漢女夜に立つ ― 衆を惑わす ― |
殺人鬼が血の饗宴の余興に描いた魔法陣。
それが光り、手の甲に激痛が走ると共に現れた存在が殺人鬼に問いかける
「問おう。うぬが儂の だありん か」
「ごめんなさい。オレ、健全なんで可愛い女の子とチェンジで」
角髪(みずら)のビキニ筋肉ダルマに即答する殺人鬼こと雨生龍之介。
「ぬう。よもや儂が『つんでれ』に遭うとは」
「どこにデレがあるの?」
「それは追々、育んで行くという事で」
「帰れよ」
卑弥呼に対して冷ややかな声で切って捨てる龍之介。
しかし、漢女には通じない。
「ぬぬ、令呪を以って『蘇れ(かえれ)』と申すか。
宜しい。我が鬼道をして、そこな幼童の結縁を彼岸より還そう」
なにやら印を切り始める卑弥呼。そして咆哮する。
「吼ううおおおおぉぉぉぉっ 喝ああああぁぁぁぁっ!! ふむ。成功じゃ」
「MP不足で発動しないんじゃないの?」
「うむ。令呪ひとつでは足りんので残り二つも使うたから問題ない」
「よく判らんけど、重大な問題がある気がする」
龍之介が突っ込むが卑弥呼は平然としたものである。
「気にするでない。それより参ろうか」
「えーと、何処に?」
「無論、漢女道を究める戦いによ」
「うん、パスで」
再度マッハ没するが、やはり漢女には通用しない。
「照れずとも良い」
「照れてねえよ」
「ぬふふ、胸と股の関節が滾るわ」
「聞けよ」
そこに一連の漫才を龍之介に縛られたまま、呆気にとられて眺めていた少年が口を挟む。
「あのぅ。おじさん達、一体なんなの?」
「コラ誰がおじさんだ、このクソガキ」
「そうじゃぞ。儂と だありん の事は漢女と呼ばぬか。ほれ、縄は解いて進ぜよう」
「違えよ! って、離せ!! うわあああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っっっっっ!?」
「むふふ、そんなに悦ぶでない。些かはしたないぞ」
「……何だったんだろぅ」
怪人に抱きすくめられて遠ざかって行く殺人鬼の声を聞きながら、
命を拾った子供は呆然と呟いた。
それに答えるものは無く、後ろでは家族が安らかな寝息を立てるのみだった。
説明 | ||
某所某氏のFate/Zero、真・恋姫†無双クロスに妄想を得ました。 卑弥呼による龍之介の新しい世界への旅立ち。 |
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恋姫†無双 Fate/Zero | ||
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