[ディフェンサー!]
いや、前言撤回だな。もう追いついている。そう思っていると高町がフェイトに話しかけた。
「フェイトちゃん!!」
「・・・っ!?」
「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど・・・でも、話さないと・・・言葉にしないと伝わらない事もきっとあるよ!!」
「・・・。」
「ぶつかり合ったり競い合ったりするのは仕方ないけど・・・だけど何も分からないままぶつかり合うのが、私は嫌だ!!」
高町・・・・
「最初はユーノ君のお手伝いだった。・・・けど今は違う。今は自分の意思でジュエルシードを集めている。自分の暮らしている町や自分の知っている人たちに危険が降りかかるのが嫌だから!!」
そうか・・・お前は・・・
「これが、自分の理由!!」
自分が戦う理由を見つけたんだな。
「・・・私は、「フェイト!!答えなくていい!!」・・・!」
「優しくしてくれる人たちの所で、ぬくぬく甘ったれて暮らしてるガキんちょになんか教えなくていい!!アタシたちの優先するのはジュエルシードの捕獲だよ!!」
やはり・・・フェイトも・・・。
「・・・!」
フェイトはジュエルシードに向かって飛ぶ。
「・・・あ!」
なのはもフェイトを追って回収しようとするが・・・
ガキンッ!!
「「っ!?」」
ピシピシッ!
二人のデバイスが絡み合ってヒビがはいった。
キイィィィィィン!!!
っな!?暴走したのか!?さっきまで安定してたのに・・・まさか、二人の魔力に反応したのか!?
「きゃあああああ!!」
「うっ・・・・くうぅぅ!!」
二人が魔力の奔流に飲まれるがなんとか抜けだしたようだ。しかし、バカでかい魔力だな。それにまだ安定してない。早く再封印しなければ。
するとフェイトがバルディッシュを戻してそのままジュエルシードに手を伸ばして・・・っておい、まさか!?
「っくぅ!!!」
あのバカ野郎、素手で掴みやがった!!!
「フェイト!!」
俺はすぐにフェイトに駆けつけ手を離させた。
「馬鹿者!!何処の世界に素手で掴むバカがいるか!!」
「で、でも・・・早く封印しないと・・・。それに口調が戻ってる。」
だからって素手で掴むなよ・・・。
「・・・んんっ。後は我がやる。お前には悪いがアレを破壊するぞ?」
「・・・うん、分かった。」
そして俺はジュエルシードに近づく
「何をやってるんだ!?デバイスも持たないで近づくと危ないぞ!!」
似非フェレットが何か言ってるが気にしない。そして俺はルナにアレを出すように言った。
「ルナ、アレを使う。」
[はぁ・・・やっと出番ですか。了解、マスター。封印・・・解除!]
俺の足元に魔法陣が描かれ、魔法陣の中から鉄の棒のようなものが突きだしていた。俺はソレを手に取り、引き抜く。
「「「「っな!?(え!?)(ちょ!?)(嘘!?)」」」」
引き抜かれたのは剣だった。しかし剣とはいったものの、全長2m程の鉄の塊のような大剣だった。
「お、大きい・・・。」
「大きいどころじゃないよ!デカ過ぎでしょ!?何なのよあれは!?」
「まるで・・・鉄の塊だ・・・。」
「あれが・・・バーサーカーさんの武器?」
周りが騒がしいが今は気にしている暇はない。
「・・・いくぞルナ。」
[了解マスター!]
俺は剣を構える。
「真名解放・・・。」
そして振りかぶり、
[「((斬魔|魔を斬る))・・・」]
振り下ろす。
[「((刀ぉぉぉ|破壊の大剣))!!!!」]
衝撃波がジュエルシードを襲い拮抗した。が、それも一瞬で
パキィィィィン!!
ジュエルシードは砕け散って魔力は霧散し、辺りは静寂に包まれる。
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第十三話 戦う理由 | ||
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