魔法少女リリカルと恋姫な物語 〜少年の数奇な運命〜 第33話 お見舞いと誓い |
シグナムside
先日、主はやてが家で倒れ、病院に入院したので今日はそのお見舞いに来ている。
「失礼します。気分はどうですか?」
「お〜、シグナム。お見舞いご苦労さんや。気分はええで〜♪」
「そうですか、それはなによりです」
主は笑ってそう答えてくれたが、正直こちらとしてはあまり安心できる状態ではない。主は胸が((攣|つ))っただけやと言っていたが、普通に考えてそれは心臓が止まりかけたのではと思った。
(もしや、闇の書の侵食が進行しているのでは?後でシャマルに聞いてみるか)
当のシャマルは、主の主治医である石田先生のところに話を聞きに言っている。ヴィータは家でザフィーラと留守番をしている。神那が訪ねてきたときに困るからな。
side out
次の日、学校が終わりはやての家までやってきた。まあ、当たり前と言うか、はやての家のインターホンを押さなければ入る事すらままならないので、押してみた。中からは〜い、という声が聞こえてきた。この声はたぶんヴィータかな?声が聞こえてからすぐ、玄関の扉が開いた。
「どちら様ですか?」
「やっほ〜、ヴィータ」
「神那!遊びに来てくれたのか?」
「うん、最近は全然来れなかったからね」
「ほんとだぜ。はやてもさびしがってたぞ」
「ごめんね。そういえばはやては?いつもならはやてが出てくるけど・・・」
「あ〜・・実はな、はやてのやつ入院してんだ・・・」
・・・なんだって?
「に・・入院?足の麻痺で入院したの?」
「それがな・・・この間はやてが家で倒れたんだよ。その時はやては、胸が攣っただけやって言ってたけど・・・」
「それって心臓が止まりかけてたってことじゃないの!?」
「たぶん・・・そうだと思う」
「・・・ヴィータ、病院まで案内して」
「え・・でも・・・」
「お願いだ・・・!」
そう言って僕は真剣な表情でヴィータを見つめた。ヴィータは最初驚いたような顔をしていたが、すぐにいつもの睨むような表情で、少し笑いながらこう言った。
「はぁ・・・、しゃーねーな。留守番してろとは言われたけど、連れてくるなとは言われてねーしな。いいぜ、連れてってやるよ。準備してくるからちょっと待ってな」
「うん!ありがとうヴィータ!」
「気にすんなよ。心配なのはあたしも一緒だしな」
そっか・・・親戚と言っても心配なものは心配だよね・・・。でもそこに親戚以上のものを感じるのは気のせいだろうか?
「待たせたな!」
「いや、こっちこそゴメンね。なんか突然お邪魔したのに連れて行けって言っちゃって」
「それこそ気にすんなよ。お前ははやての友達で、あたしたちとも友達なんだろ?だったら遠慮なんかすんなよ!」
「・・うん!」
ヴィータにそう言われて少し気が楽になった。そして、留守番をザフィーラにまかせて僕らは病院に向かった。
―――海鳴大学病院内 はやての病室―――
ヴィータに連れられてはやてが入院している病院の部屋までやってきたはいいけど・・・どうしよう。お見舞いの品を持ってきてないや・・・ま、まあ急な事だったから今日はいいよね!また次来た時にでも持ってこよう。そんな事を考えていると、ヴィータが待ちきれなかったのか病室のドアをノックした。すると起きていたのか中からはやての声が聞こえてきた。
「は〜い、どうぞ〜」
『失礼しま〜す』
「ヴィータと・・・か、神那君!?どどど、どうしてここに!?」
「今日はやての家に遊びに行ったらさ、ヴィータが一人で留守番してたからどうしたのかって聞いたら、入院してるって言うじゃないか。だからお見舞いに来たんだよ。お見舞いの品は用意できなかったけどね・・・」
「そうなんや、ありがとうな。それにそこまで気にせんでええよ」
「そう言ってもらえると助かるよ」
意外と元気そうだけど一応今は大丈夫なのか聞いてみよう。
「胸が攣ったって聞いたけど、それって止まりかけたんだよね?」
「心配性やな〜。大丈夫やって」
「はやて」
「う・・・」
こっちは心配して聞いてるのに何でごまかすのかな・・・。
「はやて、ごまかさないでちゃんと答えて」
「・・・分かった。あの時、心臓がキューッって感じでものすごく痛くなったんよ。それがすごく怖くてな・・・」
「そっか・・・ごめん。いやな事思い出させちゃったね」
「ううん、私もごまかしてしもうてゴメンな」
不注意だったね。死にかけたんだから怖かったのは当たり前なのに、それを思い出させるなんて・・・ひどいことしちゃったな。
「ほんとごめんね」
「も〜、気にしすぎや。この話はここまでにしよ?せやないとずっと謝ってそうやもんな♪」
「・・わかった。でも一人で何でも抱え込まないでね?つらいときは僕やシグナムさんたちに相談してね」
「ありがとな・・・」
その後は、なるべく遅くならない程度までおしゃべりをして、僕はまた来る約束をして帰った。次こそはみんなで来ようかな。
シクナムside
神那が帰った後、私達も面会時間が終了するまで主と話をしていた。
「それでは主はやて、また明日来ます」
「了解や、ほなまた明日な〜」
「はい、また明日」
主と別れてからの帰り道、シャマルに石田先生となにを話したか聞いた。
「石田先生曰く、麻痺が徐々に上に進行してきているって・・・」
「・・・そうか。やはり闇の書が原因か?」
「おそらく・・・。やっぱりはやてちゃんには悪いけど・・・」
「集めるしかねーんだよな・・・」
「たとえ主の命令が他者に迷惑をかけないことであっても、我らは主はやてを失いたくない・・・」
「・・・やるしかないのね」
「ああ、たとえ主の命令にそむく事になろうとも、我らにとって主も命以上に大切なものはない!」
すみません、主はやて・・・。我らはあなたの命令に背きます。今の我らにとってあなた以上に大切なものはありません。我らに戦い以外に大事なものがあることをあなたは教えてくれました。そんなあなたを失いたくありません。許してくれと言うつもりはありません、ただあなたが生きてくれさえいれば我らは立ち止まることなく、あなたをお救いする事だけを考え、それを実行します。たとえあなた以外の何を犠牲にしようとも・・・。
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説明 | ||
こんにちは〜。遅くなりましたが33話、なんとか投稿までもってきましたよ。それと報告が一つ、はやての一人称ですが、wikiを見てみると、「うち」ではなく、「わたし」だったようですorz間違えててすみませんでした;;幕間で間違えてた部分を修正してますので、一応ご確認ください^^; | ||
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