英雄伝説〜光と闇の軌跡〜  180
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その後、クオーツの合成や携帯食を用意した3人はクルツに連れられ、地下水道に到着した。

 

〜バルスタール水道〜

 

「ここが『バルスタール水道』……」

「わ〜…………凄く広いな………」

「へ〜、結構大きな地下水道みたいですね。」

「王都の地下水道ほどではないが、それなりの広さはあるだろう。本日の演習は、水道の最奥にあると思われる機密文書の回収だ。」

「き、機密文書ぉ?」

クルツの説明を聞き、エステルは驚いて声を出した。

「はは、あくまでもそういう想定での演習だよ。とにかく、水路の最奥まで行けばダミーの書類が見つかるはずだ。それを回収できたら演習終了さ。」

「うーん、話を聞いてる限りだと簡単そうに聞こえますけど……」

「うん。ミントが準遊撃士の試験を受けた時と同じ依頼に感じるよ。」

「当然、演習というからには色々と用意してるのよね?」

クルツの説明を聞いたアネラスはあまりにも簡単すぎる内容に唸り、ミントもアネラスの言葉に頷き、エステルは尋ねた。

「まあ、ご想像にお任せするよ。ちなみに徘徊している魔獣がかなり手強いのは確かだ。……傷を負った場合には無理せず撤退するように。オーブメントの回復装置も念のために用意したからね。」

「あはは、さすがはクルツさん。何もかも準備万端ってわけ。」

「ただ、魔力に関しては回復できないから魔力石を用意したから、魔力が減って来たら私に言ってくれ。」

「あはは……あたしとミントの事を考えて、そこまで用意するなんて……さすがはクルツさんね。」

なんでも用意したクルツを見て、エステルは感心した。

「うん、それだけに私たちもちゃんと期待に応えないと。それでは行ってきま〜す!」

「行ってきま〜す!」

そして3人は仕掛けを解除したり、途中で出会う魔獣達を倒しながら奥に進んで行った。

 

〜バルスタール水道・終点〜

 

「やあ、ようやく来たか。」

エステル達が終点に到着するとそこには入口にいるはずのクルツがいた。

「ク、クルツ先輩!?」

「ふえ!?」

「え、ちょっと待って……。入口の所にいたはずなのにどうして先回りしているわけ?」

クルツがいる事にアネラスとミントは驚き、エステルは驚いた後尋ねた。

「実は他に抜け道があってね。君たちが仕掛けを解除している間にまっすぐここに来させてもらったよ。」

「ガクッ……。せっかく苦労して仕掛けを解いてきたのに……」

クルツの説明を聞いたエステルは肩を落として、溜息を吐いた後恨みがましい目線でクルツを見た。

「そ、それはともかく……。やっぱりここが地下水路の最奥なんですよね?」

「ああ、その通りだが?」

「それじゃあ……回収する機密文書っていうのは?」

「ふふ……」

アネラスの言葉を聞いたクルツは不敵に笑った後、槍を構えた!

 

「へっ!?」

「えっ!?」

「や、やっぱり……」

槍を構えたクルツを見てエステルとミントは驚き、クルツがいた時点で次の展開がなんとなくわかっていたアネラスは溜息を吐いた。

「自分の役は、機密文書を強奪しに来た某国の武装工作員だと思ってくれ。当然、同じ目的を持った者たちは実力を持って排除させてもらうよ。」

「あ、あんですって〜!?」

「ミント達、クルツさんと戦うの!?」

「機密文書は単なる口実……。本当の演習課題は、探索中の予想外の交戦ってわけですね!?」

クルツの説明にエステルとミントは驚き、アネラスは訓練の真の目的がわかり、尋ねた。

「ふふ、そういうことだ。それでは……こちらから行かせてもらうぞ!」

そしてエステル達はクルツと戦闘を始めた!

 

「はあっ!せいっ!ぬぅぅぅん!!」

「っと!」

「!!」

「わっ!」

クルツの槍での先制攻撃をエステル達はそれぞれの武器で防御した。

「やっ!」

「えいっ!」

そしてエステルとアネラスは反撃をした!

「させん!」

しかしクルツは槍で2人の攻撃を捌いた。

「行っくよ〜!………アクアブリード!!」

そこにミントのアーツが発動し、クルツに命中した!

「うっ!」

「ナイスよ、ミント!はぁぁぁ、せいっ!」

そしてエステルはクラフト――金剛撃を放った!

「むん!」

しかしクルツは槍で防御した。そこにいつの間にかアネラスがクルツに一瞬で近付き、クラフトを放った!

「たぁ!」

「ガッ!?」

アネラスはクルツを空中へと蹴りあげた!そしてクルツが落ちて来る瞬間を狙ってジャンプして、叩き落とした!

「失礼します、先輩!」

「クッ!?」

アネラスが放ったクラフト――落葉を受けたクルツは呻いた。

 

「やるな……ならば、今度はこちらの番だ!うおぉぉぉ!!」

「あうっ!?」

「きゃっ!?」

「やん!?」

クルツが反撃に放った複数の敵を目にも止まらぬ速さで攻撃するクラフト――極技・夕凪を受けたエステル達は悲鳴を上げた後、一端下がった。

「方術………穏やかなること白波の如し!」

そしてクルツは方術を使い、自分自身を回復した!

「癒しの闇よ……闇の息吹!!」

「回復するね!………ティア!!」

「オーブメント駆動!………ティア!!」

エステル達も魔術やアーツを使って自分自身を回復した。

「方術………貫けぬこと鋼の如し!」

さらにクルツは方術を使って、自分自身の身を固めた!

「うげっ…………あの術って………」

「クルツ先輩がよく使っている『方術・鋼』だね。味方で放たれるとありがたいけど、敵で放たれたら厄介なんだよね………」

クルツの行動を見てエステルはゲッソリし、アネラスは苦笑しながら答えた。

「う〜………とにかく物理攻撃が効きにくくなったのは痛いわね………」

「だったら、アーツや魔術で攻撃しよう!」

唸った後溜息を吐いているエステルをミントは元気づけた。

 

「そうね。……アネラスさん。時間稼ぎ、お願いできるかな?」

「オッケー!………まだまだこれからだよっ!はぁい!」

エステルの頼みに頷いたアネラスは防御力を犠牲にして攻撃力を高める背水の気合いのクラフト――風花陣で自分に活を入れた!

「さぁ、行くよ!」

「!!」

アネラスの見覚えのあるクラフトの構えを見たクルツは身構えた。そしてアネラスはクラフトを放った!

「まだまだまだまだまだまだぁっ! 」

「……………………」

アネラスのクラフト――八葉滅殺をクルツは槍で冷静に防いでいた。そしてアネラスが激しい連撃を放っている間にミントの魔術の詠唱が終わった!

「落っちろ〜!サンダ−ボルト!!」

「ぐあああああっ!?」

ミントが放った魔術の雷を受けたクルツは感電して、悲鳴を上げた!さらに続くように詠唱を終えたエステルの魔術が放たれた!

「闇よ、我が仇名す者を吹き飛ばせ!……黒の衝撃!!」

「グッ!?………ガハッ!?」

エステルの暗黒魔術を受けたクルツは壁まで吹っ飛ばされ、壁にぶつかり呻いた。そこにアネラスが集中して刀に闘気を集め始めた!

「はぁぁぁぁ……………!」

アネラスの集中によって、アネラスが持っている刀の刃の部分が光った!

「せい!」

そしてアネラスは刀を震い、光の刃をクルツ目掛けて放った!

「グワアアア!?不覚…………」

アネラスのSクラフト――光破斬を止めに受けたクルツは戦闘不能になった!

 

「やれやれ……。手加減したつもりはなかったが。どうやら、自分の負けのようだな。」

地面に跪きながらクルツは自分の敗北を宣言した。

「ふう………なんとか勝てた………」

「ミント、疲れたよ〜………」

エステルとミントは奥に来るまでの今までの戦闘とクルツとの戦闘によって疲労がピークに達していたので疲労感を隠せない様子で安堵の溜息を吐いた。

「う、うん……。さすがは『方術使い』……。3人がかりでやっと勝てたね……」

2人の言葉に頷いたアネラスも疲労感を隠せない様子で答えた。

「さて……工作員が無力化したことで君たちは機密文書を回収した。今回の演習はこれで終了だ。」

「そ、それじゃあ今日の訓練は……」

「これで終わりとか……?」

「わくわく…………」

クルツの訓練終了の言葉を聞いたエステル達は期待の目でクルツを見た。

「はは、まさか。宿舎に戻って昼食を取ったら南にある『サントクロワの森』に向かう。演習の反省点を見直す意味でもみっちり訓練を受けてもらおうか。」

「ひえ〜……」

「はう〜……」

「クルツ先輩って……ホント、容赦ないですよねぇ。」

ある意味予想していたクルツの言葉を聞いたエステル達は肩を落とし、悲鳴を上げた。

 

その後訓練を終えたエステル達が宿舎に戻った頃には夜になっていた……………

 

 

 

説明
第180話
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イリーナ復活 エウシュリー無双 エステル最強キャラ化 カリンも復活 メンフィル無双 他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 碧の軌跡 空の軌跡 零の軌跡 

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