チートでチートな三国志・そして恋姫†無双 外伝 短編集 その2
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馬そのものは早坂さんに乗せてもらったサラブレッドほどではないけれど、それでもなかなかの体躯だ。ただし、馬具は何も無い。あの時に、そういうものがなくても乗れるようになるまで練習しておいて良かったな……。

 

 

 

 

もともとは、4月に”競走馬”を早坂さんが持っている……という話を聞いたんだったなあ。その馬はナントカという賞を取ったのだけど、もう引退して”種付け”も終わったそうで、後は……だから、

 

「トレーニングにもなるし、その馬に乗ってみない?」

 

と言われたんだった。

 

「自分は乗らないんですか?」

 

と聞いたら、

 

「一応、乗れるけど、私は乗馬が嫌いでね。私にこの話を持ってきた人がそれなりに付き合いのある人だったから、買うのを断るわけにもいかず、”馬主”になったんだけど、どうもねえ……。”乗馬”はあんまり好きじゃないんだよ。体幹とかのトレーニングで乗る以外は嫌かな。馬そのものは嫌いじゃないけどね。」

 

「どうしてか聞いてもいいですか?」

 

「いいよ〜。

 

基本的にね、馬って誰でも乗せるのよ。多少、気位が高い奴も居るけど、認めた人間になら誰にでも背中を許すわけ。それが嫌いでさあ〜。

 

それもあって犬が好きなんだよ。犬はそんなことないからね。うちの子たちは、家族と他ごく一部の人間以外からはご飯すら食べないんだよ。たとえ、お前が最高級のステーキを持っていったとしても無視するよ。もちろん、私があげれば大喜びで食べるけどね。」

 

と、”ジビエ”以来、またも食事の場が凍り付くような話をしたのだ。それは別の方向でも捉えられそうな

 

――”中古品”や”××”は嫌だよ〜というニュアンス――

 

話だったからだけど……。 それも”この人らしいな……”と思ってしまった。それでも、

 

 

「俺でも良いなら是非。」

 

ということで、乗せて貰った。それが先月の話だったな……。早坂さんは”多忙”だそうだから仕方ないけど、今思えば随分待たされたんだなあ……。

 

そこで、その馬が俺を気に入ってくれたのか、あっさりとフィールドを一周するくらいはできるようなった。その時は”乗馬”ってすごく面白いなあ……と思ったのだけど、実はそんなものは前フリに過ぎなかった……。

 

「まだまだ、こっからが本番だよぉ〜。さあ、”馬具ナシ”で乗ってみましょ〜ぉ。トレーニングには最適だよぉ〜。ホントに効くよぉ〜。」

 

とニコニコ顔で言われ、促されるままにやることになった。

 

 

――その時の早坂さんは「よぉ〜。」という口調がブームだったらしく、そんな口調だった――

 

 

 

”馬具なし”で乗るときも、早坂さんと調教師の人がずっと隣に付いていてくれたから、落馬こそしなかったけれど……。

 

それでも、”二度とごめんだ……。”と思いたくなるほどキツかった。そして、それをやったのが土曜日でホントに良かった……と思った。その日も次の日も筋肉痛が酷くて歩くのすら大変だったのだから。

 

それで、日曜日、月曜日と部活を休んでしまった。これまで、この学院に来てから部活を休んだのはその2日だけだったけど……。

 

 

 

あの時より筋肉もついたし、多分”コツ”もわかっているからある程度は楽に乗れるだろう。

 

それにしても、そんなことが回り回ってこんなところで役に立つとは……。人生ってわからないもんだな……。

 

 

 

説明
異様に短いです。

どうして北郷は馬具無しで馬に乗れるのか……?

という話です。本編の第5話に入れようと思ったのですが、あまりにもしつこくなったので切った部分です。
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コメント
クラスター・ジャドウ さん> タイトルが”チートでチートな”ですからいいんです。技術革命も入れたいとは思っています。いつになるかさっぱりわかりませんけど・・・・。(山縣 理明)
馬具無しで馬に乗れる現代人ってだけで、一刀も充分にチートな気がしますけど…。でも、勢力が十二分に拡大して経済力が付いたら、馬具製作とかにも取り組んで欲しいなぁ。技術革命的なネタ、結構好きなんですよね。(クラスター・ジャドウ)
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