魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と A’s編 |
Side フェイト
「理由はどうであれ、なのはを傷つけたことには変わりありません。こちらでお話を伺わせてもらいます。」
なのはをこれだけ痛めつけたんだ。個人的には許せることじゃないけど、せめてアースラで話ぐらいは聞いて貰わなきゃ。謝罪するぐらいだ。彼も承諾してくれると思いたい。だけど、
「・・・断ると言ったら?」
・・・やっぱり断られた。でも、それなら!
「無理にでも連れて行きます!」
彼は一度ため息をついて仲間と思われる人たちに言った。
「仕方ない、シグナムとシャマルはヴィータを連れて逃げろ。」
「いいのか?」
・・・もしかして一人で私とユーノを相手にするの?
「問題ない。お前たちでも余裕で勝てるだろうさ。」
「なっ!?」
「お、お前っ。」
私たちを余裕で勝てる?ここまで言われちゃ、こっちも引き下がれない。
「分かった。気をつけろよ。」
逃がさない!
私がシグナムと呼ばれた女性を捕縛しようと動き掛けた瞬間、
「クイーン!」
彼が何かを呼び、
ドゴオオオオオオン!!
「「きゃあああああ!!」」
ビルが吹き飛び崩れていく。それと一緒に私となのはも飛ばされる。
「うあああああ!!」
そしてユーノも
「ぐおお!」
・・・何故か彼も吹き飛んでいた。
「い、一体何なの!?」
「あ、あれを見てフェイトちゃん、ユーノ君!!」
「「なっ!?」」
そこには漆黒の体で腕と翼が一緒になっている。そして翼の先端にかぎ爪と思われるものがあって、赤黒い色をしている。そして瞳は深紅で、とても禍々しく、恐ろしい竜だった。何百年を生きた迫力は私たちの足を竦ませる。
・・・あれには勝てない。恐らく、それを使役している彼にも・・・。
「来いよ、相手をしてやる。」
彼は漆黒の双剣のようなものを構える。
「っ!!はああああああ!!」
例え私より強くても私は一歩も引かない!私は零冶となのはにそう誓ったんだ!!
私はバルディッシュを構えて突っ込む。
[フラッシュムーブ!]
そして彼の一瞬で後ろに回り込み、サイスフォームで斬りつける。
ギンッ!!
「なっ!?」
しかし、彼はそこから一歩も動かずに剣を背中に回して受け止めた。
動きが読まれた!?
「遅い。」
そして彼の斬劇が始まった。
Side out
「遅い。」
目で簡単に追えるほど遅さだ。
まだまだ成長途中か・・・。
「・・・乱舞。」
モンハンの双剣と同じように斬撃を繰り出す。
「ううっ!!」
フェイトは何とか斬撃を防ぎきったみたいだ。
中々やるじゃないか。なら、これはどうだ?
「影忍流暗殺術・・・残像。」
俺が動くと闇が俺の後をついていき、俺本体の動きを見えにくくする技だ。俺は左右にステップしながらフェイトに接近して斬りつける。
「っく!う、動きが見えない!」
「フェイト!っく、チェーンバインド!」
そこでユーノが参戦してきた。そしてバインドが俺を縛り上げる。
「や、やった!」
だがそれは無駄だ。俺はチェーンバインドをお前から学んだ。なら当然、この術の解き方も知っている。
パキィン!!
「そんな!?一瞬で僕のバインドが!?」
「甘い。」
俺の眼が朱く輝く。
「影忍流暗殺術・・・桜花乱舞。」
「さ、サークルプロテクション!」
ユーノを球場のバリアが包む。しかし、
ガキキキキキキキキキキキキィン!!!
「うわっ!?ぐぅぅ!!」
ユーノの周りを高速で移動しながら無数の斬撃を繰り出す。
ビシビシッ・・・パリィィン!!
そしてバリアは耐えきれずに割れた。その瞬間に魔法陣で足場を作り、縮地で肉迫してユーノ脇腹を蹴り飛ばし、そのままビルに突っ込んだ。
「うあああああ!!」
ドオオオォォン!
「ユーノ!!っく、バルディッシュ!!」
[了解!デバイスフォーム!]
ほぅ、接近戦では勝てないと解ったと思いきや、デバイスを変形させて砲撃戦に持ち込む気か。なら、こちらも相応のそれ相手をしてやろう。
「アレを試すぞ。」
[了解、ライフルモード!]
ルナは双剣からライフル銃に姿を変えた。形はバレット82A1-IN対物狙撃銃を一回り大きくして砲身を少し長くした感じだ。ちなみに重量は20kgだ。普通の人間では構えることはできない。ちゃっかり12.7mm実弾も使えたりするチート銃だ。
「っえ!?」
フェイトは俺が近接戦闘だけだと思ったんだろう。かなり動揺している。
「・・・カートリッジロード。」
[了解、カートリッジロード。]
正直、フェイトに・・・自分の友達に攻撃を加えるのは心苦しい。だけど!こっちははやての命が係っているんだ!
「っく、サンダー・・・」
「ブラスティ・・・」
「「スマッシャー!!(ハウリング!!)」」
悲鳴とも叫び声ともとれる音を出す漆黒の砲撃がフェイトのサンダースマッシャーとぶつかり合う。
「・・・叫べ。」
■■■■■■■■■■■■ーーーーーッ!!!
「うぐっ・・・・きゃああああああ!!」
砲撃絶から発する絶望や怨嗟のような絶叫がフェイトを襲って集中力を奪い、魔法を維持できなくする。そして漆黒の砲撃はフェイトに襲いかかる。
これは効果はかなり高いが、カートリッジを3つも消費する。
「フェイトちゃん!!・・・どうして?どうしてこんな事するの!?」
なのはが俺を睨む。
「お前を襲った事に関しては謝罪をした。まぁ、いずれはちゃんとお詫びしようと思っているし、こちらは元より争うつもりもなかったしな。だが、連行となれば話は別だ。その子の話でから推測するに、お前達は管理局だろう?管理局という組織は信用できない。」
「そ、そんなこと・・・。」
「どちらにしろ管理局に関わりたくはない。・・・そういうことだ、管理局。」
「え?」
俺は上空に隠れていたサ−チャーに向かって告げた。
「・・・気付いてたのね。」
俺の目の前に空間モニターに映ったリンディ・ハラオウン提督がいた。
「お前たちとの話し合いの余地はない。ただ・・・そちらが手を出さないなら、こちらも手を出さない。」
「ま、待って!!」
なのはが呼び止めようとするが無視する。そして俺は闇を纏って、姿を消した。この闇は視覚情報を阻害する魔法だ。そして魔力反応を消すアクセサリーも身につけているため、追跡されることは無い。
はやての家に着くと、玄関にシグナムたちが待っていた。
「零冶!無事だったか!」
「もう!本当に心配したわよ!」
「・・・。」
シグナムとシャマルが俺に駆け寄る。ヴィータは落ち込んでいるようだ。
「心配ないよ二人とも。それよりも・・・・・ヴィータ。」
ヴィータはビクッと体を震わせる。そして俺は手を上げる。ヴィータは目を瞑り、じっと来るだろう痛みに耐えようとする・・・が、
コンッ
「・・・・え?」
俺はヴィータに軽い拳骨をしただけだった。
「まったく、無茶しやがって・・・。」
俺はヴィータの頭を撫でてポンポンッと軽く叩く。
「れ、零冶・・・・何で?・・・怒ってないのか?」
怒れるわけがないだろ?
「お前がはやての為に必死に蒐集しようとしたのは解っている。そんな頑張ってるお前を怒れる訳ないだろ?それに・・・ほらよ。」
「あ・・・これ・・・。」
俺はヴィータが落とした帽子を渡した。ついでに修復しておいた。
「もう落とすなよ?折角はやてに貰ったんだからな?」
「うん・・・うん!・・・すまねぇ、零冶!あたしは・・・零冶との約束を破って・・・・!」
ヴィータが涙を流す。
「もういいよ。結果的に相手を蒐集しなかったんだから。今はそれで十分さ。」
「うぅ・・・・・ぅぁ・・・うああああああ!!」
ヴィータが俺に抱きついて泣いた。俺はヴィータが泣き止むまで、優しく頭を撫でた.
「・・・うう、みっともねぇとこ見せちまった///」
「まぁ、気にするな。」
周りを見るとシグナムたちは居なかった。多分ヴィータに気を利かせたのだろう。
「ヴィータ、ルナが皆に大切な話があるそうだから中に入ろう。」
「うん・・・。」
俺とヴィータは家に入った。これから残酷な事実をルナから伝えられるとは知らずに・・・。
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第七話 望まない対峙 | ||
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