英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 外伝〜覇道と王道が交わる時〜 |
〜工匠都市ユイドラ・近郊〜
「ふえ〜……以前見せた強さ以上に強くなっているんじゃない?」
一方エミリッタはロカの活躍を見て、感心していた。
「ああ。だが、劣勢なのは変わらない!気を引き締めて行け!」
「ラジャであります!」
ユエラの警告に頷いたエミリッタが戦闘を再開しようとしたその時
「ハァッ!」
「ハァァァァ………!ラファガブリザード!!」
「超・ねこ、パ〜ンチ!!」
「うふふ、死んじゃえっ!」
「光よ、集え!……光霞!!」
プリネとツーヤ、そしてペルルにレン、イリーナが戦場に乱入し、ユエラ達が相手にしているゴブリンやオーク達を次々と葬っていった!
「!何者だ!」
プリネ達の登場に驚いたユエラは警戒した表情で尋ねた。
「私達は貴女達の味方です!今から私達も貴女達を援護します!」
「味方……?」
「今はそんな事を気にしている時じゃないでしょ!とにかく味方が増えたんだから、ラッキーじゃない!」
味方の登場に首を傾げているユエラにエミリッタは言った。
「よ〜し!ボク達闇夜の眷属と仲良く暮らしている人達のために、がんばるぞ〜!」
「うふふ………こんなにお客様が一杯いたら、誰からもてなそうか迷っちゃうわ♪」
ペルルは意気込み、レンは凶悪な笑顔を浮かべて大鎌を構え、どのようにして、敵を倒して行くか考えていた。
「……さっきも確認しましたが、イリーナさん。本当に貴女も戦うんですか?」
一方プリネは心配そうな表情でイリーナを見て尋ねた。
「はい!ツーヤちゃんみたいに戦えませんが、プリネ様をお守りするために私も戦わせて下さい!ペテレーネ様の教えのお陰で、少しですがさっきのように魔術は使えますので、援護させて下さい!」
「………わかりました。でも、決して無理はしないで下さいね?それと絶対に私達から離れないで下さい。」
戦場で押し問答をする訳にはいかなったプリネはイリーナの決意を聞き、忠告した。
「はい!」
プリネの忠告にイリーナは力強く頷いた。
「ツーヤ、貴女もよ。以前みたいな無理をしたら、さすがの私も怒るからね?」
「はい!」
プリネの忠告にイリーナと同じようにツーヤも力強く頷いた。
「……では、これよりユイドラの方達を援護します!」
「うん!」
「「はい!」」
「は〜い♪」
プリネの号令にペルル達はそれぞれ頷いた。そしてプリネ達はユエラ達と協力して、敵を次々と葬って行った!
「神速!鳳凰剣舞!!」
「フェヒテンイング!!」
ユエラとプリネの剣技は次々と敵を斬り伏せ
「行っくよ〜!それぇっ!!」
「ヤァァァァッ!」
ペルルがクラフト――恐怖のごろごろで敵にダメージを与えた所をツーヤがクラフト――円舞で止めを刺し
「いでよ、翼輝の陣!……ケルト=ルーン!!」
「闇よ、我が仇名す者達に絶望を!……黒の闇界!!」
エミリッタの魔術とレンの魔術は多くの敵を葬り
「行きなさい!……光弾!!」
イリーナの魔術はユイドラ兵達によって傷つき、まだ生きている敵に止めをさしていった。そしてユエラ達の活躍に勇気づけられたユイドラ兵達も雄叫びをあげながら、敵を倒していった!
一方正面でユイドラ兵達と共に下級悪魔達を相手にしているシャルティやラグスムエナ達が援護しているの所に2人の戦士達が乱入した!
「激しいの、行くわよ♪……白露の桜吹雪!!」
「塵と化せ!ハァァァァ………!暗礁回転剣武!!」
戦場に乱入した2人の戦士――カーリアンとファーミシルスが放ったSクラフトは大量の下級悪魔達を消滅させた!
「へっ!?あなた達、私とラグスムエナと同じ闇夜の眷属のようだけど……誰?」
「私達の敵……倒した………味方か……?」
2人の乱入に驚いたシャルティやラグスムエナは2人に尋ねた。
「フフ……戦場に言葉はいらないわよ!」
「全く、貴女と来たら……必要な事ぐらいは説明しなさい!……私達は味方よ!我が主の命により、私達も参戦させてもらうわ!」
カーリアンの言葉に呆れたファーミシルスはシャルティ達に自分達が味方である事を言った。
「何がなんだかわかんないけど、楽になるならいっか〜!」
「協力して……敵を倒す……!」
そしてシャルティ達はファーミシルス達と協力して、戦闘を始めた!
「死ね!断命の大鎌!!」
「連接剣のお味はどう?」
ラグスムエナの大鎌は一撃で敵を葬って行き、ファーミシルスが放った連接剣の刃を素早く2回伸ばして攻撃するクラフト――連接剣双伸張で敵の後ろにいた敵も巻き添えにしてどんどん葬っていき
「フフ……そ〜れ♪」
「あら。じゃあ、私も続こうかしら♪魔術発動♪」
シャルティが放った睡魔独特の魔術――淫魔の接吻は敵にダメージを与えると同時に混乱させ、それに続くようにカーリアンも魔術――淫魔の魅惑を放って混乱させた。
「行っけ〜!凝縮闇弾!!」
「どーりゃ〜!冥府斬り!!」
そして同士討ちを始めた敵達にシャルティやカーリアンはそれぞれ攻撃して敵を葬っていった!シャルティ達の活躍に勇気づけられたユイドラ兵達も雄叫びをあげながら、敵を倒していった!
「彼女達は一体………」
次々と現れ、自分達の味方をしているカーリアン達を驚きの表情でウィルは見ていた。
「フフ……セラウィ、お前の夫はとんでもない人物まで引きよせたようだぞ?」
驚いているウィルをフォーチュラは微笑みながらセラウィに言った。
「え?一体何の事ですか……?」
フォーチュラの言葉にセラウィが首を傾げていたその時
「………罪人を処断せし聖なる光よ!我が仇名す者達に裁きの鉄槌を!贖罪の光霞!!」
「闇に沈んじゃえ♪ティルワンの闇界!!」
「猛りの大地よ……我が魔力に答えよ!ベーセ=ファセト!!」
「マーリオン、来い!」
「了解しました………!荒ぶる水よ………溺水!!」
「燃え尽きろ!フレインバル!!」
リフィア、エヴリーヌ、ペテレーネ、そしてリウイに召喚されたマーリオンの魔術、リウイの魔法剣技がウィル達が相手をしている敵を大幅に減らした!
「久しいな、ウィルよ!」
「やっほ。」
「リ、リフィア!?それにエヴリーヌも……!」
自分に近付いて来た謎の味方の内、見覚えのある人物達を見たウィルは驚いて声をあげた。
「お前にまた頼む事があり、ついでに遅くなったがお前達の結婚や子供の誕生も祝っておきたくてな。余達もユイドラに来たのだ!」
「え!?その為だけにメンフィルからはるばる来たのかい!?」
リフィアの説明を聞いたウィルは驚いた。
「ウィル、セラウィ。結婚、おめでとう。」
「あ、ありがとうございます。リフィア、エヴリーヌ。」
戦場には場違いなエヴリーヌの祝いの言葉をセラウィは戸惑いながら受け取った。
「前から聞きたかったんだけど……リフィア。一体君は何者なんだい?以前、贈られて来た棒と双剣の報酬も凄い金額だったし……武器の送り先を見て、遠い北の国、メンフィルの出身者って事は予想していたけど……」
「フフ……それはすぐにわかる。リウイ、この者がウィルフレド・ディオンだ!」
ウィルに正体を尋ねられたリフィアは胸を張って、リウイにウィルを紹介した。
「……お前が全ての種族と共存する事を礎とする人間、”匠王”ウィルフレド・ディオンか……個人的にお前とは会いたかったぞ。」
「あなたは……?」
口元に笑みを浮かべているリウイにウィルは正体を尋ねた。
「我が名はリウイ・マーシルン。……リフィアの祖父だ。」
「あ、あなたがリフィアのお祖父ちゃん!?」
「それでこの者が以前言っていた、余の祖父の従者だ。……ペテレーネ。」
「はい。」
リウイがリフィアの祖父と知り、驚いているウィルにリフィアはペテレーネを促した。
「初めまして、私はペテレーネ・セラと申します。お嬢様達がお世話になったようで、遅くなりましたがお礼を言わせて下さい。……ありがとうございました。」
「い、いえ……俺達もリフィア達のお陰で助かった事もありますし、お互い様です。」
ペテレーネにお礼を言われたウィルは恐縮しながら答えた。
「え!?あ、あなたがあの”闇王”なのですか!?」
一方リウイ達の名前を知ったセラウィは驚いてリウイ達を見ていた。
「……どこかで聞いた事がある名前だけど……セラウィ、知っているのかい?」
リウイ達の名前に頭の片隅で引っ掛かっていたウィルはリウイ達を知っていそうなセラウィに尋ねた。
「え、ええ……」
セラウィは驚きの表情でリウイを見ながら言うのを戸惑った。
「?もったいぶらず、教えてくれないかな?」
セラウィの態度に首を傾げたウィルはセラウィに尋ねた。
「……ここは戦場だ。細かい詮索は後にして、戦闘に集中しろ。」
「!そうですね。……なんとお呼びすればいいですか?」
リウイの指摘に今の状況を思い出したウィルはリウイがさらけ出す雰囲気からかなりの身分の者と感じ、自然と敬語で尋ねた。
「……リウイでいい。それと口調もいつも通りで構わん。」
「わかった。……これでいいかい?リウイ。」
リウイに言われたウィルはすぐに口調をいつもの口調に直して尋ねた。
「ああ。……ここからは俺達も参戦させてもらう。………みな、行くぞ!」
「はい!」
「了解しました……!」
「うむ!」
「キャハッ♪久しぶりに一杯遊んじゃうよ〜♪」
リウイの号令にペテレーネ、マーリオン、リフィアは力強く頷き、エヴリーヌは凶悪な笑顔を浮かべて頷いた。
「よし!リウイ達と協力して、敵を追い返すぞ!」
「わかりました!」
「ああ!」
「ええ!」
ウィルの号令にセラウィ、フォーチュラ、フィニリィは力強く頷き、またウィルの周りで戦っていたユイドラ兵達も心強い援軍の登場や自分達が慕う領主の号令に雄叫びを上げた。そしてリウイ達とウィル達は協力して、大量の魔物の軍団と戦い始めた!
覇道を持って人間と闇夜の眷属、さまざまな種族との共存を目指す”闇王”とその仲間達。王道を持って全ての種族との共存を目指す”匠王”とその仲間達。手段や考えは違えど、同じ志を持つ彼らの共闘が今ここに始まった……!
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