デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士 |
この作品は、作者の考えたクロスオーバー小説です。本編とは一切関係ないので、本来ならクロスハート軍に加入していないデジモンが仲間になっている事があります。
デジタルワールド、それは不思議な生き物「デジモン」が住む世界。
人間のネットワーク技術では確認できないところに存在し、あらゆる事物がデータで構成されている。
長いあいだ平和だったこの世界に、ある日大いなる危機が訪れた。
皇帝バグラモン率いる「バグラ軍」が突如デジタルワールドに現れ、デジタルワールドをも破壊せんとする勢いでデジタルワールドを平定した。これにより、デジタルワールドは恐怖と絶望が支配すると思われた。
しかしある日、転機が訪れた。人間界から六人の子供がやってきて、その内の五人の子供がデジタルワールドの各地を侵攻するバグラ軍を蹴散らし。その後二人戦線から離れるも、三人の子供が七人の悪のデスジェネラル、悪に染まったもう一人の子供とバグラモンを討ち破り、彼らはデジタルワールドを救った。
これが、後に「伝説のジェネラル」として後世にまで語り継がれる「工藤タイキ」「蒼沼キリハ」「天野ネネ」の武勇伝である。
「貴方の……力が…必要…です…」
「!!?」
「どうしたタイキ?」
何か驚くべき事実を知ったような顔をしている「工藤タイキ」を見て、「蒼沼キリハ」が声をかけた。彼らは今、バグラ軍によって荒らされたデジタルワールドの復興を手伝っている。
「あ、いや、なんでもない。」
タイキはこう答えて、クロスハート軍のデジモン達が作業を行っている場所へ向かっていった。
「あまり無理はするなよ。」
キリハはとりあえずタイキにこう言うと、自分のブルーフレア軍が作業している現場を見た。
彼の軍団のデジモンは真面目に作業を……………していないやつもいた。
「ボムモン」や「ガオスモン」「ゴーレモン」「サイバードラモン」は黙々と働いていたが、「グレイモン」「メイルバードラモン」は空を見上げていた。
「どうしたグレイモン?メイルバードラモン?」
とりあえずキリハは、彼らに働いていない理由をきいた。万が一バグラ軍の残党か何かが攻めてくる事が分かったというのであれば、無関係なデジモンと非戦闘員を安全な場所まで逃がす必要があるからだ。
「違う。」
「俺たちに助けを求めているやつがいるようだ。」
彼らはキリハにこう答えた。
「何故その事が分かるんだ?」
キリハがたずねると、
「声が聞こえた。」
グレイモンが答えた。しかし、キリハ本人はそんな声を聞いていない。
「お前達、まさかタイキと同じ事は言わないだろうな?」
「ほっとけない、って?」
タイキのチームメイト「天野ネネ」がキリハに声をかけた。傍には「スパロウモン」「モニタモン」が侍っている。
「ところで、タイキ君がどこにいるか知らない?」
と、ネネはキリハにたずねた。
「タイキならあの辺りで作業してるはずだが、何かあったのか。」
「私は聞いてないんだけど、この子達が自分達に助けを求める声を聞いたって言うから。だからタイキ君と相談しようと。」
キリハの問いに、ネネはこう答えた。
キリハも、自分のグレイモン達も同じような声を聞いたと言っていたことをネネに伝え、タイキと合流する事にした。
「世界を…救って……」
タイキの頭に、消え入りそうなかすかな声が響いた。
「おいタイキ!どうしたんだよ!!」
間の抜けたような顔をしていたタイキに、「シャウトモン」が声をかけた。
「声が、聞こえたんだ。」
タイキはシャウトモンに説明した。
「お前やナイトモン、スパーダモンと出会った時と同じように今にも消え入りそうなやつが助けを求めてきたんだ。でも今回はメロディじゃなくて声が響いたんだ。」
「どういう事だ?ここはモニタモン達が隅々まで捜索してんだ、助けを求めるやつがいるならその時点で分かってるはずだし。そもそもメロディじゃなくて声なんて……」
シャウトモンも考え込み始めた。そこへ、先ほど合流したキリハとネネの二人と、件のデジモン達がやってきた。
キリハから、自分のグレイモン達とネネのスパロウモン達がタイキと同じように助けを求める声を聞いた、と報告を受けたタイキは、
「俺だけならともかく、他にもあの声を聞いたやつがいるとなると、ただ事じゃないのかもしれない。」
と、考えた。
「って事は、やっぱりあれか!?」
隣にいたシャウトモンは、タイキが何を言いたいのか理解したようで、勢い込んでいる。
「ああ、ほっとけない。」
工藤タイキの代名詞とも言える一言がタイキの口から飛び出した。
「受けてくださるのですね。」
その時、ネネを除くクロスハートメンバー、グレイモンとメイルバードラモンの頭の中に声が響いた。今度は消え入るような微かな声ではなく、はっきりした声だった。
「ああ、誰が相手でも助けを求めるならほっとけない。」
タイキは頭の中で声の主に語りかけた。
「ではこちらのゲートを通ってきてください。但し、私の声を聞いていない方はこちらに来ることはできません。」
この一言が響いた後、誰の頭にも声は響かなかった。代わりに、白い光を発する光球が現れた。
「キリハ、ネネ。どうやら今回行けるのは俺達とスパロウモンとモニタモン達、グレイモンとメイルバードラモンだけみたいなんだ。二人には悪いけど……」
タイキは、申し訳なさそうに二人に言った。自分一人、二人の主戦力デジモンを連れて違う場所に行くのだ。二人にとってはあまりいい事ではないだろうと思ったのだ。しかし、
「まあ、まだ倒すべき敵がいるのなら話は別だが、今ここでやるべきなのは一日も早い復興だ。俺達でも十分にできる。」
「でも、あなた達の言う声の助けに応じられるのはあなた達だけ。だから助けてきてあげて。」
二人はこう言って、自分達のデジモンを託してきた。
タイキは二人の心遣いに感謝して、デジモン達を自分の赤い「クロスローダー」に入れると。
「それじゃあ、行ってくる。」
と二人に言って、白い光球の中に飛び込んでいった。
次回予告
謎の声に導かれ異世界にやってきた工藤タイキ。
彼はそこで一人の魔道士と出会い、こんな話を持ちかけられる。
「よかったらうちで働かない。」
次回、デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士
第一話「タイキ異世界に着く」
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