魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第14話 「相手!機動六課より」 |
「・・・はぁ」
こちらの世界に来てから何回目のため息だろう
俺は食堂の机に突っ伏し、今日あったことを振り返った
いきなりの初出動に、初めての実戦
局員でも無いのに引きずり出され、局員でも無いのに戦っ た
あの時は大丈夫だったけど今考えてみると、とんでもない ことをしてしまった
下手をすると俺は・・・
「・・・!く・・・」
ダメだ、考えたら余計怖くなるだけだ
まぁ高町さんもやり過ぎたって謝ってくれたし、俺が居な かったら、あえて言葉にはしないけどもしかしたらあの二 人は・・・ってことだし
それにあいつは・・・
『ソウ、アナタガ・・・』
貴方が・・・一体何なのだろう
ーーーーーーーーーー
「・・・ダンテ君」
今回のアラートで、本人の意思ではなかったがダンテ君に も出動してもらい、実戦での実力を見させてもらった
その結果は・・・言うまでもない
彼は戦場を縦横無尽に駆け回り、慣れない相手とのコンビ ネーションで、経験ある局員でも手こずるガジェットをい とも簡単に倒してもうた
しかも・・・一瞬のうちにや
映像をスローで流しても捉えられない程に動きまわっとっ た
速さで言えばフェイトちゃんと同じ・・・いや、それ以上 かもしれへん
周りにいた局員も、その事実に開いた口が塞がらんかった
「はやてちゃん・・・」
「わかっとるでリィン、わかっとる・・・」
ここまで動けば、本部に目をつけられる
使っている武器が、質量兵器の類いということもあるだろ う
下手をすれば拘束され、実験され、利用され、最後には、 この世界には悪い存在として捨てられるかもしれない
「させへん・・・そんなことさせへん!」
ダンテ君は被害者や、何も悪いことしてないやないか!
「あんな自分の利益しか考えてない連中に、ダンテ君を渡 してたまるか!」
「はやてちゃん・・・もちろんです!」
リィンも頷く、あのダンテ君の戦闘映像も元から完全に消 去した
これでダンテ君のことが広まる確率は少なくなる
問題は・・・ダンテ君をどうやって守るかや
ダンテ君は戦うのが恐いと言っていた
私も、戦うのが恐いと言っている民間人を無理やり引き込 むというほど鬼やない
でも、機動六課に入れてしまえば引き抜かれることはない
方法は・・・無いわけやない
ーーーーーーーーーー
「・・・・ん」
「ん?」
「・・・くん」
誰かが・・・呼んでいるような気がする
「・・・テくん」
聞いたことがある声・・・しかもつい最近
「ダンテ君!」
「・・・うん?」
テーブルから顔を上げ、目のぼやけが治ると、目の前には 高町さんやフェイトさん、スバルさんたちといったいつも のメンバーが集まっていた
「あれ・・・夜、あれ?」
「疲れてたんだな、ずっと食堂で寝てたぞ」
そう言いながら隣の席に座るヴィータさん
いつの間にか寝てしまったようだ
窓の外を見てみると周りはもう既に真っ暗
街灯が街を綺麗に照らしていた
「っと帰んなきゃ、シャムが」
「シャムなら今研究室に籠ってるよ?」
「はい?」
俺の隣の席に座りながら言うフェイトさん
見てみると晩御飯どきだったらしく、それぞれの席にみん な座り、目の前には晩御飯があった
「さっきダンテのことを話そうと研究室覗いてみたら、凄 い勢いで何か作ってたけど・・・」
シャムが家に帰るのを忘れるほど研究に没頭するなんて・ ・・
というか、家の鍵シャムが持ってるから帰れないや
合鍵まで間違って持って来ちゃったし
「あ、なんやダンテ君の隣取られてもうたわ」
「はやてちゃん」
「残念だったねはやて、今日は私」
自分の分を持ってきた八神さんは残念そうな顔をして高町 さんの隣に座った
他にも若干残念そうな顔をしている方が三名程いるので今 度はそっちに行くか
「で、何の話やったんや?」
「はい、シャムが家に帰れないのでどうしようかと・・・ 研究に夢中みたいで」
八神さんは腕を組み何かを考え始めた
それよりどうしよう
シャムが居なきゃ家に帰れないし・・・
公園に野宿でもしようかな
でも近くに公園なんてあったっけ?
「うーん、なら」
八神さんは何か思いついたらしく、口を開いた
「今日は機動六課に泊まっていくか?」
「そうだよ!泊まっていきなよ!」
八神さんの後に高町さんが言う
「ですが・・・迷惑なのでは?」
「そんなことあらへんよ、第一私たちも住んでるんやし、 他にも沢山の人が居るんやから今更一人増えたくらい何と もないで?」「で、でも部屋とか・・・」
「そ、それなら僕たちの部屋が空いてます!」
エリオ君が嬉しさをこらえきれないのか笑顔でそう言う
ん?僕「たち」?
あ、キャロちゃんか
隣で嬉しそうな顔してる
「だそうや。どうするダンテ君?」
「うーん・・・」
迷惑かけちゃまずいし・・・
どうしようかな・・・
「私たちの部屋もありますよ!」
「こら!スバル!」
手を上げながら言うスバルさん
隣で、顔を真っ赤にしているティアナさんがスバルさんに 手を伸ばして止めようとしている
「私たちの部屋ってのもあるよ?ねーフェイトちゃん」
「な、なのは・・・!いくら何でもそれは・・・はう」
隣でフェイトさんが顔を真っ赤にしてチラチラ俺を見てい る
「三択やな、どうするダンテくん?野宿する訳にもいかん やろー?」
八神さんがニヤニヤしながら俺に問い掛けてくる
やっぱり噂の狸、謀ったな・・・
それならもうとっくに答えは決まっていた
「エリオ君キャロちゃん!よろしくお願い!」
「「やったー!」」
小さくハイタッチして喜んでいる二人
高町さんたちやスバルさんたちの部屋に行ったら緊張して 眠れなくなってしまう
最近やっとシャムの家にも慣れてきたのに
「そ、それならこの後模擬戦を!」
「今日は疲れてるのでさすがに勘弁してください・・・」
誰が言ったのかは言わなくてもわかる・・・のかな
ーーーーーーーーーー
「さあ早く!こっちです!」
「ダンテさーん!」
「はいはーい」
エリオ君が先に行ってキャロちゃんが俺の名前を呼んでい る
二人とも早く部屋に来てほしいようだ
「本当にエリオとキャロになつかれちゃったみたいだね」
「・・・そんなもんなんでしょうかね」
「たぶん、二人にとってダンテ君はお兄さんみたいな存在 なんだと思うよ」
隣には高町さんが歩いていた
残りのメンバーはいろいろな話をしながら後ろを歩いてい る
「じゃあ高町さんもお姉さんですね」
「だーかーら、なのはって呼んでって言ってるのに」
「うーん、どうしましょう・・・」
「も?、仲良くしようよ?」
両手で俺の左腕を掴んで揺らしながら高町さんは言う
「ふーんだ、勝手に出動させる人なんか知りませーん」
「それは本っ当に悪かったと思ってるよ?」
どうやら、名前で呼ばないとやめてくれないようだ
機動六課・・・本当にこれでいいのだろうか?
「わかりましたよ・・・なのはさん」
「やったあ!やっと名前で呼んでくれた!」
すると今度は俺の左腕を引き寄せ腕を組んできたではない か!
何処とは言わないけどあれが・・・!
「見事なイチャラブっぷりやなぁ」
「ダンテも男というわけか・・・」
「いいなー、なのはさん」
「スバル!?」
後ろにあらぬ噂をしている方々が居た
これじゃあ変な噂が六課に流れてしまう
いろんな人からの殺気が恐い
「・・・?」
高・・・なのはさんに気を取られていて気づかなかったが 、気がつくと右手にも感触があった
右手を見てみるとそこには、顔を真っ赤にして俺の右手を 握っているヴィータさんがいた
「ヴィ・・・ヴィータさん?」
「な、なんだ?」
「・・・なぜ?」
「わ、私はただ・・・!たまには誰かと手を繋ぐのも悪く ないと思っただけだ!深い意味はない!」
ヴィータさんは顔を赤くしながらこっちを見て言う
それ・・・なんだか理由になっていないような・・・
「あららー、ヴィータもかいなー」
「なん・・・だと・・・」
「いいなー、ヴィータ副隊長」
「スバル!?」
また後ろであらぬ噂が・・・
この状態は、エリオ君とキャロちゃんの部屋に着くまで続 いた
?エリオ君とキャロちゃんの部屋?
「すると今度は大きく開けた場所に出た。雪と岩の恐怖か ら少し解放された男は、少しアクセルを緩めた」
「うう・・・エリオくーん・・・」
「ドキドキ」
「すると今度は、山を下る最後のトンネルの上から、もの 凄い勢いで雪が雪崩れ落ちてきたではないか!」
「きゃー!」
「そ、それで一体どうしたんですか!?」
「男は悩んだ、だけど答えはもう決まっていた。男はター ボのスイッチを入れる」
「おおー!」
「うう・・・」
「すると車は急加速し、雪崩の中に突っ込んだ!」
「そ、それで?」
「車は無事雪崩を抜け、トンネルの中へ入っていった」
「ふう・・・」
「よかった、よかったぁ?」
現在、俺はベッドの上でエリオ君とキャロちゃんにいろい ろなお話を聞かせていた
俺もいろんな世界の話を知っていると話すと、二人とも「 聞かせてください!」と言ってきたので現在に至る
「ダンテさん、いろんな世界を回ってきたんですね!」
「回ってきたというか何というか・・・」
「もの凄くドキドキしました!もっと聞かせてください! 」
キャロちゃんがそう言う
二人ともまだまだ聞き足りないようだ
ふと、部屋の入り口のほうに何だか気配を感じた
「どうしたんですか?」
「まぁまぁまぁ」
俺はゆっくり扉に近づき、勢いよく扉を開けた
「わあ!」
「きゃあ!」
すると、見覚えのある二人組が部屋の中に流れこんでくる
「スバルさん!?」
「ティアナさんまで!」
部屋の中に流れこんできたのは寝間着姿のスバルさんとテ ィアナさんだった
床に、スバルさんの上に覆い被さるようにティアナさんが 倒れている
「いやその、ダンテさんのことが気になって。あはは・・ ・ごめんなさい」
「私はその・・・スバルを止めようと」
スバルさんがあははと頭をかきながら言い、ティアナさん が顔を赤くしながらそう言う
「いや、別に怒ってないから大丈夫ですよ」
「今ダンテさんが面白い話を聞かせてくれてたんです!」
「面白い話!?」
スバルさんが興味津々な顔をする
ティアナさんも、少し興味があるようだ
「はい!僕、ダンテさんから学びました!」
エリオ君は、さっき俺が教えたことを言う
「料理はその場のノリ(海苔)だと!」
「「しょーもな!」」
その後、翌日の朝の訓練に差し支えないような時間に切り 上げ就寝することにした
スバルさんはまだ聞き足りなかったようだったが、また今 度ねと言うと、嬉しそうな顔をしてティアナさんと部屋を 後にした
「ふう、楽しかった」
「また今度お話してください!」
「私も聞きたいです!」
現在、一つのベッドに俺が中心で左にキャロちゃん、右に エリオ君が寝ている
ちょっと狭かったけど、たまにはいいかと思いそのままの 状態に
「なんだか、弟と妹のことを思い出すなぁ」
「ダンテさん、弟と妹いたんですか?」
「うん、高校に行ってからはあんまり会えなくなっちゃっ たけどね」
一人暮らしをするとなかなか会えなくなってしまう
会えるとしたら、長い休みか年末くらいだ
たまに寂しくなったりする
「あの、ダンテさん!」
「ん?何?」
エリオ君がこちらに顔を向け言った
「ダンテさんのこと、兄さんって呼んでもいいですか!? 」
「私も、お兄ちゃんって呼んでもいいですか!?」
キャロちゃんも同じようなことを言った
そういえばなのはさんも言ってたな、お兄さんみたいなも のだって
まさか本当だったとは
「いいよ。弟と妹増えちゃった」
「「やったー!」」
なんだか懐かしい雰囲気に包まれながら俺は目を閉じた
今度弟と妹に会ったら久しぶりに遊んでやるか
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