ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界? 第二十八話 時計台 |
誰もいない民家の間を走り抜けながら考える。
俺がクロコダイルだったらどこから砲撃するか。
なるべくたくさんの被害を出させたいから高い所から落とす。
もちろん見つかったらまずいから人が行かない所。
まあ今は何処にも誰もいないだろうが。
おそらくクロコダイルは確実に砲撃する為に砲撃者を用意してるはず。
人の手は信頼できるからねー。
そしたらその砲撃者の気持ちになってみよう。
ボスが結構重要そうな任務を自分に任せてくれた。
うれしくて有頂天になるわな。
そしたら有頂天になって砲撃する所から見下ろしてるかもしれない。
ひっひっひ…的な?
んー…砲撃手じゃないからよくわかんねえ。
結果:一番高い所を探しましょー☆
って『☆』とか言ってる暇なんざねぇんだよ!そんな事言ってる間に残り7分じゃねーか!何俺は5分も考えてこんな事しか思いつかなかったのか!?
己の頭脳の乏しさに失望しながらアルバーナの空を飛んで一番高い建物を探す。
「高い建物高い建物…あー、今まで飛んで見てきた中で一番高かったのは
時計台か」
そうとわかりゃそこまで行くのに時間はかからない。行ってみると時計台の下にはナミ達が既に集まっていた。
「ナミ!」
「ヤマト!ルフィは?」
「クロコダイルと戦ってるよ。俺はコブラ王を救出して抜け出してきた。あれはルフィのケンカだと思ったしな。俺が入る事はできねえよ。それよりナミ…これはなんの新体操だ?」
ヤマトとナミが時計台の真下にいるウソップとチョッパーとビビを見る。普通にいるだけなら気にしないのだが格好が格好だ。とても気になる。ウソップががに股で立っていてその上にトナカイになったチョッパーが乗っていてまたその上にビビが乗っているのだ。
おかしいことこの上ないだろう!可笑しいしおかしい。
どうやら砲撃場所は時計台であっていたらしい。俺が着く頃には時計台の時計の部分が開いていた。なんともわかりずらい表現だが俺は生まれつき表現力が乏しい人間だ。俺にわかりやすさを期待したら絶望する事だろう。そして開いた所から二人組が見えた。カエルみたいなのと…バッハか?あれは。もちろんバロックワークスの一員なのだろう。ビビが言うに顔見知りらしい。
「新体操なんかじゃないわ、れっきとした作戦よ!ほら、あそこにサンジ君とゾロがいるでしょ?」
時計台の途中の所を指差すのでそちらを見ると確かにサンジとゾロがいた。だいたい地上から時計台のてっぺんまでを三等分した、初めの分け目にサンジ、次の分け目にゾロと言った感じだ。
なんでそんな所に着いたんだか。ゾロはともかくサンジー。お前そんなに方向音痴じゃなかっただろー。
「砲撃まであと3分ね…ウソップ!その状態で絶対動かないでよ!!」
「ちょ、おま、この姿勢がどんだけつれーかわかってんのか!!?」
「知らないわよそんな事!耐えなさい!」
「う、ウソップさん、無理しないで!」
「そうだよウソップ!ウソップだってケガしてるんだし…」
「二人ともそれをあそこの魔女に言ってくれぇ!」
「「………」」
「そこで黙んなよ!」
そんなこんなしているうちに2分45秒が経とうとしていた。
「よし、時間ね。“サイクロン=テンポ”!!」
ナミが三節混を振り下ろすと三節混の先っぽがウソップの急所、いや、全ての男達の急所にヒットした。そして爆風が起こり、ウソップ達が上へ吹っ飛んでいく。見事な吹っ飛びようだがウソップが涙ぐんでいる。
「チョッパー、サンジ君の所までジャンプ!!」
ナミさーん、そりゃねぇっしょー。
いやでもそんな事言ってる暇がないのも確かだ。
「おぅふっっ」
哀れなウソップ君はチョッパーに蹴られ、地面に激突するのでした。
そんな間にチョッパーとビビはサンジの所まで飛んでいて、サンジがチョッパーを蹴り上げる。サンジの足の力は改めて神掛かってると思う。フツーあんなに飛ばねーよ。そしてゾロの所まで飛んでいったチョッパーとビビ。今度はゾロが刀で上まで飛ばす。勿論“峰”だ。そして上手く時計台まで飛べたかと思えば。
見っつかったー!!
なんでこのタイミングで下見んだよ!ゾロは奴らの銃弾を食らってしまったがゾロのタフさは尋常じゃないためおそらく大丈夫だろう。そしてその後チョッパーも上手く銃弾を避け、ビビは無事時計台のてっぺんにたどり着く。
そしてめでたく砲撃手を仕留める事ができたらしいの、だが。
ビビが顔を出さない。
そしてしばらくしてビビが顔を出す。
「砲弾が…時限式なの!!!」
…クロコダイルはとことん性格が悪いらしい。砲撃時刻を言っておいてこれだ。
くそっ、どうすりゃいい!
途方に暮れて頭を片手で掻き乱し、上を見上げる。
「え…トリ!」
時計台の縁にトリが降り立ったのだ。あー。そうだ、ペルだ。そして何かビビと言葉を交わしてさらに中へ入って見えなくなる。そして次に見えた時あいつは…砲弾を抱えてたんだ。
そして砲弾を持ったまま上へ上へと飛んでいく。
仲間の大切な奴が国を守ろうとして死のうとしていても何もできずに目を見開いてる事しかできないくらいなら
死んだ方がマシってもんだよなぁ
「!ヤマト!!!!」
ペルが飛んでいった方に向かって下半身だけ葉にして飛んでいく。下でナミが叫んだがもう止まらない。ペルと砲弾に向かって飛ぶ。そしてペルに変わって砲弾を持ち、ペルを、蹴る。
「手荒でわりぃなあ!」
にんまり笑って言うとペルは慌てて飛ぼうとするが
「カラー・セレクトヘビー級!|黒十字(こくじゅうじ)!」
さらに手荒な手を使う。
手加減はしたさ。もちろん。
高度は十分取った。
「ばいばい」
ドオオオオォォォォォォン
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