魔法少女リリカルなのはmemories 第三章 蘇る記憶(メモリー) 第三十九話 |
「い、一体何が起こったんや!?」
「分かりません!! 突然光りだして一体どうなっているのか!?」
艦船内にいたはやてたちは突然翠色に光りだされたことによって状況が全く見えない状態になっていた。
フィルノがなのはに何かを渡すところまでは見え、何を渡したのかまではよく分からなかったが、なのはに何かを渡したその刹那に翠色に光りだした。
それから察するにフィルノがなのはに渡したものが原因だとなんとなく分かり、またそれはロストロギアの可能性が高いとも思うのだった。
「画面、映ります!!」
光の輝きが消え始めてきて、だんだんと画面が見えるようになってきていた。
そして画面が完全に見えると、そこには先ほどと違っていなくなっている人物がいるのであった。
「高町なのは、フィルノ・オルデルタ、デュナ・シルフィア、リィナ・シルフィア、そしてアリシア・テスタロッサが居ません!! たぶん、先ほどの光を利用して離脱したのかと」
「なん……やと……」
はやてはその言葉で画面を見てみるが、確かになのは、フィルノ、デュナ、リィナ、アリシアの五名の存在が確認できなかった。
一体何が起こったのかは詳しくわからない。だがはやてに報告した彼女の言うとおり、先ほどの翠色の光を利用してこの地球から離脱したのだろうという事はなんとなく分かった。
結局一人も捕まえられず、しかも全員逃がしてしまうのはかなりの失態だった。せっかく向こうが集団で動き出したというのにそのチャンスを見逃したのであるから。
「……とりあえず全員帰還してくれや。フェイトちゃんはその怪我でこちらに戻ってこれるか?」
『一応大丈夫。かなり負傷したように見えるけど、重症ほどではないから』
「分かった」
フェイトはそう言い、ヴィータ、シグナム、スバル、トーマの五人は全員LS級艦船へと帰還するのだった。
「それにしても、フェイトちゃんと戦っていたアリシア・テスタロッサと名乗った彼女は一体誰なんや……」
「わかりません。どうして彼女がとっくに亡くなったアリシア・テスタロッサと名乗ったのか」
はやてが思った疑問にキルノが答えた。
だが、はやてがそう思うのももっともだった。どうして死んでいるはずのアリシアの名を彼女は名乗ったのか。しかもフェイトの前で。
フェイトもその言葉を聞いたときかなり驚いていたのだが、結局彼女の正体がなんなのかという事はわからないままだった。
本当にアリシアという生ではないと思われるし、もしそうだとしても、フェイトと同様にアリシアの記憶を移して作られた、プロジェクトF・A・T・Eによるクローンなのかもしれないと思った。フェイトの場合はプレシアがフェイトと名前を付けたので、フェイトはその名前が自分の名前だと思っていたが、もしアリシアの名前のままにしていたらアリシアだと彼女は思うはずだと思ったのである。
だがそうだとしても疑問は残る。フェイトのことを妹だと言っていたし、フェイトのことをかなり知っているような風ではあった。それは本物のアリシアのようで、本当にクローンでできたものなのかと不思議に思うぐらいであった。
「……まぁ、考えても答えは出るわけないし、知るのならアリシアと名乗った彼女本人に聞くしかないか……」
はやてはそう思って、クローンではなくアリシア本人だという事は知らないので、今はアリシアについて考えるのを止めるのであった。
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「とりあえず全員戻ったのだが……」
フィルノはエメリアを除く全員が戻ってきたのを確認するが、今はそれよりも気になることがあった。
フィルノの目線はなのはに移り、そして近くでなのはの看病をしているアリシア以外もなのはの方へ振り向いていた。
あれから、なのはは突然意識を失い、目を覚まさない状態になったのである。
テュディアをなのはに渡し、それを二つのテュディアを一つにくっ付けたときに翠色の光が発生した時だった。
フィルノがその光が発生したのを利用して離脱することを試みて、全員に念話をしたのだが、その時なのはから念話が聞こえてこなかったのである。それですぐにアリシアになのはがいた方へ向かわせたのだが、その時なのはは立ったまま気絶していたのである。それに気づいたアリシアはすぐにフィルノに伝え、とりあえず拠点にしている艦船に戻ってきたのであった。
結局戻ってきたのはいいが、なのはの意識は戻らず、一体何があったのかという事になっていたのである。
「……シルフィア姉妹、これは一体どういうことだ? テュディアにこんな力があるとは聞いてないぞ!!」
フィルノは予想外なことについシルフィア姉妹に怒鳴りながら言うが、シルフィア姉妹の二人はそんな言葉でも冷静に返す。
「いや、これでいいのよ。目の前の出来事が起こるまで忘れていたけど、正規のものがテュディアを手に入れれば一度意識を失うの」
「それは、どういうことなの?」
アリシアはデュナの言葉にどうして意識を一度失うのか疑問で聞く。
「簡単に言えば試練みたいなものなの。テュディアにはそのように施されているの」
「なるほどな。その話に入る前にまずこのロストロギア、テュディアについての本当の力が知りたいのだが」
エメリアの言葉にフィルノとアリシアは頷く。フィルノは少し前にテュディアの力について聞いてはいるのだが、すべてを聞いているわけではなかった。理由はデュナが時が来ましたらすべて教えると言われたからである。だが今の状況はすべてを聞いても良いのではないかと思って、エメリアの言葉に頷いたのであった。
デュナはそこで一度考えているような顔になりますが、後ろにいたリィナがデュナに小声で話し始めます。
「お姉ちゃん、別にもういいんじゃない? どうせ教えないといけないのだし」
「でもリィナ。この話はあんまり話せるな用じゃないし……」
「だけど、なのはさんが意識を失っているという事は((そういうこと|・・・・・・))なんでしょ? そしてフィルノさんが今まで動いていたことを考えると……」
「……それは私でもなんとなく分かっていた。そうね、教えないといけない頃なのかもね」
二人の話し合いの結果、これ以上隠したところで意味がないと思い、もうそろそろ教えても構わないという事になって、デュナはフィルノ達の方へ振り向く。
「リィナと話し合ったけど、そろそろ頃合いかもしれないわね。どうしてなのはさんがこのような状態になっていて、今どのようなことになっているのか、すべて教えるわ」
デュナとリィナの二人はなのはの今の状態、テュディアの本来の使い方、そして今までシルフィア家として隠し通していたある事について全員にいうのであった。
そしてこれは、なのはの運命が変わる出来事であり、高町家、いや不破家にも忘れ去られていたある事を引き起こすことでもあった。忘れ去られていた過去、不破家の先祖が子孫に伝えられなかったある出来事を今ここに解き放たれるのであった――
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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