魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と
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「・・・うぅ、ひっく。」

 

「落ち着いたか?」

 

「う、うん///」

 

 しばらくしたらフェイトが落ち着いてきた。思いっきり泣いたせいだろう。目元だけでなく、顔も赤い。

 

「あ、あの・・・零冶、その・・・/////」

 

「ん?あぁ、抱きしめたままだったな。すまない、嫌だったろ?」

 

「え?あ、違うよ!!その、・・・嬉し・・・かったから////」

 

 フェイトは首が千切れんばかりの勢いで首を振る。

 

「そうか・・・それで、フェイトはこれからどうするんだ?」

 

 フェイトは少し俯いた後、顔を上げて俺の目をしっかり見据えていった。

 

「私、お母さんに会いに行く!そしてお母さんに伝えたいことがあるの!!」

 

 その瞳はもう光の無い、人形の目ではなかった。一人の生きる人間としての目だった。

 

「・・・アルフは?」

 

「アタシはフェイトの使い魔だよ!一緒に行かなくてどうすんのさ!」

 

 アルフは即答した。

 ・・・ふっ、いい使い魔を持ったな、フェイト。

 

「なら行くとしようか、時の庭園へ!」

 

「「うん(あいよ)!!」」

 

 

 

 

Side なのは

 

 時の庭園 入り口

 

 私たちはフェイトちゃんのお母さん、プレシアさんを止めるために時の庭園の入り口に来ていた。そこには30体前後の大きな甲冑の兵士みたいなのがいた。

 

「うわぁ、いっぱいいる・・・。」

 

「ここは入り口、中にはもっといるよ。」 

 

「・・・クロノ君、この子たちは?」

 

「近づいた相手を攻撃するだけの機械だ。」

 

 ただの機械なら壊しちゃっても大丈夫だよね?

 

「うん・・・よし、行くよ!」

 

「待て。無駄玉は必要ない。」

 

 私はレイジングハートを構えるとクロノ君がわたしを止めた。そしてデバイスを構えて魔法を撃った。

 

[スティンガースナイプ!]

 

「はあっ!!」

 

 放たれた魔法は次々と敵を倒していく。

 

「っ!は、速い!」

 

 その速度はとても速く、目で追うのがやっとだった。そしてある程度速度が落ちた時

 

「スナイプショット!」

 

 再び弾丸が加速し扉の前の大きい機械兵を残して全て倒しちゃった。そしてクロノ君が斧を持った機械兵の背中に取り付くと、

 

[ブレイクインパルス!]

 

 機械兵が爆発した・・・。すごい、戦い慣れてる・・・。

 

「ぼーっとしてないで早く行くよ!」

 

「え?あ、うん。」

 

 そう言うとクロノ君は扉を開けて先に行こうとしているので、私たちは慌てて着いていく。

 

 

 扉の先は所々が崩れ落ちていた通路があった。穴の先は黒い空間が広がっていた。

 ・・・あれは何なんだろう?

 

「その穴の黒い空間には気をつけて!そこは虚数空間といって、あらゆる魔法が一切発動しなくなる場所なんだ。飛行魔法も使えなくなって、落ちたら重力の底まで落下する!」

 

 ・・・落ちないように気をつけよう。

 通路の先の扉に入るとまた機械兵たちがいた。・・・50体ぐらい。

 

「っく、数が多い。・・・僕たちはここで二手に別れる。僕はプレシアの逮捕に、君たちは最上階にある駆動炉のふう・・がっ!!」

 

「・・・え?」

 

 その時クロノ君が後ろに吹き飛ばされた。わたしは何が起こったのか解らなかった。前をよく見るとそこには杖をもった機械兵がいた。その機械兵は私が見た時には既に魔法を使う準備ができていて、わたしに向かって魔法が放たれる。

 

「きゃああ!!」

 

「なのはーー!!」

 

 ユーノ君が私の名前を呼ぶ。回避も防御も間に合わない。私は来るであろう痛みに目を瞑って待つ。

 ・・・が、いつまで経っても痛みどころか、衝撃すらもない。そっと目を開けると・・・

 

「こんな所で立ち止まっている場合かなのは?」

 

「そうだよ。」

 

「まったく、こんな所でグズグズしてんじゃないよ!」

 

 そこにはフェイトちゃんとアルフさん。そして・・・私に背を向け、あの大きな剣を盾にしていた零冶君がいた。その格好良くも頼もしい背中を見て、私は顔が熱くなり胸が高鳴る。

 ・・・え?今の気持ちは・・・何?

 私は今感じた気持ちに困惑した。

 

 

 Side out

 

 

 

 

 

 俺は今、フェイトやアルフと一緒に時の庭園の入り口にいる。そこには何か機械のようなものの残骸でいっぱいだった。

 

「これ、クロノっていう奴がやったのかい?」

 

「多分な。なのはだったら・・・・・跡形も残らない。」

 

「うん、あれは・・・もう受けたくないよ。」

 

 あ、フェイトの表情が暗くなっていく。・・・トラウマになってないか?

 

「それよりも急いで行くぞ。この先にかなりの数の敵がいる。」

 

「うん、わかった。」

 

「ま、くたばってなけりゃいいけどね。」

 

 俺たちは急いでなのはたちの所へ向かった。

 

 

 通路の先の部屋に入ると、クソガキと思わしき物体がすぐ横の壁に吹き飛ばされていた。すぐさま視線を戻すとなのははまだ状況を理解していないのか、固まっている。そして杖を持った機械兵がなのはに向かって魔法を放とうとしている。

 む、マズイな。仕方ない・・・手助けしてやるか。

 俺は縮地でなのはの前に立ち、剣を盾にして攻撃を防ぐ。

 ・・・ん?あまり大した攻撃ではなかったな。多分、クソガキは不意打ちでもやられたんだろうな。

 

「こんなところで立ち止まっている場合か、なのは?」

 

「そうだよなのは!」

 

「まったく、こんな所でぐずぐずしてんじゃないよ!」

 

 なのははすぐに状況を理解して顔を赤くして俺をじっと見る。

 ・・・ん?何で顔が赤いんだ?どこかケガでもしたのかな?

 

「・・・どうしたんだ、なのは?顔が赤いぞ。まさか、ケガでもしたのか?」

 

「・・・ふぇ?あ!う、ううん!!全然大丈夫だよ!!」

 

 全力で首を横に振るなのは。

 凄い勢いだな・・・。

 

「そうか、ならいいが・・・。」

 

「・・・むぅ〜。」

 

 そして後ろでフェイトは何故かむくれていた。

 ・・・一体何だってんだ?

 

「あっはははは!さすがはレイジだね!」

 

 だから何なんだよ!?

 

『まぁ、主は朴念仁ですからねぇ・・・。』

 

『まったく・・・妾たちの事も考えて欲しいものよなぁ・・・。』

 

『((兄様|あにさま))はお兄ちゃんと同じで、すっっっごく鈍感なんだよねぇ・・・。』

 

『零冶なのだからしょうがないですね。』

 

『まぁ、アタイはそういうとこ嫌いじゃないけどね。』

 

[皆さんも苦労していますね・・・。]

 

 上から順にクシャナ、ナナ、ノノ、アルテ、ディオ、ルナが言う。

 うおおおおい!!ディオ以外は酷いな!ってか、どういう意味だよ!?

 

[『『『『『自分で考えてください。(がよい)(ね)(なさい)(な)』』』』』]

 

 ・・・ぐすん。・・・皆酷い。

 

『俺が・・・鈍感・・・・orz』

 

 ちなみにカムは一人で凹んでいた。

 ・・・そんなことよりも目の前の事に集中しないと!あと、クソガキが戻ってきた。大した傷は無いようだった。

 

「・・・お前も来たのか?」

 

「あぁ、なのはたちが心配でな。それよりもクソガキ、お前は先に行け。ここは俺が片付ける。フェイトとなのは、アルフ、ユーノは最上階の駆動炉に行ってこい。」

 

「うるさいっ!誰がクソガキだ!誰が!それよりも・・・いいのか?かなりの数だぞ?」

 

「そうだよ零冶!皆で倒そうよ!」

 

「フェイトちゃんの言うとおりだよ零冶君!」

 

「アタシはどっちでもいいけど。」

 

 約一名を除いて反論があったが、却下だ。

 

「時間が無いのは解っているだろう?この程度ならどうってことはないからさっさと行け。」

 

「むぅ、零冶君がそこまで言うなら・・・。」

 

「うん・・・。」

 

 フェイトとなのはは少し渋ったが納得してくれたようだ。

 

「そうと決まったら・・・行くぞ!!」

 

 俺は正面にいる機械兵を斬魔刀で斬り裂きながら突っ込む。左右から斬り込まれるが全て躱して斬り飛ばす。そして俺に敵が引きつけられ、それぞれの道ができてなのはたちがそれぞれの役目を果たすために行動する。そして、残ったのは俺と奴らだけだった。

 

「ルナ・・・戦況は?」

 

 俺は正面の奴らを見据えたままルナに聞く。

 

[はい。敵の数は遠距離型が2、近接型が58です。近接型に関しては尚も増加中です。]

 

「周辺にサーチャーはあるか?」

 

[はい、二機います。・・・いずれもステルス状態です。一機は後方に5m、もう一機は右前方8mにいます。]

 

 俺は右前方にいるサーチャーを確認した。もう一機は視線と気配でおおよその位置を掴んだ。

 

「そうか・・・なら!」

 

 俺は二機のサーチャーに向かって懐からナイフを三本投擲した。一本は前のサ−チャーに、二本は後ろのサーチャーに向けて。

 そしてサーチャーが破壊される。そして俺は薄く笑みを浮かべる。

 

「さて・・・お前たちはどうする?」

 

『((私|わたくし))は遠慮しますわ。』

 

『((私|わたし))も止めておくわ、零冶。』

 

『妾も止めておくかのぅ。』

 

『俺も寝るからいい。』

 

 クシャナ、アルテ、ナナ、カムはあまり乗り気じゃなさそうだ。

 

「そうか、ならノノたちは?」

 

『う〜ん、まぁちょっと暇つぶしでもしてみようかなぁ?・・・じゃあ((兄様|あにさま))、わたしはヤルよ〜。』

 

『アタイもやらせてもらうよ。最近戦っていなくてウズウズしてたんだよぉ!』

 

「わかったよ。・・・・・・我が意に集いし友たちよ、我が敵を蹴散らし蹂躙せよ!来い!ノノ・オルガロン!ブラキディオス!」

 

 俺の左右から魔法陣が展開され、そこからノノとディオが現れる。

 

『ふぅ〜、やっと暴れられるぜ!』

 

『暇つぶしにはちょうどいいかもね!』

 

「ああ。それとディオ、あまり派手に暴れるなよ?」

 

 ディオは今にも暴れたそうにしている。こいつは一旦暴れ出すと止めるのが大変なんだ。

 

『分かってるって!それより、早くやらせてくれよぉ!』

 

「分かった分かった。」

 

 そして俺は剣を構えて告げる。

 

「・・・・さて人形共・・・覚悟はいいか?これより我が友と我が剣が貴様等を・・・・蹂躙する!!!」

 

『『ガアアアアアアアア!!!!!』』

 

 俺とノノ、ディオは100体の機械兵に向かって突貫する。

 

『これでも・・・どお!!』

 

 ノノは左舷の敵にブレスで攻撃し、その後跳躍して前方に棘を飛ばす。それだけで10体程が大破し、3体が腕が取れる等の中破した。

 

『あはは、死んじゃえー!』

 

 着地の衝撃を前方への運動力に換えて駆ける。そして爪で敵を斬り裂き、牙で食い千切る。

 あっという間に30体程が鉄屑と化した。

 

『おらおらおらぁ!!』

 

 ディオは右舷の敵30体程いる敵中に突っ込みながら跳ね飛ばす。5体は沈黙した。

 

『これでも・・・喰らいなぁっ!!!』

 

 そして頭部の粘液が付いた角を地面に突き刺すと、

 

 ドオォォン!!ドオォォン!!ドオォォン!!

 

 ディオの周囲が三度に渡って爆発する。それだけで一斉にディオに斬り掛かろうとしたやつらは全滅した。

 

『あっはっはっはっは!!大☆爆☆発!!!』

 

 ・・・なんかテンションが上がりすぎておかしくなっているが、まぁ大丈夫だろう・・・・・・・・多分・・・・・・・きっと。

 

 そして俺は正面の敵に斬り込む。

 

「はあああああ!!」

 

 少し奥に2体の杖を持った機械兵がいた。奴らを優先的に叩かねば後が面倒だ。

 機械兵たちが遠距離型を守るように立ちはだかる。

 

「邪魔だあああ!!」

 

 斬魔刀を横に薙ぎ、3体の胴体を真っ二つにする。そして遠距離型の攻撃が飛来してきたがそれを跳躍することで回避し、空中に魔法陣を展開して足場を作り縮地で一気に距離を詰める。そして二体は斬られて沈黙した。

 これでだいぶ殺りやすくなった。

 振り返ると40体程がこちらに向かっていた。

 

「影忍流屠殺術・・・風刃破!!」

 

 衝撃波の刃が地面を抉り、敵を飲み込む。そして周りには俺とノノとディオだけになっていた。

 

『え〜!もう終わっちゃったの〜!?』

 

『う〜、零冶ぃ・・・暴れ足りないよぉ!』

 

 お前ら落ち着け。そして周りを見ろ。クレーターだらけじゃねぇか。

 

「まぁ、悪いが今日はここまでだな。また今度呼んでやるから、な?」

 

『むぅ〜・・・分かったよ、((兄様|あにさま))。』

 

『今度も絶対にアタイを出しなよ!』

 

「はいはい。」

 

 そうして二匹は魔法陣の中に消えていった。

 

『まったく、あやつ等には気品というものが無いのかのぉ?』

 

『まぁ、((私|わたくし))達の中では一番若いですからねぇ。』

 

『でも、少しくらいはお淑やかに振る舞って欲しいものね。』

 

『あの二人に、んな事求めんなよ・・・。』

 

 俺もクシャナ達に激しく同意したい。・・・取りあえず俺はクソガキの後を追うことにした。

 

説明
第十八話 蹂躙
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
6261 5682 12
コメント
はっちゃけてますw(クライシス)
大☆爆☆発か、ノリノリだなディオ(頭翅(トーマ))
あれはトラウマになりますね・・・。(クライシス)
ブラキディオスと初めて戦ったときのトラウマが…(日隠 夜行)
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原作崩壊 リリカルなのは モンスターハンター ベルセルク キャラ崩壊 

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