英雄伝説〜光と闇の軌跡〜  外伝〜英雄達の戦い〜後篇
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〜工匠都市ユイドラ・上空〜

 

「「超・ねこ、パ〜ンチ!!」」

「滅します!」

「せいっ!」

「死ね!」

「ご覧遊ばせ♪イオ=ルーン!!」

シャルティ、ペルル、メロディアーナ、イルザーブ、ラグスムエナ、フィニリィは空中での戦いで魔物達を倒して行き

「滅せよ!」

ガプタールは自らの口から雷が籠ったブレス――サンダ−ブレスを吐いて、目の前の大量の魔物達を一気に消滅させ

「光よ!聖なる炎と共に邪悪なる者達を滅せよ!贖罪の聖炎!!」

エリザスレインは最高位神聖魔術の一つと言われる魔術を放って、大量の敵を滅し

「闇に呑まれよ!ティルワンの闇界!!」

エリザスレインの活躍に負けないがごとく、ファーミシルスは魔術で大量の魔物達を葬った!天使達は剣や槍で空の魔物達を次々と滅して行き、睡魔達も天使達の活躍に負けないがごとく、攻撃した際、魔物達の精気を吸い取って魔物達をミイラや骨にして、倒していった!

「………戦好きの飛天魔がどうしてユイドラの人間達を助けているのかしら?」

エリザスレインは厳しい表情でファーミシルスを見て、尋ねた。

「私は今、こうしているのは我が主の意向に従ったまで。特に深い意味はないわ。」

「………その主とは誰の事かしら?」

ファーミシルスの主が気になったエリザスレインは主の正体を尋ねた。

「フフ……心して聞くがいいわ。……我が名はファーミシルス!誇り高きメンフィルの”闇王”リウイ・マーシルンに仕えし将の中でも最も優秀な将よ!」

「名乗られたからにはこちらも名乗らないとね。………我が名はエリザスレイン!古の時代より人間を監視する大聖堂ミサンシェルの力天使(ヴァーチャーズ)よ!………それでどうして、北の魔族大国、メンフィルの将がこんな所にいるのかしら?それにその言い方だと、”闇王”もユイドラにいるのかしら?」

ファーミシルスが高々と名乗った後、エリザスレインも名乗り、そして尋ねた。

「フフ………貴女に答える筋合いはなくてよ?」

「あら………だったら、力づくで答えてもらうしかなさそうね………?」

ファーミシルスの嘲笑に対し、エリザスレインは冷たい微笑みで見返した。2人はお互いの顔を睨みあって、今にもぶつかりそうな雰囲気をしていた。

「お止め下さい、エリザスレイン様!我々の敵は目の前の者ではなく、ユイドラを襲う者達です!」

「大将軍さんもやめてよ〜!今は味方同士、争っている時じゃないでしょ!?」

そこにメロディアーナとペルルが2人の間に入って、仲裁した。

 

「………そうね。ここは貴女に免じて退いてあげるけど、後で説明してもらうわよ、メロディアーナ。」

「はい。どの道、エリザスレイン様にも説明しないといけない状況をウィルが作りましたから、近い内エリザスレイン様も呼んで、さまざまな種族達と話し合おうとした所です。」

「………その様子だと、とんでもない事を考えたようね、ウィルは。やれやれ………次から次へと私を悩ましてくれる事を考えてくれるわね、あの男は。フウ………どうやらまたかつてのように、しばらくの間、傍で監視をしないといけないようね。」

メロディアーナの説明を聞いたエリザスレインは溜息を吐いた後、地上で戦っているウィルを口元に笑みを浮かべて見ていた。

「フフ………そうは言いますが、どことなく嬉しそうに見えますよ?」

「あら……言うようになったわね、メロディアーナ。………でも、そうかもしれないわね。これを機にいっそ、貴女みたいにウィルとの子供を作ろうかしら?それで産まれた子を私が教育して、私の代わりになるようにするのも悪くない考えね。」

「………本気なのですか?」

エリザスレインの口から出た予想外の言葉にメロディアーナは驚いて尋ねた。

「フフ………どうかしらね?それとも以前みたいに2人でウィルを誘惑したいのかしら?メロディアーナは?」

「な、なななななななっ………!」

エリザスレインの言葉にメロディアーナは顔を真っ赤にした。

「フフ………このぐらいで照れるなんて、まだまだね、メロディアーナ。」

「エリザスレイン様!」

エリザスレインのからかいに気付いたメロディアーナは顔を赤くしながらエリザスレインを睨んで怒鳴った。

(………私も早くリウイ様との子が欲しいわ………クッ………だが、まだ”あの方”が目覚めてない今、それは難しいわね………)

(どうしたんだろう、大将軍さん?なんか、いつもと様子が違うようだけど………)

2人のやり取りを見て、様子がおかしいファーミシルスを見たペルルは首を傾げていた。そしてエリザスレインはファーミシルスを見て、言った。

 

「ファーミシルスといったわね………この私の力がどれほどのものか……この戦いの活躍で飛天魔風情が力天使(ヴァーチャーズ)たるこの私の力の足元にも及ばない事を思いしりなさい!」

「フフ………この私相手に戦果を競うとはね…………いいわ!そちらこそ、誇り高く、闇夜の眷属の中でも高位たる飛天魔(ラウマカール)の力………思い知るがいいわ!」

挑戦的なエリザスレインの言葉に不敵に笑ったファーミシルスも同じように挑戦的な表情でエリザスレインを見て言った。そして2人は戦果を競うがごとく、空の敵陣へ攻撃を仕掛けた!

「存在を抹消してあげる!光槍神撃!!」

エリザスレインが持っている杖に魔力を込めて振ると、無数の光の槍が魔物達の頭上に現れ、それらが雨のように降り注ぎ、次々と魔物達を絶命させていった!

「消えなさい!強酸の暗礁壁!!……連接剣の恐ろしさ………その身で味わいなさい!」

ファーミシルスは魔術や連接剣を巧みに駆使して、エリザスレインの活躍に負けないがごとく一瞬で次々と大量の魔物達を撃破していった!そして2人は互いの背中を合わせた。

「そこそこやるようだけど…………それが貴女の本気かしら?」

「フフ………今のはただの小手調べよ。そういうそちらこそ、第5位を冠するわりには大した事、ないわね?」

2人はお互いの顔は見ず、お互いを挑発をしていた。

「フフ………その言葉、そっくりお返しするわ!」

そしてエリザスレインは魔物の大群の中心地へ飛んで行き、大きく息を吸って歌い出した!

「我が聖なる歌声に聞ける事、光栄に思いながら、浄化しなさい!♪〜〜〜〜〜〜〜」

エリザスレインだけが歌う事ができる聖なる歌――天使の聖歌を聞いたユイドラを襲う魔物達はある者は苦しみながら絶命し、またある者は混乱して同士討ちを始めた!そしてエリザスレインと同じようにファーミシルスも敵陣の中心に突っ込み、大技を放った!

「魔の力よ!我が剣に宿り、我が仇名す者達を薙ぎ払え!暗礁回転剣武!!」

ファーミシルスは連接剣に暗黒の魔力を宿した後、連接剣を最大に伸ばして鞭のように振るって周囲の魔物達を薙ぎ払い、消滅させて行った!相容れない存在ながら2人は競うがごとく、次々と魔物達を滅して行った!

 

「………なに、あれ〜。喧嘩しそうだったわりには結構仲が良いように見えるんだけど……」

ペルルは競うかのように連携しているようにも見えるエリザスレインとファーミシルスを呆れた表情で見ていた。

「フフ…………そうですね。あの方も昔と比べて、随分変わったものですね…………」

ペルルの呟きにメロディアーナは頷いた後、遠い目で昔を思い出していた。

「そういうメロディアーナや私だって、変わったじゃない!」

そこにシャルティがメロディアーナの所に飛んで来て言った。

「そうですね…………それも全てウィルの影響でしょうね。」

「そうだな。相容れない存在のお前達が共に戦い、共に笑い合う等遥か昔から生きて来た我も見た事がない。…………相容れない種族達を協力させる事を実現させた人間、我すらも聞いた事がない。」

「死神である私が………安らげられる所をウィルは………作ってくれた…………」

「精霊王女たるこのわたくしが初めてを奪う事を許したのですから、そのぐらいの事、できて当たり前でしてよ!」

さらにガプタールやラグスムエナも近付いて来て言い、その言葉を聞いたフィニリィは胸を張った。

「…………………………」

種族が違えど、友のように語り合っているメロディアーナ達をイルザーブは黙って見ていた。

「さて………我々も戦闘を再開しましょうか!」

「オッケー!」

「うむ。」

「ええ!」

「ウィル達の敵………全部、殺す…………!」

そしてメロディアーナ達はそれぞれの獲物へと向かって行き、次々と敵を滅して行った!また、天使達や睡魔達もそれぞれ敵を滅して行った!

 

一方リウイは人気のない所までセオビットを誘導した後、本格的に戦い始めた………!

 

 

 

 

 

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外伝〜英雄達の戦い〜後篇
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