魔法少女リリカルと恋姫な物語 〜少年の数奇な運命〜 第31話 また会う日まで |
次の日の朝、いち早く僕の家に到着したのはフェイト達だった。
「おはよう神那」
「おはようフェイト。プレシアさんにアルフもおはようございます」
「ええ。おはよう」
「おはようさん」
「いらっしゃい三人とも。朝ご飯はもう食べた?」
「いえ、まだよ。しばらくこちらに来ることは出来ないから、今日は雪乃たちと一緒に食べようと思っていたのよ」
「それはちょうどよかったわ。こちらに着いた時、朝ご飯を食べてない人がいたら困ると思って、ちょっと多めに作っておいたのよ」
「それはちょうどよかったわね。それじゃ雪乃、手を洗わせてもらうわね」
「ええ、どうぞ♪」
そう言って三人は洗面台のほうへ向かっていった。その間に母さんは作っておいた朝食を並べていたので、僕もそれを手伝った。というか、朝ご飯を食べてない人がいたら困ると思って、と母さんは言ってたけど、どんだけ深読みしてるんだろう・・・。
「そういえば今日は柳はいないのね」
「それがね、朝早く会社から連絡があって、急遽会議を開かなきゃいけなくなったって言って、すぐに家を出たわ」
「そう、タイミングが悪かったわね」
「まあ仕方がないわ。三人によろしく伝えておいてくれって言ってたわ」
「わかったわ」
「それじゃ、みんな席についてご飯を食べましょう」
そうしてみんなが席に着き、"いただきます"と言って朝ご飯を食べ始めた。
「それにしても、こうしてフェイト達と一緒にご飯を食べられるのも、あなたたちのおかげね。二人とも、ありがとう」
「そんな!僕はただ、フェイトと友達になっただけでそれ以外は特別何かしたわけじゃ・・・」
「それがきっかけで、私達親子は一緒にいられるようになったのよ。こちらの都合で攻撃を仕掛けたのに、あなたは憎むどころかフェイトに歩み寄り、友達になろうって言ってくれた。それがなければ、私達はこうして一緒にご飯を食べる事もなかったのかもしれないのよ?」
「そうね。神那がフェイトちゃんとアルフさんに出会わなければ、私はプレシアさんを助けることが出来なかった。あなたの行動は一人の命を救ったのよ?それは誇りに思っていいことだわ」
そう言われると返答に困る・・・。普段ほめられることがあまりないから、ちょっと恥ずかしいや。
「おや、柄にもなく照れてんのかい?」
「・・そうだよ・・・普段ほめられることが少ないからね。慣れてないんだよ・・・」
「あらあら♪」
アルフにからかわれながらみんなと話していると、ピンポーンと家のチャイムが鳴った。
「あら、誰か来たわね。とは言っても誰かは分かっているんだけど♪」
"おじゃましまーす"の声と共に、なのはちゃん、ユーノ君、裕樹の三人が入ってきた。
「おっと、朝ご飯食べてたのか。タイミング悪かったな」
「気にしないでいいよ。ちょうど気がまぎれるし」
「?まあお前がそういうなら気にしないが・・・」
「フェイトちゃん、おはようなの」
「おはよう、なのは。昨日はよく眠れた?」
「うん!なんかすごくすっきりしてるの!」
「そ、そう・・・」
なのはちゃん、それはフェイトに勝ってすっきりしてるってことなのかな?フェイトも微妙な顔してるし、そう聞こえたんだろう。
「なのは、その言い方だとちょっと・・・」
「?」
「悪気がないと言うか、そういうつもりで言ったわけじゃなさそうだね・・・」
「無邪気ゆえの言葉か・・・。ユーノ、これからも苦労しそうだな・・・」
「それは言わないで裕樹・・・」
ユーノ君、頑張れ・・・。みんなでおしゃべりしながらも朝食を食べ終え、時間も結構ギリギリになっていた。
「フェイト、名残惜しいけどそろそろ指定された場所に行かないと・・・」
「そうだね母さん」
「それじゃ、私たちも行きましょうか。ちゃんとお見送りしてあげないとね♪」
そう言って僕らはフェイト達を見送るため、指定された場所に向かった。
―――海沿いの橋の上―――
「みんな、こちらだ」
「あ、クロノ君。フェイト達のお出迎え?」
「そうだ。まだ少し時間がある。それまで僕はそこのベンチにいるから」
「ありがと」
クロノ君が迎えにきていたが、まだ少し時間があるとのこと。それじゃ挨拶をしとくかな。
「あたしたちも向こうにいるよ。4人で挨拶くらいはしときなよ」
「ありがとアルフ」
「・・・なんか俺がいていいのか自信ないんだが・・・」
「いいんだよ。裕樹くんも手伝ってくれたんだし」
「そうか。それなら遠慮なくいさせてもらうか」
「・・・なんか、改まって挨拶となると何言っていいかわからないね」
「にゃはは、そうだね。でも、ほんとはもっと一緒にいたい。でも今日でお別れってわけじゃないんだよね?」
「うん・・・必ず会いに戻ってくるから。なのはに神那、裕樹にも」
「必ずだよ?」
「俺にもか。ありがたいねぇ」
裕樹は自分にも会いにきてくれると言ってくれたことに驚いていたが、すぐいつもの感じに戻った。
「裕樹、あまり鼻の下伸ばしてるとアリサに言いつけるよ?」
「それはマジで勘弁してくれ!」
「アリサ?ええ・・と」
「この間の温泉で会った、フェイトと同じ金髪の子だよ僕らの友達で、裕樹の未来の恋人」
「・・あぁ!アルフを保護してくれてた子!うぅ・・・アルフの恩人を忘れるなんて・・・」
「一度だけしか会ってないからそういうこともあるだろ。しかし、改まってそう紹介されると恥ずかしいな・・・」
「アリサ・・アリサ・・アリサ・・よし、覚えた・・・!フォロ−ありがと裕樹。それにしても、恋人か・・・」
裕樹がフォローしてくれたおかげで、あまり落ち込まなくてすみそうだ。、フェイトもアリサの名前を何度もつぶやいていたからもう忘れる事はなさそうだね。しかしフェイト、なぜ恋人という単語に興味を持ったんだ?なにか気になるのことでもあるのかな?
「ねえ、神那はそういう人はいないの?」
「うぇ!?いきなりだね・・・。一応答えるけど、今のところいないというか、そういうのを考えたことはないかな?」
「そっか・・・よし!」
フェイトはどうしてここで気合を入れるんだろう?少し顔も赤いようだけど・・・。
「神那、ちょっとこっちに来てくれる?」
「いいけどなに?」
「いいから来て」
なんだろう、すごく必死になってるんだけど・・・。
「ここでいい?」
「うん。・・・えい!」
『あ!』
・・・今フェイトは僕に何をした?ほっぺたにやわらかいものが当たった感触があったんだけど・・・。
「・・・え?」
「・・・ご、ごめんね神那。んとね、最初はほんと友達って感じだったんだ。でもね、手伝ってもらってるうちに、友達じゃなくて異性として意識するようになってたんだ・・・」
「フェ、フェイトちゃん。それって・・・」
「うん、私は神那が好き。あ、でも返事は今すぐじゃなくていい!急に言われて神那も混乱してるだろうから・・・」
混乱どころかさっき一瞬だけ思考停止していたよ!え、僕フェイトに告白された?いつフラグ立てたよ・・・。
「えと・・うん。よく考えて答えを出すよ。だからそんな不安そうな顔をしないで」
「ありがとう神那」
「・・・いいのか高町。このままだとまずいぞ?」
「それは分かってるの。というかいつから私の気持ち知ってたの?」
「最近のお前の態度を見てたらなんとなく」
「うう、うかつだったの・・・」
なにやら後ろで喋ってるけど、今の僕はフェイトの告白でそれどころじゃなかった。これは真剣に考えないとね。自分の気持ちをちゃんと考えて答えないとフェイトに失礼だからね。
―――雪乃side―――
「あらあら、神那はモテモテね♪フェイトちゃんとなのはちゃんから好かれちゃって」
「正直そういうところはちらほら見えてたけど、ここまで大胆なことをするとは思わなかったわ。成長したわねフェイト・・・」
「あら、なのはちゃんは手ごわいわよ?」
「それはわかっているわ。でも選ぶのは神那君よ?」
「それはそうだけど、一緒にいた時間は全然違うわよ」
「恋は時間じゃないわよ?」
「それもそうね。それじゃこれは本人達次第ということね」
「そういうことよ」
神那も罪作りになったわねぇ。でもそれくらいじゃないと、男の価値は上がらないわよ?
「そろそろ時間じゃなくて?」
「・・・もういいのか?」
「ええ。それじゃ雪乃、アリシアをよろしくね?」
「わかっているわ。プレシアさんもあまり無理をしない程度に頑張ってね?」
「もちろんよ。ちゃんと病気を治して、死ぬときは老衰で死ぬつもりよ」
「それが聞けたなら安心よ」
side out
「フェイト!」
「・・・もう時間?」
「ええ。みんなも今までありがとう。これからもフェイトとお友達でいてあげてね?」
『もちろん!』
楽しい持間というのはあっという間だ。そして待つ時間というのはとても長く感じるもの。でもどれだけ離れていても、僕らのつながりが消えるわけじゃない。だからさよならは言わない。それはフェイトもわかっているようだった。
「それじゃみんな、さよならは言わない。また会えるから・・・いってきます!」
『いってらっしゃい!』
説明 | ||
こんばんは〜^^にじファンではここで最終話となっていましたが、こちらではまだまだ続きますよ〜!遅筆ながらも更新はしていきますb | ||
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コメント | ||
しまった・・・orzさっき読み返してたら温泉で会ってたんだ・・・本日中に書き直しておきます><(レア) あれ?フェイトはアリサに会った事無かったっけ?(カイ) |
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