ぬこの魔法生活 第18話
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 ◆ 第18話 淫獣確定 ◆

 

 

 いきなり戦闘(不本意)に介入してぬこTsueeee!! とか思われてるかもしれないけど、そんなことはないんだぜ?

 どうも、みぃです。

 

 現在、クロノに連れられ、彼らの本拠地に移動しているところです。

 で、おどおどしてるご主人と一緒にユーノに此処や管理局とやらの説明をしてもらっている訳です。

 魔法があってファンタジーとか思ってたら、急にSFが混じりだしたんですががが。

 

 「ああ、いつまでもその格好では窮屈だろう? バリアジャケットは解除しても平気だよ」

 「え、ああ、そう、ですね」

 

 指摘されたのが恥ずかしかったのか、微妙に頬を染めたご主人はそのままいつもの制服姿に。

 ぬことユーノは別に何も解除するものなんてないはずなんだけど……?

 

 「君も元の姿に戻ってもいいんじゃないか?」

 「そうですね、ずっとこの姿だったから忘れてました。」

 

 ん? なんかおかしくね? 元の姿って……

 そんな事を考える暇もなくユーノの身体が光に包まれる。

 そして、光が収束してそこに現れたのは……ご主人と同じぐらいの年頃の短パン小僧が!

 

 「ふぅ、なのはたちにこの姿を見せるのは久しぶりになるのかな?」

 「え、えぇーーーッ!!??」

 (貴様……ッ)

 「えっと、君たちの間で見解の相違でも?」

 

 こいつ、やっぱ人間だったんじゃないか! とんだ変態だな! 淫獣から昇格だよッ!!

 

 「えっと、なのはは最初にあったときはこの姿だったよね?」

 「違う、違うもんっ! 最初からフェレットだったよ!」

 (有罪確定だな、この淫獣。……クロノ)

 「…なんだい?」

 (愛玩動物になって公衆浴場とかに侵入したり、少女の着替えを覗こうとするのは罪にならないか?)

 「有罪だな。弁護士はいるか? 淫獣」

 「ちがっ、違うよ! 誤解だってッ!? それに全部君が妨害してたじゃないか!」

 (言質取ったり)

 

 妨害されたってことは、意図してみようとしてたわけですよね?

 つまり、ギルティ!

 

 「ユーノ君……」

 「誤解だぁーー!」

 

 そのまましばらく、白い目で見られるユーノであった。ざまぁないです。

 

 

 

 そんなこんなで艦長さんがいらっしゃる部屋にやってきました!

 うん、やってきたのですが……何コレ?

 

 (なぁなぁ、クロノ)

 「さっきから妙に馴れ馴れしいな……なんだ?」

 (何? このミスマッチ空間は)

 「……母さ…艦長の趣味だ」

 (……すばらしいご趣味ですね)

 「あら、ありがとう」

 

 嫌味ですよ。と言うか日本の文化なめんな。

 で、ユーノによる事情説明が始まると思いきや。

 

 「さて、先ほどの妨害の件について何か弁明はあるか?」

 

 なんかぬこの事情聴取が始まったよ! しっかり根に持っていたらしい。

 

 (はて? 妨害とか言われましてもね。ぬこのあれは正当防衛ですよ?)

 「白々しい。明らかにあの黒衣の魔導師を守っていたじゃないか!」

 (そんなこと言われましてもぬこは自分の身を守っただけでしてね?

 その先にフェイト嬢たちがいたとしてもそれは不可抗力というものでなくて? さぁ、何か文句でも?)

 「ぐぬぬ……」

 

 何がぐぬぬだ!

 とまぁ、冗談さておき、意図的にフェイト嬢の前にいたんだけどね。

 完全に故意に守りましたとも。

 

 「相変わらず猫さんに弱いわねぇ、クロノは」

 (何と、トラウマでもあるんですか?)

 「実はねぇ、小さいころに―――」

 「母さんっ! それより今は彼らから事情を聞くのが先でしょう!」

 (自分からぬこに尋問し始めたくせに)

 「ねぇ?」

 「そこっ、うるさいです!」

 

 というわけで、ようやくユーノの説明タイムが始まったのである。

 ぬこはあんまり興味ないので半分聞き流そうとしていたら、ご主人からの念話が。

 

 (ねぇ、みぃ君。さっきのお話って……)

 (嘘です。超嘘です。普通にフェイト嬢を助けましたとも。

 ご主人もあの場所にいたらやるでしょ?)

 (うん、そうだね。嘘はいけないけど、それなら許してあげる!)

 

 「コラ、そこの二人もちゃんと聞いててくださいね?」

 「あ、はい。ごめんなさい」

 (申し訳ないですー)

 

 叱られたのでちゃんと話を聞くことに。ぬこが聞いててもしょうがないと思うんだけどねぇ。

 そんなぬこに比べて優秀なご主人はロストロギアについて質問していたりする。

 ふむふむ言ってるご主人も可愛いです。

 でも、多分分かってないんだろうなぁ、微妙に顔引きつってるし……

 

 (あの、みぃ君? 結局どういうものなの?)

 (んー、例を挙げるならですね。風○谷のナ○シカに出てくる巨神兵みたいなものですよ)

 (なるほど! なぎはらえーってやつだね!)

 

 ご主人が言うと恐ろしく似合いますね。

 まぁ、そんなこんなで事情説明と

 ロストロギアの危険性とやらについての説明が終わったのである。

 シリアス顔でお茶の中に角砂糖を入れる艦長さんパネェ。苦くて飲めないなら、飲むなよ!

 うえっぷ、スプーンでかき混ぜてるけどじゃりじゃり言ってんですけど。完全に飽和砂糖水だよ!

 

 もういいです、ぬこやご主人が飲むわけでもなし。

 身内で止めてないなら、処置なしってことなんでしょう。

 

 それはさておき、この件から手を引くように言われたご主人だったけど

 うちのご主人がそんなことで引くわけないじゃない。

 とりあえず、じっくり考えてみてそれから決めるということになりました。

 時間を置かなくてももう決まってると思うんだけどね。

 

 

 

 

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 んで、公園まで転送してもらってようやく帰路につくことに。

 それにしてもユーノの人間形態は見慣れないですね。誰だよ、この短パン小僧って話です。

 お前、絶対コラッタ持ってるだろ……

 

 「えと、もしかして怒ってる?」

 「ううん、そんなこと―――」

 (怒ってる、超怒ってる。できるなら恭也さんにチクってぶっ飛ばしてもらいたいぐらいに)

 「みぃ君っ! もう、なんでそんないじわるするの!」

 (痛っ、止め、ご主人、冗談、あだっ!? 冗談です!)

 

 ぬこがグチグチと文句言ってたら、レイジングハートでポコポコ叩かれてしまった!

 

 「何割ぐらい?」

 (そりゃー8割方本気……すいません)

 

 ご主人が怖いので冗談は止めることにする。冗談じゃなかったけど。

 

 「あはは……とりあえず普段はこっちの状態でいることにするね?」

 

 そう言うといつものフェレットに戻るユーノであった。

 

 (さて、帰ったらお母様たちにちゃんと話さないと、ですね)

 「うん……また、心配かけちゃうね……」

 (……そうかもですね。だけど、お母様たちはちゃんと分かってくれますよ。

 んで、全部終わったらみんなに心配かけてごめんなさい、心配してくれてありがとうって言って

 思いっきり甘えてあげればいいのです)

 

 恭也さんとか士郎さんはもっと甘えて欲しいって、よくぬこに愚痴ってるからねぇ。

 相変わらず甘えるのが下手なご主人である。

 

 「そうだね……とりあえず、フェイトちゃんのことが先だもんね」

 (そうそう、何事も前向きにです! 迷わず、ひたむきに!

 大丈夫、フォローはちゃんとぬこたちが引き受けますよ!)

 「そうだよ、なのは」

 「うん! ありがとう、みぃ君、ユーノ君!」

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 そして、夜になりユーノのアースラの人たちへの交渉が着々と進んでいるところであります。

 

 「いいでしょう。

 ただし、両名ともこちらの預かりになることと、必ずこちらの指示に従ってもらうことになります」

 

 ………“両名”は、ねぇ。

 ま、とりあえずうまくいったことだし、しばらくは向こうで生活しなきゃならんつーことか。

 ぬこ用の食事とかあるのかしら? あと、トイレとかはさすがにないような気がする。

 もしかしてこっちから持っていかないといけないとかそういうことですかね。

 まぁ、ご飯はぬこは猫まんまがあれば何とでもなるけど……トイレェ……

 

 

 

 

 で、ご主人のお母様の説得も終わり、ご主人はアースラ出航の準備中。

 そんな中、ぬこは今お母様と二人っきりであります。

 

 「みぃ君。なのはのこと、お願いね? あの娘はすぐに無茶をする娘だから……」

 

 分かってます。ぬこがちゃんと守ります、ぬこの大事な家族だからね。

 全部終わったら、よくやったって褒めてあげてくださいね?

 ご主人はたぶん自分から甘えるのがすごく下手だから。

 

 「ええ、わかってるわ。みぃ君も褒めてあげるんだから、ちゃんと無事に帰ってくるのよ?」

 

 了解ですよっと。

 さて、ご主人の準備も終わったようですし、行きますか!

 

 

 

 

 ◆ あとがき ◆

 読了感謝です。

 ユーノが淫獣確定となりました。ギルティですよ、ギルティ。

 

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