詩集「奏詞」恋巻
[全31ページ]
-1ページ-

【斥愛】

 

 

愛されたくてあなたを愛す

でもあなたに愛されたことがなくて

愛しかたがわからない。

 

-2ページ-

 

【約春】

 

 

約束した春はただただ暖かく

気持ちがいいものでした

 

やわらかな日差しに包まれ

やわらかな春風が吹き抜ける

本当に気持ちがいい

 

約束した通り二人だったなら

良かったんですけど

こんな嘆きがもし届いたら

あなたは苦笑いしますか

 

たぶんするんでしょうね

なんだか目に浮かびます

でも何故だかぼやけちゃうな

 

もうぼやけることもないと思っていたのにな

やっぱりまだ一人は慣れないな

 

-3ページ-

 

【切心】

 

 

君が好きだと叫んでみる

叫べば叫んだだけ

思いが君に伝わる気がする

 

胸に溜め込んでいると

切なすぎる

だから思いを込めて大声で叫ぶ

いつかは届くと信じながら

 

叫ぶ言葉は「好き」だけ

それ以外の言葉は必要ない

どんなに飾ってみても

真実は一つだから

 

-4ページ-

 

【優融】

 

 

あなたにゆっくりと

とろかされていく

外側からの刺激だけでなく

内側からの刺激で

ゆっくり、ゆっくりと

滑らかな水になるようにと

とろかされていく

どことなく心地よく

くすぐったい

最後はあなたの中に

取り込まれる

 

-5ページ-

 

【遅恋】

 

 

毎日のように会えていたアノときには

気づかなかったこの思い

 

少しだけお互いが離れて生活するリズムに

踊り疲れ初めてしるこの感情

 

会いたくても簡単には会えなくて

会えてもいまさら伝えることもできず

 

胸の内だけで焦がれ、焦げつかせて眠る

 

-6ページ-

 

【積愛】

 

 

雪がシトシトとつもるように

あなたへの想いが心のうちに積もる

 

外の雪は時とともに溶ける

でも

想いは伝えることができるまで

溶けていくことなく積もっていく

 

積もった想いの重さに

押しつぶされる前に伝えないと

押しつぶされたら

伝えれない

 

でも想いを積もらせることをやめることはできない

そして伝えることができるのなら

想いはつもることはない

 

-7ページ-

【短い帰り道】

 

 

帰りの電車で君は疲れたといい

僕に寄りかかってきた顔をみると

安心して目を閉じていた

顔に光があたらないように

僕は抱きしめた

 

アナウンスが時々耳に入り

僕は目を覚ます

君はまだ気持ち良さそうに

眠りつづける

 

そっと君の唇に手を当てて

そのまま唇をあわせようとする

けど安心して寝ている君の顔見て

ルール違反だよねと思いとどまり

また何気なく軽く抱きしめる

 

降りる駅が近づくと

まだ一緒にいたいと思う

電車よ止まれ

二人が納得のいくまで

このままにしていておくれ

 

-8ページ-

【気握】

 

 

掴みたい

ギュッと

掴みたい

 

掴んだら離したくない

指に釘を打ちこまれても

離したくない

 

握りしめて

握りしめて

 

ぬくもりを感じて

しあわせだって感じて

離したくない

 

でも握れない

感じれない

一方通過

 

-9ページ-

【零触】

 

 

頬にそっと指をはわす

くすぐったそうに

恥ずかしそうにはにかみ

そして怒ったような表情を見せる

 

その表情はたまらなく愛おしい

自分以外の誰にも見せたくない宝物

 

指を頬から後ろに動かし

ゆっくりと抱き寄せる

 

一瞬だけビックリした表情は

やがて安堵感に包まれ

静かに瞳を閉じ

お互いの距離がゼロになる

 

-10ページ-

 

【艶顔】

 

 

ときどき無意識に魅せられ

そのまま惹きつけられる

 

のんびりと流れた生活の中に

極上のスパイスが混ぜられたみたいに

全てが支配される

 

-11ページ-

 

【恋愛】

 

 

忍び寄る足音はとても静かで軽く

ただただゆっくりと歩み寄る

 

背後に密着した

足音がもたらすものは

 

時にはうれしくまたは悲しい

時には騒がしくまたは寂しい

 

足音が再び離れていく事もある

そのまま一緒に足音を奏でる事もある

どちらの本物である

 

-12ページ-

 

【共黙】

 

 

想い人同士で沈黙を嗜む

 

会話がないのは冷めている証拠

もう終わりのサイン

そんな雑音は気にしない

 

それは沈黙のよさを理解できない

色々と軽い人々の戯言だから

聞き流しておけばいい

 

一つの空間で互いが沈黙しあっても

気まずくならない関係

それが本当に理解しあえた二人の関係

 

沈黙の共有ができてはじめて

二人は結ばれると信じる

 

私もいつかは誰かと

そんな関係がきずけれるかな

 

-13ページ-

【艶肌】

 

 

確かな感触を

手に感じて

一つ一つの表情を

楽しみながら

ゆっくりと

なぞるように

滑らしていく

 

手から伝わる

刺激を感じて

さらにゆっくりと

滑らしていく

 

上から下に

下から上に

 

ゆっくりと

ゆっくりと

滑らしていく

 

そして手にしていた

感触は体を飲み込んでいく

-14ページ-

 

 

    【淡心】

 

 

気づいたときに

今までのことに全て納得した

 

なるほどだからそうだったのかと

 

気がついてしまうと

とっても恥ずかしい

 

意識してしまうと

言葉に重りがついて

なかなか出てこない

 

でも気づいたために前より

深く重みがました言葉が紡がれる

そんな気がした

 

-15ページ-

【臆熱】

 

 

最初は意識してなかった

この世界で出会えた最良の友人

ただただ本気でそう思っていた

 

お互いの内面を少しずつさらし

互いに接していくうちに

 

最良の友人から最愛の思い人へと

捉え方が変わっていった

 

その思いに気づいても接しかたは変わらない

いや変えることはできない

 

最良の友人を失いたくないから

あの人にとって私はたぶん友人の一人

それでいいと思う

 

踏み込むことで進展するよりも

踏み込むことで壊れるのが嫌だ

 

勇気を持ったために冷めて消えるのは切ない

臆病だからこそ内にこもる思いは熱く消えない

 

-16ページ-

【双愛】

 

 

包みたいし包まれたい

どちらか一方では

必ず破けてしまうから

 

与えたいし与えられたい

どちらか一方では

必ず溢れてしまうから

 

繋ぎたいし繋がれていたい

どちらか一方では

必ず千切れてしまうから

 

だから愛は難しい

 

-17ページ-

【搦安】

 

 

離れることを恐れ無意識に指と指をからみつかせる

からみついた指は絶えず動き落ち着かない

 

不安のなんだろうかすぐ側にいるのに

それとも意味のない反射的なもの

正直どちらでもかまわない

 

ただ手を繋ぐよりも心地がいい

意識が戻ったときにしっかりとした繋がりを

真っすぐに感じることが出来るから

 

-18ページ-

 

【希花】

 

 

思いを募らせて募らせて

美しい花を咲かす

咲いた花には楽しげに

蝶や虫が舞乱れる

 

花が散り後に小さなみが宿る

みは愛しく優しさに包まれ

いつしか希望となる

 

-19ページ-

 

【想双】

 

 

握った手はもう離さない

握った手を離さないで

 

ずっと一緒にいるって決めたから

ずっと一緒にいてほしいから

 

握ってないと見失いそう

握られてないと彷徨うから

 

だから手を離せない

だから手は離さないで

 

ずっと繋がっていたい

ずっと繋いでいて

 

キミが好きだから

あなたが好きなの

 

-20ページ-

 

【途繋】

 

 

もどかしい思いを幾つも募らせる

それは恋だと言われなくてもわかっている

 

いつもいつも繋がっている恋よりも

もどかしい思いをいくつもする恋がステキ

 

相手のことを思い今は何をしてるのかと心焦がす

わからないことばかり考えもどかしい

それでもそんな思いをしている間も幸せ

 

今流行の安易に指一本で繋がる恋なんて言っちゃ悪いが

恋じゃないオママゴトのごっこ遊び

相手を信頼してないし信用してないから

常に繋がりを確認したくなるんだよ

 

会えない時間があるから会える時間がたのしい

会えない時間があるから相手を深く考え思える

 

自分のこと相手のこと離れているから

繋がりっぱなしよりも深く強く結ばれる

 

-21ページ-

【好想】

 

 

たった二文字の大事な言葉

簡単に口にする人が多くなった

 

そんな言葉は軽くてサラサラっと流される

だから一生続かない

 

この二文字はおもい

どんな言葉よりもおもい

人の一生を決める二文字だから

 

-22ページ-

 

【嬉寂】

 

 

熱と熱とが互いを行き来する

温もりが嬉しかった

 

だから温もりを失ったとき

とても寂しかった

 

冷水を頭からかぶせられたように

体の奥底から冷たくて壊れそうだった

 

だから温もりを求める

凍えた体と心を温めるために

 

-23ページ-

【苦想】

 

 

苦しいよ

どうしていいのわからない

 

ただただ思いだけが強く強く募っていく

あえる唯一の場所で会えない

 

できるのは会えるのを待つだけ

来るのを待っているだけ

 

待たなければ会う事も出来ない

だから私は待ち続ける

 

例えその日が来なかったとしても

会えると信じて待ち続ける

 

苦しさの先に幸せはきっとあるから

 

-24ページ-

 

【共歩】

 

 

ずっと一緒にいてくれますか

どんなときも一緒にいてくれますか

 

今まで一人で歩いてきた道

これからは二人で歩いていきたい

 

一人では進めなかった場所を

今度は互いに手を取り合い

一緒に乗り越えたい

 

長い長い道のを

喜びも怒りも哀しみも楽しさも

すべてを分かちあい手を繋いで歩いていきたい

 

ずっと一緒にいるどんなときも一緒にいる

繋いだ手は道の終わりまで離してあげない

 

-25ページ-

 

【惹蜜】

 

 

花に群がる虫のようにあなたの魅力に

誘われて引寄せられて全てを吸い込まれそう

 

いつも気がつけば求めて近くを群がっている

けどあなたにとまるりたくてもとまれない

 

だって吸い込まれたら離れられなくなりそう

それは嬉しいけどまだ少しだけ怖い

 

-26ページ-

 

【心の中で】

 

 

あなたの事を想うだけで 心が切なくなる

自分の心音が耳に強く強く打ちつける

 

目の前にあなたの笑った顔がみえる

すると心がせつなくなり

心音が前よりも強く強く打ちつけられる

 

見た事がないはずの あなたの泣いた顔

頭の中でなにもかもがグチャグチャになって

苦しくて 苦しくて耐えられない

 

なぜだろう いつからだろう こう想うようになったのは

気がつけば あなたばかり見ている

 

-27ページ-

 

【激伝】

 

 

君が好きだと伝えたい

世界の裏側まで届くような声で伝えたい

思いを日々募らせて

思いのマグマ限界で

ほんの少しの刺激で

思いは噴火する

好きで好きで好きでたまらない

もうおさえるえれない

 

-28ページ-

 

【恋希】

 

 

好きなあの人が結婚する

でも心からおめでとうって言える

そんな自分にビックリして

なさけなくって

 

招待状は来ている

でもいけない

いったらなにかとんでもない事をしでかしそうで

大切なあの人を傷つけそうでこわいから

 

だから祝電だけ

「ずっと素敵な笑顔 これからもお幸せに」

あの人に伝えれる思いの最後

職場では毎日これからも会うけど

この思いは死ぬまで胸の中にしまっておく

 

-29ページ-

 

【伝遮】

 

 

伝えたいのか伝えたくないのか

未だによくわからない

 

思いに気づいてから結構時間が

経つけどまだ判断できてない

 

今はどちらを選択しても後悔しそうで

怖くって怖くってしかたない

 

どちらを選んでも後悔しないときが

くるときまで考え続ける

 

-30ページ-

 

【気美】

 

 

時たま見せる表情に

ハッとさせられ

気づかされる美しさ

 

気づかされると

いつもの何気ない

全ての動作が気になる

 

気づかされた美しさは

まさに魔力

引き寄せられて吸い込まれ

そして飲み込まれていく

 

-31ページ-

 

【横恋】

 

 

好きになった人には

相手がいた

 

当然だよね

いい人だから

一人なんて

そんな都合がいい事

あるわけがない

 

でも好きなんだ

駄目だって

わかっていても

押さえれない

 

気持ちを伝えたい

あの人と一緒にいたい

そばにいるは自分でありたい

 

でも悲しい顔は見たくない

だからずっと胸の奥に鍵かけて

しまっておこう

説明
奏詞の第一巻です。今まで書き綴った詩の一部
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
564 541 1
タグ
詩集 奏詞 

華詩さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com