英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 222 |
〜王都グランセル・波止場〜
エステル達が波止場に到着した時、シェラザードは何かの気配に気付いて足を止めた。
「はっ……!」
すると特務兵達の軍用犬達が現れた!
「や、やけに凶悪そうなワンちゃんたちやねぇ……」
自分達を睨んで唸っている軍用犬達を見て、ケビンは苦笑いをしていた。
「特務兵の軍用犬……!」
「……来るわ!」
そしてエステル達は戦闘を開始した!
「「「オン!」」」
「甘いっての!」
「フッ!」
「おっとと!」
軍用犬達はエステル達を襲ったが、エステル達はそれぞれ回避した。
「行くわよ〜………!旋雷輪!!」
「「「ギャン!?」」」
そしてエステルが放ったクラフトに軍用犬達は悲鳴を上げた!
「そこっ!」
「「「ガッ!?」」」
さらにシェラザードはクラフト――シルフィンウィップを放って、さらにダメージを与えた所を
「止めや!降り注げ、炎槍!スパイラルフレア!!」
「「「ギャッ!?…………」」」
ケビンがアーツを放って止めを刺した!
「は〜、ビックリした。でも『お茶会』の場所はここで間違いないみたいやね。」
「うん……そうね!」
「さあ、慎重に進むわよ!」
そしてエステル達は先に進むと、ある倉庫から人の気配がしたので倉庫に入った。
〜波止場・倉庫〜
エステル達が入って来る少し前、特務兵達が倉庫番達を脅していた。
「お、お前ら……。一体どういうつもりだ!こんなことをしてタダで済むと思っているのか!?」
倉庫番は特務兵達に武器を向けられ、動けない状態だったので睨むだけにして、尋ねた。
「フッ、元より覚悟の上だ。」
「ケガをしたくなければ大人しくしているがいい。我々は一般市民に危害を加えるつもりはない。」
「ただし……邪魔をしなければ、だがな。」
「ひ、ひいっ。命ばかりはお助けをっ!」
特務兵に銃を向けられた倉庫番の一人は悲鳴を上げた。
「一般市民以外には危害を加えるつもりってわけね。」
その時エステル達が倉庫に入って来た。
「なっ……」
「貴様ら……遊撃士か!?」
「一名は違うけどなー。」
驚いている特務兵達にケビンは苦笑しながら答えた。
「やっと、見つけた……。ずいぶんと引っ張り回してくれたわね。協会規約に基づき、騒乱・破壊活動などの容疑であなたたちを逮捕するわ!」
「さっさと降伏した方が身のためよ!」
「クソ……どうして気付かれた!?」
「まあいい、片付けるぞ!」
「おお!」
そしてエステル達は特務兵達と戦闘を開始した!クーデター事件の時よりさらに成長したエステルとシェラザードやケビンも予想以上に戦えたので、戦闘はすぐに終わった。
「ま、まあいい……。これで時間は稼げた……。あとは大尉殿にすべてをお任せするだけだ……」
「え………」
他の特務兵達が倒れている中、一人の特務兵が呟いた事にエステルは驚いた。
「じょ、情報部に栄光あれ……」
そして特務兵は気絶した。
「ちょ、ちょっと!?」
「アカン、気絶してもうた。」
ケビンは特務兵の状態を調べて、溜息を吐いた。
「ねえ、シェラ姉。『大尉』ってもしかして……」
「ええ……あのしぶとい女でしょうね。」
呆れた表情をしているエステルの確認にシェラザードは真剣な表情で頷いた。
「あんたたち……本当によく来てくれた!」
「ありがとう……君たちは命の恩人だよ。」
エステル達が相談しているその時、倉庫番達が近寄ってお礼を言った。
「えへへ……どういたしまして。あれっ……」
お礼を言われたエステルは大きな機械に気付いた。
「ああっ!」
「どうしたの、エステル?」
「なんかゴツそうなオーブメント装置やねぇ。何に使うもんなんや?」
驚いて機械に近寄ったエステルにシェエラザードは尋ね、ケビンは機械の正体を尋ねた。
「アルセイユ用に開発された高性能のオーバルエンジンよ!確か3つあったはずなのに……」
ケビンの疑問にエステルは焦った表情でレンを探していた時、エンジンを運んでいたのを思い出し、数が足りない事を言った。
「ああ、こいつらの仲間が運搬車で持っていったんだ。この先にある波止場の方に……」
「あ、あんですって〜!?」
倉庫番の答えにエステルは声を上げた。
「嫌な予感がするわね……。波止場に急ぐわよ!」
「了解っ!」
「よしきた!」
そしてエステル達は先を急いだ。
「フン、やはり来たわね。」
エステル達が奥に到着するとそこにはカノーネと複数の特務兵、そして特務兵に拘束されたデュナンがいた。
「カノーネ大尉!」
「フン、元大尉ですわ。犬どもが騒がしかったからもしやと思って出てみれば……。遊撃士というのはよっぽど鼻が利くみたいね。」
「なめんじゃないわよ!あんな真似をしておいて!しかも関係ない子まで……絶対に許さないんだからね?」
「何を言ってるのかしら?私はただ、公爵閣下の王位継承をお手伝いするだけ。部外者はすっこんでいなさい。」
自分を睨み、怒鳴るエステルにカノーネは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「はあ!?公爵さん!?あんたまた馬鹿なことを……」
「だ、誰がこのような無謀な計画に荷担するかっ!こ、こやつらは私のことを利用しようとしているだけだ!」
カノーネの答えに驚いたエステルはデュナンを信じられない表情で見たが、デュナンは心底嫌そうな表情で否定した。
「うーん、何か本気で嫌がっとるみたいやねぇ。」
「元大尉さん、いい加減本音を言ったらどうかしら?本当の目的はリシャール大佐の解放でしょう?」
「ええっ!?」
ケビンはデュナンの状態を見て呟き、シェラザードの推測にエステルは驚いた。
「うふふ、そこまで判っているなら話が早い……。―――これより『再決起作戦』を開始する!あなたたち!2分間だけ持たせなさい!」
「イエス・マム!」
そしてカノーネは特務兵達に指示をした後、数名の特務兵達と倉庫の中に入った。
「こら、待ちなさいよ!公爵さんはともかくレンは解放してくれても……」
エステル達はカノーネを追おうとしたが、特務兵達に道を阻まれた。
「大尉殿の決意と覚悟、邪魔させるわけにはいかん!」
「来い、ギルドの犬ども!」
「こ、この〜っ……」
「いい度胸ね……可愛がってあげるわ!」
そしてエステル達は倉庫を守る特務兵達と戦闘を開始した!特務兵達自身はエステル達にとって敵ではなかったが、数が多かった為、多少手間取りながらも倒した。
「く、くそっ……」
「何て奴等だ……」
「往生際が悪いわよ!ほら、とっととどきなさい……」
エステル達の攻撃によって蹲って呟いている特務兵達にエステルは怒鳴ったその時、倉庫の扉が突如内側からへこんだ!
「わわっ……」
「な、なんや!?」
「まさか……これが設計図の……」
「ははは……間に合ったようだな……」
「じょ、情報部に栄光あれ!」
そして扉が何かによって吹っ飛んだ!
「きゃああっ!」
「こ、こいつは……」
すると中から大型の戦車が現れた!
「せ、戦車……!?」
「これが『オルグイユ』……」
戦車――オルグイユが進んで来たのでエステル達は急いで後退した。
「どうかしら……この『オルグイユ』は?情報部が独自に開発していた最新鋭・高機動の導力戦車よ。火力はエレボニア製戦車の2倍―――ほぼ警備飛行艇に匹敵するわ。」
オルグイユを見て驚いているエステル達に戦車のハッチの中からカノーネが出て、勝ち誇った笑みで答えた。
「また、ゴッツイもんを……」
「ム、ムチャクチャだわ……」
カノーネの説明を聞き、オルグイユを見たケビンは予想外の敵に溜息を吐き、エステルはカノーネを睨んだ。
「これを動かせるだけの高出力なエンジンがなかったので完成一歩手前で保管されたけど……。まさか『アルセイユ』の新型エンジンが手に入るなんてね。うふふ、空の女神はわたくしに微笑んだみたいね。」
「ちょ、ちょっと……。そんなものを使って何をするつもりなのよっ!?」
勝ち誇った笑みを浮かべて語るカノーネにエステルは睨みながら何を企いんでいるかを尋ねた。
「言ったでしょう。公爵閣下の即位を手伝うと。そのためには女王陛下に認めていただかなくてはねぇ。」
「ま、まさか……」
「狙いは城の女王様!?」
「ははは!今ごろ気付いても遅いわ!この『オルグイユ』ならたやすく城門も粉砕できる!城詰めの部隊も敵ではない!お前たちはせいぜい指をくわえて見ていなさい!」
そしてカノーネはオルグイユの中に入り、オルグイユを進ませた。自分達を轢くつもりで進んできたオルグイユを見て、エステル達は左右に分かれて回避した。
「し、しまった……!」
「追いかけるわよ!」
そしてエステル達はオルグイユの追跡を始めた………!
説明 | ||
第222話 | ||
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