東照権現と独眼竜は未来へ行く |
「う…………ん?」
瞼の裏から感じる光に黄色の鎧装束を纏った青年、徳川家康はゆっくりと目を開けた。
「ここはどこだ?」
今、自分が座っている所は土である事に間違いないが遠くに見える白い長方形の建物や灰色の階段は今までに見た事が無い物だった。
家康は今までの経緯を思い出してみた。
天下分け目の大戦、『関ヶ原の戦い』でかつての友であった凶王 石田三成を倒した。
それから新たな決意を胸に家康は直ぐに江戸幕府を開き日の本の全ての民と絆を結ぶべく、
日々、政務に精をだしていた。
元々、政務が得意ではない家康にとっては苦でしかなかったが日の本の為だと思うと不思議と楽になった。
そんなとある日、久々に来訪した昔からの友、長宗我部元親に誘われて舟を出して釣りに出掛けた。
家康は餌を付けた針を海に垂らすと直ぐに大物がかかり直ぐさま竿を引っ張るが余りにも大物過ぎた事と気分の高揚に体が固まり家康は魚に引っ張られそのまま海へ。
「ハハハ、ワシとした事が情けない。」
「よお、起きたか家康?」
思わず苦笑している隣に気配を感じ横を見ると三日月の前立ての付いた兜に黒い鎧に蒼い陣羽織を羽織った青年、伊達政宗がいた。
「独眼竜!?どうしてお前がここに!?」
「Long time no see. 久々だな家康。俺も今さっき目が覚めた所だ。」
それから政宗も自分の経緯を語りだした。
家康が江戸幕府を開いてから政宗は家康に東北の自治を任されていた。
家康同様やってもやっても終わらない政務地獄に若干グロッキーになっていた所、彼の重臣であり竜の右目と呼ばれる男、片倉小十郎に畑仕事を手伝って欲しいと言われた。
流石に政務続きでは体が持たないだろうと判断したからであろう。
政宗は久々の外に狂喜乱舞しそうになったが抑え小十郎の畑仕事を手伝った。
しかしその時事件は起こった。
もうすぐ休憩にしようと提案した小十郎に賛成し立ち上がり、小十郎も土を掘る為の鍬を肩に乗せた。
その時、書状を持って来た部下が大声で小十郎を呼び小十郎は反応して体ごと振り返る。
肩に乗せた鍬は遠心力を加えて凄い速さで政宗の後頭部を捉えていた。
鈍い音と共に政宗は宙に舞い、そのまま放物線を描き近くの田んぼにダイブした。
「そして、目が冷めると何時もの鎧と武器を着けた状態でいたわけだ。」
政宗はそこで話を〆た。
「何とも言えないな………」
「Yes、今頃小十郎は血眼で俺を探してるだろうな。」
「ま、まあ、それよりも独眼竜よ、ここはどこだと思う?」
「Ah?んなこと言っても俺はあんな建物や建物の造りを見たことがねぇよ。恐らく異郷じゃねぇのか?」
「異郷………か………」
二人は異郷の事について記憶を呼び覚ますと………
『ザービザビザービザビ♪』
「「!!」」
どこかのトンデモヘンテコ集団を思い出した。
「独眼竜、急いで帰る方法を探すぞ………!」
「All right.早くしねぇと俺達は………!」
二人は勢いよく立ち上がったものの周りは人一人も居ない。
誰か居ないのかと思ったが………
「気づいたか?」
「ああ、何かがこっちに来る。」
二人は自分達に向けられた闘気に気づき白い建物の方へ視線を向ける。
「なっ………!?」
「What!?」
二人は目の前の光景に思わず驚きの声をあげた。
そこには変わった鎧を着けた女性が数人、空を飛んでこっちに来ているではないか。
女性達は家康と政宗を囲むように空中で停止した。
「独眼竜、やる気はあるか?」
「Ha!竜にその質問は愚問だぜ家康?」
「ふっ、そうだったな。向こうが手を出したら戦うぞ。」
「Ok.」
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戦国BASARAとIS インフィニット・ストラトスのクロスオーバーです。 | ||
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