魔法少女リリカル的ななにか 第二章 行く先に待つもの その2
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  Side クリス・アヴェイン

 

「なのはちゃん!」

 

「え、クリスちゃん!?どうしてここにいるの!?」

 

驚きの声が聞こえる、そういえば僕も魔導師ということを伝えていなかったような気がする

けど今はそんなことを気にしている場合じゃない

見れば、なのはちゃんのBJはボロボロになっており、顔には隠しきれない疲労の色が見える

こんな状態ではとてもじゃないがまともに戦うことはできなかっただろう

 

「いいからなのはちゃん、ここから離脱するんだ」

 

「―――なのはッ!」

 

背後からヴィータの声が聞こえてきた

悠斗がこちらに向かうように促してくれたのだろう

 

「なのは、無事か!?」

 

「だ、大丈夫だからヴィータちゃん・・・・・・。あんまり揺らさないで・・・・・・」

 

両肩を掴まれすごい勢いで揺さぶられている

見てるこっちが酔いそうだ

少ししてやっとこちらに気がついたヴィータがアイゼンを構える

 

「お前・・・・・・管理局の人間じゃないな・・・・・・。目的はなんだ、答えろ!」

 

「違うのヴィータちゃん、クリスちゃんは私の友達で・・・・・・」

 

などとやり取りをしている時に―――それは現れた

 

なのはちゃんの背後の景色が一瞬ぶれる

 

「――ッ!なのはちゃん!」

 

同時に僕も飛び出しタケミカヅチで斬りかかる・・・・・・手応えはない

 

「クリスちゃん、どうしたの!?」

 

「てめぇ!やっぱりなのはを・・・・・・っ!」

 

今にでも暴れだしそうなヴィータをなのはちゃんが抑えているが、僕には気にしている余裕はない

 

(気配が全く感じられないとは思わなかったね・・・・・・。見えるのは攻撃に移る一瞬だけ・・・・・・厄介なことこの上ないね)

 

集中し視野を広める、耳を澄ませる・・・・・・

ジジジと機械音がした

 

音のする方向に向かって動き出す

ヴィータの背後にソレはいた

 

「くそッ!」

 

《ソニックムーブ》

 

加速する、驚くヴィータをこちらに引き寄せる

 

ザシュと嫌な音がする、見ればヴィータの帽子がソレに突き刺され、傍目から見れば宙に浮いている状態になっている。そして帽子には・・・・・・

 

「てめぇ、イキナリなにしやが・・・・・・その腕はどうしたんだよ!?」

 

右腕から血が流れ落ちる

ヴィータを助け出すときに刃とヴィータの間に無理矢理腕をねじ込む形で引っ張ったのだ

その時に切られた

 

「ヴィータ、今すぐなのはちゃんを連れてここから逃げ出すんだ」

 

「できるわけねぇだろ!お前だってそんな怪我してるのに私達だけ逃げるだなんて・・・・・・」

 

「あれに対処できるのは現状僕しかいない。なのはちゃんは疲労困憊、ヴィータはまだ平気かもしれないけど道中なのはちゃんを守るためにも君にはなのはちゃんを連れて行って欲しい」

 

「クリスちゃん、私はまだ平気だよ!」

 

「駄目だよなのはちゃん、今の君は目に見えて危険すぎる。もしここで墜ちることなんてあったらどれだけの人が悲しむと思っているんだい?」

 

「――〜〜っ!いいか、なのはを戻したら必ず戻る。それまで無茶はするんじゃねぇぞ!」

 

「大丈夫だよ」そう言いかけた時・・・・・・、それは一瞬の油断だった

不満そうな顔をしているなのはちゃんのすぐ横に、ブレが見えた

内心で舌打ちをし飛び込む・・・・・・

 

ズンッ

 

刺さる、深く刺さる

僕の体に突き刺さっているエネルギー刃は僕の体を貫き

背後に庇ったなのはちゃんにまで届いていた

刃が引き抜かれるとそこから血が溢れ出す

 

「てんめぇえええええええ!!」

 

ヴィータがソレがいるであろう場所にアイゼンを振りかぶる、ゴシャと何かが潰れる音がし、爆発に巻き込まれる

 

力を振り絞り今にも落下していくななのはちゃんを抱きかかえ着陸する

 

地面に降り立つと猛烈な痛みが襲ってきた、耐えられず倒れる。その衝撃で更に傷口から血が吹き出した

ヴィータが何かを叫んでいるが・・・・・・意識が薄れていく、聞こえない

僕が最後に見たのはなのはを支えどこかに叫び続けるヴィータの姿と、腹部を血に染めたなのはちゃんの姿だった

 

 

 

 

  Side 神楽 悠斗

 

 

砲撃に飲み込まれ体は傷だらけになっていた

ヒールをかけ傷口を塞ぐ

今の砲撃はアニメで見覚えがある、ディエチだ

何処から撃ってきたのだろうか、辺りを見回すだけでは見つけられない

直前まで魔力反応を感知できなかった所を見るとあれは魔力を使わないで撃てる代物だ

そこである、疑問が湧き上がる

 

「何で俺を狙う・・・・・・?」

 

原作ではなのはが撃墜される要因の一つとして考えられるディエチによる砲撃

それがこちらを狙っているとなると

 

(クリスの方は例の光学迷彩持ちが行ってるのか・・・・・・ッ)

 

舌打ちをし念話を飛ばしてみるが繋がらない、最悪の結果が脳裏をよぎる

 

トプンと、水に沈んだ時の音が足元から聞こえる

足元にはいつの間にか通信機が置いてあり、そこから声が流れ出した

 

『やぁ、謎の少年』

 

「・・・・・・・・・・・・ジェイル・スカリエッティか」

 

『ご名答、まさか声だけでバレてしまうとはね・・・・・・っ!』

 

声だけではなく、このタイミングで接触を計る人物は一人しか思い浮かばなかっただけなので必然的にスカリエッティと解った

 

「それで何のようだ、まさかただ挨拶をするためだけにナンバーズを動かしただけじゃないだろう?」

 

『いやいや君の存在はとても邪魔でね、助けに行かれると困るからそこで待っていてもらおうとおもってね』

 

「あぁ?どうやって止めるって言うんだよ、邪魔するならぶっ飛ばしてでも進むぞ俺は」

 

『ククク、それも僕としては君の能力を知ることができるから嬉しいんだけどね』

 

口に出してクククとか言う人初めて見た

 

『しかし申し訳ないけど君にはここにいてもらうよ』

 

パチンと指を鳴らす音が聞こえた、同時に現れる大量のガジェット

 

「今更こんなもんで止められると思ってんのか!タイダルウェイブ!」

 

ガジェットを飲み込み破壊していく

それを確認し俺は飛び立とうとしたが・・・・・・

 

 

渦の中から飛び出してきたものに殴りつけられた

 

 

「――ッ!?」

 

殴りつけてきたソイツは今度は砂の中に消えていった

 

(今のは・・・・・・ディープダイバー?セインか!)

 

無機物ならどこにでも潜り込める能力を持つ彼女、俺の周りには大量のガジェットの残骸が積み上げられている

ガジェットが転移してきたのはセインが動きやすくするための伏線だったのだろうか

今はそんな事を考えている余裕はない

 

足を掴まれ地面に引きずり込まれる

 

(まずいまずいまずいまずい!!)

 

引きずり込まれたら最後、動くことはできないだろう

必死に抵抗しようと動き回るが

 

「どっせい!」

 

盛大な掛け声と共に俺は地面に引きずり込まれた

 

(クリス、クリス!)

 

先程から何度か念話で呼びかけるが一向に返事はこない。何かあったと考えるのが妥当だろう

ここで捕まってる場合じゃない、そう考え俺はここから抜け出すために足掻くことにする

 

確かに地面に引きずり込まれた時点で俺は手足を1cmも動かすことはできない状態だ

ただ魔力は使える

丹田に魔力を集中させ、イメージする。イメージするのは・・・・・・・・・爆発だ

 

(エクスプロージョン!)

 

丹田に集中させた魔力を内部から爆発させる

当然内部で爆発したので体にダメージが入るが気にしている場合じゃない

 

傷を治している時間も惜しい、治すのに割く魔力も惜しい

抉れた様に広がる地面から飛び出し、俺はなのは達のいる方向に向かって動き出す

 

 

 

 

 

しかしそこには血だまりがあるだけだった

ガジェットの残骸、血に濡れたヴィータの帽子

何が起きたのかわかってしまう自分が憎い

 

「守れなかった・・・・・・ッ」

 

力いっぱい握り締めた拳から血が滲む

 

俺は旅の時計を取り出し針を回す

 

(もうここには用はない)

 

管理局に見つかる前に転移しようとし

 

再度襲われた砲撃によって意識を刈り取られた

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