魔法少女リリカルなのはmemories 第三章 蘇る記憶(メモリー) 第三十五話 |
「説得は結局無理やったか……」
はやては画面を見ながら、そう呟いていた。
フェイトとヴィータを殺してしまったとなのはが思ってしまった時は説得できるかともったのだが、結局フェイト似の人間に邪魔され、なのはも彼女に唆されて結局説得に失敗しまった。
その事にはやてはやはり無理だったかと思っていたが、そこまでしてなのはが管理局に敵対する理由が気になって仕方なかった。
「はやて司令。一つ聞きたかったのですが、どうしてフェイト二佐とヴィータ一尉の二人だけを出動させたのですか?」
今まで気になっていた質問ティアナははやてに聞く。最初から戦力を増やして戦った方がいいのではないかと思った。
ティアナの疑問にはティアナ以外にも思っている人間は居た。だがはやてが下した命令に唯従い、なにか策あっての事だろうとそれ以上の事は誰も聞いていなかったのだ。
それでも気になる事には気になるので、ティアナが代表して言ったような感じになっていたのである。
「理由は二つあるんやが、一つはなのはちゃんを説得が成功した場合に、なのはちゃん自身が止めてくれる可能性に少し賭けていた。これは先ほど説得失敗したから意味を失くしたんやけどな」
「じゃあ、今から戦力を足しても大丈夫なのでは?」
理由を聞いてティアナは思う。確かに一つ目の理由が失敗した時点でティアナが思った事は最もの事であった。
しかしはやてはティアナの言葉を否定する。
「確かに戦力を足すのも最もだが、もう一つの理由もあって余り激しく戦えないんや」
「もう一つの理由はなんですか?」
「もう一つはこの世界の場所や。私やなのはちゃんの出身地でもあるが、一応管理外世界や。向こうが結界を張っているとはいえ、もし何らかの理由で結界が割られて大きな戦闘をしていたら、見られてしまうやろ」
はやての言葉にティアナを含む疑問に思ってた人は納得する。管理局内でもなのはやはやてなどと高魔力を持っている有名な魔導師が生まれた地である為、この第97管理外世界が管理世界だと勘違いする人もここ最近増えてきていた。だからそのように勘違いする人によって、第97管理外世界では魔法を使えるのが当然だと、まわりも思わせてしまっていたのである。
「まぁ、このままだと向こうが有利なのは変わりないのやけど」
はやては苦笑しながら言い、続けざまに言う。
「シグナム三等空佐は今すぐフィルノ・オルデルタの行動を阻止てくれ。それでも戦力が足りなければトーマ・ナカジマ空曹、そしてスバル・ナカジマ三等陸尉の二人はいつでも出る準備をしておいてくれな。アギト空曹はシグナム三等空佐について行くように」
『了解!!』
はやてに言われたシグナム、アギト、スバル、トーマの四人ははやての命令に従い、すぐに準備をする。
そしてシグナムがフォルノ・オルデルタの行動を止めに向かったのを確認すると、はやては今まで思っていた事を呟き始める。
「にしても、あのフェイトちゃん似の彼女は一体何者なんや……」
「確かに気になりますね。プロジェクトF・A・T・Eという可能性も考えられますけど……」
はやてが呟いていた事を近くに居たティアナが返す。はやては独り言を言ったつもりであったのだが、さっきまで話していたティアナが近くに居た事を少し忘れかけていたので、少々驚いていた。
「確かに、プロジェクトF・A・T・Eの考えもあるんだがな……」
その考えが一番あると思っていたはやてであったが、先ほどのフェイト似であるアリシアの意味深な言葉に疑問に思った。
名前を聞かない方が良い。アリシアはフェイトにそう言って自分の名前は言わなかった。言い草からしてフェイトが知っている名前だという事なのだ。
だからこそプロジェクトF・A・T・Eという考えが合っているのかと疑問に思ったのだ。一体彼女はフェイトの何を知っていて、どうして自分の名前を言わずに伏せたのか。
「……これはありえへんやろうな」
一瞬ある名前を思いついたが、それは一番ありえない名前だった。
アリシア・テスタロッサ。プロジェクトF・A・T・Eによって生まれたフェイトの遺伝子の元である。
アリシアの事はフェイトとなのはから聞いていたので、虚数空間に消えていったのは知っているし、例えどこかの世界に辿り着いたとしてももう死んでいる。だからこそフェイト似の彼女がアリシア何という事はありえないと思ったのだ。
「はやて部隊長?」
「いや、なんでもあらへん。とにかく彼女については今の私たちでは調べあらへんから、今は余り気にせんでええ」
近くに居たティアナははやてが呟いた言葉に意味が分からなかったので聞いたのだが、はやてはなんでもないと言い、フェイト似の彼女についてはゆっくり調べることにするのだった。
ティアナはその言葉に了解と言い、はやてから離れていった。
「さて、なにごともなければ良いんやけどな……」
はやては画面に映っているフェイトとフェイト似の彼女を見ながらそう言うのだった。
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「『ハーケンセイバー』!!」
アリシアが何かをしようとしていた気がして、その前に攻撃しようとフェイトは思って攻撃する。
しかしフェイトの攻撃はほんの少し早く、すぐにアリシアも対応出きて避けてしまう。
「ちょ、いきなり危ないよ!! もうちょっと早ければ避けきれなかったじゃない!!」
なんか口調が元に戻りつつあったアリシアであったが、フェイトは全く気にしなかった。
「そんな隙を与えるつもりはない。『ハーケンスマッシュ』!!」
一気にアリシアに近づき、隙を与えないかのように攻撃していく。
だがすぐにアリシアも対抗し、アリシアが持っているデバイスで迎え撃とうとする。
「二つあることを教えておくよ。デバイスの種類は違えども使う魔法はほとんど一緒だということを!! 『ハーケンスマッシュ』!!」
「なっ!?」
フェイトは驚いていた。驚いた理由は二つあり、一つは同じ魔法を使ってくることと、もう一つはどうして自分がハーケンスマッシュで攻撃したのに、同じ魔法を使用してきたかということだ。アリシアがこの状況でハーケンスマッシュを使おうと、フェイトの距離はかなり近いし、ハーケンスマッシュの構えをしているフェイトのほうがどう考えても早く、使用したところでバルディッシュ・アサルトを受け構えるぐらいしかできない状況であった。
どう考えてもアリシアの攻撃がフェイトにあたるということは不可能。だがアリシアはそんな状況だろうとにやけているのだった。
「そしてもう一つは――」
アリシアが何かを言おうとした刹那、フェイトのハーケンスマッシュがアリシアに向かって振りかざされる!!
だがバルディッシュ・アサルトを持っていた右手には何かぶつかった感触はなかった。
「っ!?」
突然姿を消したアリシアにフェイトは驚きを隠せないでいた。一瞬にしてアリシアがいなくなったのだ。あんな状況から抜け出せるのは転移魔法かスピードによる方法だけだが、どちらにしても早すぎる。
そして、もう一つ驚いていたことがあった。それは、アリシアの姿は消えてもアリシアが持っていたデバイスがその場に残っており、このままではフェイトに直撃する状況だったのである。デバイスはアリシアがハーケンスマッシュの時に振りかざそうとしていた瞬間で、アリシアが突然姿を消したことによって、振りかざそうとしていた力がデバイスに残っていたのである。最初っからアリシアはハーケンスマッシュをフェイトにあてるつもりで使用し、フェイトのバルディッシュ・アサルトを受け構えるために使用していなかったのである。
まったくもって想像してなかった攻撃。そんな攻撃をフェイトが咄嗟にに避けきれるわけがなかった。デバイスの刃がフェイトのふくらはぎへと襲いかかるのであった。
「ぐっ」
デバイスの刃によってかなり奥深くまで傷つけられ、フェイトは足場に魔方陣を張って膝から崩れ去った。アリシアも殺傷設定で魔法を使っているため、切り付けられたフェイトのふくらはぎからは出血をしていたのであった。
アリシアのデバイスはそのまま力によって回転を繰り返しながら進み、その先には突然姿を消したアリシアが立っており、デバイスをキャッチした。
「――転移魔法を一秒も時間を掛けずに使用できることよ」
表情を変え、まるでフェイトが任務などの時みたいに真面目な顔になっていうのだった――
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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