キリトSide

「キリト！」

背後から誰かに呼ばれたので振り返ってみると、

ちょうど一年ほど前に知り合った、ギルド『月夜の黒猫団』のメンバー達がいた。

そのリーダーが、いま俺のことを呼んだケイタだ。

隣を黒猫団の紅一点のサチが歩き、後ろに残りの三人がついてきている。

「ケイタ、サチ、テツ、ロック、ヤマト。お前達もきたのか…」

「昨日の記事をみて驚いたよ！　キリトがユニークスキル持ちだったなんて」

なるほど。記事をみて知ったのか。かといってこの決闘をみにくるか？

「悪いな、黙ってて…」

「謝らないでいいよ。私達だってユニークスキル持ちがどう思われたりするかは、理解してるから」

俺が謝ると、サチは大丈夫だと言ってくれた。

「そうだよ、気にすんな」

「「うんうん」」

テツの言葉にロックとヤマトも頷いた。

こいつらもずっと俺の事を心配してくれていたらしい。嬉しいことだな。

ただな、後ろの三人。菓子を隠すな！ お前らもクラインと同じか！

それにしてもアスナにクラインにエギル、シリカにリズベット、黒衣衆と黒猫団とは。

これまた俺の知人がほぼ勢揃いしたな。

「ねぇ、キリト君。みんな初対面の人が多いんじゃないのかな？」

「そういえば、ほとんどが初対面同士の奴が多いよな。なら、軽く自己紹介でもするか？」

アスナの提案にみんなが賛成の言葉や意志表現を行ったので、自己紹介を行う事にした。

「それじゃあわたしから。『血盟騎士団』副団長のアスナです。よろしくお願いします」

「次は俺だ。ギルド『風林火山』のリーダー、クラインだ。よろしく頼むわ」

「えっと、ビーストテイマーのシリカです。こっちは使い魔のピナです「キュウ」。よろしくおねがいしますね」

「リズベットよ。リズって呼んで。48層のリンダースで鍛冶屋をしてるわ。

　よかったら店にきてね、よろしく」

「エギルだ。50層アルゲードで商人をしてる。是非御贔屓に、よろしくな」

「こんどは俺達が……ギルド『月夜の黒猫団』団長のケイタです。

　武器は((両手棍|スタッフ))で、最近攻略組の支援で参加し始めました。よろしく」

「月夜の黒猫団のサチです。武器は槍を使います。よろしくおねがいします」

「同じく、黒猫団のテツっす。武器は片手剣と盾。おねがいしま〜す」

「右に同じで黒猫団の一人、ロックだ。武器はテツと同じ。よろしく」

「黒猫団のヤマトです。武器は短剣で補助を担当します。よろしくお願いします」

「んじゃあ俺だな。シャインだ、よろしく。一応、キリト達の兄貴分だ」

「ティアです。シャインとはコンビであるとともに((結婚|・・・))しています。よろしくおねがいしますね」

「あたしはカノン、ソロです。よろしく頼むわよ」

「ハクヤ。同じくソロだ。キリトの幼馴染でもある」

「………ソロのハジメ。よしなに頼む」

「ソロのヴァルです。みなさんよろしくおねがいします」

「ソロのルナリオっす。『MAA(ムーン・アームズ・アート(ムーンの鍛冶屋))』っていう鍛冶屋をアルゲードでしてます。

　よろしくっす」

これで全員の自己紹介が終わったな。しかし、なぜか皆俺に視線を向けている。

俺もしろというのか。俺はみんなの共通の知人のはずだが……仕方ないか。

「みんな知っていると思うがキリトだ。改めて、よろしく…。

　まあ、残りの親睦を深めるのは個人でやってくれ」

そしてみんなが拍手して自己紹介は終わった。

ふと時間をみてみるともうそろそろ約束の時間が近づいていた。

俺とアスナは、一度みんなに別れを告げて闘技場の中へと向かった。

キリトSide Out

To be continued……