ある外史のメイジ4 ― 烏焉魯魚 ―
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「 ― 五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、使い魔を召喚せよ」

俺が使い魔召喚(サモン・サーヴァント)の呪文を唱えると、目の前に 銀色の鏡のような召喚のゲートが開く。

ここまでは問題ない。ゲートから現れる存在が問題なのだ。

しばし待った後ゲートから現れたのは河豚。威嚇か水圧差のせいか身体を膨らませる。

「またですか」3たびゲートから現れた魚介類にため息を漏らす。

俺の足元には河豚のほかに鰻と鰤。先に呼び出した二匹はすでに事切れている。

「次は水槽を用意しておくべきですかね」遅まきながら鰤の血抜きをしつつぼやく。

「なんじゃ陳簡、何かしておると思うたが、どこから魚なんぞ持ってきたのじゃ」

養蜂場から戻ってきた、作業ツナギに髪をおさげにした美羽がこちらに寄ってくる。

「いや暇が出来たので、使い魔を召喚しておりました。ただ、どういう訳か私の召喚する使い魔は魚介類に限定されるのです」

魔法学院の進級試験でも鶏魚(イサキ)、鱧(ハモ)、鮭、ブラックバスと呼び出し、5度目の鮎を呼び出したところで保留となった。俺が水メイジといってもこれはないだろ。

コルベール先生は「試験結果は学院長の判断を仰ぎますが、召喚には確実に成功しているので進級は問題ないでしょう」と言ってくれたが、中原に飛ばされて戻れない現状では意味はない。

まあ、戻る気もないが。家も双子の妹が薔薇フリルでも婿に貰って後を継ぐだろう。

「それでどうするのじゃ?」

「どうするとは何がです?」

問いかけに対する俺の返答に顔を顰める美羽。

「魚と蛇のような物の事に決まっておろう。お主のその口癖はいささか勘にさわるぞ。気づいておるか?」

「それが私の悪徳でして。

 それから魚は勿論、夕食にしますよ。鰤は膾、鰻は白焼きにします。河豚は毒があるかもしれないので食べませんが」

血抜きが終わったので、氷の壁(アイス・ウォール)を利用して氷締め用の氷箱を作りながら答える。

「そうかや。で、使い魔とやらはどうするのじゃ?」

「今日はもうお終いです。また暇が出来たら、水槽を用意して試してみますよ」

氷箱を浮遊(レビテーション)で運びながら俺は美羽を連れて、家に戻って行った。

 

その時は、考えもしなかったのです。

まさか、このように名状しがたき物を呼び出してしまう事になるなんて……

「ジル・ド・モンモランシ=ラヴァルここに罷り越した。

 我を呼び、我を求め現界せしめた召喚者。貴殿の名をここに問う。其は何者なるや?」

俺に問いかけを発するのはローブを纏い身長2mに届こうかという男。左手には皮の装丁の本を持っている。

そのインスマウス面はどう見ても青髭の旦那です。

「どうしてこのような事になったのでしょう」

「いえ、貴方のせいでしょ。魚を呼ぶのに飽きたからって、サモン・サーヴァントの呪文を変えて、魔法陣まで用意したのは」

遠い目で語る俺に突っ込む貂蝉へ返す言葉はなかった。

 

 

 

 

《ヽ◎Д◎》    ⌒゚( ´∀`)゚⌒  ∩( ゚ω゚)∩    

説明
魚を食べると頭が良くなる。
使い魔を呼ぶと魚になる。
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タグ
恋姫†無双 ゼロの使い魔 Fate/Zero 

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