青いチビの使い魔 第15話 |
キキSide
任務先から学院へと戻った後、俺たちはタバサの部屋に集まった。
「・・・・・・いや〜、そんなにジッと見られると話し辛いんだけど」
俺は部屋にある椅子に座っており、タバサ、エルザ、人間モードのシルフィがベットに座って俺の事を見ている状態だ。俺はジッと見られてることに苦言を呈すが、
「早く」
「楽しみ〜」
「きゅいきゅい」
俺の言葉を無視して、二人と一匹は早く話せと急かしてくる。む〜、しょうがない。
「あ〜、そうだな。まずは、俺の住んでいた所の話をしよう。最初に、大前提として信じてほしいことが在るんだが、それは俺がこの世界とは違う世界からやってきたってことなんだ」
俺はまず、異世界の人間であると言う事を話した。
「・・・・異世界?」
「なにそれ〜?」
「きゅい! 美味しそうなのね」
まあ、そう言う反応だよな。ってかシルフィ、食べ物じゃないから・・・。
「む〜。まあ、そんな感じの反応をするのは、なんとなく分ってたので、一番手っ取り早い方法を取らせてもらう」
そう言って、俺は印を組み、
「口寄せ・夢幻館」
タバサたちを俺の精神世界へと口寄せした。この術は拷問好きのとある特別上忍が使っている術を俺が改造したものだ。改造コンセプトは『月詠』っぽい幻術できねぇかな〜だ。で、考えた結果これが出来た。能力的にはぶっちゃけ月詠の超劣化版である。
相手を自分の精神世界へ引き込むまではいいが、それ以降が問題だったりする。精神世界なので、ある程度は体感時間を延ばせるが、外と中での時間差は頑張っても1/100程度しか延ばせなかった。後、幻覚の質も高度な幻術程度なので、実力のある忍相手だと破られる。ってか戦場なんかでは使い物にならないし。
なので、最終的にこの術は、引き込んだ相手に自分のイメージ又は記憶を見せたりする、情報伝達系の術として使うようになった。で、それがまた、相当役に立った。だって、
「・・・・・・・ッ!? ここは・・・」
「これって、あの時と同じ感じ・・・」
「きゅいきゅい!? 何なのね〜!」
こう言った相手。つまりは前知識が全く無い人達に対して色々と教えるのに役に立つのである。で、この夢幻館内には俺の記憶、木の葉の里が映っている。
「ここが、俺の住んでいた世界。場所は火の国、木の葉隠れの里だ。こっちついて来い」
俺は里を案内しながらタバサたちに、細かいことを話していった。まずは俺の世界の国と隠れ里のことから、タバサたちに解り易いように、ハルゲギニアの体制と照らし合わせながら説明していった。
「質問がある」
「ん、なんだ」
俺が説明していたらタバサが質問してきた。
「・・・あなたの話を聞くがきり、忍は貴族の出ではないみたいだけど」
「ああ、後でちゃんと説明するけど、俺たちが使う忍術は訓練すれば誰でも使えるものだからな。基本的に貴族連中は特別な理由が無いかぎり、忍にはらなないさ。んじゃ、説明を続けるぞ」
次にタバサたちへ忍のことと忍術について説明する。忍についてはランクやどんな任務をしているか、忍術は基礎的な知識など。他にも、
「ルーンの機能を封じたこれも、封印術っていう物だし。それと、これは特殊なんだが、俺の一族には『白眼』っていう特別な能力が使えてな。エルザが吸血鬼だってのもこの白眼を使って見破ったんだ」
と教えたり、
「は〜い。今度は私が質問。お兄ちゃんのランクは何?」
「俺は上忍だぞ。まあ、面倒臭くて上忍会議はほぼ欠席してるけど」
「あなたは主にどんな任務をしていたの?」
「あ〜、情報収集とか、かな」
途中でエルザとタバサの質問に答えながら説明をし続け、そして、
「と、これが俺のいた世界だ」
俺はタバサたちに一通りの説明を終え、皆で日向一族の屋敷の縁側で一息ついた。庭には、子供の頃の俺とネジが組み手をしている風景が映し出されている。いや〜、懐かしい。
「・・・・・ねぇ、お兄ちゃん。ホントにこれ子供の頃のなの? 素手で岩砕いたり、地面を陥没させたりって」
「あはは。そりゃあ、チャクラで肉体強化してるからな。これぐらい当たり前だよ」
膝の上に座って引きつった表情でエルザが聞いてきたので、俺は笑いながら答えた。そんな風に和んでいたら、
「あなたに聞きたい事がある」
「お、なんだ?」
「さっき訓練すれば誰でも使えるって言った。それじゃあ私も、忍術を使えるの?」
タバサがそんなことを聞いてきた。まあ、なんとなく予想はついてたけど・・・。さて、どう答えよう。ぶっちゃけチャクラの練り方を覚えてしまえば、確実に使えるだろう。が、教えてもいいものか? う〜ん・・・・・・・・・・・・。まぁ、いいか。
「使えるぞ。何なら教えてやってもいい」
「・・・・ホント?」
「ああ。そうだ、エルザもついでに覚えてみるか?」
「いいの? じゃあ、私も覚える!」
「きゅい〜。よくわからないけど私もなのねー」
ふむ。色々面倒なことになりそうだが、もうどうにでもなれって感じだな。うん。
「とりあえず説明も済んだから術解くぞ」
俺はそう言って、夢幻館を解除した。
「っと。さて、俺のことは話し終わったし、次はエルザをどうするか決めるか」
俺はそう言って、エルザを見る。
「私はどうすればいいの?」
「とりあえず、食事に関しては俺の血を飲めばいいが、・・・ってどうした? 変な顔して」
俺の言葉にタバサとエルザとシルフェは眼を丸くしていた。
「きゅい! お兄様は怖くないのね!? この子はいくら懐いてるとは言え吸血鬼なのね! 血を全部吸われちゃったら死んじゃうのね」
「別に大丈夫だろ。エルザはそんなことしないと信じてるし、それにもし、そんなことしたら・・・・・ねぇ〜」
シルフィの言葉に俺はニッコリと笑顔で答える。ただし、ちゃんとエルザに釘は刺しておく。エルザは顔を青くしタバサのマントにしがみつきながらプルプルと震えていた。
「で、エルザの食事はそれでいいとして、ここに住まわしておくのに何かしらの仕事をさせておいたほうが良いと思うのだが。タバサ、なんとか頼むよ」
「・・・っ〜。わかった」
タバサは嘆息しながらもそう言って承諾してくれた。いや〜ホントに助かる。さすがタバサだ。
「よし、これにて一件落着でいいのか? まあなんでもいいや」
そう言って俺が無理矢理まとめたら、
「・・・忍術を教えて」
タバサが早速そう言ってきた。好奇心旺盛過ぎるのもどうかと思う今日この頃でした。
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