魔法少女が許されるのは15歳までだと思うのだが 無印L
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 前回のあらすじ。

 

「マ○オカートで勝負だ……!」

「よっしゃあ!!」

(魔法使おうよ……)

 

 始まります。

 

 

 

 

 

 第13話 母親を止めましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦いはあっという間に終わりました。

 

 フェイトの放ったフォトンランサー・ファランクスシフトは、ユーノやアルフでさえ瞠目するレベルのものでしたが、

 

「喝ッ!!!!!」

 

 というなのはの気合を込めた一喝で消し飛びました。

 

 そしてここからは私のターン、とでも言わんばかりに、なのははバインドをかけます。

 

「あ、あの、なのはさん? 気のせいか僕にまでバインドがかかってる気がするんだけどこれいかに?」

「万が一の保険だ。君は安心してそこにいたまえ」

「反撃されたら盾にする気だよこの外道……!」

 

 うるさいので顔面にバインドをかけておきました。

 

「さぁ、受けるがいい……! ディバインバスターの新たな形、それが……!」

 

 莫大な魔力が収束していきます。

 あまりの気迫と魔力に、フェイトが息を呑みました。

 

 そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――と見せかけて抉りこむようなアッパーカァアアアアット!!!」

「ごフッ!!!」

 

 ステゴロでキメました。

 バルディッシュの防御も叶わず、見事な一撃が入りました。

 

 魔法関係ねーじゃん! と思ったそこの貴方! 気にしたら負けです。

 

 フェイトが海へと落下して行きました。

 止むを得ず、なのははやれやれと言わんばかりに肩をすくめながら降りて行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 その光景を見ていたプレシアは、映像に向かってキィーとでも言い出しそうな形相で叫んでいました。

 

「ええい! なのはとかいうのはどうでもいい! フェイトを出せ! フェイトはどうなったの!? 怪我してないでしょうね!? 怪我してたらぶち殺がすわよ!!」

 

 これがテレビだったら掴みかかって間違いなくスクラップにしそうな勢いでした。

 

 思わず映像をもっと間近で見ようとしたプレシアですが、その時、足がもつれてしまい、

 

「へぶしっ!」

 

 派手に転びました。

 

 

 

 

 

 

 

 突如発生した落雷の気配に、なのはは危険を察知し、かろうじて海上付近で踏みとどまっていたフェイトを突き飛ばしました。

 

「危ない!」

「へぶぅっ!!?」

 

 顔面に突っ張りをかましました。

 その衝撃でなのはとフェイトが後ろに飛び、その間に雷が落ちました。

 

 が、運悪くフェイトが吹っ飛んだ先に、最大級の雷が落ちました。

 

「ぎゃーっ!!!」

「フェイトォオオオオオオオオオオオッ!!??」

 

 アルフがリアルな顔で叫びました。

 

 その衝撃でジュエルシードがフェイトの元を離れ、上空にて生じた雲の渦の中へと吸い込まれていきます。プレシアが用意したと思しき転送術式です。

 

 そんなことなど私の知るところではないと敢えて顔を背けたなのはは、通信を開きました。

 

「クロノ君、そちらの準備はどうかね?」

『大丈夫だよ。既に用意はできるから』

 

 何故かエイミィが出ました。見れば彼女はもがくクロノを縄でふんじばっていました。

 どうやら椅子に座ったまま寝こけていたのでお仕置きされた模様。

 

「まぁそれはそれとして。敵の本拠地の座標は?」

『もう掴んだよ! 艦長!』

『了解。なのはちゃん、貴女達はアースラへ。武装隊員、突入準備!』

 

 リンディの号令に従い、30近い隊員らが転送されて行きました。

 

「ほう。あのような者たちがいるとは」

「本局の武装隊員、だね。簡単に言うと特別部隊だよ」

「特別部隊……特務隊……成程。さしずめギ○ュー特選隊のようなものか」

「全然違うよ」

 

 ともあれ。

 なのはは負傷したフェイトを抱えるアルフの元へ向かいました。

 

 

 

 

 

 アースラへ着くと、簀巻きのクロノが出迎えました。

 

「よぅ。お疲れさん。どうにかなったみてぇだな」

「君はどうにもならなかったようだね」

 

 ほっとけ、と視線をなのはからフェイトへ向けます。

 

「よ。こうしてまともに話すのは初めてだな? 俺はクロノってんだ。まあ安心しとけよ。一応危害は加えねぇから」

 

 イモ虫状態の男が真面目な顔で言っても何かが足りていない気がします。説得力……いえ、常識でしょうか。

 

 フェイトはなのはの陰に隠れてジト目で睨んでおります。死んだ魚みたいな目をしたロールパン状態の男とエンカウントすれば、たちの悪い夢と思うでしょうね。

 

 フェイトとアルフを伴い、リンディのところへ行くと、丁度武装隊員らがプレシアを包囲しているところでした。

 タイミングが悪かったか。なのはは心中で舌打ちしました。

 

 母親が逮捕されるところを見せるのは心が痛みます。

 

 なので、

 

「トゥシュ!」

「ぬめもっ!?」

 

 鋭いボディブローがさく裂しました。

 どう見ても追い打ちです本当にありがとうございました。

 

「なのは。いきなりそれはどうかと思うよ」

 

 ユーノが淡々と言いました。もう大分動じなくなってきています。適応力が上がった模様。

 

 のたうち回るフェイトの世話はアルフに任せ、なのはたちは映像を見ました。

 武装隊員の隊長らしき人物が、デバイスを構えて言いました。

 

『プレシア・テスタロッサ! アースラへの攻撃及びその他諸々の嫌疑で逮捕する! 武装を解除して速やかに登校……投降しなさい!』

『イヤ』

 

 若干いい加減な文句に、プレシアはキッパリ言いました。

 しかし一向に攻撃してこない彼女に不気味さを抱きつつ、隊員達は包囲を整えます。

 

 その時、クロノが通信を開きました。

 

「お前の目的は知ってるぜ、プレシア! テメェが昔起こした事故で死んだ娘、アリシアを蘇らすため、ジュエルシードの力を用いて伝説の都、アルハザードに向かう……あるかもしれねぇ場所を目指して、できるか分からねぇ死者の蘇生なんざお笑い草だ……!」

 

 過去の資料で発覚した、実験の失敗と娘の喪失。それからくる執念に駆られ、プレシアはジュエルシードを集めていると予測したのでしょう。確かに、彼女の豹変した理由としては順当でしょう。

 

 が、

 

『え?』

「え?」

 

 何言ってんのこいつ? みたいな顔されました。

 ドヤ顔で言ってしまったクロノも驚いた風に固まりました。

 

 プレシアはしばしの間、逡巡し、ややあってから、ちょっと焦った顔で言いました。

 

『そ、そうよ! 私の目的はただ一つ……アルハザードへの到達よ! 本当よ! 本当なんだからね!?』

 

 なんでそこだけ若者っぽい話し方なんでしょうか。

 なんだかごまかしたような感じがするのは気のせいでしょうか。

 

 その間、距離を詰めていた隊員らが確保にかかろうとしました。

 その直前、

 

『なんだ、奥に部屋が……!?』

 

 奥へ侵入していた別の武装局員らが、大変なモノを発見した。

 静観していたリンディたちが一斉に映像に目を向けます。

 すると、そこには、

 

「これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこは、小さな部屋でした。

 

 桃色の壁、天井で輝く照明の下、たくさんのおもちゃやぬいぐるみに囲まれて、一人の少女が座っていました。

 美しい金色の髪を持つ、幼い少女でした。しかしどこかで見たことのある容姿です。

 それは、見紛うことはない―――アリシア・テスタロッサその人でした。

 

「ちゃーん」

 

 少女はどこかぼぅっとした様子で、人形を手に遊んでいました。

 金髪の人形二人と、犬の人形と女性の人形を持って、楽しそうに遊んでいます。

 

「ちゃーん」

 

 突入した武装隊員らは顔を見合せます。てっきりプレシアが違法研究していたモノがあるかと思いきや、あったのはファンシーな雰囲気の部屋に座り込む少女。しかも、それは死んだはずのアリシアです。

 事態が把握できず、隊員らは困惑していました。

 

「ちゃー……んぁ?」

 

 はた、と。

 アリシアと局員らの目が合いました。

 

 すると、アリシアはそっと人形を置き、ニコリ、とまるで天使のように微笑み、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死ねェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちゅどぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!!!

 

 凄まじい爆雷が落ちました。

 

「「「「ギャアアアアアアアアアアアアアーッ!!!!」」」」

 

 一瞬で隊長以外が黒焦げになりました。

 

「なん……だと……?」

 

 思わず引け腰になる隊長は、自分に対して微笑む少女に戦慄しました。

 

 少女は女神のような笑みを携え、直後、世紀末的な表情を作りました。

 

「次は貴様の番じゃあああああああああああッ! とっととくたばるかそれとも死ぬのかどっちじゃあああああああああああッ!!!!!」

「イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」

 

 悲鳴が上がりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いけない、急いで転送! 救護班を用意して!」

「よっしゃ回復の泉だ! ザオリク使える奴いるな!? アモールアモール!」

「どやかましいわァアアアアアアアアアアアッ!」

 

 リンディがキックを叩きこみました。

 ゴミ箱に埋まる息子をスルーして、リンディは指示を飛ばします。

 

 静かな足取りでやって来たプレシアは、アリシアの部屋の前で、倒れ伏した局員らが転送されていくのを眺めつつ、言います。

 

『……私の目的はただ一つ! アルハザードに向かい、失った時を取り戻すことよ……!』

 

 なかったことにしました。

 なかったことにされました。

 

 後ろでドッタンバッタン暴れていたアリシアは、突然大人しくなると、またちゃーんちゃーんとどこぞの幼児のように遊び始めました。

 

『けどダメね、予想よりも多くのジュエルシードが揃ったとはいえ、この数ではアルハザードに辿り着けるかどうか……』

 

 が、どこか達観した様子のプレシアは、僅かに笑みました。

 

『まぁいいわ。時間がないし……ここで終わりにするわ』

 

 いけない、と思い立ち上がるリンディですが、今からでは到底間に合いません。

 

 彼女を止められないのか。一同が歯噛みする中、一人だけ、敢然と立ち上がる者がいました。

 

 

 

「それは違うのだろう、プレシア・テスタロッサ」

 

 

 

 なのはが因果を断ち切るように言いました。

 こう言うと何か格好いい感じがしますね。気のせいですが。

 

「貴様の目的は、アルハザードに行くこと……成程。それは事実であることに違いあるまい」

 

 しかし、

 

「自分の娘のために、行くわけではないのだろう?」

 

 まるで彼女の目的を知った風な口をきくなのはに、アースラ一同どころかプレシアまでもが驚きました。

 

「どういうことなんだい、なのは……?」

 

 ユーノが問いました。

 なのはは後ろにいるフェイトを流し見て、

 

「先日、彼女らの家にお邪魔させてもらった時に拝借したものだ。これが全ての始まりだろう?」

『そ、それは……!』

 

 かつてないほどの驚愕が、その場の者を襲いました。

 

 なのはが手にしていたのは、そう、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セーラー服姿で娘と共に笑顔を浮かべるプレシアさんの写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 わなわなと拳を震わせるプレシアが、写真が本物であると語っています。

 

 アースラは沈黙が訪れていました。笑いたい、笑いたいけれど、あの激怒三秒前なオb……プレシアの前で爆笑すれば、それ即ち死を意味します。エイミィは見えない場所をつねることで、ユーノは後ろを向くことで、リンディは俯くことで誤魔化しました。

 

「ギャハハハハうっわーマジかよ! あのババアいい歳してコスプレなんてしてやがんの! プレシアさんパネェっすよマジリスペクトだわうわ腹いてぇ……! ねぇねぇどんな気持ちっすか? みんなの前で恥ずかしい趣味暴露されてどんな気持ちっすか!?」

 

 ピンポイントで落雷が発生しました。

 

「だが、アルハザードを目指す理由がイマイチ分からんのでね。不老不死というのが候補だが、貴様がそのような俗な願いを求めているとは思えん。できれば理由を教えてもらいたいのだが」

 

 どうだろうか、となのはは問います。

 自分でこの緊迫した状況を生み出しておきながら図々しいと思わないんでしょうか。思わないんでしょうね。

 

『……いいわ、冥土の土産に教えてあげる』

 

 その言い草はラスボスっぽいですがとても陳腐です。

 

 いよいよ彼女の本当の目的が明かされる……傾聴する者たち生唾を呑みました。

 

 プレシアは、静かに語りだしました。

 

『……かつてミッドチルダで生活していた頃、私はとても―――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『モテました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 ほぼ全員が耳を疑いました。

 

『結婚し、一児の母となった後も、私はモテた。人生における三度目のモテ期……夫を亡くし、未亡人となった私に心惹かれる男は多かった! しかしアリシアがちょっとアレになった影響で鬱が入っていた私は、人生三度目にして最後のモテ期を逃してしまった! 若若しく着飾ってもダメだった、何故なら失われた時を取り戻すことなどできないから! 見た目を若く見せても無理なものは無理だった! だけどそんな時、私はアルハザードの存在を知った! これこそまさにビッグチャンス! 神の導き! ピンチこそチャンス! 一縷の望みを託し、ジュエルシードを集める作業に入った! 何故ならそれがラストチャンスだと思ったから! 失われた時を取り戻すために……かつて到来したモテ期を取り戻すために!』

 

 鼻息荒く熱弁を振るうプレシアとは対照的に、観客の熱は氷点下まで一気に下がっていました。

 

 誰もがこう思ってました。

 

((((アホくせぇ……))))

 

 なのはでさえも白けた目で虚空を眺めています。

 

 プレシアは最後に、どこか遠くを見つめながら、言いました。

 

『思えば、私の若く美しく着飾ろうという努力は、過去の私が残してきた後悔……忘れ物、なのかもしれないわね』

 

 そりゃアンタの趣味だろ―――誰もが思いましたが突っ込みませんでした。

 

「プッ。あ、すいませんね。あいにくと正直者でして」

 

 噴き出したクロノは直後、落雷にあたって昇天しました。

 

「……そんな理由で、貴方はフェイトちゃんをこき使っていたというの?」

 

 エイミィが苛立たしげな様子で問いましたが、これにはプレシアも反論しました。

 

『何を言ってるの? フェイトは自分からやると言い出したのよ。私はそんなことしなくていいと言ったのに……まぁ、母さんのために働いてくれるのはとても嬉しかったけど』

 

 良識ある母の発言に「あれ? 私間違ったこと言った?」とショックを受けるエイミィ。それは勘違いじゃないです。間違ってるのはこの世界と空気と貴女の趣味です。

 

「チッ、プレシアめ、フェイトを都合の良い人形扱いしただけじゃ飽き足らず、そんなくだらないことにフェイトをこき使ってたなんて……!」

「ねぇアルフ。人形って、どういうこと……?」

 

 問うてから、ユーノははっと気付きました。彼女が過去に研究していたものに、人造生命関連のものがありました。

 先程見たアリシアという少女は、フェイトと瓜二つです。しかし記録にフェイトの存在はなかったはずです。

 まさかクローンか、と最悪の答えが浮かびましたが、予想に反し、フェイトがえ? という顔で振り向きました。

 

「ボクはアリシア姉さんの実の妹だよ? 隠し子的な扱いはされてたけど……。クローン? 何それ」

「じゃあ人形って……?」

「ああ。プレシアのヤツ、フェイトに色々な格好させて悶えて鼻血出してはまた次の恰好させて……まるで人形じゃないか! クソッ、アタシだってフェイトを愛で……大事に思ってるってのに!」

 

 言葉の意味が全然違いました。

 

「人形て……そういう意味か……」

 

 ユーノがすごい勢いで俯いています。同情した分だけ落ち込み具合がハンパ無いようでした。

 

 もうプレシアがジュエルシードを持って何してもどうでもええわ……アースラ艦内にいる者たちは一人残らず思考を放棄しました。

 

『そうだわ。……そこにいるかしら? フェイト。良い機会だから、一つ言っておきたいことがあるの』

 

 と、視聴者一同が凍りついている間に、プレシアがぶっ倒れていたフェイトを呼びました。

 

『貴女を育てていて思っていたの……、私はずっと、貴女のこと―――』

 

 よせ、と誰かが言う前に、プレシアは言いました。

 

 言ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――お馬鹿さんだと思ってたのよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 言っちゃいました。

 

「そ、そんな……」

 

 茫然自失とした様子で崩れ落ちるフェイト。

 

(気づいてなかったのか……)

(気づいてなかったのね……)

(気づいてなかったんかい……)

(気づいてなかったんだ……)

(気づいてなかったんか……)

「気づいてなかったのかね?」

 

 さすがのクオリティを披露するなのはでした。

 

「な、なんだとぉ!? ボクはそんなに馬鹿じゃないやい!」

「ハハハ母親公認なのだよ? 馬鹿と認めたまえ……!」

「うるさい! 馬鹿っていうオマエはもっと馬鹿だバァーカ!」

「バカという君はもっと馬鹿馬鹿しいわ!」

「さ、三回も言った! 言った! 三倍馬鹿だっ!」

「この女……!」

 

 なんだかんだで仲の良い二人でした。

 

 映像の中で、既に準備を整えたプレシアは、入手した全てのジュエルシードを解放しました。

 

『今こそ行くのよ、アルハザードへ! そして取り戻すのよ、モt……全てを!』

 

 モテ期と言わないだけの理性は残ってるようでした。

 

 放っておいてもいいんじゃないかな、と誰もが思っていました。

 が、

 

「次元震、更に増大! このままでは危険です!」

 

 放置しておくと世界的危機が訪れてしまうようです。

 ですがなんでしょう、このイマイチやる気の出ない感じは。恐らく史実として後の歴史書や教本に名を刻むならこうなるでしょう。

 

 モテ期を取り戻すべく命を賭けたプレシア・テスタロッサ 〜年増は死の香り〜

 

 読者の抗議が殺到しそうでした。

 

 クロノは黒焦げのままパネルに突っ伏し、エイミィは呑気に欠伸をし、リンディは何故か真剣な顔で映像を見ており、ユーノは危険が迫っていることに慌て、アルフはフェイトを慰めています。

 

 そんな中、なのはだけは動いていました。

 

「では艦長。少し出かけてくるよ」

 

 え、と振り向く皆の視線の先で、なのはは言います。

 

「彼女がどうしようと正直知ったことではないが……」

 

 ちらり、と落ち込むフェイトを見、映像の中で笑うプレシアを捉えました。

 

「少々用事ができたのでね。面倒だが殴りこみをかけてみようと思う」

 

 どこかやる気をみなぎらせ、なのははニッ、と強く笑ったのでした。

 

「ついでに人に魔法かました迷惑料を請求しに行かねばな……」

 

 そういうことだけはしっかりしてました。

 

 

 

 

 

 

説明
「世界を救って……」「無理に決まってるではないか」しかし目覚めると見知らぬ世界、見知らぬ身体。異なる世界から意識を飛ばされ、しかも魔法少女の体に乗り移った主人公!失った記憶と肉体と尊厳、所持するものは知識のみ!諦めろ、魔法少女が許されるのは子供のうちだけだ……!「ダメだよなのは!魔法使って暴力沙汰はいけない……!」やかましい。「では行こう。まずは話し合いだ」ただし肉体言語的な意味も含めて。 ※注意:この作品では主人公を筆頭に原作キャラが一人残らず人格或いは外見の改変を受けており変態の巣窟と化しております。あらかじめご了承ください。
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