英雄伝説〜光と闇の軌跡〜  外伝〜それぞれの戦い〜中篇(後半)
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〜工匠都市ユイドラ・近郊〜

 

「出でよ、魔槍!狂気の槍!!………ヤアッ!」

プリネは魔術とレイピアを巧みに使って華麗に敵を倒して行き

「影縫い!………そこだっ!!」

フォーチュラは敵の動きを止めた後、的確に射抜いて敵を倒して行き

「消沈!………ツーヤちゃん、今よ!」

「はい、イリーナさん!たあっ!!」

イリーナが敵の能力を下げ、そこにツーヤがクラフト――延髄砕きを放って敵を怯ませ

「出でよ、時の槍!シャドウスピア!!」

イリーナが止めにアーツを放って、敵を倒した!一方門を護るように戦うセティ達も負けていなかった。

「超・ねこ、パ〜ンチ!!」

またペルルは空から強襲して、敵を倒していた!

「行きますよ!ヤアッ!!」

セティが弓矢を放って、敵に命中させ

「ヤア―ッ!」

「行きます!二段突き!!」

シャマーラとエリナが止めを刺していった。しかし敵の数は多く何匹かはセティ達を無視して、門から街の中へ侵入しようとした魔物もいたが

「ハアァァァァァ!」

「フッ!」

門の前に立つロカとロカに従うイルザーブによって、街に入る前に地面に沈んだ。

「我が名はロカ・ルースコート!軍神の戦士として………これ以上先に進ませないわ!」

「………ロカ様を襲うなら、この私に滅せられるがいい!」

ロカは目の前に今にも襲いかかって来そうな魔物達に槍を向け、神々しい雰囲気を纏わせて高々と言い、イルザーブも続いた。魔物達はロカ達の言葉を無視するかのようにロカ達を襲ったが

「セイッ!」

「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」

ロカの槍とイルザーブの魔術によって滅せられた!

 

「セイッ!フウ…………2人とも、大丈夫?」

目の前の敵を斬り伏せたプリネは安堵の溜息を吐いた後、ツーヤとイリーナに声をかけた。

「はい。まだまだ戦えます。」

「はい!プリネ様こそ、お怪我はありませんか?」

主の心配にツーヤは凛とした表情で答え、イリーナは逆にプリネを心配した。

「フフ………大丈夫ですよ。イリーナさんは心配性ですね。」

「…………もう二度と、私は自分の目の前から大切な人達を失いたくないんです………」

プリネに言われたイリーナは決意を持った表情で答えた。

「イリーナさん………」

プリネはイリーナの両親の事を思い出し、かける言葉がなかった。

「…………イリーナさん、気持ちはとてもありがたいけど、自分の身も大切にして下さいね?イリーナさんが傷つけば、お父様達も悲しむし、私も悲しみます。」

「………あたしもです。」

「勿論、ボクもだよ!」

「プリネ様、ツーヤちゃん、ペルルさん…………ありがとうございます。」

プリネとツーヤ、ペルルの思いやりを知ったイリーナは感動した。

「フフ………それでは休むのはこれぐらいにして、そろそろ行きましょうか。みなさんばかりに任せる訳にも行きませんしね。」

イリーナの様子を見た後、周りで戦っている工匠や兵士達を見て、プリネはレイピアを再び構えた。

「はい!ご主人様は絶対に護ります!ヤアッ!」

プリネの言葉に応えるかのようにツーヤは刀で近くの敵を斬り

「行きなさい!光弾!!」

イリーナがツーヤがダメージを与えた敵に魔術を放って、止めを刺した!

「闇に呑まれよっ!ティルワンの闇界!!」

「いっくよ〜!それぇっ!!」

2人の活躍に負けないかのようにプリネは魔術を放って、ペルルは技を放って複数の敵を沈めた!4人の活躍は目覚ましく、周りで戦う兵士や工匠の士気を高めた!

 

「速いの行っくよ〜!ヴェングス!!………フウ………」

一方シャマーラは目の前の敵を沈めて安堵の溜息を吐いた後、近くで戦っているエリナに声をかけた。

「エリナ〜。ちょっと疲れたから休憩しよう〜。」

「休憩するなら一人で勝手にして下さい。私は戦いを早く終わらせたいので、貴女が休憩している間も戦います。」

「エリナは真面目すぎ〜。少しは肩の力を抜かないと、疲れるよ〜?」

「貴女は肩の力を抜きすぎです!戦いがまだ終わっていない中、休憩するなんて、何を考えているんですか!」

シャマーラの言葉を聞いたエリナはシャマーラを睨んで言った。

「はいはい。喧嘩はそこまでにしましょうね?エリナ、無理をし過ぎるのはお母様達から止められていたでしょう?私も疲れて来たし、少し休みましょう。無理は禁物です。」

「セティ姉様……はい。」

セティに諌められたエリナはシャマーラと同じように戦いの手を止めた。

「おお〜………さすがセティ姉さん〜。お堅いエリナを簡単に納得させちゃった。」

「シャマーラ。エリナは貴女を心配して、さっきの言葉を貴女に向けたのですよ。そんな事を言うものじゃありません。」

「………は〜い。ごめんね、エリナ。」

「……いえ。わかってもらえば、それでいいです。」

セティの指摘を受けたシャマーラは気不味そうな表情をした後、エリナに謝罪し、エリナはシャマーラの謝罪を受け取った。

「フフ………」

「?どうしたの、セティ姉さん?」

「何か、おかしな事があるのでしょうか?」

唐突に笑いだしたセティを見て、シャマーラとエリナは首を傾げた。

 

「フフ……ごめんなさい。2人のやり取りを見ているとメディお母さんとシャルお母さんのいつもの口喧嘩を見ているように思えますから………2人はやっぱりあの2人の血をひいているだけあって、凄く似ていますね。」

「そうかな〜?そういうセティ姉さんだって、セラ母さんと凄く似ているじゃない。」

「………加えて工匠として、私達の中で一番実力がありますし、セティ姉様が一番父様に似ているんじゃありませんか?」

「買被り過ぎですよ。貴女達に追い抜かれないよう、必死に勉強しているだけですから。」

シャマーラとエリナに言われたセティは苦笑しながら答えた。

「それにしても………こうして腹違いの娘達が仲良く語り合っているなんて、滅多にはない事でしょうね。」

「そうかな〜?」

唐突に呟いたエリナの言葉を聞いたシャマーラは首を傾げた。

「フフ………それもお父さん達がみんな仲が良いのが影響されているかもしれませんね。……例え半分しか血が繋がっていなくても、2人は私にとって大事な妹ですよ。」

「あたしは今までそんな事、気にした事ないよ〜。セティ姉さんはセティ姉さんだし。」

「全く……貴女には悩みという物がないのですか?………でも、貴女の言う通りですね、シャマーラ。私達は”姉妹”なんですから。」

シャマーラの答えに呆れていたエリナだったが、口元に笑みを浮かべて頷いた。

「さて……そろそろ疲れも取れて来た事でしょうし、戦いを再開しましょうか。」

「は〜い!」

「はい!」

そして3人は再び戦い出した!血は半分しか繋がっていなくとも3人の仲はとても良く、お互いをカバーし合って戦っていた。一方ガプタールに乗ったウィル達はディアーネがいる場所についに降り立った。

 

〜ディアーネ軍・奥〜

 

「チッ!後少しでユイドラを滅ぼせたものを……ここに来て援軍だと!?」

ディアーネは今の状況を見て、顔を歪めていた。

「爆散するがよい!」

そこに空よりディアーネに向かって、大量の魔力弾が襲った!

「何!?」

上空からの攻撃にディアーネは驚いたが、攻撃に気付き、その場から回避した!するとウィル達を乗せたガプタールがディアーネの目の前に降り立った!

「なっ………貴様等は!」

ウィル達を見て、ディアーネは驚いた。

「ディアーネよ!約束通り、貴様を下僕にするため、余は参ったぞ!」

「………これ以上お前の好きにはさせないぞ、ディアーネ!」

ガプタールから降りたリフィアとウィルはそれぞれの武器をディアーネに向けて高々と言った。

「フン!そろそろ我自身が動こうと思った所をまさか貴様等自身が来るとはな………ちょうどいい!貴様等をここで滅しれば、ユイドラの愚かな人間達も諦めるだろう!」

ディアーネは鼻をならして、異空間より魔槍を取り出して、ウィル達に向けた!

 

「ウィルはやらせん。それが私達のセティ達にしてやれる唯一つの事!」

「ウィルとセラウィは一杯生きて、幸せになるんだから!貴女なんかにウィル達はやらせないわ!」

「ユエラ………エミリッタ………」

戦友の心強い言葉にセラウィは2人に心の中で感謝した。

「お兄様達は私が護ります!」

「アトだって、ご主人様達を護るんだから〜!」

「僕だって、ウィル達の為に全力で戦うぞ〜!」

「私だって!私達はウィルには返し切れない恩があるんだから!」

水那、アト、クレール、クレアンヌも決意の表情で戦う事を決意し

「ま、住みやすい今のユイドラを護るため、戦いはあまり好きじゃないけど全力で戦うよ〜!」

「ようやく見つけた………私達の……敵の……親玉……!」

シャルティは気楽な様子で、ラグスムエナはディアーネを睨み

「魔神ディアーネよ!この私がいる限り、ウィルはやらせはしません!」

「今、保たれている”秩序”を乱す者にはこの私が裁きを与えないとね!」

メロディアーナ、エリザスレインもそれぞれの武器をディアーネに向け

「このわらわを無視してよくも、今まで暴れてくれたものよの………往生するがいい!」

「………我も力を存分に出させてもらうぞ、魔神よ……!」

狐伯蓮は怒りを隠さない表情でディアーネを睨み、ガプタールも戦闘の構えをし

「精霊王女たるこのわたくしがいるのです!敗北なんてありえませんわ!」

「ミレーヌ、久しぶりに本気に暴れちゃうぞっ!!」

フィニリィは胸を張って答え、ミレーヌは楽しそうな表情でディアーネを見た。

「………アスモデウス!今こそ、力を貸してくれ!」

(召喚に応じよう………)

そしてウィルは腕輪を付けている手を空高くへとあげて、叫んだ!すると腕輪が光り、巨大魔神――アスモデウスが召喚された!

「魔神アスモデウス、召喚に応じ、参る………!」

アスモデウスの巨体やさらけ出す雰囲気から、本能的に恐怖を感じた魔物達はうろたえた。

「おのれ………!いい気になるなよ、人間共!この我の恐ろしさ………存分に味わうがいい!」

「行くぞ、みんな!」

そしてウィル達とディアーネ率いる魔族の部隊は最後の決戦を始めた………!

 

 

 

 

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