魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第15話「自主!訓練場にて」 |
「よし、よし行くぞ!」
朝食を食べて二時間後現在、俺は訓練場の隅を借りて訓練 中である
別に機動六課に入った訳ではない
前の出動の時に起きたあの現象、周りが止まっているよう に見えるあの力、あれが何なのか確かめたかったのだ
あいつ・・・あいつからはとてつもない何かを感じた、味 方という感じでもなかったし、あの世界に居るということ は戦うことになるかもしれない
その為にもこの力が何なのか確かめたかった
それにここも・・・
ーーーーーーーーーー
「訓練場を貸してほしい?」
「はい、少し・・・試したいことがありまして・・・はし っこだけでも」
「ふむふむ、なるほどなぁ」
八神さんは机に手をつき、顎を乗せて考え始めた
やっぱり、一般人の俺がいきなり訓練場を貸してほしいな んて無理があったんだ
八神さんは顎を手から離して言った
「なんや、ダンテ君水くさいなぁ」
「・・・は?」
「私とダンテ君の仲やないか、そんなの全然OKやで?」
自分でもビックリするほどあっさり通ってしまった
・・・だけど今、目の前の八神さんの不気味な笑いが気に なる
「た・だ・し」
「・・・?」
もの凄く笑顔で八神さんは、俺が訓練場を使うのと引き換 えにある条件を突きつけてきた
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八神さんが『快く』許可を出してくれたおかげで(人に聞 かれた時はそう言えと言われた)現在訓練場の隅を使うこ とが出来た
出来たんだけど・・・
「スバル!いつまでも同じところに居ない!動きながら考 える!」
「はい!」
・・・なんで訓練している真横でやらなくちゃいけないん だろう
八神さんが出してきた条件はこうだ
『絶対に隣で何かしらの部隊が訓練している時に限る』
一体どういうこと何だろう・・・
誰も居ないほうがかえって邪魔にならないような気がする んだけど・・・
ーーーーーーーーーー
ダンテ君を無理やり引き込むなんて出来ない
ならこうすればええ
『ダンテ君を機動六課の職員に見せ掛ける』
いつも人員の書類に目を通してる人なんて限られておるし 、訓練している場所に一緒に置いておけば高い確率でダン テ君が訓練を受けていると認識してくれる
とりあえず・・・これでしばらくはもつやろ
あとは、運次第や
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八神さんにも考えがあるのだろう
とりあえず今は自分の自主練に集中だ
じっくり考えてみよう
あの時俺は確かに敵を切っていた
切り刻んで叩き落とした
だけど敵は動かず、周りは止まっていた
スバルさんたちは、俺が動いて切っていたことに気づいて いなかった
・・・考えられる可能性は一つ
目で見えないほど速く動いていた
それなら納得がいく
周りが止まっていることも何もかも
だけどあの時は周りが止まっていたため目もそのぶん速く 動いていたことになる
さすがに一々周りが止まっているように見えていたら、タ イミングを失って戦闘リズムがごちゃごちゃになってしま う
簡単に言うと、テレビゲームなどをしているときにポーズ をかけ、しばらくした後に再開するとゲームに慣れるまで 時間が掛かる
それと同じようなものでしょう
そこで俺は考えた
体だけ速く動かせることが出来るんじゃないかと
なので自主練というわけだ
「まずは、まずはね・・・」
ここは海の上なので、堤防から十五メートルくらい離れた ここから堤防まででやってみよう
十五メートルもあれば大丈夫だよね
「よし、よーい・・・」
張り切って自主練開始だ!
俺はあの速く動けるような感じに切り替え、自分の中の合 図で一気に走った
「ドン!・・・ってあれー!?」
あれ?どうしたんだろ
今、空中を泳ぐように飛んでいる俺の目に飛び込んでくる のは大きく広がる青空と、透き通るような青い世界だった
「なんでー!?」
俺は、下にあった『海』という名の世界に吸い込まれるよ うに飛び込んだ
本当に一瞬だった
気づいたら空中にいた
ーーーーーーーーーー
「?」
お昼も近くなので訓練が終わりクールダウンしていると、 海の方から何かが飛び込んだような音と水しぶきが上がっ た
あ、ダンテさんがバシャバシャやっている
「ねぇ、ティア」
「何?スバル」
「ダンテさん、海に飛び込みたかったのかな?」
「いや・・・あれは違うんじゃないかしら・・・」
なのはさんが慌ててダンテさんの引き上げにかかった
なのはさんに両手で引き上げられたダンテさんはくの字に 折れ曲がった状態で陸に引き上げられた
「ダンテさんって、本当に不思議な人よね・・・」
「そう?私はいい人だと思うけど」
ーーーーーーーーーー
「ジャマルぜんぜ?・・・」
「はいはーい・・・ってどうしたの!?ダンテ君!」
「ざぶいっす?・・・」
?次の日?
「今度は大丈夫だよな!・・・うん」
今日は安全の為、昨日の二倍の距離の三十メートルくらい にした
これならいくら何でも落ちるようなことはないでしょう
それより気になったのが、さっきシャムが目の下にものす ごい隈を作って俺にあるものを届けにきた
どうやら俺の為に研究室に篭って作ってくれたらしい
一つ目は、俺専用の非殺傷設定デバイスとやらだった
これを持っていれば、俺の攻撃は全て非殺傷設定になると いう
もちろん、あの歪んだ世界に行ったときの為に殺傷と非殺 傷の切り替えが可能だと言っていた
シャム曰く、ダンの魔力は特別なものだから、それに合わ せるのが大変だったという
これで思う存分隊長陣と模擬戦が出来ると言っていたけど 、あまり戦いたくないなぁ・・・
二つ目は、銀色の小さなスイッチのような物だった
手のひらサイズで、片手で握れるようになっている
シャム曰く、これは自分の周りにある魔力の攻撃を全て停 止させるものだと言っていた
つまり、なのはさんやフェイトさんなどの魔力を使う人た ちが俺の近く、または遠くから魔力が込められた攻撃を放 ち、それが俺の近くの一定の範囲内に来たときにこれを押 すと、その瞬間それが消えてしまうという
これは、私たちと同じ魔力を持たないダンだからこそ使え るものらしい
もしこれをなのはさんたちが使ってしまうと、自分の魔力 もキャンセルされてしまうという
ダンは一人で戦うことが多くなると思うから持たせてあげ るとシャムは言っていた
ちなみにこれ、一回きりの使い捨てらしい
ピンチになったら使ってとのことだ
最後の三つ目は、さっきのスイッチの俺の魔力バージョン
さっきのスイッチは外見が銀色だったけど、こっちは黒だ
歪んだ世界とやらでピンチになった時に使ってとのこと
確かに、あの世界ではこのスイッチが役に立つかもしれな い
でもこれも使い捨てだから考えて使わないと
シャムはこれを渡したあと、「じゃあ私は・・・疲れたか ら寝るね」と言って機動六課に戻っていってしまった
多分今頃、ぐっすり夢の中だろう
「よーし!」
シャムの為にも、頑張って自主練しなきゃ!
俺は、あの速くなる感じに切り替えた
「よーい・・・」
そして、自分の中の合図と共に一気に走った
「ドン!・・・ってまたー!?」
今、俺の目の前に広がっているのは広大な青空と、青く透 き通るような世界だった
「なんでやねーん!」
次の瞬間広がったのは、一面が真っ青な青い世界だった
ーーーーーーーーーー
「?」
お昼頃になり、午前の訓練が終わってクールダウンしてい ると、何かが水に飛び込んだような音と水しぶきが上がっ た
あ、兄さんがバシャバシャやってる
「ねぇ、エリオ君」
「何?キャロ」
「大人になったら海に飛び込みたくなるのかなぁ?」
「いや・・・兄さんは違うんじゃない?あはは・・・」
フェイトさんが慌てて兄さんを引き上げに行った
両手で抱えられた兄さんは、くの字に折れ曲がった状態で 陸に引き上げられてる
本当に飛び込みたくなるのかなぁ・・・?
ーーーーーーーーーー
「ジ・・・ジャマルぜんぜ?・・・」
「はいはーい・・・ってまた!?」
「ざ・・・ざぶいっす・・・」
?数日後?
「き・・・き・・・今日こそは・・・」
今度は大事に大事に大事をとって、百メートルくらいにし た
こ・・・これだけ離れてれば大丈夫だよね・・・
あ、念のためもう一メートルくらい
「よし!これだけ離れた!なのはさんやフェイトさんにも 怒られた!シャマル先生が貸してくれた替えようの制服も 、洗濯してアイロンがけして返した!これで思い残すこと はない!」
俺は、あの速くなる感じに切り替えた
「大丈夫!やればできる!よーい・・・」
そして、自分の中の合図で一気に走った
「ドン!・・・いやー!」
空中
「なんでー!?」
空
海
ーーーーーーーーーー
「あ、もうお昼だねティア」
「そうみたいね」
何かが水に飛び込んだような音が聞こえたのをきっかけに スバルがそう言った
「今日の模擬戦は大変だったねエリオ君」
「うん、でもまだまだ強くなる!」
ちびっこ二人組も今日の成果を話し合っているようだ
「じゃあこれで午前の訓練は終わり!みんなしっかり休む こと!」
「「「「はい!」」」」
「じゃあ私はダンテ君引き上げに行ってくるから」
そう言うと、ダンテを引き上げになのはは飛んで行った
四人組はというと、なんだか慣れちゃった気がするなぁと いう考えと共に食堂へと向かっていった
「おーい・・・俺を鳩時計か何かと勘違いしてない?」
「ほらダンテ君、まったくもう・・・」
ーーーーーーーーーー
「ジャマルぜんぜ?・・・」
「はい、ダンテ君」
「ありがどうございまず・・・」
?食堂?
「ダメだ・・・どうしても上手くいかない・・・」
いつもの席に突っ伏して唸る俺
なんでだろう・・・やっぱりタイミングかなぁ
「それを出来るようにするのが訓練だよ?ダンテ君」
「そうなんですけど・・・」
なのはさんはそう言うけど
やっぱりそう簡単に上手くいくもんじゃないか・・・
でも、もう少しで掴めそうな気がしないわけでもないわけ でもないわけでもない
「よ、よかったら私が教えてあげようか!?」
フェイトさんが裏返りそうな声でそう言った
「そうですね・・・それもいいかもしれませんね・・・」
ピシッ!
とその瞬間何かが凍ったような気がした
そりゃもうガラスが一瞬で凍るような勢いで
「は、はやて!い、今すぐ書類の入隊を!」
「わ、わかったで!書類の入隊やな!」
「な、何ですか!?俺何言いましたっけ!?ボーッとして 何を言ったか・・・!」
「うう・・・ううう・・・」
「ダンテさんと訓練ダンテさんと訓練ダンテさんとくんれ ーん!!」
「スバル落ち着いて!」
「「やったー!」」
エリオ君とキャロちゃんは手をあわせて喜んでいる
なのはさんは突っ伏して涙を流していた
後からシグナムさんとヴィータさんが事情を聞くと、シグ ナムさんは物凄い速さで訓練場が空いている時間を調べ、 ヴィータさんは俺の肩を揺らしながら本当かと何度も何度 も尋ねてくる
この事態を収めるのに三十分かかった
?シャムの家?
「大変だったみたいだね」
「ほんとだよもう・・・」
八神さんとフェイトさんは大慌てだし、エリオ君とキャロ ちゃんはがっかりしたような顔になるし、シグナムさんは 模擬戦しようって利かないしetc...
じっくり考えますって言ったらやっと収まった
もしかしたら、本当に俺が着ている制服が自分の物になる かもしれない
「うーん、そういえばダンさぁ」
「何?」
「いつも同じ服着てるよね?」
「そういえば・・・そうだね」
服っていうのは今着ているコートのことだろう
ちなみにバイトのおかげで制服を貸してもらっているので 、このコートはちゃんと洗濯している
洗ってないわけじゃないんだよ?
「なんだか、それだけっていうのも可哀想だね・・・」
シャムは顎に手を当てて考え始めた
俺は別にファッションにはこだわらないから別にいいんだ けど・・・
「うーん、じゃあさ!」
するとシャムは目を一杯に輝かせある提案をしてきた
「今度服買いに街に行かない?」
「・・・え?」
「ついでに街も案内してあげる。ねぇ、いいでしょ??」
俺の右手を掴んで左右に振りながらシャムはそう言う
「でも、お金とか・・・」
バイト代だけではさすがに間に合わない
するとシャムは
「そんなの気にしなくていいよ?言い出したのは私なんだ し、プレゼントしてあげる」
と言ってきた
そういえば、機動六課に行くばかりでどこも行ったことな いなぁ
「うん、わかった。じゃあ今度一緒に行こう?」
「ほんと!?やったー!」
シャムはよっぽど嬉しかったのか、俺の腕に抱き着いてき た
いろいろ体がダイナマイトだから、とても反応に困るんだ けど・・・
「そっか・・・私の初デートはダンとだね」
「あれ?彼氏さんとかいないの?」
「彼氏がいたらダンと一緒に住んだりしないよー」
まぁ確かにそうだけど・・・
シャムなら簡単に彼氏の一人や二人作れそうな気がするん だけど
いや二人作ったらまずいんだけどさ・・・
「私は別に・・・ダンなら・・・」
「何か言った?」
「何でもないよ!?なんでも!」
シャムは慌てて否定した
一体何だったんだろう?
「ん?あ、八神さんからだ」
携帯が鳴ったので見てみると、八神さんからの着信だった
結局、俺のアドレスはあのメンバー全員に知れ渡ってしま ったわけだけど
とりあえず今は電話に出よう
「もしもし、はい。はい・・・はぁ、わかりました。明日 行きます。それでは」
「部隊長は何て?」
「あ、うん。出張任務について説明したいって・・・」
俺を出張任務なんかに連れていってどうするんだろう・・
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